今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『ラウターブルネンの谷のトレイル』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、奥穂のジャンダルムより厳しく、垂直に近い鎖場が連続する新潟魚沼の難ルート『麻莉亜の八海山トレッキング』。そして広島南アルプス『春日台団地~権現峠~火山~武田山~大町トレッキングⅢ 火山山頂』です。

 

























































■■『それは聞いた』
『ちょうどその頃に、野塩村で妙な事件があったのだ。貴公が聞きたいというのはそのことではないかな』

佐伯はそう言ったが、その時里江が茶菓をはこんで来て、盆の上に厚く切った羊羹がのっているのにすばやく眼をつけたらしく、やあ、ここで一服しようではないかと言った。
喰いすぎはないという言いわけは、あまりあてにならないようである。

『何が奇妙かというと、こういうことだ』
茶を喫し、羊羹を喰い終わってから、佐伯熊太が話して聞かせたのはつぎのようなことだった。

ある日の午後、小樽川の下流で水死人が上がった。その若い男の水死人は、前夜から行方知れすになっていた野塩村の久右衛門の奉公人だとわかった。一見して酒に酔って足を踏みはずし、水に落ちたといった状況だったが、調べにあたった村役人は、そのうちにその水死人にはいろいろと腑に落ちないことがあるのに気づいた。

水死の若者は、ふだん一滴の酒も口にしない男だとわかったのである。それに小樽川は、その頃格段水嵩がふえていたということもなく、また男は子供の頃から小樽川を泳ぎ場にして育った、泳ぎ上手でもあった。過って水に落ちたぐらいでおぼれるはずがないという証言がいくつもあつまった。

そうなると、男が水死したのは過って水に落ちた時に頭でも打ったか、それとも喧嘩でなぐられでもして、その後川にほうりこまれたかである。頭を打ったとなればただの不運だが、もし喧嘩があったとすれば事件である、。村役人は裸にした死人を仔細に調べた。そして頭を打った痕も、喧嘩の痕も見つからなかったが、腹のところ、正確には鳩尾のところに、何かでなぐられたような痕があるのを見つけたのである。

村役人は急報で、郡代屋敷から郡奉行配下の横目付が野塩村に派遣されて、再度検視にあたった。そしてその結果、いささか武術の心得がある横目付は、鳩尾の打撃痕を当て身の痕と断定したのである。つまり水死人は強い当て身を喰わされた後で、川に放りこまれ、息を吹き返した時は水の中で、そのまま水死したものと推測されたのだった。


■■<オルビスの改革①『ポーラのベンチャーとして誕生』>化粧品会社が注目する賞がある。国内最大級の美容情報サイト『@cosme アットコスメ』が消費者の口コミをもとに選ぶという『ベストコスメアワード』。昨年12月、ヘアケア製品『エッセンスインヘアミルク』(1,320円)が、高級美容液などを抑えて総合大賞を取った。

数年単位で商品を刷新するのが一般的な業界で、2011年の発売当初から中身や容器のデザインはそのまま、ピンク色のボトルは『映える』デザインとはいえないものの、傷んだ髪を補修するとしてSNSで話題となり、この2年で売り上げは9倍に伸びた。



販売するのは化粧品会社『オルビス』だ。1千~4千円程度の価格帯を中心にスキンケア商品を多く扱う。美容系のサイトや雑誌などが主催するこうした賞に名を連ねるようになったのは、ここ数年のことだ。

1984年にポーラグループのベンチャーとして生まれたオルビスは、通販化粧品のパイオニアだ。フリーダイヤルを導入し、他社に先駆けてECサイトを開設。肌に必要な原料だけを取り入れた商品のシンプルさと手に届きやすい価格が消費者に受け入れられ、2000年代前半まで売り上げは右肩上がりだった。



だが、自然派をうたう化粧品が市場に増えると、成長が鈍化。アマゾンや楽天など巨大ECの台頭で苦戦し、2007年に売上高が500億円を上回ったところで、勢いは止まった。

売り上げを伸ばすため、値引きやポイント還元などのキャンペーンを積極的に打ち出したが、特典がないと買ってくれない客が増えた。次第にキャンペーンに依存するようになり、利益率は下がった。


■■<タジキスタン『和牛輸出、3年で6倍』 中国向けを擬装か>中央アジアのタジキスタンへの和牛輸出が3年で6b倍に増えた。日本政府が和牛の輸出増へ動く中、和牛消費国としてなじみのない国への輸出。市場関係者からは和牛輸出が制限されている中国への『中継地』ではないかとの指摘がある。



タジキスタンへの牛肉輸出量は2021年から急激に増えた。23年は304トンと前年比17%増えた。20年比では6倍になった。タジキスタンへの輸出は全体からみると少ないが伸びは大きい。UMFによるとタジキスタンの22年の経済成長率は8%と高い。将来有望な市場にもみえ、業界内で話題となっている。

ただタジキスタンは羊肉が中心の文化。欧米のように和牛ブームが起きているわけでもない。市場の関係者が可能性として指摘するのが、中国への『中継地』としての需要だ。

中国は01年に日本でBSEが確認されたことを受け、日本産の牛肉の輸入を禁止した。公式には日本産の中国への輸出はなく、日本から第3国へ輸出された和牛が中国へと流入にたとされる。

中継地として公然と知られる国のひとつがカンボジアだ。かつては米国を上回る日本産牛肉の最大輸入国だった。輸出量が多くなりすぎたことで、内外当局の監視が強まった。23年には関係者が検挙されるケースも発生し、輸出量は1,133トンと、ピーク時の半分程度に落ちている。

タジキスタンは地理的に中国と隣接する。衛星管理など輸出に関する日本との2国間の条件もなく、輸出しやすい国のひとつだ。

タジキスタンは有望な市場か。輸出事業者の中には『和牛のイメージダウンにもつながらないことを信じたい』と語る。



◆このカンボジアへの和牛肉の大量輸出は、NHKスペシャルで報道された記憶がある。カンボジアから雲南省の密林を通って、最後は上海に辿り着くという図式だ。一度日本に来て、和牛のおいしさを味わった中国人達の需要が相当に強かったのであろうなあ。今もそうなのであろう。かくも遠いタジキスタン経由という迂回ルートをつくるほどだからなあ。大胃袋、中国也、だ。


■■<中国、『住宅在庫消化に10年』>中国の不動産市況で地域格差が広がっている。大都市の一部では高額な住宅でも売れる一方、地方都市では在庫の過剰感が強まる。地方に軸足を置く『碧桂園控股 カントリー・ガーデンHD』など民営大手の販売は回復のメドが立たない。2024年も市況の低迷が続く見込みで、苦境が一段と深まる。

『今契約すれば駐車場の利用権が無料です』『この部屋なら18万元(370万円)割引して85万元です』。2月17日まで続いた春節に伴う大型連休中、南部広東省の招関市都市にある碧桂園の住宅展示場では係員が熱心に特典を説明していた。春節で帰省する人を狙ったキャンペーンだが、来客の姿はまばらだった。招関市は中国で住宅の販売競争が最も激しい都市の一つだ。



広州や深圳市など発展が顕著な沿岸部とは異なり、内陸部で目立った産業は乏しい。それでも、市の中心部にある高速鉄道駅の周辺には、碧桂園のおか中国恒大集団や保利発展控股集団などの大手が手掛ける高僧マンションが数十棟も乱立する。

シンクタンクの調べによると、住宅在庫の面積を最近成約した住宅の面積で割った『消費月数』で、招関は131カ月に及び、全国100都市の中で最長だった。住宅を売り切るのに10年以上かかることを示す。招関で昔から過ごす住民は『住宅を作り過ぎだ。買う人なんていないよ』と話す。

中国の不動産市況が低迷する中、招関のような『3級・4級都市』と呼ばれる地方都市ほど住宅在庫がだぶついている。全国100都市平均の消化月数は22カ月で、適正とされる12~14カ月を大きく超えている。3級・4級都市ではさらに長く、30カ月に達する。

一方で、ネット大手のテンセントなどハイテク企業が集積する深圳の南山区では、1㎡当たりの価格が10万元(200万円)を超える『億ション』も多く、数億円の物件がすぐ完売するケースもある。普通の会社員では手が出ない価格だが、好立地の資産を求める富裕層の購入が多いとされる。

◆大都市と地方都市の格差は、不動産大手の販売実績を左右する。碧桂園や恒大のような民間大手の多くは、地方の都市開発に積極的に参画し事業を伸ばしてきた。それだけに地方の需要の落ち込みが大きな打撃となる。

不動産の研究所によると、碧桂園の23年の販売契約額は22年比で5割減り、企業別順位は22年の首位から23年は6位に低下した。碧桂園と数年前に首位を争った恒大も23年は24位だ。

国有の不動産大手は一部で販売が下げ止まりつつある。業界3位の中国海外発展や8位の建発房地産集団は、23年の販売契約高が22年比でプラスになった。

両社とも1級都市と、省都クラスの『2級都市』に物件の大半が集中する。競合より値崩れしづらく、国有企業という信頼感も下支えする。不動産市況の地域格差は、国有企業が幅を利かせて民業を圧迫する『国進民退』を加速させつつある。

過激な在庫の解消が進まず景気も足踏みする中で、中国全体の不動産市況は今後も低迷が続く見通しだ。23年の新築住宅販売面積は2年連続の減少となり、多くの調査会社が24年もマイナスになると予測する。

業界内では『今後数年間で大規模な再編も起こり得る』との見方も一部で出始めており、大手各社がどこまっで持ちこたえられるかが焦点が集まる。



◆一党独裁政権の国の成れの果てかしらねえ。でもなあ、中国には14億人の人口がいるからなあ、胃袋は大きいよなあ。