今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『ラウターブルネンの谷のトレイル』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、徳島県の岩島・大辰巳島の『前人未踏の辺境クライミングルートを登る麻莉亜』。そして、
土佐和紙の里『いの町』で出会った『志国 土佐の夜明けものがたり号』と、いの町『紙の博物館』、宮尾登美子の里『仁淀川』です。

高知・いの町が江戸時代から土佐和紙の生産地だったことは知っていました。今回、牧野植物園を訪れたついでに土佐電に乗って48分、とことこといの町に着きました。博物館を出て仁淀川へ向かった時、博物館の職員が特別列車の見送りがあると、誘ってくれました。それがこの『志国 土佐の夜明けものがたり号』というわけです。線路沿いに見送る人達、列車内から手を振る人達。まっこと、珍しい体験をさせてもらいました。これも牧野博士のおかけでありんす。大変ありがとうございました。

 



























 























■■帰国した半田は、その後多少の曲折はあったにせよ、今は何事もなく国元で御納戸役を勤めているはずである。
古い話を持ち出されて、清左衛門はいくらか奇異な気分でい相庭を見た。

『それが何か』
『実はその時の事件は、冤罪ではなかったかという疑いが出て来たのです』
『まさか』
と清左衛門は言ったが、つぎに相庭与七郎が話したことは、清左衛門をおどろかせるに十分だった。

半田守右衛門が失脚した後、同じ御納戸役の東野市兵衛が江戸屋敷の御納戸頭となった。東野は大過なく務めて2年前に帰国し、家督を倅にゆずって隠居したのだが、最近になって御納戸の帳簿に続々と不審な点が見つかった。買物の数と藩が支出した金額が合わないのである。のみならず御納戸は、素人が見ても市価よりかなり高い買物をしていた。明白な支払い超過である。

江戸屋敷の費用節減は、毎年のように国元からきびしく談じ込まれていることなのに、少なくとも御納戸では、その方針に逆らって大盤振舞いとでも言うべき買物をしていることになるのだった。しかし実態はと言うと、藩主の身の周りでも屋敷奥でも、さほどぜいたくなかつ乱雑な物の買い方をしているわけではなかった。

となると残るのは何者かが帳簿を操作して、元締(藩収入役)から余分の金を引き出ている、つまり不正を働らいているということである。
『その結果、さきの御納戸頭東野市兵衛ほか御納戸役2名の不正があきらかになったのですが、その調べの途中で、昔の半田守右衛門の収賄事件は、当時下役だった東野が仕掛けた罠ではなかったかという疑いがうかび上がったのです』

『それはおかしい』
と清左衛門は言った。
『その時の調べにはそれがしも加わって、何と申したかの、そうそう枡屋と住吉屋という出入りの呉服商を取り調べたのだが、たしかに半田に賄賂をわたしたと申したぞ』
『ところが三屋さま』
と相庭は言って、血色のいい顔に落ちついた微笑をうかべた。
『その枡屋と住吉屋ですが、東野市兵衛が御納戸頭になると、両者は切っても切れないかかわり合いになり、東野は帳簿に不正を加えただけでなく、桝屋、住吉屋両人から大枚の賄賂を取っていたことがわかっています。東野と2軒の呉服商は、今ではひとつ穴の貉ではないかと疑われています』
『・・・・』


■■<酒井一圭①、巻き込み力で導く、『純烈』の生みの親>『あばれはっちゃく』で主演デビュー後、ガオレンジャーになり、プロレスラーになり、ウラッシャーカズヨシになり、そして今、スーパー銭湯アイドル『純烈』のリーダーとして年間300近いステージに立つ。運に流されるだけでなく、常に自分を客観的にプロデュースし、熱意で周囲を巻き込みながら裏方としても仕掛け続けている。



2023年12月、東京港区にあるザ・プリンス パークタワー東京のボールルームには、さっきまで行われていたクリスマスディナーショーの興奮冷めやらぬままに、着飾った女性達が長い行列を作っていた。CDを2枚買えば参加出来るハイタッチ会。行列の先で待ち受けるのはムード歌謡グループ、『純烈』の4人だ。

リーダー、『酒井一圭カズヨシ(48)』は、どんどん流れて来るファンの指先をギュッと握り、笑顔を向けた。『今年は何かいもよう来たな~、ありがと!』『お父さんも一緒? 今日は夫婦水入らずやね』『プチ整形したって? マジ? 似合ってるわ』『杖、増えてるやん。お母さん、来てくれてありがと、またね』

わずかな時間でも温もりのある言葉を返していく。純烈のSNSなどに頻繁に登場する名物スタッフ、巨漢のマネージャー・山本浩光(50)、日本クラウンのプロモーター・新宮崇光(42)らにも駆け寄り、『今年もお疲れあさまでした!』とハイタッチを求めるマダム達。新宮が『こっちはいいから、あっち(純烈)に集中して!』と言うとワッと笑いが起きた。人と人の距離が近い。どこか懐かしいような心地よさが、ここにはある。

小田井涼平(53)卒業後、新メンバー、岩永洋昭(44)が加入して第1弾となるシングル『だってめぐり逢えたんだ』は10万枚を突破し、グループ3枚目のゴールドディスク認定局9になった。NHK紅白歌合戦には6回連続出場中。そんな今でも、年間300近いステージに立ってCDを天売りする『ス―パー銭湯アイドル』としての心意気は変わらない。酒井は、そんな純烈の生みの親であり、一切のプロデュース業も行っている。



◆私は先日、『釣瓶の家族に乾杯』で宮崎ロケに同行出演した酒井を見て、初めて温泉歌手として人気があるのを知った。紅白に出てることなど全く知らなかった。ここ10年以上紅白は見ていないから。昔の紅白と違って、キンキラ金で歌って踊ってが普通にあり、歌の良さより見栄えが優先されている雰囲気に魅力を失ったのである。しっかしすごいね、異色の酒井・純烈は。素晴らしい!。


■■<ユニーク尾道・山本製作所、『耐久性の優れた業務用洗濯機製造』>業務用洗濯機の『尾道市・山本製作所』に海外からの注文が相次いでいる。山本製作所の洗濯機は耐久性に優れ、メンテナンス部品を永久に保証することから、米国で『フォーエバー・マシン 永久に使える器械』の異名を持つ。注文に応えるため12億円投じて工場を増設し、4年後に売上を倍増させる。

山本製作所hは業務用洗濯機と乾燥機で国内トップのシェアを持ち、2023年12月期には国内外に4,000台販売した。業務用洗濯機のメーカーは全国に5社ほどで、海外に出荷している例はない。



山本製作所がこだわるのは耐久性だ。20年ほど前に海外に進出した際、中国製との価格競争にさらされた。販売時の価格を中国製ほど安くすることはできないが、メンテナンスも含めた買い替えるまでの費用『ライフタイムコスト』で競うことにした。

海外メーカーが10~15年ほどで部品供給を止めるので買い替える必要があるのに対し、山本製作所は永久に修理部品を送ることを保証している。最近も50年前西販売した製品に修理部品を送った。買い替えが少なくてすむので長期的にはコストを抑えられるという仕組みだ。米国の顧客からは『フォーエバー・マシン』と呼ばれるほどの信頼を得ている。

耐久性や長期保証は部品を極限まで内製化していることで可能になる。加工部品の内製率は98%に達する。5年ほど前は95%だったが、さらに引き上げた。外注しないので部品の輸送コストはギリギリまで減り、独自に設けた厳しい品質基準を満たすことができる。

世界21の国と地域に輸出しているうち、成長をけん引するのは主に台湾や米国向けだ。韓国やタイを含めたアジアではコインランドリー向け、米国ではホテルや大学といった法人向けの販売が多い。

23年12月期の売上高は53億9千万円だが、28年2月期には100億円ほどに倍増させる計画を持つ。海外比率は足もとの3割から5割にまで引き上げる。



◆ユニークだねえ。家庭用洗濯機は家電各社が量産して熾烈な販売競争を繰り広げている。業務用というニッチな領域に挑んだのと、海外市場に早くから目をつけたところに成功のポイントがあるなあ。あの、獺祭の旭酒造にも似ているなあ。


■■<『出る杭』は打たずに生かせ(下)――東レ>自社の繊維素材使い、衣料販売。本業と連携する形で出向起業する例もある。東レの西田誠(53)は昨年、東レの繊維素材を使った衣料品を製造販売する『ムーンレイカーズ・テクノロジーズ』を設立した。

東レはパラレルや小売業に繊維素材を売っている。在庫を抱えるリスクなどを避けるため、基本的に服をつくって消費者に直接売ることはしない。高機能素材を開発しても、あくまで提供した先のブランドの服として売られるため、東レの存在感は知られにくかった。西田が出向起業をしたのは、そんな状況を変えたいと思ったからだ。

出向は3年間で、給与は出ないが、東レは出資金の一部を負担した。起業した会社では、汗などのにおいがしにくいTシャツや、軽量のパーカーといった、最先端の素材を使った商品を売る。たどれがTシャツ類の価格は『ユニクロ』の3~5倍と高額だが、売れ行きは好調という。

西田は『仮に成功できなくても、経験は糧になる。若い社員らが後に続くような出向起業のモデルケースをつくりたい』と話す。



◆組織の中にいると、やっぱフラストは溜まるし、新しいアイデアも実現が難しい。出向起業というのは組織活性化の一つの手段でもあるのだろうな。この手では、九州JRの事例が有名だね。