今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『ラウターブルネンの谷・スイスの家屋』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、奥穂のジャンダルムより厳しく、新潟魚沼の難ルート『麻莉亜の八海山トレッキング』。そして、春の七草のひとつ『ナズナ』と、シソ科の『仏の座』です。『ナズナ』は、ぺんぺん草とも呼ばれて、かわいそうな名前の花です。ですが、若苗や若葉は食用にもなるそうです。

 










 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■■淡い悔恨が清左衛門の胸に入りこんで来た。当時はそんな事情も知らず、19で妻を娶ることになった平八を、まるで好色漢のような言い方をしてあざ笑ったり、祝言の席をのぞきに行ったりしたのだ。剣の腕ものびず、気も弱い平八を軽くみていたのである。

若い時に限ったことではない、と清左衛門は思っていた。ひたすらにお勤め大事、女房が大事、子が大事と、わき目もふらず城と家を往復する平八を軽く見る気持ちは、つい近年まであったのではなかったか。

『どうした?蟹を喰ってくれ。うまいぞ』
清左衛門は、平八がまだ蟹汁に手をつけていないのを見てすすめた。清左衛門は適当に飲み、顔にも酔いが出て来ているのに、平八は酒もそんなには飲んでいないようである。

『熱いうちにやるといい』
遠慮しているのかと思って、清左衛門は平八に酒をついだ。そしてやっと、平八が頼みがあると言っていたのを思い出した。

『ところで頼みとは何だ』
『うん、それだ』
平八はついでもらった酒を飲みほしてから、清左衛門を見た。

『お主なら、歴々の方々をよく知っていると思うが・・・』
『歴々と言うと、役持ちのことか』
『まあ、そうだ』
『佐伯とか、大目付の山内勘解由とかのことかな』
『いや、もう少し上の方だ』

『もっと上というと御奏者、番頭、組頭・・・』
『・・・・』
『あとは中老、ご家老方になるぞ』
『ご家老に、どなたか昵懇の人はおらぬだろうか』
『ほう』
清左衛門は平八を見た。平八は上目づかいに清左衛門を見ていた。


■■<マツダが元社員の再雇用、本格的に『アルムナイ採用』を開始『復帰後の意欲や士気が非常に高い』>マツダは来年度、退職した元社員を再雇用する『アルムナイ採用』を本格的に始める。人材の獲得競争が激しくなる中、即戦力として活躍が期待できるほか、社外で得た知識や経験を生かしてもらう狙いがある。

アルムナイは英語で『卒業生』や『同窓生』を意味し、社風や仕事の進め方を理解しているのが強みとされる。マツダはここ数年、個別に相談を受けて数人を採用しており、4月から制度化することにした。人事を統括する竹内都美子執行役員は『復帰後の意欲や士気が非常に高い』と話す。



自動車業界では、電動化や自動運転といった先端技術の開発競争が進む一方、車体やエンジンなどの知識を持つ人材も必要となる。このためマツダは4月に人事制度を大幅に見直す。人事改革推進部を新設して研修や昇給、評価の仕組みを変える方針で、アルムナイ採用はその一環となる。デジタル領域を中心に、専門性の高い人材に高額の報酬を提示することも検討しているという。

アルムナイ採用は様々な業種に広がっており、自動車業界ではトヨタ自動車も2022年3月に導入している。

※人材流動性の高い欧米では、退職者が数年後に再び同じ会社に戻って働くことは珍しくない。良い人材を確保するために、退職者のネットワークを作りその中から再雇用を行う『アルムナイ採用』が一般的になっている。日本においても、アルムナイの優れた取り組みを表彰する『ジャパン・アルムナイ・アワード』が開催され、第一回は経済産業省OBOG会がグランプリになるなど、アルムナイの積極活用を推進する機運は高まっている。

◆まさに時代だねえ。日本的労働慣行の一部に穴が開いたね。


■■<惑う観光大国ニッポン①『オーバーツーリズムの京都』>いつもは大型の観光バスが連なる清水寺へと続く五条坂に、消防車や救急車数十台が連なり辺りは騒然とした。2023年9月、飲食店で50代の男性が救急搬送される火災が発生し、黒煙が一帯に立ち込めた。

近くに住む女性(76)は『観光の入シーズンだったら消防車の到着が遅れて大火事になっていたかも知れない』と当時を振り返る。火災現場の先にはバスの駐車場があり、繁忙期には車の身動きがとれないほどの大渋滞が発生する。『救急車が必要な時もすぐ来てくれない』。高齢の女性にとっては人ごとに感じられない。

観光客が特定の観光地に集中して市民生活に支障が生じるオーバーツーリズム観光公害が京都で深刻さを増している。JR京都駅前のバスターミナルは訪日外国人インバウンドの長い行列が絶えず、日常の足としての公共交通のマヒに対して悲鳴を上げる地元民は多い。

新型コロナウイルスの感染拡大で急減したインバウンドが、着実に日本に戻ってきている。京都市観光協会によると、23年11月の伸べ宿泊数に占める外国人の比率は51.5%だった。コロナ禍前の19年11月に比べ4.9ポイント増となり、14年の統計開始以降で過去最高となった。

市は混雑するバスから地下鉄に観光客を誘導しようと、市バスの1日乗車券の販売を23年9月に終了したが、目に見える効果は出ていない。京都~嵯峨嵐山間を結ぶJR嵯峨野線はコロナ禍での乗客減で、21年10月に1時間当たり5本だった日中の便数を4本に減らした。この影響もあり平日昼間でもインバウンドの利用で通勤ラッシュ並みの混雑となっていた。



JR西日本は利用客増加を受け、3月16日のダイヤ改正で便数をコロナ前と同等に戻す。だが、奈良県立大の新井教授は『交通機関の混雑緩和は根本的な解決にならない』と指摘する。

府や市は観光客やツアー会社に郊外への分散を呼びかけているものの、嵐山や清水寺といった有名観光地は観光ルートから外されにくい。新井は『適切な観光客がどれくらいかを議論する。その上で観光目的の店舗やホテルの新たな進出を抑制するなど、観光客の総量を規制する検討が必要では』と警鐘を鳴らす。(日経)

◆お説の通りだねえ。京都は寺社まで『観光客、観光客』と金儲けに血眼だ。かつて、観光客に対する市内設備等の整備のため、寺社の入場料金に税金を課そうとしたら、こぞって大反対し、ストライキ騒ぎにまでなった。寺社が金に血ナマコにならず、地域と共存する姿勢を打ち出すことも重要だよねえ。あの金閣寺などその筆頭だ。


■■<玉川徹『政権を代えるしかない』、裏金問題真相解明できない自民党に『国民の圧力強まるばかり』>元テレビ朝日社員の玉川徹は19日、テレビ朝日系『羽鳥慎一モーニングショー』に出演し、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた18日の衆院政治倫理審査会に出席した下村博文元文科相から、真相解明につながるような内容が一切語られなかったことに言及した。

『5人組』といわれた安倍派幹部とは距離を置く元幹部の立場から、安倍派裏金問題の真相解明に踏み込んだ発言をするのではないかという観点から、『ラスボス』との期待もあった下村元文科相。しかし、真相解明につながるような新たな事実は何も語らず『肩すかしにもほどがある』(野党関係者)と酷評されたほどだった。

『5人組』をはじめ安倍派幹部に対しては今年1月、市民団体が検察審査会への審査申し立てを行い、東京第5検察審査会が受理したことが明らかになっている。玉川は『強制起訴は司法権に基づいて事実を明らかにする。これは市民がこれからやっていくことになると思うが、国会は国権の最高機関。国政調査権を使って調べるべきだと思うし、そのためには第三者が介入するような委員会を国会にきっちりつくることなんですが、自民党はやらない。明らかになると自分たちが都合が悪いんだから』と、持論の第三者委員会創設が進まない現実に言及。その上で『そうなってくると、究極の方法としては政権を代えるしかないという話になってくる』と政権交代の必要性を訴えた。



ANNが3月16、17両日に行った世論調査で、次の衆院選で期待する政権の枠組みに関する質問に『自公政権の継続を期待する』の38%を、『政権交代を期待する』の46%が上回ったことなどに触れながら『選挙で審判を下すということに対する国民の圧力が、どんどん強まるばかりだと思う。現実問題としてそういう選択肢が出てきているということを、自民党は考えた方がいい』と指摘した。

玉川はまた、次期衆院選での野党の選挙協力にも触れ『比例区はそれぞれの党への投票になるが、選挙区でも何らかの選挙協力や調整を行うことで候補を一本化すれば分からないと、小泉元総理もおっしゃっている』『自民党は自浄作用を発揮して国会に第三者委員会をつくるということをやらない限り、むしろ選挙で負けますよということだと思う』とも主張した。

◆まあ、ごもっともな話だねえ。本当に自民党ってこんにゃくのようなぐにゃぐにゃ党だねえ。困ったもんだ。