今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『ミューレンからの下山道で見つけたおいしい野イチゴ』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、徳島県の岩島・大辰巳島の『前人未踏の辺境クライミングルートを登る麻莉亜』、『大瀬良のノーノーを1面トップで報じる地元紙』。そして、4月に『牧野植物園』を訪れた際に観光した『高知城』です。江戸の時代に入り、浜松6万石藩主から高知24万石に封された『山内一豊』が築いた城だ。あの『一豊の妻・千代』の物語で有名だ。

 

土佐は長曾我部の領地だったが、関ヶ原で西軍に味方したため取りつぶしにあった。長曾我部の武士たちは、皆放逐されて農民に成り下がった。が、武士の面目を配慮して一豊は彼らに『郷士』という身分を与えた。維新の時代の、武市半平太、岩崎弥太郎、坂本龍馬などはみなこの『郷士』にあたる。

 

とにかく一豊は反発心の激しい土佐の国統治のためには苦心惨憺した。そのために領内から力自慢の者を集めて、大相大会実施の『触れ』をだして、集まった力自慢300人を強殺したりしている。熊本に封せられた加藤清正は、反対に領民ファーストを旗印として、領民が悩まされていた治水、産業振興などに力を入れ、今でも『清正公信仰』としてたたえられている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            <板垣退助の像>

 

         <山内一豊の妻、千代の像>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■■不安のもとは、成瀬喜兵衛が朝田派の人間だということだった。清左衛門は、先頭に立って働いているわけではないとしても、動かせない遠藤派である。おしまが部屋を出て行ってから、とっくに1刻は過ぎているだろう。と、すると時刻はおよそ五ツ半(午後9時)を回ったはずである。遠藤派の人間が、深夜に明白は朝田派の人間と会って、何らかのさし障りはないものだろうか。

 

――むろん・・・。

わしはそんな大物ではない、と清左衛門は思った。もと用人という経歴は軽からざるものだが、仕えたのは前藩主で、今の身分は隠居である。派閥に何かの影響をあたえるような人間ではない。

 

しかし誰かが、怪しからぬ罠を仕かけ、朝田派の成瀬喜兵衛に会ったことが清左衛門本人、あるいは三屋家、さらには遠藤派という派閥に不利な結果をもたらす、ということがまったくないとも言えまい。

 

――少し軽率だったかな。

と清左衛門は思った。どうも佐伯に聞いた、成瀬がボケたという話が頭の隅にあって、成瀬にいらざる同情心を抱いたのがまずかったようだと思った。

 

清左衛門は銚子を傾けたが、酒はもうなかった。ほんのひと口ずつ盃をふくんだつもりだが、一刻も経てば酒もなくなる。もう十分に待った、来なければ来ないでそれでもよいと清左衛門は思った。

 

手を叩いておしまを呼ぼうとした時、まるでその気配を察したように、襖があいておしまが入って来た。おしまの顔にあわただしいいろがある。

『申しわけありません。こんなにお待たせして』

とおしまは詫びた。

 

『成瀬どのが参られたか』

『それがちょっと・・・』

おしまはひらりと身体を動かすと、清左衛門のそばに来て耳打ちした。

 

■■<世界企業1~3月増益企業『米アルファベット首位、2位アマゾン』>2024年1~3月期の世界企業の最終損益を前年同期と比べると、改善額のトップは米グーグル持ち株会社の『アルファベット』だった。生成AIブームを追い風に、米テック大手は関連需要を取り込み稼ぐ力を高める。

 

2位だったアマゾン・ドット・コムの純利益は104億ドルで、前年比3倍になった。アルファベット同様クラウドコンピューティングが業績をけん引した。マイクロソフトは6位だった。

 

◆げにげに恐ろしき世界の数字ではなるなあ。悪化のベスト10にもアメリカ企業が多い。浮沈の波のなせる技なりだなあ。日本企業はどちらにも顔を出さず、ただただ波間に揺れるだけの存在であるらしい。

 

■■<『有働由美子X草彅剛』②『みんな天才なんですよ』>

有働:草彅さんが主演を務める映画『碁盤斬り』が、5月17日から公開されました。演じるのは、身に覚えのない罪を着せられたうえに妻も失い、故郷の彦根藩を追われた浪人の柳田格之進。彼は、清原果耶さん演じる娘のお絹と2人で、江戸の貧乏長屋で暮らしています。実直な人柄の格之進は、ある切っ掛けで冤罪事件の真相を知らされ、命を懸けた仇討ちの旅に出かけていきます。

映画を拝見して、草彅さんの敵に対する鬼気迫る表情に圧倒される一方で、作品の重要な要素でもある碁を打つ場面の静かな佇まいにも目を奪われました。お名前の出た、つかさんをはじめ先輩方が草彅さんを『天才』と評するのも納得です。

草彅:つかさんは適当に言っているだけなんですよ(笑)。そう言った方が楽。つかさんは役者をその気にさせるために誰にでもそう言っているんです。ただ、僕から言わせたら、この世界で活躍している人は皆が天才だと思います。

 

有働:と、言いますと?

草彅:役者さんにはそれぞれ個性があり、みんな天才だと思わせる能がある。『碁盤斬り』だと、清原さんもそうだったし、中川大志君もそう。有働さんも天才ですよ。

 

有働:いやいやいや。

草彅:生放送であれだけ臨機応変に対応出来るのは凄い。僕にはないから。それぞれ才能のバリエーションが違うだけなんです。

 

有働:ただ、役者の皆さんは他の方と比較されたり、評価されることもあるじゃないですか。

草彅:20代の頃はあったかも知れません。今も、他人が全く気にならないと言ったら嘘になりますが、過去の自分と比べて成長しているかどうかの方が大事ですね。自分が昔よりも劣っていることの方がもっと悔しいです。

 

有働:それはいつ頃から感じるようになりましたか?

草彅:35歳くらいからですかね。

 

有働:何か切っ掛けがあったんですか?

草彅:ちょうと酔っぱらってお騒がせしてしまった頃ですね。

有働:なるほど。ありましたねえ(笑)。

 

■■<何をいまさらだねえ、『2023年の出生率1.20、過去最低を更新 東京都は0.99』>厚生労働省は5日、2023年の人口動態統計を発表した。1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は1.20で過去最低を更新した。出生数や婚姻数も戦後最少だった。経済負担や働き方改革の遅れから結婚や出産をためらう若い世代が増えた。少子化と人口減少が加速してきた。

 

出生率は16年から8年連続で低下した。これまでの最低は22年と05年の1.26だった。国立社会保障・人口問題研究所が23年4月に公表した将来人口推計の仮定値(中位、1.23)を下回った。年齢別の出生率をみると、最も落ち込み幅が大きかったのは25〜29歳の女性だった。第1子出生時の母の平均年齢は31.0歳となり、初めて31歳台になった。

 

地域別にみると、出生率が最も低いのは東京都の0.99だった。1を割り込んだのは東京だけだった。埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県はいずれも1.1台にとどまり、都市部で低い傾向があった。最も高いのは沖縄県の1.60だった。全47都道府県で前年を下回った。

 

外国人を除く出生数は前年比5.6%減の72万7277人だった。死亡数は前年比0.4%増の157万5936人と過去最多だった。出生数は17年連続で死亡数を下回り、出生と死亡の差である自然減は84万8659人。前年よりも5万人多く、人口減少のペースが加速している。

 

出生率の低下は未婚化や晩婚化など様々な要因が影響している。婚姻数は前年比6.0%減の47万4717組で、戦後初めて50万組を下回った。婚外子が少ない日本では婚姻数の減少は出生数に直接影響する。

 

21年の出生動向基本調査によると、「いずれ結婚するつもり」と答えた未婚者の割合は15年調査と比べて男女ともに5ポイント近く減った。「結婚したら子どもを持つべき」と答えた人は男性が20.4ポイント、女性が30.8ポイント減った。教育などの経済的な負担から、子どもを持つことや第2子以降の出産をためらう人もいる。日本総合研究所の藤波匠上席主任研究員は「低賃金や非正規など若い人の雇用環境を改善すべきだ」と指摘する。

 

◆子育て支援の先進例とされる国でも少子化が進む。フィンランドの23年の出生率は過去最低の1.26だった。直近で最も高かった10年の1.87から大きく落ち込んだ。フランスは23年の出生率が1.68と、第2次世界大戦後で最低水準だった。10年には2.03まで持ち直していた。

 

どちらの国も育児休業や託児所の整備などを手厚く支援してきた。経済協力開発機構(OECD)によると、家族関係社会支出の国内総生産(GDP)比はフランスが3%超と最も高く、フィンランドもOECD平均を上回る。

 

価値観が多様化し、子どもを持つ優先度が相対的に下がっている。女性の高学歴化に伴い出産年齢が高齢化しているとの指摘もある。子育て向けの金銭的な支援を増やしても出生率の改善には限界がある。

 

東アジアの少子化は日本以上に深刻だ。子どもを持ちづらい背景には高額な教育費や住宅価格などの要因が絡まる。

 

韓国は23年の出生率が0.72と世界最低水準だった。歴代政権は児童手当や多子世帯への補助金、不妊治療への保険適用などの対策を講じてきた。06年から22年までに投入した少子化予算が332兆ウォン(約37兆円)に達するが、出生率向上はままならない。

 

受験戦争が激しく、学習塾などの教育費の負担は重い。子育てとの両立が難しい労働環境、住宅価格の高騰なども出産のハードルになっている。

 

奨励金などで出産を促してきたシンガポールも出生率は23年に0.97と、初めて1を割り込んだ。生活費や教育費が上昇し、多くの人は子育てへの展望が開けていない。23年度予算では男性が任意で取得できる公的な有給産後休暇を前年から倍増して4週間とした。

 

台湾も23年の出生率が0.87と少子化に悩む。住宅費高騰や高い教育費など、ほかの東アジア諸国と事情は似る。晩婚化が進み、子どもを持たない夫婦も増えた。

 

給付中心の政策を転換し、改善傾向にあるのがドイツだ。働き方の改革を進め、30年間で子どもと両親が一緒に過ごす時間は1.5〜2倍近くまで増えた。移民の受け入れも進めており、22年の出生率は1.46と長期的には上向いている。

 

米国は移民を受け入れて経済成長につなげている。日本は外国人との共生が米国などと比べると進んでいない。与野党とも出生率と人口減、経済成長の複合的な問題に真正面から取り組む機運が乏しい。

 

◆『出生率1.20』には、メディアも大騒ぎだが、何をいまさら『出生率最低更新』だ。政府が本気になって少子化に立ち向かわなかったことが一番の原因だ。『失政』だな。手当や、施設充実は一定の効果はあるものの、決め手にはならないことは、西欧、北欧の事例ではっきりしているのに、まだ岸田首相は『異例の大規模対策』と垂れ幕を垂れ、国民から費用を徴収する。国民の間に『Chirdren First』の機運が満たない中では、少子化の傾向は続くだろう。社会変革を伴うような施策が必要なのに、厚労省、審議会ともに首を揃えて、一体何を議論しているのか。学者達の頭の中もまるでレンコン状態だねえ。困ったもんだ。