今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『ラウターブルネン、シュタウブバッハの滝の展望台でのインド系の家族』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、奥穂のジャンダルムより厳しく、難しい北穂高の『迫力抜群のゴジラの背を進む麻莉亜』。そして、牛田山から遠望する『広島経済大学』。武田山の麓のキャンパスはなかなか立派です。

 
































          <暖冬で早咲きの仏の座>







■■『格別の迷惑はなかったということになれば、調べはそれで打ち切ってよろしいと、つまりほんの形式だな』
『そんなことでいいのか』
ほっとして清左衛門は言ったが、その喧嘩なるものの背後にある2つの派閥勢力が、それぞれの思惑があって大目付に圧力をかけたのだろうとは、すぐに推察出来た。

むろん杉村要助は喧嘩に巻き込まれたわけではなく、朝田派の動きを探っているうちに、気付かれて襲われたということなのだ。
『杉村は貴公の娘婿だったな』
佐伯が言った。

『もう会ったか』
『いや、これからだ』
『手傷を負ったと言っても、ごく軽傷だ。心配はいらん』
『さおうか。これでほっとした』

『昨夜は折よくわしも紅梅町に居あわせてな。すぐ駆けつけて仲裁に入った。大事に至らなかったのはわしのおかげだぞ。感謝してもらいたものだ』
『それは大きに世話になった』
頭をさげてからい、清左衛門は言った。

『先夜のように、ひそかにあの町を巡視していたわけだろう。町奉行どのはどちらの組かな』
『何のことかわからんな』
と言って、佐伯熊太はそっぽを向いた。
その足で日雀町にある杉浦要助の屋敷に寄ると、杉村は手当した腕を胸もとに吊っているだけで、起きていた。話を聞いてみると、佐伯が言ったとおりごく軽傷だとわかった。


■■<スエズ運河『通行料激減』、エジプトに痛手>イエメンの親イラン武装組織フーシ派による紅海での商戦攻撃の影響で、アジアと欧州を結ぶ要衝エジプト・スエズ運河を通過する船舶が激減している。スエズ運河を経由する紅海行路を避ける動きが広がっているためで、通航量は前年比で4割減。エジプトの外貨収入源である運河の通行料収入も大幅に減り、エジプト経済に痛手となりそうだ。

スエズ運河は世界の貿易量の1割強を占めるとされ、エジプトメディアによると、昨年6月までの1年間で2万6千隻が運河を通過。この期間の通行料収入は88億ドル(1兆3千億円)に達した。

フーシ派は昨年11月から商船攻撃を繰り返している。衛星写真を用いたIMFと英オックスフォード大学の推計によると、スエズ運河を通る船は昨年12月下旬から減り始め、1月には1日当たり通航船舶は平均39%減。海運会社が迂回ルートとして採用しているアフリカ喜望峰の通航量は前年比41%増となった。

通航量収入は観光などと並びエジプトにとって重要な外貨収入源の一つだ。通航船舶の減少により1月の通航料収入は40%減だった。

国内では物価高騰が続き経済状態が悪化。パレスチナ自治区ガザの戦闘を受けた中東情勢の悪化で観光も苦戦している。米軍はフーシ派拠点を繰り返し攻撃しているが、イスラエルを敵視するフーシ派はガザの戦闘が終わるまで商船攻撃を続けると主張している。

ロイター通信は『スエズ運河の減収が長期化すればエジプトに深刻な打撃を与えかねない』との専門家の見方を伝えた。

◆中東の、いや世界中のイスラムの派閥抗争には困ったもんだねえ。モハメッドの教えは、宗派対立で抗争することなんだおるかなあ。アフガンなんか、人民は地獄の底の生活をしている。だがパレスチナ、いくら国連でイスラエル建国が承認されたとはいえ、2000年住んでいたパレスチナ人を合法、非合法を含め追い出すイスラエルの政策や行動には問題を感じるねえ。イスラエルはパレスチナへの侵入者には違いなのだから、もっと丁寧に穏やかに、親しみを込め、礼節を尽くした行動が必要だと、拙者は思うねえ。イスラエルの建国を推進し、認めた欧米の責任は重い。


■■<中国不法移民・下『月給数万円、生活が・・・』 中国を捨てる>なぜ中国人がわざわざ海を渡り、メキシコから米南西部の国境を目指すのか。過酷な長旅は事故や強盗、詐欺に遭う危険性を伴う。岩山で転んで左足首を骨折した中国人青年は『ようやく米国に着いた。本当にうれしい』と涙した。

『ティファナの「蛇頭」に500ドル払った』。国境の『壁』の抜け道案内の費用を教えてくれた河北省出身の27歳の男性によると、価格はサービスに応じて1,000ドル程度まで分かれ、500ドルは平均的な水準だという。

拘束された中国不法移民の年齢層は30~40代が中心で、子連れの家族も多い。米国境にたどり着くまでにかかる費用は総額5,000ドルほどが多いとみられる。一定規模以上の中国企業で働く人の平均年収の3分の1を超える大金をはたき、米国を目指した。



『マンションの販売員だった』。四川、福建、遼寧など中国の各地から来た人々に元の職業を尋ねると、少なくとも5人は不動産業だった。福建出身の38歳の男性は『政府の規制強化でマンションが売れない。歩合給がなくなって月給は2,000~3,000元(4万2,000~6万3,000円)に減り、生活できない』と語った。

四川省出身の40代男性は『給料が上がらないから、教育費が賄えない』と嘆息し、傍らの10歳の息子の顔を見た。日本の方が中国に近くてよいのではと聞くと、『日本は中国人の待遇が良くないから』と返された。

◆英語を話せる人はほぼいない。会話はすべて中国語で交わした。記者だと明かすと回答を拒む人もいた。取材に応じても録音は嫌がる人が多かった。

つまり、中国のどこにでもいる普通の人々だ。もちろん強権体制による抑圧や迫害を逃れ、言論や信教の自由を求めて新天地を目指す中国人は間違いなくいる。だが米南部国境の現場に押し寄せる人の多くは、生活苦にあえぐ普通の中国人だった。

米外交問題評議会CFRの中国専門家は『中国不法移民の大多数は経済的動機でやってくる。この潮流は当分続く』とみる。富裕層はこんな困難な道を選ばず、貧困層は国外に逃れる余裕がない。結局、普通の人々が危険に挑む。

『中国は将来に希望がない』と嘆く中国伝統医学『中医』の医師だった男性。息子家族に伴われ『子や孫の未来のため、中国のすべてを捨てた』と話す元会計士の女性。米国の査証取得は『中国人に厳しく時間もかかる。待っていられない』(遼寧省の女性)。

『自分達はキリスト教。信仰の自由を求めてやってきた』。経済以外の動機を口にしたのは最初に会話を交わした山東省の一家だけだった。

英語のrun(逃げる)と中国語の発音表記が同じ『潤run』を当てて『潤出去――逃げ出せ』が彼らの合言葉。『中国指導部は中国経済は明るいと唱えている』と水を向けると、福建出身の男性は『それは外向けの宣伝。これが現実だ』と笑った。

◆この記事は日経のもので、執筆者はワシントン支局長。記事の切り口は朝日のクオリティーをも凌駕する。書き手はワシントン支局長。素晴らしい記事だった。


■■<ビル・ゲイツも支援する『地中水素』採掘企業が370億円を調達>地下の天然鉱床から『地中水素(geologic hydrogen)』と呼ばれるカーボンフリーな水素を採掘するスタートアップの『Koloma(コロマ)』は、新たに2億4570万ドル(約370億円)の資金を調達した。

デンバーを拠点とするコロマは2月9日、米証券取引委員会(SEC)の提出書類で新たな資金調達を公表した。このラウンドはKhosla Ventures(コースラベンチャーズ)の主導によるもので、アマゾンのClimate Pledge Fundとユナイテッド航空のSustainable Flight Fundも参加した。これまでビル・ゲイツのブレイクスルー・エナジー・ベンチャーズなどからも資金を獲得しているコロマの累計調達額は、3億ドル(約450億円)を突破した。



同社は、この前日の8日に、米エネルギー省が地中水素の採掘テクノロジーの開発を支援するために設定した総額2000万ドルの助成金の支給対象の1社に選ばれていた。

3年前にひっそりと設立され、秘密裏に活動してきたコロマは、昨年7月のフォーブスの記事によってステルスモードを抜け出した。同社は、地中水素の採掘に関連する16件の特許を出願したオハイオ州立大学の地質学者であるトム・ダラーの広範な研究を商業化している。コロマの共同創業者でCTOを務めるダラーは、地中の水素ポケットが発見されやすい場所や、石油・ガス産業で開発された技術を活用して資源を得る方法を研究してきた。

地中水素が、米国だけでなく世界各地の地下で自然に生成されているという事実は、この1年で急速に知られつつある。サイエンス誌は2月8日付の記事で、アルバニアの鉱山で水素ガスの噴出が確認されたと報じていた。『地中水素はどの大陸にも存在する』と、ダラーは昨年のインタビューで述べていた。

二酸化炭素(CO2)を排出しない水素エネルギーは、燃料電池車(FCV)の動力源や電力の貯蔵と製造にも利用されている。しかし、現在の工業用水素のほとんどは、天然ガスを分解して製造されており、そのプロセスでCO2を排出する。CO2を出さない『グリーン水素』の製造法としては、電気分解を使って水から水素を取り出す方法も有望だが、コストが高いのが難点だ。そんな中、地中水素は、古くから確立されている石油や石炭の掘削技術を活用できることから、この方法が最も安価に水素を得る方法だと考えられている。

コロマの主な出資元であるエナジー・インパクト・パートナーズでリサーチ責任者を務めるアンディ・ルバーシェーンは、『私たちは、この分野でコロマが先陣を切っており、独自の強みを持っていると考えている』と述べている。



バイデン政権は、水素燃料の大量生産を促進しようとしており、米財務省は昨年末に提案した税額控除規則に、CO2をほとんど排出せずに製造された水素に対し、1キログラムあたり最大3ドルのクレジットを提供する案を盛り込んだ。この対象には、グリーン水素の他に地中水素が含まれている。

◆水素ねえ。広島のマツダは、水素を使ったロータリーエンジンで先駆している。もし水素時代が到来すれば化ける自動車メーカーではある、か、な。