今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『ミューレン村のロープ』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、徳島県の岩島・大辰巳島前人未踏の『辺境クライミングルートを登る麻莉亜』。そして、エンジ系の可愛い花『ホトトギス』と『キクにタマスダレ』です。

『ホトトギス』の名前の由来は、その花の模様が鳥のホトトギスの胸の模様に似ていることから来ています。また、別名では『油点草(ユテンソウ)』と呼ばれますが、これは花の模様が油を垂らしたシミのように見えることに由来しています。花言葉は『秘めた思い』『永遠にあなたのもの』です。これは、ホトトギスが晩夏から晩秋まで、長い期間花を咲かせ続けることに由来しています。

 





































■■『わしがじゃまをしたために、この男、400両ほど儲けそこなったのだ』
『は?』
『平九郎か。おやじに申せ』
と清左衛門は言った。

『家を潰す気かとな。今夜のことは眼をつぶるが、もう一度こんなことをしたら大目付に届け出るぞ』
行けと言うと、片足をひきずった平九郎が闇に消えていった。あまり利口そうには見えない男だった。

清左衛門は安西に礼を言った。
『いや助かった。なにしろおふうの話に夢中だったから、あぶないところだった』

『おけがはありませんか』
『大丈夫だ』

そう言った時、清左衛門は眼の前に松江にもっとも似つかわしい男がいるのに気づいていた。
安西佐太夫が妻を離縁したのは、わずらって余命いくばくもなかった佐太夫の老母に、妻が辛い仕打ちをしているを知ったためだと佐伯熊太から聞いている。その老母はもういないが、よしんば存命だったとしても、一度死の淵をのぞいたことのある松江なら、そんなむごいことは決してすまい。

そして佐太夫の離縁された妻は、子もいないせいか派手ごのみだったというが、こつこつ400両もたくわえた松江の方が、ずっと家庭的ではあるまいか。

『佐太夫、嫁をもらわぬか』
と清左衛門は言った。

『少々太り気味だが、気持のやさしい美人だ。齢は30を少し越えたかも知らんが、子供を生めぬ齢でもない』

『はあ、しかし・・・』
『ぐずぐずしていると、その女子、江戸へ行ってしまうぞ。せひ嫁にもらえ』
清左衛門は熱心に言った。


■■<インド新時代Ⅴ『NY都市圏 コミュニティー急成長』>米NYのマンハッタン島から南西に30キロ。ニュージャージー州イズリンの街に入ると、雰囲気が一変する。伝統衣装サリーや貴金属・宝石店が並び、食材店に入ると、陽気な音楽とともにスパイスの香りが立ちこめている。英語に混じって聞こえるヒンディー語。



『この辺りには、インド料理店だけで60店舗以上あると言われてるんだ』。2010年にインド西部グジャラート州から移住してきた男性(45)が教えてくれた。

華僑との対比で『印僑』と呼ばれるインド系のディアスポラ(移住者)が作るコミュニティーが、米国で急成長を遂げている。世界に3,200万人いる印僑のうち、米国在住者は450万人で、世界最大のインド系コミュニティーになった。急増したのは高度人材として米国が受け入れた人々だ。

米移民政策研究所によると、なかでもイズリンを含むNY都市圏に、米国の都市圏としては最大規模のインド人街ができている。生徒の8割がインドを中心とする南アジア系という高校もあるという。急速に増すインド系住民の存在感を象徴するのが、昨年10月に完成したヒンドゥー教寺院だ。

イズリンからさらに車で40分。アクシャルダム寺院の敷地は75ヘクタール。東京ドームが15個以上も入る広さは、ヒンドゥー教寺院としても世界有数の大きさだ。

大理石や石灰岩などで建設され、ヒンドゥー教神の像や伝統楽器、踊りを披露する人などをあしらった1万点にも及ぶ彫刻が並ぶ。地元メディアによると、総工費9,600万ドル(145億円)は寄付でまかない、完成までに12年かけた。



多くの信者が『奉仕活動』として建設に関わり、『低賃金で働かされた』などとして訴えも起こされた。インド系移住者や観光客などが週に数千人訪れる。インド出身で現在は東部フィラデルフィアに住む歯科医の男性(35)は、友人や親戚を連れて来た。『自分達のルーツを考える機会になる』と笑顔を見せる。

寺院の男性広報(32)は『我々の文化や信仰、価値観を多くの人に知ってもらえる建造物にしていきたい』と期待する。同様の寺院は米国内の別の都市やカナダ、英国などにもあるという。(石原孝筆)

◆私は、シンガポールに行った時、インド人街でヒンドゥー教寺院を見た。とてもドラマチックで、多くの人が信仰しているのが良く分かった。なにせ、インドで発祥した仏教を駆逐した宗教なのだからなあ。


■■<『中国に対する、日米政府の違い』>『2度とアメリカの土を踏まない』。国際連盟事務局次長だった新渡戸稲造はこう宣言したという。『太平洋の橋とならん』と日米友好に尽くした国際人を憤慨させたのは100年前に成立した排日移民法だ。



米大統領選の年。米政府は反対していたが、日系移民の多いカリフォルニア州選出議員に扇動された米議会は大統領の修正要請を一蹴した。1924年4月12日の下院決議後、日本では反米世論が沸騰した。

米国では中国権益を拡大する日本への警戒が高まっていた。当時、米国に留学した国際ジャーナリスト、松本重治は『日米関係の核心は中国問題』と悟ったという。米国に背を向けた日本は中国進出の動きを強めていく。歴史の分水嶺の一つである。

今では強固な強固な同盟をうたう日米だが、核心に中国問題がある構図は変わらない。バイデン米大統領との会談に臨んだ岸田首相は、中国をにらんだ米英豪の安全保障枠組み『AUKUS』との協力に踏み込んだ。

気になるのは日米の対中対応の差だ。バイデン大統領は事前に習主席と電話で協議し、財務長官を訪中させた。対立ゆえに意思疎通を欠かさないのだろう。一方、岸田首相に独自の布石はみられない。

難しい時代こそ道を誤らない周到さや慎重さが必要だ。対中抑止強化を進めるにも国民的議論が欠かせない。国会をパスして首脳会議での合意を規制事実化するような手法は禍根を残す。昨今の支持率からは国民が首相に白紙委任を与えていないことは明白である。(産経『余禄』)

◆産経新聞にしたら、めずらしく保守自民党を諫める文である。それほどに、産経の記者にも目に余る岸田政権の貧相なる施策、行動なのだろうなあ。パーティー券裏金問題も、裏を返せば、泥棒をつかまえて、泥棒の親分が裁定を下すの図式だ。一体パーティー券売り上げは課税対象になるのかならないのか、国税当局の見解さえチェックしない岸田政権の傲慢ぶりではある。


■■<米NY産の獺祭『DASSAI BLUE』、日本上陸 旭酒造、限定販売> 日本酒『獺祭』を醸造する旭酒造(山口県岩国市)は23日、米ニューヨーク州で生産した純米大吟醸『DASSAI BLUE(ダッサイブルー)』を日本国内で数量限定で発売する。昨年オープンした同社初の海外の酒蔵で仕込んだ『NY産』を届ける。

酒米の精米歩合を表す『タイプ23』(税抜き価格1万円)と『タイプ50』(同3800円)の2種類で、いずれも720ミリリットル入り。計約2万6千本を国内の一部販売店で売る。

アルコール度数は低めの14%で、飲みやすさや柔らかい口当たりが特徴という。昨年秋から販売している米国では、ワインやシャンパンのようにいろいろな料理と合わせて楽しむ酒として浸透を図っている。

日本産の酒米山田錦と現地の水で造った。今後は米アーカンソー州産の山田錦も使う予定。同社は『日本と同じ味を目指すのではなくダッサイブルーのおいしさを追求し、ニューヨークの環境でできる最高の酒を目指す』としている。



◆現会長が桜井博志が、父親から酒蔵の稼業を継いだ時には、もう倒産寸前だった。それを、『酔う酒から、味わう酒へ』の転換を図り、『獺祭』を創り上げた。今や年間売り上げ150億円超の、日本酒酒蔵では全国ベスト5に入るトップブランドに成長した。早くから海外市場に目を向けて、東南アジアを中心に拡販していたが、今回、NYに酒蔵を稼働させて、新ブランド『DASSAI BLUE(ダッサイブルー)』の発売にこぎつけた。海外で一番人気の日本酒であろうなあ。素晴らしい旭酒造だ。それに引き換え、広島の酒蔵は『天下泰平』とばかり、泣かず飛ばすのブランドに成り下がっているなあ。努力が足りない、広島の酒ではある。