今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『ミューレンからラウターブルネンへの下山トレイル』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、徳島県の岩島・大辰巳島の『前人未踏の辺境クライミングルートを登る麻莉亜』。そして、『高知牧野植物園の花たちⅣ』です。まさに、世界の牧野富太郎にふさわしい名植物園でした。

 

 

 

 

              <ヒナギク>

                 <ポピー>

 

          <ワイト・グッピー=ヒメキンギョソウ>

 

 

 

 

 

              <ヒメアラセイトウ>

 

            <姫キンギョソウ>

 

 

              <絵画展>

                <書道展>

 

 

■■『つまりは力がありあまっているのでしょう。血が騒いでどうにも静まらんので、まわりに突っかかっている間に、野添は戸川を見つけ、戸川は野添を見つけ、お互いにちょうどいい喧嘩相手が見つかったというわけでしょう』

 

2人の少年が、土橋に首筋をつかまれるようにして道場主の中根の前まで行き、頭を小突かれながら詫びを言っている。少年といっても、背丈は小男の土橋にせまるほどひょろ高く、頬の赤いにきびづらをした子供たちだった。

 

2人の詫びが済むと、まわりの少年たちも稽古にもどりはじめた。いかがですか、と平松が言った。

『お疲れでなければ軽くお相手しますが・・・』

『いや、とてもとても・・・』

と清左衛門は言った。

 

『有難いが、ここまでやっとたどりついた体たらくで、稽古はとても無理』

清左衛門がそう言っているところに、中根が寄ってきて、お茶を一服さし上げましょうと言った。稽古もそろそろ終るところらしかった。

 

中根の居間に通されて茶を馳走になり、次いで茶のおかわりをはこんで来た中根の妻をまじえて世間話をしているうちに、案外に時間が経ったらしかった。

 

辞去の挨拶をかわして、清左衛門が母屋から道場に戻ると、そこにはもう誰もいなかった。中根と茶を飲んでいる時に、平松と土橋がちょっと顔を出したが、その時が稽古の終わりだったようである。

 

無人の道場の武者窓から、赤味がかった光が幾本かの斜めの筋になって屋内に入りこみ、床の埃を照らし出していた。その光を横切って出口の方に歩いて行くと、むっとする熱気の中に少年たちが残して行った汗の香だろうか、饐えたような匂いがかすかに鼻を刺して来た。思い杉戸を閉めて、清左衛門は外に出ると菅笠をかぶった。

 

■■<『石』に魅せられて⑧ 『米国に忖度した通産省』>当時、日本半導体の復権を目指した通産省主導のプロジェクトが、いくつも打ち出されていた。設計と製造を分離しなければならない――。2002年、国内メーカーの製造部門を統合した『共同ファブ(工場)』を立ち上がるプロジェクトが始まった。

 

日本企業の強みである製造力を結集し、世界で通用するファウンドリー(受託生産会社)を立ち上げる。製造に必要な大規模投資から解き放たれた各社は、設計力の強化に専念できる。そんな目論見だった。

 

『最先端の製品を作ってください』『3社だけでなく、全社でやらないとだめです』。同省の指示に、上田は驚いた。日立、三菱、NECの3社での製造が決まっていた。今更他の企業を入れると、デザインルールから作り直さなければならず、さらに1~2年の時間がかかkり、競合する他国のメーカーに先を越されてしまう。

 

上田は反対したが、押し切られた。『社長から了解をもらったので、全社でやってもらう。決定事項です』。結局、参加企業の合議制を採った結果、開発した技術は『平気的なモノ』となり、どのメーカーにとっても使えない代物になった。どの企業も、この技術を使わずに終わったという。

 

上田は回路線について、全社でやるなら90ナノではなく、より微細な65ナノを作るべきだと主張した。担当者はこう言った。『それでは、間に合わないじゃないか』。自分が担当する任期の2年で出来上がらないと困る。そういう意味だった。米国への過度な配慮を感じるいことも多かったという。

 

上田の所属する『半導体産業研究所』は当初、『半導体「戦略」研究所』となる予定だった。しかし『戦略円』という言葉で米国を刺激するのではないか。そんな忖度が働いていたという。米国に対抗するための組織の船出から、米国の影がつきまとっていた。

 

『それぞれのプロジェクトには意義があった』。上田はそう言う。ただその多くは、大きな成果を上げられずに消えていった。

 

◆今になって、台湾企業を招致するのに何千億円もの支援金を出す日本政府。古い頭の政治屋と官僚達の大失策を今になって思い知らされる。ツケはみな、国民の肩にのしかかるのだ。

 

■■<今永投手の活躍 『人生見つめ直す』>今シーズンから米国のマウンドに立った今永昇太投手(カブス)の試合をテレビで観戦した。

 

彼の伸びのある直球は、大リーグの打者からも次々と三振を奪い、これまでで8試合に先発登板して、5勝0敗、防御率0.96とリーグの先頭を走っている(18日現在)。

 

私は彼と同じ福岡県立北筑紫高校出身です。彼の堂々たる姿は誇らしく、自分まで胸を張っていることに気付き、とても嬉しい感覚を覚えた。

 

彼はデビュー戦を振り返り『まだ港の船からロープを外しただけ』と表現し、気を引き締めて、その後の活躍に資した。そのたとえ方がとても心に残った。

 

私達はどこかでスタートを切っていることを自覚し、どこかへ向かいたいのか、自分の心で舵を取っているはずだ。目的地にいつかたどり着きたい。人生観をもう一度見つめ直すきっかけになった。(福岡 男性41)

 

◆大谷を筆頭に日本人選手の大リーグでの活躍は素晴らしい。特に今永は横浜時代に比べて数段レベルが高まり、彼らしい成績を残している。日本プロ野球で力のある選手は大リーグに緒戦し、素晴らしい成績を残すとともに、日本に比べて10倍以上の報酬が得られるバラ色の人生を獲得してほしい。若者よ、海外をめざせ、だねえ。

 

■■<マツダ 北米でSUV好調『前期純利益最高を記録』>広島の自動車メーカー・マツダが発表した24年3月期の連結決算は、純利益が前期比45%増の2,076億円だった。円安を追い風に営業利益、経常利益が全て過去最高となった。主力の北米市場ではSUVが好調で、販売台数も過去最高だった。今後はEVをはじめとする電動化投資に向け経営効率の改善が課題となる。

 

24年3月期の売上高は26%増の4兆8,276億円、営業利益は76%増の2,505億円だった。世界販売台数は前期比12%増の124万台で、連結出荷台数は13%増の120万台。利幅の大きいSUVが米国で伸びたほか円安も増益に寄与した。営業利益ベースで為替は535億円の押し上げ要因となった。

 

毛籠社長は記者会見で『経営の効率化に向けてまだやるべきことが多い』と述べた。マツダは1つのラインで複数の車種をつくる混流生産やモデルベース開発MBDを進めてきたが、生産体制が複雑化した面もある。『取引先にとっても億の種類が固定費や販管費の増加につながっている』と述べた。

 

マツダは25年3月期の売上高営業利益率を5%』程度と見込む。前期は5,2%と中経で掲げた5%を前倒しで達成した。ただ、同業他社と比べると相対的に収益性は低い。トヨタの売上高営業利益率は11.9%sだった。企業規模が近いスバルは9.7%で、スズキの四輪車事業は8.5%だった。電動化投資に向け、稼ぐ力の一層の強化が不可欠となる。

 

◆広島県内で売上高5兆円規模に達する企業は少ない。が、全国的にみれば百花繚乱である。これからの電動化時代を生き抜くには、従来の発想とは異なる次元の経営戦略が必要となる。ガンバレ、広島のマツダ、だ。マツダなかりせば、カープ球団は消滅していたに違いない。マツダの地元貢献が云々されるた、カープとサンフレを支援した実績は何ごとにも代えがたい。しっかり稼いで、地元広島に税金と雇用、そしてスポーツにに貢献してほしいねえ。