今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『ラウターブルネン,シュタウブバッハの滝へのトンネル』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、奥穂のジャンダルムより厳しく、難しい北穂高の『迫力抜群のゴジラの背を進む麻莉亜』。そして、華やかりし『バレンタインチョコ売り場Ⅱ』です。バレンタインを巡る悲喜こもごも、世相はいかにや。

 













































■■『おはやい散策にございますな』
と杉村は言った。
『いつも今頃ですか』
『さよう。飯前に川岸の方までひと回りして来るくせがついてな』
杉村は耳を傾けるような顔をした。

『今鳴いた鳥は、何ですかな。変わった鳴きようですな』
『里ではけろろと言うらしい』
清左衛門は眼を杉村にもどした。
『城に上がる途中だろう。用があるなら、遠慮せずに申したらどうだ』

『はい、では申し上げます』
杉村は浅黒い顔をして眼が少し釣り上がり、口の大きい男である。その口をいったんひきしめるようにしてから言った。
『昨夜、播磨屋に行かれて、おひでに会われたそうですが、そういうことは以後ご無用に願います』
『ほう』
清左衛門は注意深く杉村を見た。杉村要助の顔にはかすかに緊張した気配が窺われる。

『迷惑というわけだな』
『申し訳ありません』
『その仔細を、聞かせてもらえるかな』
『いや、それはまだ・・・』
杉村は一礼した。

『奈津が何を申したか知りませんが、それがしがこのところ足しげく播磨屋に行くのは、酒のためでも女子のためでもありません。そのことは信じていただきたく・・・』
『それだけでは、なかなか信じがたい』
『では・・・』
杉村は、あたりに慎重な眼をくばってから言った。


■■<旭化成社長『石化改革へ・下>
◆石化再編論議には線引きが必要
――石化再編についてはどうお考えですか。
『最も川上に位置するナフサクラッカー(石化製品の基礎原料をつくるエチレン設備)と、そこから出てくる樹脂などの誘導品とを、切り分けて考えた方がいいと思います。川上は、適正な生産レベルに持っていくのと並行して、それぞれの設備にサステナブル(持続可能)な技術をどう組み込んでいくかが重要です。常識的にはある程度、地域(の散らばり)を考えつつ整理していくことになるでしょう』

『川中や川下に関しては、それぞれの会社が誘導品をつくっています。お客様は多岐にわたる上、当社みたいに自社で使っている企業もある。共同出資で事業を営んでいるケースも多く、供給網が極めて複雑なわけです。従って、なかなか話が前に進みにくいです』

『各社がコスト削減やサステナビリティー(持続可能性)への対応へ自助努力をする中で、他社との共同事業に切り替えたり、撤収・売却したりする動きが出てくるでしょう。川上と誘導品とをひとくくりに全部まとめてカーブアウト事業の切り出しするのは相当大変な作業だし、同床異夢的なところも出てくるので、それは極めて難しいと思います』



◆石化改革、24年度末までに方向性
――稼働率が低下している中、将来の需給バランスや採算性を考えて、どのような時間軸で石化事業の再編を進めていく考えですか。
『難しい質問ですね。机上の計算を基に旭化成としての戦略を立てた上で、業界として合意形成できる部分を探っていくという流れになるでしょう。ただ、慎重に話し合っていく分、時間軸はなかなか読みにくいです』
『我々の場合、三菱ケミカルグループと共同運営する水島製造所のナフサクラッカーを継続することもあるでしょうし、縮小しないといけないかもしれない。それぞれ皆さんが悩んでおられると思いますが、相手があることです』

『時間的に悠長かどうか、皆さん意見があるでしょう。ただ、ナフサの需給バランスを見ながら、それに応じた生産体制にしていく上で、30年あたりにはある程度、形がはっきりすることになるんじゃないかと思います』
『一方、誘導品の方はくどいですが、それぞれが努力するしかない。努力しても仕方がないものに関しては撤収もあるでしょう。我々も撤収・停止を考えている素材があります。この素材はもうやめる、この素材は他社と一緒にやっていく――。そうしたことをそれぞれが模索し、結論を出していく形になるでしょう』

『当社は中期経営計画の最終年度(24年度)の末までには、石化事業の方向性をお示ししたいと思います。そうすれば、きっと業界としてはこういうふうに進むのかなという全体感が見えてくるかもしれません』(生田弦己筆)

◆世界に貢献する『リチウムイオン電池』を開発した旭化成。今や、新しい時代に向けて石油化学の分野で果敢なるトライを見せているようだ。


■■<1軍出場10試合で異例の侍選出 絶賛されたカープ20歳の資質『田村俊介』>野球日本代表『侍ジャパン』の井端弘和監督は14日、都内で記者会見を行い、3月6日、7日に京セラドームで行われる『カーネクスト 侍ジャパンシリーズ 2024 日本 vs 欧州代表』に出場する28選手を発表。カープの20歳・田村俊介外野手は、1軍での出場は昨季の10試合だけと少ないものの、井端監督から高い評価を受けて選出された。

田村は2021年ドラフト4位で愛工大名電高から入団。左投げ左打ちの外野手で、ルーキーイヤーは2軍で打率.185、0本塁打11打点だった。昨年は開幕1軍を掴むも、結局10試合の出場で打率は.364、0本0打点。2軍では59試合で打率.278、4本29打点だった。

大学生を除き、選出されたNPBの選手たちは1軍でも実績を残す選手ばかり。井端監督は田村選出の理由について『昨年のアジアプロ野球チャンピオンシップでも候補に挙がっていましたし、昨年広島カープさんと練習試合させてもらって彼のスイングというのは素晴らしいものがありましたので。一度見てみたいということで今回選びましたけど、レギュラーシーズン次第では日本を代表するバッターになると思います』と素材を高く評価していたことを明かした。

田村は『選んでいただき素直に嬉しいです。日本代表に選ばれることは初めてですし、日本代表のユニホームを着てプレー出来る事は光栄に思います。すごい選手ばかりなので、たくさんの選手のプレーを見たり、聞いたりして成長出来る場所にしたいです』とコメントした。


◆田村俊介、今年のシンデレラボーイになる、か、な。ガンバレ、田村!

■■<NHK人気番組『ブラタモリ』レギュラー放送終了 特番には含みも>NHKは、タレントのタモリ(78)がMCを務める人気番組『ブラタモリ』は来年度レギュラー放送しないと発表した。

山名啓雄メディア総局長は『現在のスタイルには今年度で区切りをつける』とレギュラー放送は今年度で終了するとコメント。『視聴者の皆さんにもっと楽しんでいただけるような番組を目指していく』と特番での放送には含みをもたせた。



街歩きの達人・タモリがブラブラ歩きながら知られざる街の歴史や魅力、人々の暮らしに迫る看板バラエティー番組で、09年10月に第1シリーズがスタート。08年12月のパイロット版を含め、12年の第3シリーズまで久保田祐佳アナウンサーが初代、15年1月のパイロット版は首藤奈知子アナウンサーが2代目アシスタントを務めた。

2015年4月に3年ぶりにレギュラー番組(第4シリーズ)として復活し、9年間、270回近く全国を訪ねてきた。桑子真帆アナウンサーが3代目、16年4月から近江友里恵アナウンサーが4代目、18年4月から林田理沙アナウンサーが5代目、20年4月から浅野里香アナウンサーが6代目、現在は7代目として野口葵衣アナが担当している。


◆これは娯楽番組というより、教養番組だったねえ。一番記憶に残るのは、石器時代、諏訪の北の和田峠辺りで産出した『黒曜石』が時代の寵児としてもてはやされ、日本の中心的役割を果たしたと。昨年、美ヶ原を訪ね、そのすぐ南に和田峠あがるのを知って感慨を覚えた。また、あの城崎温泉の佇まいが、海岸にある柱状節理の岩を用いて街の復興を果たしたとか、糸静線の大断層とか、知らなかった大地の知識を多く入れてくれた。釧路湿原の取材も面白かった。是非、今後も季節を変えてSPの放送を期待するばかりだ。タモリ78歳。アルプスを歩く私よりまだ若い。元気、元気だ。

タモリと言えばやはり『笑っていいとも』だろうねえ。1司会者で世界最長ギネス番組とは。一世を風靡した番組ではなるなあ。


■■<岸田首相の納税呼びかけに『批判噴出』>自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡る国会審議で、岸田文雄首相が16日から始まった所得税の確定申告を呼びかけた。

裏金づくりなどに関与した自民党議員に脱税の疑いが指摘されているだけに、SNSでは『納税してほしければ裏金議員は辞めるべきだ』などと批判が噴出。『納税呼びかけ』『確定申告前』のワードが一時トレンド入りした。

裏金や不透明さが指摘される『政策活動費』に関しては、使い切らなかった残額を政治家個人が保管していれば雑所得とみなされ、所得税法上の課税対象となり得る。首相は14日の衆院予算委員会の集中審議で、裏金の受領が脱税に当たる疑いがあるとの野党の批判を“さておく”格好で、『法令にのっとり適切に申告、納税を行うようお願いしたい』と発言した。



これに対し、Xでは『ほとんどの国民はキチンと納税している』『脱税と同じ行為をしてきた自民党議員はなぜ議員辞職しないのか』『傲岸不遜にも程がある』などの投稿が相次いだ。ドキュメンタリー監督の五百旗頭幸男さんは『これほど国民を怒らせるまっとうなコメントはない』と指摘した。

◆こんな無神経な発言を繰り返すのだから、支持率10%台も仕方なかろうなあ、岸田首相殿。傲慢、ナンセンスだ。