今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『ミューレンからの下山道で出合ったカップル』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、徳島県の岩島・大辰巳島の『前人未踏の辺境クライミングルートを登る麻莉亜』。そして、ハデハデな花『タチアオイ』です。ハデハデなタチアオイも、花の盛期をすぎると、まっことに哀れな姿になり替わるのが本当に哀れを感じます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■■『大体はやばやと隠居するなどというのがいかん。おれを見ろ。さっそく明日にもボケるようには見えんだろうが』

町奉行の佐伯は現役を誇示した。

 

『成瀬も家督を譲るのがちと早過ぎたのではないかな。朝田派の岡安茂太夫の引きがあって、ついこの間までばりばり働いていたのだ』

『ほう、あの人は朝田派か』

『なんだ、知らなかったのか』

と佐伯は言った。

 

『そうだよ。その男が、隠居して3年にもなるとこの有様だ』

『いやなことを聞いたな。気が滅入る』

と清左衛門は言った。

『どうだ、豆腐汁でももらって、熱燗でもう少しやるか』

そう言うと、清左衛門は手を叩いた。

 

ところがそれから数日して、三屋清左衛門はボケの成瀬喜兵衛について、まったくべつの話を聞いたのである。清左衛門にその話をしたのは、無外流の道場主中根弥三郎だった。

『この間、成瀬のご隠居が参られましてな』

清左衛門を、母屋の居間に誘った中根は、そこで声を落とした。

 

『三屋さまに伝言を残して行かれました』

『伝言?』

清左衛門は中根の顔を探るように見た。だが、中根は少しも動じない表情で続けた。

『そうです。内密に三屋さまにお会いしたいということでした。ただし、いそがぬゆえ、三屋さまが来られた時に伝えてもらえばよいと』

 

『ほう』

『三屋さまは、小鹿町に「つばな屋」という小料理屋があるのをご存じですな』

『入ったことはないが、家は知っておる』

 

■■<ドラフラ優勝『苦難乗り越え、広島の誇り』>バスケットボール男子Bリーグ1部の『広島ドラゴンフライズ』が初の王者になった。2013年のクラブ創設時から応援しており、苦しい時代も知っているので、大あっぱれである。

 

今季のリーグ戦では西地区3位だったが、『ワイルドカード枠』でチャンピオンシップCSの出場権を得た。8チームで優勝を争った末、決勝では同じ西地区2位で連覇を狙う琉球を破った。

 

知人がクラブ創設に関わっていて、スタート時は経営難のため、いい選手がなかなか獲得できないと聞いていた。有力なスポンサーが付いたおかげで安定し、チーム力もこの数年で上昇した。それが今回の優勝につながったと思っている。

 

これで広島東洋カープ、サンフレッチェ広島とともに、広島のプロスポーツチームとして全国に誇ることができる。広島のバスケットボールの普及や発展への可能性とともに、県民に夢と感動、元気と希望を与えてくれた。来シーズン以降も広島の誇れるチームとして奮闘してもらいたい。

 

◆私はバスケに興味がなくって、琉球との試合が決勝戦とは知らなかった。カープの中継を見ていると、同じ時間帯にNHK・BSで中継をやっていた。即、テレビを2画面に切り替え、右はカープ、左はドラフラと、2試合を同時に観戦した。が、4Qからはもうドラフラの画面にくぎ付けだった。『ドラゴンフライ』の意味が『トンボ』であることを、ここで初めて知った。来季からはカープ、サンフレ、ドラフラと3球団の応援に忙しい。おっとっとっと、サンフレレジーナもあったねえ。4チームになるんだねえ、広島のプロスポーツは。

 

■■<新興国『自由より成長』、選挙X強権『オルタナ民主主義』>インドで6月4日の開票まで1カ月半かけて実施中の総選挙が行われた。『民主主義に献身的に取り組んできた。それこそが私だ!』。5月18日に首都ニューデリーで遊説したモディ首相がダミ声で力を込めると、会場は歓声に包まれた。

 

4月の選挙集会でイスラム教徒を『侵入者』と呼び物議を醸した。それでも遊説には数千人の支持者が集まり、圧倒的な人気を見せつけた。インド総選挙の有権者は10億人近くに上る。投票は4月19日から全国を7つに分けて実施してきた。モディ大統領は『人類史上最大の選挙』と自負するが、現政権にはヒンズー教徒の優遇政策など強権の顔もちらつく。3月には野党指導者が逮捕された。

 

気陰的だとの批判にインドは反発してきた。欧米の調査会社が算出するインドの民主主義指数が大きく落ち込むと、独自の指数開発を探り始めた。

 

◆『国民74%が支持』 米調査会社の調べでは、5月初旬時点でモディ大統領の支持率は74%に上った。日米欧・新興国24カ国の首脳で最高だった。高い支持率が強気な姿勢を支える。

 

背景にあるのは高成長による所得増だけではないデリー首都圏は監視カメラの密度が世界最高との調査もある。ニューデリー近郊の男性は『治安改善に役立つ』と捉える。プライバシー侵害といった批判は少ない。

 

グローバルサウスと呼ばれる新興国は経済発展で後れをとってきた。国民は豊かさなど生活改善を渇望する。かつて世界経済の大半を占めた先進国は経済成長が鈍り、自由や平等を基本理念とした欧米型民主主義は社会の分断に伴う変質が目立ってきた。グローバルサウスは自らの力で成長するレールを敷く。

 

その一つとして選挙と強権を組み合わせた『オルタナ(代替)民主主義』が広がっている。新興国は格差が大きい分、政治への要求や不満も振れが大きくなりやすい。選挙で選ばれた政治指導者は時に強権的な手法も使って最短ルートで成長を追い求めようとしている。

 

◆『強まる言論統制』 未来の経済大国と目されるインドネシアもその一つだ。ジョコ政権では与党連合の国会議席が8割を超えた。2022年の刑法改正で大統領や政府への侮辱を犯罪とし言論統制を強めた。2月の大統領選で圧勝したプラボウォ国防相はジョコ大統領の長男を副大統領候補とし、ジョコ大統領支持層の票を取り込んだ。縁故主義はの批判が一部にとどまったのは、大多数の国民が経済成長を実現し、豊かな国に導く『強いリーダー』を求めているためだ。

 

ジョコ大統領は資源輸出を制限して加工業を誘致した。高速鉄道などインフラも整備した。『45年に先進国入りする』との夢を国民に見せるジョコ大統領の支持率は調査会社によると7割を上回る。

 

『20世紀初頭のような繁栄した国になるために貢献したい』。アルゼンチンのミレイ大統領は23年12月の大統領就任前に何度も訴えた。高インフレや通貨安に苦しむ国民は衰退からの脱出を唱えるリーダーに未来を託した。

 

改革推進へ経済のドル化や中央銀行の廃止など過激な考えを持つ。国民に痛みを強いる補助金の削減は9日にゼネストへ発展したが『私は止まらない』。ミレイ大統領はこんなメッセージが書かれた服の写真をSNSに投稿した。就任から半年近く経っても6割を超す支持率が大統領を支える。

 

◆グローバルサウスは国際関係の極が揺れ動く『ポーラーシフト』の世界を見据え、西側諸国とは異なる価値観で経済成長や社会の安定に挑む。『サウスの理論』とは、何なのだろうか。世界は揺らぐ。

 

◆世界は、地域格差、経済格差、領土紛争、軍事衝突、歴史的いがみあいなどなどが絡み合って、決して『世界平和』が訪れることはないだろう。血の粛清で100年も体制を維持してきた中国が共産党支配から脱することはこれから100年もほとんど考えられない。アルゼンチンの没落が示すように、国家を再建することは容易ではない。日本国もしかり、だねえ。自民党政権では日本の未来がないということがはっきりしてきた。が、それにとって代わる者が見当たらないのがまた日本の不幸だねえ。

 

■■<トランプ元大統領、5月に220億円の資金集める-有罪評決後に献金急増>(ブルームバーグ): トランプ前米大統領と共和党全国委員会(RNC)は、5月に1億4100万ドル(約220億円)の資金を集めたと、トランプ元大統領の陣営が明らかにした。不倫口止め料を不正に処理したとして罪に問われた刑事裁判で陪審員団が有罪の評決を下した後、献金が急増した。

 

トランプ元大統領が4月に集めた資金は7600万ドルで、5月はその2倍近くを集めたことになる。トランプ氏は4月、月間の資金調達額がバイデン大統領を初めて上回った。トランプ氏は資金調達面でのバイデン氏との差を縮めるべく、共和党の大口献金者へのアピールを強めている。

 

トランプ陣営の3日発表によれば、トランプ氏は5月に200万件余りの献金を受け、献金額は平均70.27ドルだった。

 

◆しっかしなあ、一体アメリカ国民の社会正義感は一体どうなってるのか、とっても不思議に思う。日本では到底考えられない、非道徳、社会悪を積み重ねる人間に献金が220億円も集まるのだから。まあ、昔『桐島洋子著・淋しいアメリカ人』を読んで、これほどアメリカ人社会は荒れているのかと驚いた。あれからもう40年が経っているのだから、アメリカ社会はさらに荒廃し、すさんでいるのだろうなあ。よって、国民は分断されて対立が激しくなるのだろう。国のトップを直接選挙で選ぶ制度の最大のウイークポイントではあるなあ。日本のように間接選挙であれば、政権党内での自然浄化の作用が機能して、首相は党内力学で交代するのだがなあ。困ったアメリカではあるなあ。ディベートで育てられ、相手に打ち勝つことが最大の正義と教え込まれた人種とはとうて付き合えないなあ。やはり、人情、ワビ、サビの世界が住みやすく、平和だと思うねえ、拙者は。