今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『ミューレン村からもロスラウターブルネンの谷』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、徳島県の岩島・大辰巳島の『前人未踏の辺境クライミングルートを登る麻莉亜』。そして、

美しき『5月のバラ』です。とても清々しいバラ達で楽しませてくれます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■■『何をおっしゃいますか、三屋さま』

児玉屋は笑いを引っ込めると、露骨に険しい表情をした。

『器量人のお名も高い三屋さまのお言葉とも思えませんな。金貸しは利息が命、情をくれてはこの商売は成り立ちませんです』

 

1本やらてたな、と思いながら、清左衛門はただのしもた屋にしか見えない児玉屋の家を出た。

 

人影もない静かな裏通りを歩きながら、清左衛門はまた半田守右衛門のことを考え続けた。半田の賄賂が、重病の孫を助けるためにした借金のせいだということは、半田を問いつめるまでもなく明らかなことだった。清左衛門の眼には、高利を承知で借金した半田の行為が、冤罪とはいえ、家禄を減らした男の家の者に対する贖罪のように映る。

 

あるいは考え過ぎかも知れないが、と思いながら清左衛門は、やがて店が立ち並ぶ表通りに足を踏み入れた。日暮れの表通りは、買物の客で混んでいた。半田のためにしてやれる、何かもう少し良い策はないだろうかと思いながら、清左衛門は人混みの中を歩いて行った。

 

胸に、半白の髪で沈痛な表情をうかべた半田の顔を思い出していた。

 

■■<『石』に魅せられて② 『数千人リストラ「心の十字架」に』>同じ頃、週刊誌で小説『下町のロケット』が連載されていた。作中に登場する、大企業の中で組織にあがらう財前道生の姿を、パナソニックに勤める平田勝則(59)は自らと重ねた。

 

2009年春に最終回を迎えると知り、『最後はきれいな自分で読みたい』と退職を決意した。買ったばかりの雑誌をカバンに詰め込み、米国に渡航した。世界で活躍する同世代が何をしているのか見たかった。

 

その年、同僚だった2人とともに起業した。平田達が目をつけたのが、半導体の『後工程』と呼ばれる分野だ。半導体の回路を描く『前工程』は日進月歩のごとく進化を続けるのに対し、チップの実装は手法がほぼ変わっていない。260度の高熱と高圧力で押し込み、はんだ接合する。

 

これは、モノがインターネットとつながるIoTの時代では障壁となる。洋服やペットボトルなどの素材にチップを付けることはできない。

 

日本中の1千を超える町工場を回った。回転ずしのシャリを握るロボットや薬の錠剤を詰めるロボットなどからヒントを得て、100度以下の低温と低圧で実装する手法を編み出した。今では年間の受注が300件を超える。25年の株式上場を目指している。

 

創業の地には、自らのキャリアをスタートさせた新潟・妙高を選んだ。工場の用地も得やすく、周辺には半導体の企業が連なる。

 

平田が開発した低温低圧の実装ラインは、横4m、高さ1m弱。大がかりなプレス機がいらないため、中小企業が新規参入するハードルも低い。地域の企業と連携して雇用を生み出し、経済を潤すことができれば、自殺率の高い新潟の希望にもなれるはずと考えた。

 

昔の同僚だった人の顔が浮かぶと、今でも眠れない日がある。『僕は多くの人をなくしたので、雇用創出を掲げたかった』。社名の『コネクティックジャパン』には、技術で人や企業を結ぶという願いを込めた。

 

平田に今の夢を聞いてみると、こんな答えが返ってきた。『仲間達と1日でも長く、楽しく仕事をしたい』。

 

◆技術者は自ら作る半導体を『石』と呼ぶ。石に魅せられた日本の技術者達は、かつて築き上げた半導体王国の絶頂と転落に何を見ていたのか。石にかけた、彼らの生き様を追った。

 

 

■■<朝晴れエッセー『わが家って』>スマホを見ていたら、『古城ホテルに泊まる旅』という広告が出た。お城かぁ、維持費が大変そう。などと世帯じみたことを考えていると、昔自分もお城に泊まったことがあるのを思い出した。

 

大学時代の話で、場所はよく覚えていないがイタリアのどこか。元は貴族のお城だったというホテルで、上階にはオーナー一族が居住中。夕食後、ロビーで壁の肖像を眺めていたら『それは私の先祖です』。流暢な日本語の主は城の現所有者、ご当主様だった。日本に留学したことがあるというこの方と話しがはずみ『よかったらホテルの部屋でなく我が家の方に泊まりませんか』と招待を。一瞬躊躇したが、好奇心に負けて受けることにした。

 

案内された部屋には巨大なシャンデリアと豪華な調度品。まさに『絵にも描けない美しさ』。世の中にはこういうものを我が家と呼ぶ人もいるのねェとため息しきり。

 

部屋の奥には絵本のお姫様が使っているような天蓋つきのベッドがあった。で、お暇様気分を味わったかかって?それが全然。豪華な寝具を汚さないようにバスローブとタオルでぐるぐる巻きの完全装備。

 

ミイラのように横たわった夜の長かったこと。私って間違いなく庶民だと思い知らされた一夜だった。(愛知 女性67)

 

◆それでも、豪かなお城のお部屋に泊めてもらったのだから、幸せ、幸せ、ですよねえ。

 

 

■■<『自民党は解党以外にない』安倍元首相、参院選で100万円手渡し報道…官房機密費が使われた可能性に批判殺到> 自民党安倍派の政治資金パーティー裏金事件をめぐり、故・安倍晋三元首相への評価が逆転しかねない報道が飛び出した。

 

5月9日、『中国新聞デジタル』が、2013年7月の参院選で、安倍元首相が東日本の選挙区で争う同党公認候補に現金100万円を渡していた疑いがあると報じた。

 

匿名を条件に中国新聞の取材に応じたこの候補者によると、安倍元首相が応援演説に入った当日、個室で面会。安倍元首相から渡された茶封筒のなかに現金100万円入りの白い封筒が入っていたという。

 

中国新聞は、複数の元政権幹部の見方として、使途が公表されない内閣官房報償費(機密費)が使われた可能性を指摘。安倍元首相、候補者が関係する政治団体の収支報告書にはいずれも100万円の記載はなく、時効が成立しているとはいえ、政治資金規正法違反(不記載)などにあたる可能性もある、報じている。

 

弁護士の紀藤正樹は、同日、記事を自身の『X』に貼り付けたうえで、こう書き込んだ。

《官房機密費は政府の施策の円滑な遂行を目的として認められるものでこれを党勢拡大という選挙のために使用するのは目的外使用で背任や横領にもあたりかねない。政府は調査すべき》

 

官房機密費の毎年の予算額は約12億円。そのうち領収書不要で官房長官の判断で使うことができる『政策推進費』は約11億円だ。原資は税金で、あくまで内閣が施策を円滑かつ効果的に進めるための経費だ。それを選挙で使ったとなれば、政府与党が圧倒的に有利になってしまう。

 

問題はそれだけではない。『安倍派の政治資金パーティー裏金事件では、議員への裏金還流を知った安倍元首相が、2022年4月、還流の中止を指示したとされています。しかし、安倍元首相自身が裏金を配っていたとなれば、見方は変わってきます。

 

2020年12月、『桜を見る会』前夜祭をめぐり、政治資金収支報告書に約3022万円の収支を記載しなかったとして、安倍元首相の公設第一秘書が略式起訴されています。

 

2021年11月に派閥会長となった安倍元首相は、あくまでほとぼりが冷めるまで、裏金の還流の中止を指示しただけではないかとの疑念も生まれます』(政治担当記者)

 

安倍元首相自身が官房機密費から裏金を渡した可能性があることに、Xでは批判的な声が殺到している。

《いろんなところからの札びらで顔ひっぱたいてどうだとばかり毎回やってたわけだから、安倍は選挙に強かったわけだ。こんな金で買った票で当選した自民党議員に正当性あるのか?》

 

《モラル皆無の自民党はバレなきゃ何でもありなので官房機密費も政党助成金も廃止にして下さい》

 

《官房機密費は税金ですよ こんな私的利用は法律違反です 自民党議員は全員辞職するべきです 自民党は解党する以外ないですね》

 

官房機密費のうち、安倍政権7年8カ月で使った『政策推進費』は86億8000万円。二階俊博元幹事長が党から5年で受け取った政策活動費50億円の問題もある。

 

政治資金規正法改正に向け、自民党が後ろ向きな姿勢を続けるようでは、国民の怒りが爆発しかねない。(martFLASH)

 

◆まあmartFLASHの記事だからと、見過ごそうと思ったら、ソースはなんと広島の中国新聞。めったにスクープなど書かない新聞だから見逃してしまった。しっかし、これは大きな問題になりそうだねえ。あの河井夫妻の選挙違反の資金が政府官房から出ていたとすると、これまた亡霊のように地下から安倍晋三の幽霊が出てきたことになるなあ。さて世の中どうなるか、だなあ。