今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『ミューレンから見下ろすラウターブルネンの谷』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、徳島県の岩島・大辰巳島の『前人未踏の辺境クライミングルートを登る麻莉亜』。そして、

フラワーフェスティバルの3日のパレードの車の部の代表は流石に地元産の『マツダロードスタークラブ』のパレードです。初代から4代目までで、2人乗りオープンカーの分野で100万台以上を生産したギネス記録を持っています。並べてみると、あのヘッドライトが開閉できる初代NA型が一番魅力がありますねえ。世界の広がる広島の魅力で、素晴らしいことです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■■『女をいたぶるのは男のもっとも恥ずべき行為。見えいると反吐を催すゆえ、去んでもらう』

男は押されながら、清左衛門がにぎっている刀を見ている。

『これか。これは簡単には抜けんようになっておる。つまらぬことを考えるものではない』

戸をあけて、男を外に突きはなした。清左衛門の手に、蛇をつまんで投げる捨てたようないやな感触が残った。

 

おかみのみさの酌で、半刻(1時間)ばかり飲み直して立ち上がると、おかみが、これは三屋さまの物ではありませんかと言って、風呂敷包みを出した。しかしそれは清左衛門の物ではなかった。

『わしのではないな。どこにあったかな』

『床の間の隅です』

『では、さっきの客の物らしいな』

と清左衛門は言った。

 

書類でも包んであるらしい薄い風呂敷包みは、半田の忘れ物のようである。いそいで、清左衛門は中身を改めた。そして手をとめると、眼を宙に投げた。風呂敷包みはやはり半田の忘れ物だったが、中身は意外なものだった。帳面と束になった借金返済の証文。それは半田が、城下でもっともl悪辣な商売をしていると言われる高利貸児玉屋勘七からある時期に50両の大金を借り、月々高利の金を返済していることを示していた。

 

そしてもっとも新しい受け取り証文の日付は今日になっていた。ということは、半田は今日も児玉屋に金を返しに行って来たということである。

 

清左衛門は、無言で見まもっているみさに眼をもどし、それから書類を包みなおした。

『預かっておいてくれぬか。後で本人が取りに来るだろう』

言い置いて『涌井』を出た。提灯はないがまだ時刻が早いので、町の通りは灯のいろで明るかった。清左衛門はいい気分で夜の道を歩いた。

 

――ならず者か。

あのままで済むはずはないから、さっきの男のことは一応佐伯熊太にとどけてみるものかと清左衛門は思っている。

 

■■<異形の企業集団SBI③ 『金融を核に、金融超える』>『金融を核に、金融を超える』。北尾SBI会長兼社長(73)は異業種に参入するたびに繰り返して来た。台湾の半導体大手、力唱積成電子製造PSNCと組み、宮城県に工場を作ると発表した時も強調した。投資額は8,000億円超で、東北地盤の地方銀行は融資機会をうかがう。

 

北尾は『半導体事業は地方創生に大きなインパクトを与えることになる』と説く。需要が見込まれるEVや通信機器に使う半導体を生産する。第1期の投資額は4,200億円で、政府が最大1,400億円の補助を検討する。SBI幹部は『地銀から第1期での融資は期待しづらい』と漏らす。『半導体事業はまだゼロベース。地銀は事業が立ち上がるまではリスクマネーを供給できないだろう』とみる。

 

変化の兆しはある。SBI幹部は『七十七銀行から会いたいと言わるとは思わなかった』と振り返る。SBIが力唱との半導体工場建設の概要を出資先の仙台銀行や宮城県庁に説明したのは23年11月末。聞きつけた七十七銀行が面談を申し込んできた。仙台市の本社で出迎えたのは小林頭取(66)だった。

 

第1期の借入規模は1,000~2,000億円にのぼる可能性があり、SBI新生銀行や仙台銀行など東北の出資3校で

賄うのは困難だ。自己資本の25%までしか融資できない規制もあり『各行、数十億出せるかどうか』との声もある。資本が厚い第一地銀なら数百億円を積み増せる。

 

SBIは地銀の強固なムラ社会を変えつつある。SBIが19年に提携地銀の成長を支援する『第4のメガバンク構想』を打ち出した際、SBIのようなネット金融の新興勢力の資本を受け入れる素地は乏しかった。半導体工場という融資機会を地方に持ち込むと、大手地銀もその動向は無視できなくなった。

 

半導体戦略の成否はなお見通せない。建設労働者のメドは立たず、技術者の確保も難路だ。SBIが非金融事業に乗り出すほど収益の振れ幅も大きくなる。異形の集団の運営の難度は増している。

 

■■<永田町、生きもの劇場③ 塩谷立元文科相『権限も、味方もなくて、生贄に』>実態解明もない中で、『ケジメ』アピールのため急いだ裏金問題の処分。当然、線引きは曖昧だし、政局がらみの思惑で、なぜかゆるーい処分になった奴もいるし、とにかく全体に軽くていい加減。

 

そんな中、唯一、『他と比べて予想外に重いな』と思われたのが塩谷立。

 

自民党参議院トップの世耕弘成と一緒に『離党勧告』を言い渡された。理由は衆議院側のトップである派閥座長だったからとか。でも、この人、確かに肩書は座長だけど、単なる『お飾り』で、実権などない。

 

実際に牛耳っていたのは森喜朗命名の『5人衆』、西村康稔や萩生田光一らだ。再審査請求もしたくなるのも当然か。力がないから当然、子分や味方もいないし、血祭にあげても誰も怒らない。ご愁傷様。(サンデー毎日)

 

■■<井上尚弥、『うまさがあるRネリ相手にW期待以上の試合見せる』…東京ドーム決戦>WBC世界同級1位のルイス・ネリ(29)(メキシコ)を破った井上尚弥(31)が、『ドーム決戦』を前にした、意気込みやネリの分析、関係者の思いを紹介する。その意気込み通り、6回、TKOでネリを破るといった見事な戦果を挙げた。

 

◆『ネリは何でもできる』警戒  

――ネリをどう見る。

『意外と何でもできるという印象がある。何かに突出したわけではない。(リングで)向かい合わないとわからないうまさがあると思う』

 

――戦績35勝(27KO)1敗。KO率が高い。

『たぶんその戦績の通りで、非常に攻撃力は高い』

 

――好機になると連打で攻めてくる。対策は。

『まあ、そこはいろいろ作戦も考えるところもある。ここで言えることはない』

 

――バンタム級からスーパーバンタム級に上げて今回が3戦目。

『フィットしてきた感じはある。3回目なのでもっといい形でリングに上がることができると思う。調整段階でも体重の作り方でもいろいろ考えながらやることができている』

 

◆『因縁』持ち込まない

――1階級上のフェザー級に上げる時期は。

『まだスーパーバンタム級で2試合しかやってない。実質、5階級上げているわけだから飛び級したフライ級を含めると、スーパーバンタム級はライトフライ級から5階級目、そこは慎重にいくべきだと思う』

 

――ネリは元世界王者の山中慎介氏と対戦し、体重超過などの因縁があった。敵討ちを望む声もある。

『それは山中さんとの因縁であって自分との因縁ではない。ただお客さんがどんな感情を持って見るかというのは、お客さん次第。因縁を持ち込んで観戦すれば面白さは違うかもしれないが、自分としてはそういう気持ちはない』

 

――勝負のポイントは。

『やっぱり、距離感の把握、そこをしっかりすることだと思う。毎回、どの試合も一緒になる』

 

――どんな試合を見せたいか。

『期待以上の試合をするというのが自分の中の一つのテーマになっている』

 

――KOについては。

『そこはもう流れの中で自然と出てくるシーンではないですかね』

 

◆『35歳過ぎて現役も』

――東京ドームでの開催。気持ちの高ぶりは。

『そこはすごく高い。自分の中のモチベーションの一つではある。誰でもできる舞台ではないので』

 

――4月10日で31歳になった。年齢による変化は。

『20歳のときと比べたら回復力や疲れのたまり方、そういう変化はあるが、ボクシング自体に関する変化は特にない。逆に経験を積んだことで上がっている部分もある』

 

――何歳までできそう。

『35歳までと言っているのでそこまではやりたい。ただ自分のパフォーマンスが落ちなければ、その先も続ける可能性はある。そのときの自分のパフォーマンス次第ですね』

 

関連するビデオ: 世界王者・井上尚弥&井上拓真と父が集結!!“迫真のボクシング”披露し親子愛激白!! (テレ朝news)

 

◆取材後記 インタビューで、井上尚の口からネリを軽く見るコメントは一切、出てこなかった。長くスポーツの現場を見ているが、油断からほころびを見せるアスリートは多い。東京ドームで当時絶対王者のタイソンがジェームス・ダグラス(米)に敗れたのは、まさにそのいい例だろう。井上尚の強さの一つは心の強さ。今回も王者有利の予想の声は多いが、『モンスター』に隙は感じられない。

 

★井上尚弥(いのうえ・なおや) 神奈川県出身。2012年デビュー。14年にWBCライトフライ級王者。同年に就いた世界ボクシング機構(WBO)スーパーフライ級王座は7度防衛。18年に世界ボクシング協会(WBA)バンタム級王座を獲得し、3階級制覇。19年に国際ボクシング連盟(IBF)同級王座を獲得し、ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)で優勝。22年にWBCとWBOの同級王座を獲得し、日本人初の4団体統一王者に。昨年7月、WBC、WBOスーパーバンタム級王座を獲得し、4階級制覇。12月に史上2人目となる2階級での4団体統一を果たした。26戦全勝(23KO)。

 

◆私は、この井上尚弥がNHK『プロフェッショナル』に登場した番組を見ている。NHK史上初の『2度出演』には驚かされたが、それ以上にトレーニングの厳しさに圧倒された。6歳の時、父が練習するボクシングを見て、自分もやりたいと希望を申し出た。小学校、中学校、高校生と順調にボクサーとして育ち、いきなり日本一の座を仕留めて、以降無敗。一家でボクシングを続ける環境に、井上は驕りはない。楽しみな一戦ではあるなあ。

 

そして、この『プロフェッショナル2』を、あらためて再度鑑賞した。その中で印象的だったのは、小学6年でデビューし、中学生を圧倒したと。そして、卒業の時希望や抱負を述べるのだが、心では『世界一になりたい』と思っていても、その道がとても険しいことを知っているため、つい『インターハイ優勝します』と語ったそうだ。しかし、インターハイ優勝にしても、とてつもない高い目標だ。常に、目標を上に上にと置いてきた井上尚弥の精神スタイルがよく分かった。