今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『ラウターブルネンの谷のトレイル』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、徳島県の岩島・大辰巳島の『前人未踏の辺境クライミングルートを登る麻莉亜』。そして、ペギー葉山の『南国土佐を後にして』で全国的に有名なったはりまや橋を記念した『はりまや橋公園Ⅱ』です。あの微笑を浮かべたやさしいペギー葉山の顔が頭に浮かんできました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■■『ところが間のわるいことに、密談を耳にしたちょうどそのところを、ひとに見咎められ申した。はっきり聞いたと断定したわけではないにしても、彼らはわしが密談を聞いたのではないかと疑った。今も疑っている』

『ははあ、それであの見張りですか』

 

『夜も昼もだ』

成瀬は鼻のつけ根のあたりを、指で揉んだ。かなり疲れているように見えた。

『外に出れば人がついて参る。用があって出かけると、要所要所には人が配ってあるというぐあいだ』

『・・・・』

 

『わしは耳にしたことを、誰かに伝えねばと思ったが、はじめに誰に話していいのかわからなかった。本来は殿にじかに申し上げるべきものであろうが、わしにはそのつてがない。ようやく、反対派の誰かに話せばよいと気づいたが、見回してみると申したような有様だ。たとえば遠藤さまのお屋敷に駆け込むとしようか。駆け込む前に斬り合いがあるのは必定として、さっきも申し上げたごとく、はたして先方がわしの申すことを信じてくださるかどうかは甚だ疑問だ』

 

『そこでそれがしを思い出されたのですな』

と清左衛門が言った。

『それはよい思案と存じますぞ。で、その密談とは・・・』

『それは聞かれぬ方が、御身のためではあるまいか』

 

『いや、乗りかかった舟。さわりだけでも、うかがっておきたい』

『毒を飼うと申しておった』

『どなたに?』

驚愕して清左衛門は成瀬を見た。

 

『殿? それとも御世子に?』

成瀬喜兵衛は首を振った。くぼんだ頬にくっきりと深い皺がうかび出て、これ以上は一言もしゃべらぬという顔つきに見えた。

清左衛門は銚子を取り上げて、成瀬に酒をついだ。

 

『ご安心ください。明日にでも間島さまに取り次ぎましょう』

『よしなにお頼みしますぞ』

『しかし、さぞお苦しかったことでしょうな』

 

■■<『有働由美子X草彅剛』⑧『新しい仲間が増える喜び』>

有働:先日、草彅さん、香取さん、稲垣さんの番組『ななに! 地下ABEMA』に、ひろゆきさんが出ていたのを見ました。

草彅:ありましたね。

 

有働:その番組で、ひろゆきさんが、草彅さん達と元ジャニーズのタレントがサウナで対談する企画を提案したんです。私は『それやってどうするんだ? 面白いか?』と思っていたら、草彅さんが『面白いですか、これ?』ってバッサリおっしゃったんです。

 

草彅:言ったね。

有働:ひろゆきさんが言うと、『斬新。さすが』という空気になりがちですけど、あの流れでズバッと。凄いなと思ったんです。

 

草彅:バラエティなんだと分かっていますが、『嘘は尽きたくない』という思いもあるんですよね。

有働:テレビは昔ながらの『お約束』が重視されがちです。

 

草彅:僕らもディレクターさん達に教えて貰いました。『同じことを3回重ねるのが天丼(ボケなどを繰り返して笑いを起こすこと)とか、『振り、落ち、フォローが鉄則だ』とか、笑いの方程式がありました。でも今はそういう時代ではないよなぁ、という思いもあるんです。

有働:昔ながらのテレビの作り方に、視聴者も飽きてきている面もありますよね。

 

草彅:『とにかく盛り上げよう』というのが基本ですが、自分としてはあまり嘘はつきたくない。それに見方によっては、『なんでこの人だけ冷めてるの?』って、逆に面白くなる場面もある。だから、テレビであっても、出来るだけ無理をしない方がいいと考えています。

有働:草彅さんがジャニーズ事務所を退所してからもう7年になります。振り返ってみて、この期間はいかがでしたでしょうか。

 

草彅:最初は本当にっどうなるか分からなかったので不安でしたね。特にテレビにも出られなくなって。

有働:周囲から人がサーと消えていって。

 

草彅:みんな離れていくし、テレビ局の人達はなぜか周りからいかくなるし。その反面、1つ仕事が決まるだけで滅茶苦茶嬉しかったです。少人数でも同じ方向を向いている仲間がいる楽しさを感じることが出来ました。

有働:環境が整っていた状況から、それがなくなったことで、発見したことがたくさんあったということでしょうか。

 

草彅:その方が楽しそうだ思ったので、自分箱の道を選んだんですよね。

有働:それこそ当時はYouTubeやSNSでの発信に事務所側の制限があった中で、草彅さんは退所していち早く始められましたね。

 

草彅:今ではもう当たり前になっていますけれど、当時は勇気を出して飛び込まないと出来なかったことだったんですね。数年前、少しずつ映画や舞台にも出て、テレビドラマに出られるようにもなりました。仲間達が徐々に増えていった喜びは忘れ難い。もちろんグループで活動していた時も最高だったけど、もしかして今の方が毎日、ドキドキする時間を過ごせているのかも知れない。

 

■■<大瀬良大地投手の『ノーヒットノーラン』記事記録――その①朝日新聞>カープの大瀬良大地投手が、7日のロッテ戦での『ノーヒットノーラン』を達成した。その報道記事、朝日新聞版は、とてもうまく巧なる記事内容であった。記録のため収録する。その①は朝日新聞――。

 

◆『復活の129球、光る投球術』 最後の打者を右飛に打ち取ると、大瀬良は仲間の歓喜の輪に埋もれた。129球で無安打無失点試合を達成。『まだ信じられない。こういうものには無縁だと思っていた』と笑った。

 

最大のピンチは9回。2死から2人連続で四球で歩かせた。『いつ打たれるかなと思っていたけど、せっかくここまで来たら出来たらいいなと思って、最後の気力を振り絞った』。大記録を成し遂げた。

 

この日が260試合目の登板だった。昨年まで5年連続で開幕投手を務めていたが、昨秋に右肘を手術したこともあり、今年は同期入団の九里に譲った。それでも、『焦らずじっくりやる』と復活の道を歩んできた。『苦しいことを経験しても、それを糧にして学びながらと思っていた』。

 

この日は2回に30球投げるなど、3回を終えるまでに54球を投げていた。ここから打たせてとる省エネ投球が光る。今季は通算1,000奪三振も記録したが、『バンバン三振を奪うタイプではない。打たせてとるタイプなので』と自分の投球に徹した。終盤には『打たせるんで頼むよ』と野手に語り掛けるほど、最後まで余裕があった。

 

自身にとって交流戦での勝利は2019年以来。久々の勝ち星が大記録となっても、『チームが勝てたのが一番。次の試合が大事になってくる』。喜びもそこそこに、前を向いた。(上山浩也筆)

 

◆文章に練りが聞いて、品があるねえ。地元紙の記事とは一味も二味も違うものだ。素晴らしいと思う。朝日新聞もスポーツ記事だとして、手抜きをしないのだねえ。つい前まで、運動部で広島駐在だった、藤田女性記者の記事も卓越していいものだった。

 

■■<『朝日俳壇』>

 晩年や何を今更更衣        (苫小牧 男性)

 飛行機雲伸びればいよよ夏の空   (江津  男性)

 籐椅子に座したるママンい逝きし人 (東京 女性)

 こんなにも遠くまで来て蟻一つ   (稲城 男)

 輪に結って茅神々し夏祓      (東京 男性)

 

 飛びぬけて丈の高きが今年竹    (尼崎 男性)

 溝浚へかつて鮒など獲れし川    (野田 男)

 田植笠バーベキューにもよく似合ふ (下呂 女性)

 開拓碑かこむ美田や麦の秋      (春日部 男性)

 上手に飲めとラムネの玉に言われけり (境港 男性)

 

■■<カープ 新井監督が羽月の三盗を絶賛『勇気が素晴らしかった』、矢野に代打送らず『何とかしてみろと』『何とかしましたね』>

『楽天0-1カープ』(14日、楽天モバイルパーク)

カープが延長戦を制し、交流戦の勝率5割以上を確定させた。2位・阪神が敗れたため、ゲーム差を3に広げた。

 

若鯉が接戦の終盤に躍動した。0-0の延長十一回、二俣が右前打で突破口を開くと、ベンチは代走・羽月を投入。羽月は秋山の犠打で二塁へ進むと、続く矢野への2球目に三盗を決めた。1死三塁から矢野が決勝の右犠飛。機動力を駆使して得点するカープらしい攻撃で、均衡を破った。試合後の新井貴浩監督(47)の一問一答は以下の通り。

 

――最後はいい攻撃で、決勝点を奪った。

『若い選手が食らい付いてもぎ取った1点だったと思います。マティ(二俣)も追い込まれながらよく食らい付いたし、アキ(秋山)もしっかり送ってくれて。あそこで羽月もよくスタートを切ったし、矢野も難しいボールを犠牲フライまで運んでくれて。いつも『戦いながら強くなっていく、成長していく』と言っているけど、本当に若い選手が成長してくれているなと感じるゲームでしたね』

 

――羽月の三盗。

『こちらは隙があったら行けと言っているし、あの場面でスタートを切って決めた羽月の準備、勇気が素晴らしかった』

 

――矢野の打席で代打・松山を送らなかった。

『こちらとしては「何とかしてみろ」と思って見ていました。「よし、矢野、何とかしてみろ」と。何とかしましたね。成長していますよ、素晴らしい』

 

――(自ら)

『まぁでもまずは大地よね。相手もいいピッチャーだった。試合前から絶対にロースコアになると思っていた。ビジターだし、とにかく先に点を与えたくないなと思っていた。そこを大地が今日も期待通りのピッチングをしてくれた』

 

◆まっこと、すばらしき若鯉達ではあるなあ。羽月、矢野の成長には目をみはるばかりだ。特に矢野の努力は、必死ま気持ちが顔に現れているからなあ。すっばらしい!