今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『ミューレン村のスナップ』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、徳島県の岩島・大辰巳島の『前人未踏の辺境クライミングルートを登る麻莉亜』、3日広島フラワーフェスティバルで『パレードを先導する聖火隊とハーレーダビットソン軍団』。そして、きれいな色合いの『ノウゼンカズラ』、『ヤナギバルイラソウ』、『ハナトラノオ』です。一番美人で賑やかなのは『ハナトラノオ』ですねえ。素晴らしいです。

 





































■■半田守右衛門は、駿河屋から賄賂を取っていたことを認めた。清左衛門は気落ちして言った。
『こうなると、いくら10年前の事件が無実だとしても、わしの口からそれゆえに家禄を旧にもどしてしかるべしとは言えんな』
『当然です』
と半田は言った。肩の盛り上がったいかつい身体つきをしているが、半田の髪は半ば白くなっていた。齢は清左衛門より2つ3つ下のはずだが、半田は顔の皺が深く、総じて老けて見える。

半田は駿河屋からの収賄は認めたが、10年前の事件については事実無根を主張した。それがまことなら、半田の変貌ぶりはいわれない罪を着せられた男の心身の疲れが、外に現れて来たというようなものかも知れなかった。清左衛門は軽い憐愍に動かされて言った。

『今度のことには目をつぶってやろうか。といっても無罪放免というわけではない。江戸には、昔の事件はやはり事実あったことらしいと言ってやるのだ』
『・・・・』
『つまり、家禄をもとにもどす話はそれで立ち消えになるとしても、駿河屋の一件で罪されることを考えて言えば、新たな収賄が発覚しては殿の心証はすこぶる悪くなるだろうな。家禄がもとにもどるどころか、2度と貴公に日が射すかどうかは疑わしい』

『お慈悲を持って・・・』
と半田は言った。半田の顔から汗がしたたり落ちた。
『出来ますならば、おっしゃるごときお取りはからいを願いまする』
『ただし、駿河屋にはきちんと証文をいれて、何年かかろうと弁済することが条件だぞ』

『もちろんのことです』
『10年前のことも・・・』
ある疑念に動かされて、清左衛門は言った。
『ほんとうは賄賂を取っていたのではないのかな』
『いえいえ』

半田守右衛門は顔を上げた。手のひらで汗をはらうと断固とした顔いろで言った。
『濡れ衣です。お調べいただければわかることです』
ひと回り身体が小さくなった感じで、半田は『涌井』の部屋を出て行った。残った膳を見ると、一滴の酒も飲んでいなかった。


■■<酒井一圭⑧ 『せめてG1馬のオーナーに』>『非常事態になると、トランプのスピードをやってるみたいにババババッて頭が回転する。純烈以前は直感だけでウサギみたいにぴょんぴょん跳ねてきたのが、純烈以降は巻き込んだメンバーやスタッフ、その家族、いろんな人がいい意味で重しになってミリ単位で進んでいけた。それがすごい筋トレになって成長できたのが今の自分だと思う。今の俺なら、引退したメンバーも横に逸れる前に何かできたかと・・・。ま、タイミングと縁の問題だから難しいんだけど』。

白川は、酒井の変化を感じると言う。『本来は目立たず、後ろから指示する鵜匠でいたい人。でも純烈を回していくためには自分も前にでなきゃ、顔を売って、メンバーやスタッフ、その家族まで純烈に力を貸してくれてる人を支えなきゃ、って。僕らには多くは語らないんですけれどね。食えない頃、自分の身を削って僕らの給料を出してくれてた。そういうことも言わなかった。背中で引っ張ってくれたのは感じます』。

22年からは武道館コンサートを目標に掲げているが、それ以外にも様々な構想が頭の中にある。すでに、ベッド上の司令塔の指示は終わり、自分でも想像していなかったその先まで来ている。



先月発売された『純烈魂』は、酒井が書いた詞に北島三郎がメロディーをつけた楽曲だ。『この世界の大先輩としても競馬好きとしても、雲上人の御大が「純烈もがばってるな」と手を差し伸べてくれて、一緒にものが作れる距離まで詰められた。わけわからんくらいすごいよね(笑)。でもそこまで純烈を連れてきてくれたのは、間違いなくファンの皆さん。本当に感謝してます』。

個人的にはこんな構想もある。『奥さんと話しているのが、北島御大も、神の啓示のように夢に現れた前川さんもG1馬のオーナー。だから、俺も10年後には馬主としてG1を獲ることに決めた。中央競馬は何億円の世界だけど、通算して、もうそこに向かっているから口に出してます。ま。余白はまだ全然あるんだけど』。

人生は先が分かんない方が面白いから。そう言って、愉快そうに笑った。(大道絵里子筆)

◆『純烈』って知らなかったなあ。紅白なんてもう10年も観ていないしなあ。ところが、あの『鶴瓶の家族に乾杯』の宮崎ロケで酒井が登場。初めて見たが、なにやら人気者らしく行く先々で歓待を受ける。そして最後には温泉地の旅館の大広間で、即席のコンサートを開き、全員と握手した。こんな即興もできるのは、まさにドロヌマの中から這い出てきたイタチのような感じを受けたねえ。イタチも変身して、今やサラブレッドになりつつあるなあ。すごいことだ。


■■<『魂消る』に、たまげた>さる小説を読んでいたら、『魂消る』というフレーズがあった。これって、当て字か、誤植かなあ、と疑った。まさか、『たまげる』が『魂消る』と書くとははちっとも知らなかったから。が、ネットで検索すると、当て字や誤植ではないそうだ。本当に、知らない漢字って多いよなあ。



■■<ココイチFC社長は『女子高生バイトから大出世の22歳』>インド人にも『母国のカレーより美味しい』と評判の『カレーハウスCoCo壱番屋』。その『CoCo壱番屋』などをフランチャイジーとして運営する『スカイスクレイバー』(太田市)の新社長に、若干22歳の『諸沢莉乃さん』が就任する。

諸沢さんは、高校1年生の7月にCoCo壱番屋のアルバイトに応募。接客の楽しさに目覚め、高校を卒業後、ボランティア経験を経てスカイスクレイバーに入社した。社長就任は5月1日付けだが、社内ではそれまでに早くもアルバイト出身の女性社長誕生に大いに盛り上がった。

スカイクレイバーは、西牧大輔社長が東洋大学卒業後、壱番屋(一宮市)の独立支援制度を使って1996年に設立。本部とFC契約を結ぶ形で、現在は関東を中心にCoCo壱番屋25店を運営するなどしている。運営する店舗は、これまで度々FC本部より表彰を受けており、その評価は非常に高いようだ。大手信用情報機関幹部がこう話す。

『店舗で修業した人材のオーナー輩出にも積極的で、これまでオーナー輩出数は20人以上にのぼる。従業員の福利厚生にも力を入れており、2015年7月には「次世代育成支援対策推進法」に基づく行動計画を策定し、一定の基準を満たした企業として厚生労働大臣から子育てサポート企業「くるみん」に認定されている』。

諸沢さんの抜擢で、スカイスクレイパーはどう変わるのか。HPでは西牧社長と諸沢さんの対談が掲載されている。『最初はふざけているのかな・・・、と思ったんですけど、本気だとしても冗談だとしても面白いと思いました!高校卒業して大学にも行っていない自分にこんなチャンスはどこに行ってもないと思ったので、冗談で言っているのなら本気にさせようと思いました!』と綴っている。



女子高生バイトからの『シンデレラストーリー』は今後、どのような展開を見せるのか。『諸沢さんを社長に選んだ西牧さんの慧眼には確かなものがある』(取引銀)と期待も寄せられている。

◆22歳社長に抜擢。あり得ない現実を諸沢さんは味わっているのだねえ。頑張ってほしいねえ、人生は一度しかないのだから。