今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『ミューレン村の水場』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、徳島県の岩島・大辰巳島の『前人未踏の辺境クライミングルートを登る麻莉亜』。そして、先週末に訪れた高知市内を走る『土佐電鉄の市電Ⅱ』です。

この土佐電鉄の市電は、高知市内は複線で運転されているものの、西に流れる鏡川からは単線となっています。不思議に思っていると、『いの町紙の博物館』でその理由が分かりました。明治41年、1908年、伊野から高知まで和紙の製品を輸送するため、単線で土佐電が単線で開通したものだと。その後和紙生産は減ったったものの、住民の足として今も単線運営されているいとのこと。土佐に行かなければ、このような事情はついぞ知らずじまいではありました。また、伊野には仁淀川が流ており、あの宮尾登美子が育った地であり、また小説の題材としても使われた清流として流れています。




















 








 


 

 

 

 

■■『その龍善院の墓地でおふうを追い回したことがある。いや、追い回したのはわしではない。2つ、3つ齢上の連中だ』
そう言った時、清左衛門は強い力で横に突き飛ばされた。膝をついた清左衛門の前を、鈍い白刃の光がすべって行った。そして起き上がって身体をたて直した時には、刀を抜き合わせた安西佐太夫が、1人の男と切り合っているのが見えて来た。

清左衛門は声をかけた。
『切ってはならんぞ、佐太夫』
ただ声をかけるまでもなく、切り合いはあっけなくかたがついた。襲って来た男が倒れ、安西は叩き落した相手の刀を拾い上げると、無造作に川に投げ込んでいる。そして倒れた男も、斬られたわけでもなかったらしく、腿をさすりながら立ち上がった。

近づくと、清左衛門は男の顔を提灯で照らした。青白い顔をした若い男だった。男は提灯で照らされると、まぶしそうな眼をしてうしろにさがった。安西が、じっとしておれと叱った。
『この男は?』
清左衛門が聞くと、安西は野田の倅ですと言った。

『野田平九郎。何か、襲われる心あたりでもありますか』
『心あたりはないわけではない』
清左衛門は苦笑した。


■■<インド新時代Ⅳ『IT業界「先達」にあこがれ』>政界以上にインド系人材の進出が際立つのが、経済界だ。グーグル、マイクロソフト、アドビ、ユーチューブ、スターバックス・・・・。米国の名だたる大企業のCEOについている。

親がインド出身の2世もいるが、インド国内の大学を卒業した後に米国に留学し、チャンスをつかんだ経営者も多い。マイクロソフトなどが本社を構える米北西部シアトル近郊のIT業界で働く外国人の4割がインド系の人材だと報じられたこともある。『インド人がいなければ、ITシステムは動かせなくなる』という人さえもいる。
こうした『先達』の姿にあこがれ、インドに住む多くの若者達が『自分もなれるはずだ』と米国を目指す。



15年にインドから米国の大学院に進学し、今は首都ワシントンのIT企業で働く若者(30)は『米国企業が大事にするのは結果だ。カーストも信仰も関係ないし、収入も米国の方がいい』と、移住した理由を語った。なぜインド人は海外で活躍できるのだろうかと尋ねてみた。

若者は『インド人の多くは競争に慣れているし、他の人よりも働く。成功への野心も強い』と語った上で、こうも話した。『インドでは仕事や勉強でも、最後の最後に予想もつかない事態が起こる。その時、慌てずに代替案を出せるか。私達は、このスキルが他の外国人より勝っているんだ』と答えた。

混沌とした状況でも、機転を利かせて解決方法を見つける思考・行動をインドでは『ジュガール』と呼び、大事な能力の1つと考えられている。

各界で活躍するインド系人材を通じて、母国への投資や企業誘致を図っているモディ首相は昨年6月、米国議会での演説で彼らの存在をたたえた。『インド系人材の心と知性、才能と技術、そして米国のインドへの愛が、私たちを結びつけ、扉を開き、我々のパートナーシップの可能性っを示してくれたのだ』(石川孝筆)


■■<日銀の利上げで生じる『奨学金』の思わぬ誤算、貸与利率が10年ぶり高水準>日本銀行によるマイナス金利解除を契機に、国内金利の先高観が強まっている。預金や住宅ローンといった身近な取引はもちろん、金利上昇の影響が意外な分野にも及んでいる。日本学生支援機構(JASSO)が運営する『奨学金』だ。



JASSOの奨学金には、無利子の第一種と有利子の第二種がある。このうち、後者の貸与利率(貸出金利に相当)は2022年から上昇に転じ、足元ではおよそ10年ぶりの高水準にある。今後も日銀が利上げを進めれば、低金利時代に奨学金を借りた学生にとって、返済額の思わぬ増加につながる可能性がある。

◆『奨学金も市場金利に連動』 日銀による利上げが、なぜ貸与利率の上昇につながるのか。理由は、奨学金の調達構造にある。第二種奨学金は、原資の過半を国や金融機関、投資家から調達している。JASSOの2023年度予算では、第二種奨学金事業の財源として約1.5兆円が計上された。このうち、過去に貸与した奨学金からの返還金は6338億円にとどまる。残りは財政融資資金が5869億円、民間金融機関からの借り入れが1510億円、債券の発行が1200億円と続く。

財政融資資金とは、国が債券(財投債)を発行して調達した資金を地方公共団体や独立行政法人などに貸し付ける制度だ。JASSOはそれを借り入れ、奨学金として大学や専門学校などの学生に貸与している。市場金利が上昇すれば、国が財投債を発行する際の金利も上昇する。するとJASSOが借り入れる財政融資資金の金利も上がり、最終的に奨学金の貸与利率に転嫁される。



第二種奨学金には、返済する利率に関して2つの算定方法がある。1つは、奨学金の辞退時や卒業時などの貸与終了時に決定した利率が返還完了まで適用される『利率固定方式』。もう1つは、貸与終了時に決定した利率をおおむね5年ごとに見直す『利率見直し方式』だ。

その貸与利率は日銀の金融政策に左右されてきた。日銀が2013年に異次元緩和を導入すると市場金利の低下を受けて貸与利率も大きく低下し、2016年のマイナス金利導入後は超低金利で推移してきた。

潮目が変わったのは2022年。海外金利の上昇につられて国内の長期金利も上昇し、固定方式の利率が反応。さらに日銀が長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の柔軟化に舵を切ったことで、固定・見直し両方式の利率が本格的に上昇に転じた。

◆『金利上昇で返済負担が増加』 JASSOによれば、貸与利率は借入期間15年ないし20年の財政融資資金を、固定および変動で借り入れた際の金利を加重平均して決まるという。過去の推移を見ると、固定方式は10年物国債、見直し方式は5年物国債の金利と似た動きをしている。

市場では、日銀が年内にも追加利上げに踏み切るとの観測が強まる。市場金利に連動して、貸与利率のさらなる上昇は避けられない見通しだ。前回の利上げ局面である2007年当時、貸与利率は固定方式で1.9%、見直し方式で1.5%まで上昇した。

貸与利率の上昇は返済額の増加につながる。とりわけマイナス金利時代に借り入れた学生にとって、貸与利率の上昇は想定外の事態となりそうだ。

第二種奨学金は借り入れ時ではなく貸与終了月の7カ月後に返済が始まり、前述のとおり貸与利率は貸与終了時の市場金利を参照する。第二種奨学金を利用する学生数は毎年60万~70万人。これから貸与利率が確定する学生の中には、マイナス金利下で超低金利だった利率を前提に借り入れた事例もありそうだ。



JASSOが公表している試算によると、4年制大学に通う学生が月額8万円の奨学金を借りた場合、借入総額は384万円になる。これを20年で返済すると、月の返済額は金利が1%なら1万7737円、2%なら1万9582円だ。貸与利率の上限である3%まで上昇すれば、2万1531円に増える。

金利上昇の余波は、奨学金と似た制度である国の教育ローン(教育一般貸付)にも及んでいる。こちらは日本政策金融公庫が貸し付けているが、2023年に金利が従来の1.95%から2.25%に引き上がっている。奨学金と異なり、国の教育ローンは最短で借り入れの翌月から元金ないし利息の返済が始まる。

貸与利率が上昇する一方、金利ある世界では物価上昇を通じて給与も増える傾向にある。連合が4月4日に発表した春闘の3次集計では、定期昇給とベースアップを合わせた賃上げ率が平均5.24%に達した。奨学金を利用する学生にとっては、返済負担に耐えうる給与を得られる職業につけるかが重要になりそうだ。

◆この記事は東洋経済によるものだ。まさに『大変だ、大変だ!』の狼少年類の記事。貸付金利率が上がっても3%が上限。返済額がたかが3~4,000円増えても一般の普通の若者の生活にはなんら問題はなかろう。何せ初任給25万円の時代に、たかが2万円程度の返済額で汲々とるるはずがない。さらに言えば、この金利がかかる奨学金は受けずに、無利子の第一種奨学金を受ければいいのだ。

ましてや、月の返済額が1万7千円とか、1万9千円のレベル。普通に就職して働いていれば、酒代を節約するだけで返済花能だ。何を大騒ぎすることがあろうか。そんなの、奨学金を借りる前から承知の助のはず。それを今更あれこれという筋合いではあるまいに。何か、こんなやらせじみた記事が最近目につく。特に多いのが現代ビジネスとかいう情報筋で。升の隅をつついて、むりやり記事にしている。

つまり、第2種奨学金を受ける学生は、第1種の奨学金が受けられない、つまり学力において劣る者が受けるのだ。一生懸命勉強し、東大、京大、慶大、早稲田なっどに行けば、これに加えて企業が支給する奨学金もある。成績が優秀であれば、第1種や企業の奨学金も受けられ、有利な奨学資金が得られる。半面、生半可な勉強しかしなくて、奨学金を受けようとする場合、条件は悪くなる。これって、世の中の普通のセオリーではなかろうかなあ。

私の場合を出して失礼なれど学業成績がまあまあの水準であったので、大学時代は特別奨学金を受けて、月額4,500円をもらっていた。卒業後は、月3,000円の返還でよく、これをきちんと返済すれば、差額の1,500円は無償償却になった。20年間、72万円返済して、差額の36万円は無償償却してもらった。文科省様様ではある。


■■<続純金製茶わん盗難『180万円で買った業者、四百数十万円で即日転売』> 日本橋高島屋で開かれた『大黄金展』の会場で販売価格1040万円の純金製茶わんが盗まれた事件で、窃盗容疑で逮捕された男から180万円で茶わんを買い取った業者が、別業者に四百数十万円で転売していたことが分かった。転売は窃盗事件が起きた11日のうちに実施されていた。

職業不詳の堀江大容疑者(32)は11日午前11時40分ごろ、会場内から茶わんを盗んだ疑いで、13日に警視庁に逮捕された。



◆『リュックに入れ、地下鉄で移動』 捜査3課によると、堀江容疑者は事件後、茶わんをリュックに入れ、日本橋駅から地下鉄で木場駅まで移動。午後1時半ごろに江東区内の買い取り業者を訪れ、約180万円で売却していた。業者はスマートフォンで検索して見つけたと同課はみている。捜査関係者によると、江東区の業者はその日のうちに台東区の古物買い取り店に転売していた。その際の価格は四百数十万円といい、茶わんはこの古物店で見つかった。江東区の業者は転売益を得たとみられ、同課は買い取りと転売の状況について事情を聴いている。

◆しっかし、すばしこいなあ。この買い取り業者は、品物が盗難品であることを承知で買い取った疑いが強いねえ。故買の罪に問うべきだなあ。社会の健全化を目指して。