今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『ラウターブルネンの谷から見上げるシルクホルン』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、奥穂のジャンダルムより厳しく、新潟魚沼の難ルート『麻莉亜の八海山トレッキング』。そして、春よ来いと『スイセン、アラカルト』です。

 
























 

 

 

 

 

 

 

■■『折敷いて鉄砲っをはなったところ、猪はまっすぐに師匠を目がけて走ってくると、避ける間もなく上からのしかかったそうです』
安西佐太夫はそこで言葉を切り、三屋清左衛門を振りむくと微笑した。ふだん笑顔など見せることもない無口な男がどことなく機嫌よさそうに見えるのは、話が得意とする鉄砲のことだからであろう。

『佐太夫、そこで話をやめるな』
清左衛門はじれて催促した。
『それで、白石はどうした?』
白石というのは、若い頃に外記流の鉄砲で藩から一家を立てることを許された白石直右衛門のことだった。安西佐太夫はその一の弟子である。

『一緒に子持山の猪狩りに行った人々は、すわとおどろいて刀を抜くと師匠が倒れた場所に走ったといいます。ところが師匠は何事もなく猪を押しのけて起き上がり、猪はと見ると、眉間をまっすぐに撃ち抜かれてもはや絶命していた由です』

『ふむ、大した腕だの。それに元気だ』
と清左衛門は言った。今安西が話している猪狩りは2年前のことだが、それにしても白石直右衛門はもう60を過ぎているはずである。白石の壮健ぶりは、うらやむべきものだった。

『わしも釣りを嗜むが、猪狩りとは思いもよらぬ』
『わが師匠の元気は特別でござりますゆえ・・・』
安西はにこにこ笑ったが、そこでわが家のそばまで来たことに気づいたらしかった、。
顔に、わずかに困惑のいろをうかべた。

『お立寄りいただければいいのですが、あいにくと・・・』
『いやいや、その気遣いはご無用』
清左衛門は安西の言葉を遮った。


■■<カープVへ出発進行! JR西が『ラッピング列車運行』>JR西日本は27日、広島東洋カープの選手たちの写真をあしらったラッピング列車を広島駅(広島市南区)で報道機関に披露した。28日から11月下旬まで山陽線の福山―新山口間と呉線、可部線で走らせ、6年ぶりのリーグ優勝へ機運を盛り上げる。

227系「レッドウイング」の3両編成の車両をチームカラーの赤で全面ラッピングした。堂林翔太選手、床田寛樹投手たち8選手が躍動し、新井貴浩監督が両手を振り上げて喜ぶ。今季のキャッチフレーズ『しゃ!』のロゴも載せた。



選手の名前はキャッチフレーズに合わせて力強い筆書きの字体を使用。車内の中づり広告は全て『V奪還へ 新井カープ始動』と記したポスターになっている。

運行は13年目。広島支社地域共生室の鈴木優一さんは「V奪還に向けて地域の皆さんと盛り上げていきたい」と話していた。



◆いよいよシーズン到来だねえ。楽しみだ。だけんど、カープ優勝の掛け声にしてはチーム力がややひ弱と感じるがどうだろうか。特に外人は、例年通り低空飛行に終わりそうだねえ。困ったもんだ。

 

しっかしなんだねえ、開幕2連敗とは。横浜球場がまことと嫌いなカープナインかな?

■■<『少子化対策をしない日本政府』>厚労省が発表した人口動態統計によると、2023年の出生数は過去最少の75万8,631人。婚姻件数は49万組、離婚件数は19万組。この年のみで単純計算すれば、結婚した人達の38%が離婚している勘定になる。

どうすれば少子化を止めることができるのか。若者達に手厚い支援をすればいい。医療費を無償化し、大学院までの教育を無償化し、育児支援のための施設整備に惜しみなく予算を投じれば、少子化のペースは確実に鈍化するはずである。そのことはフランスや北欧で証明されている。



でも、政府にはそんな政策のために巨額の予算を投じる気はない。先日、加藤少子化対策担当相が国会答弁で官僚が準備した答弁を何度も読み違えることがあった。下読みさえしないで国会審議に臨むやる気のなさもさることながら、人口減という『困難的なイシュー』について自分の言葉で語ることができない人間を担当大臣に任用した点に岸田内閣の少子化問題についての『病的なやる気のなさ』が漏出している。多分彼らは少子化問題に取り組むつもりはないのだろう。

たしかに少子化がこのペースで進むと、年金制度はもたないし、生産年齢人口の減少と市場の縮減をもたらす。そのせいで日本経済は衰退する。

とはいえ、日本の資本主義が滅びるとしても、それはまだだいぶ先のことだ。それまでの間にこの『泥舩』から持ち出せるものはまだ随分たくさんある。『洪水はわが亡きあとに来たれ』というのは、わが政官財指導層の偽らざる本音だろう。

一つ注意しておかなければならないのは、彼らが人口問題に真剣に取り組む気がないのは、高齢化・過疎化によって次第に地方が無住地になったとしても、それはそれで金儲けの材料になるかも知れないという算盤をはじいているかである。



◆『汚しても反対なき土地に』 今は過疎地にも一定の行政サービスは行わなければならない。公共交通機関を維持し、上下水道やライフラインを確保しなければならない。『過疎地に住んでいる人間は自己責任で不便に耐えろ』と揚言する論客はいるし、それは政府の本音でもあるが、それを公言することは憚られる。公言すれば、地方での議席を失って選挙でぼろ負けすることが確実だからである。口先だけでは『少子化対策』とか『地方再生』とかいうお題目を唱えている。

だが、いずれ限界集落の住民が死に絶えて、そこが無住地になってしまえば、もう行政コストをかける必要がなくなる。そればかりではない。無住地なら『住民がいるとできないこと』ができる。原発でも太陽光パネルでも風力発電用風車でも建て放題だし、産業廃棄物の捨て場でも放射性物質の捨て場でも作り放題である。そのせいでどれほど生態系が破壊されようと『地域住民の反対』というものがない土地なのだ。これからも住むことはない土地なのだ。どれほど汚しても誰も文句を言わない。

残った人々は都市に集住する。狭い土地に人がひしめき、見た目は今と変わらない都市生活が営まれる。求職者が狭い地域に押し込められれば、賃金は低いままに抑えられる。年金だって受給開始年齢を引き上げれば、払わずに済む。労働力の不足は定年を迎えても年金がもらえない高齢者達に死ぬまで働いてもらえば補える。

多分今の日本の政官財指導者達はそうおいう『人口減シナリオ』を書いていると思う。政府の無策にも一定の合理性はあるのだ。



やがて日本人は国が破れたあとに帰るべき『山河』を失うことになるが、それを悲しむ日本人もいずれいなくなるだろう。(内田樹筆)

◆『内田樹』:1950年9月30日生、73歳。日本のフランス文学者、武道家(合気道凱風館館長。合気道七段、居合道三段、杖道三段[1])、翻訳家、思想家、エッセイスト、元学生運動家。神戸女学院大学名誉教授。高校を中退したが、大学入学資格検定を経て東大に入学、文学部仏文科卒。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。フランス現代思想を専門とし、大学で教鞭を執る。『ためらいの倫理学』(2001年)以来、レヴィナスをはじめ思想の簡明な解説や、知的エッセイを数多く執筆。少子高齢化、成熟した資本主義経済の末路への予測から、消費を基盤とした経済システムが終焉を迎えつつあるとし、今後は共同体による相互扶助、共生的な考え方を基盤とした社会を目指すべきだとしている。ネットにおける匿名性の危険性についても、警告を発しており、著書の多くは、ブログから発信した文章がもとになっている。

◆お説の通りかも知れないね。首相以下、本気で少子化に取り組んでいるとは思えない。その証拠は、日本国中に『Children First』という雰囲気が一向に盛り上がらないことである。国が滅びるという危機感も問題意識も欠落しているとしか思えない、パーティー券議員達ではあるなあ。情けない。


■■<『お母さんのいいところは』>わたしのお母さんにはいいところがたくさんあります。

一つ目は、りょう理が上手です。なんでも作ってくれ、とってもおおいしいです。とくにすきなのは、シチューやハヤシライスです。シチューはおにくがやわらかく、ハヤシライスはタマネギがあまいです。

お母さんからりょう理を教わったこともあります。にくじゃがをいっしょに作った時は、わたしがなべにぐや水を入れました。いつもたのしみです。

二つ目は、やさしくて、わる口を言わないところです。わたしがけんかをしてないていると、『なかなくてもいいよ』といってなぐさめてくれます。妹がないていた時にお、やさしくなぐさめていました。そんなお母さんはやさしいと思いました。

三つ目は、かわいいところです。メークしなくてもかわいいのに、『わたしなんか、おにババアだよ』なんていいます。

お母さんには、自分のいいところにもっと気づいてほしいです。(中国新聞投書 庄原女子8歳)



◆今時の子供らしいなあと感心した。とっても柔軟性に富んだ子供だと思う。8歳。私が8歳の頃にはこんな文章は書けなかっただろう。時代は間違いなく進化しているなあ。素晴らしい!