今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『歩行基地、ラウターブルネン』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、奥穂のジャンダルムより厳しく、難しい北穂高の『迫力抜群のゴジラの背を進む麻莉亜』。そして、色も鮮やかな『ガザニア』です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              <最後尾>

 

 

 

■■『仕方ありませんな。しばらく休みましょう』

清左衛門が言って、羽目板を背に腰をおろすと、むしろ勢いが募るばかりであった。雷の音も衰えず、東から西に走り、西から東に走り、時には頭上に近くお堂がびりびりと顫えるほどの音を立てる。その間にも威嚇するようにつぎつぎと稲妻がひらめいた。そして堂の中は次第に暗くなった。風雨のせいばかりではなく、日暮れが近づいているのだと思われた。

 

その時清左衛門は、何かがかたかたと鳴っているのを聞きつけた。顔をあげると、波津の白い顔がぼんやりと見えた。表情はわからないが、波津は真っすぐ清左衛門を見つめているようである。

『いかがなされた?』

と清左衛門が言った。

 

雨に濡れて、寒さに身体が顫えているのかと思った。物音を立てているのは波津である。

『寒うござるかな』

『いえ』

と波津は答えた。よく見ると、波津は顫えるわが身を両腕でしっかりと押さえているようである。

『暗くなるかも知れぬが、心配はいらぬ』

と清左衛門ははげました。

 

『雷がお嫌いか』

『はい』

清左衛門は立って行って波津のそばに腰をおろすと、手をのばして波津の手をにぎった。波津の手はおどろくほど顫えていたが、清左衛門がにぎっているうちに少しずつ顫えがおさまった。

 

またすさまじい音を立てて雷がとどろき、お堂はその雷鳴と眼もくらむ稲妻の中に、一瞬ふわりと浮き上がった感じにつつまれた。波津が、はっと叫んで清左衛門の肩に顔を伏せて来た。そしてすぐ恥じて顔を起こそうとしたが、その時には清左衛門の手は波津の背に回っていた。

 

そのまま、そのままと背はささやいた。淫らな感情は毛筋ほどもなく、外敵から弱い者を守る庇護者めいた一心な気持ちになっていた。

 

その気持ちがまっすぐに伝わったのかも知れない。波津は一度は身体を固くしたものの、すぐに改めて清左衛門の肩に顔を伏せると、深々と吐息をついた。安堵の息に聞こえた。

 

清左衛門が言ったように、雷雨は間もなく唐突におさまり、空に洗ったような月がのぼる良夜になった。2人は無事に城下に着き、雁金橋の袂で別れた。

 

■■<等々力渓谷、立ち入り禁止長期化 腐朽した木の伐採『数年かかる』>東京23区唯一の渓谷として、区内外から多くの観光客が訪れる世田谷区の『等々力(とどろき)渓谷』が、昨年7月から立ち入り禁止となっている。同月に渓谷の遊歩道で倒木が発生し、区が周辺の樹木を調査したところ、幹の腐朽が進んで倒木の恐れがある木を数十本確認したためだ。区は危険な樹木の伐採を進めているが、遊歩道は道幅が狭く重機の使用ができないため、作業完了には数年かかる見通し。入場再開を求める声が寄せられており、区は「作業の進行状況をみて部分的に立ち入りを許可していきたい」としている。

 

渓谷は、東急大井町線等々力駅から徒歩3分の『等々力渓谷公園』の敷地内にある。ケヤキやシラカシなどの樹木が並ぶ長さ約700メートルの遊歩道は『都心にもかかわらず、自然の豊かさを味わえる「都会のオアシス」』と人気を博している。区によると、渓谷の観光客は年間数十万人に上るという。

 

遊歩道で倒木が起きたのは昨年7月6日。同日朝に遊歩道をボランティアで清掃していた区民が、高さ約20メートルのシラカシが道を塞ぐように倒れているのを発見した。区が樹木を調べると、幹の根元近くまで腐朽が進行していた。木を弱らせる病害虫が繁殖していたところに、昨夏の酷暑が追い打ちをかけ、倒木した可能性があるという。

 

区は翌7日から遊歩道を立ち入り禁止とした上で、周辺の樹木約700本についても調査を実施。その結果、腐朽が進行して倒木の恐れがある樹木が他に数十本あることが判明した。

 

区は今年に入り、危険な樹木の伐採を進めているが、遊歩道は道幅が狭く重機を使用することができない。区公園緑地課の担当者は『人力での作業となるため樹木の伐採や撤去に非常に時間がかかり、作業完了までに数年を要するとみられる』と説明する。

 

昨年7月以降、区民らから『いつになったら渓谷を歩けるようになるのか』との問い合わせが区に相次いでいる。こうした状況を受け、区は作業が完了したエリアから部分的に立ち入りを許可する方針だ。担当者は『散策を楽しみにしている方にはご迷惑をおかけするが、安全に遊歩道を通行できる状態になるまでお待ちいただきたい』と話している。

 

◆私が等々力渓谷を訪れたのはもう何年前だろうか。この時初めて『東急』に乗った。渋谷駅は改築途中で、工事現場と通り抜ける風情であった。等々力駅から歩いてすぐの入り口から降りて、渓谷沿いに歩いた。東京23区でこんなに自然が残っているなんて素晴らしいと思った。

 

かつて、山形有朋が所有し、広島の入野から三重塔を移設した『椿山荘』の渓谷美に感心したものだが、この等々力渓谷はそれをも上回る江戸の自然を残している。深い谷間故、崩壊には弱いのだろうが、早く都民、国民の楽しみのためにも復興してほしいものではある。

 

■■<『まるでテスラの墓場』、シカゴ寒すぎて充電ステーションが凍る>週末から北極嵐で氷点下20~30℃まで冷えこんだシカゴでTesla(テスラ)の急速充電ステーションが凍てつき、電池切れで動けなくなったTesla車が長い行列になってる。

 

付近の駐車場には、待っているうちに暖房なんかでバッテリーが死んで動けなくなった車がずらり。雪がわびしく降り積もっていて、『充電ステーションが車の墓場と化している』とFoxニュース。

『充電が止まってるステーションがあるし、動いてても40分の充電に2時間かかる』のだそうな。『残量ゼロ。今朝は3時間、昨日も8時間ここにいたのに…』とTeslaオーナーたちは疲労困ぱい。

 

しょうがなくTeslaを手で押す人もいれば、レッカー車呼んで最寄りの充電ステーションまでTeslaを運ぶ人まで出る始末。

 

『シカゴの空港に着いたらTeslaがビクとも動かなくなっていた』という男性は『レッカー移動でインディアナにUターンしながら充電できるところを探す。充電できるステーション、プラグ挿し込んだまま死んで動かなくなったTeslaが1台もないステーションであればなんだっていい』と言っている。

 

『いつから待ってるの?』とFoxにマイクを向けられた青年は『昨日の午後5時からです』と答えている。ということは…だいたい20時間くらいかな? …ですね。  ひぃいいい…。

 

いちおうTesla車には寒冷地対応のプレコンディショニング機能もあることはあるんだけどね――冷地到着時に最適な温度で充電できるよう、到着予定時刻から逆算してあらかじめバッテリーを温めておくというもの。

 

行列で待ちぼうけの間ずっとバッテリーを温め続けたら、それはそれでバッテリー食ってTesla死んじゃうので、『プレコンディショニングを怠るからこんなことになる』という批判はあまり当たらないように感じる。だって5時間も8時間も20時間もなんだもん。どのみちプレコンディショニングで電池使い果たしちゃうよな。

 

◆まだまだEVには課題がありそうだねえ。困ったもんだねえ。

 

■■<ウクライナ無人機『1250m飛行』、露サンクトペテルブルクの石油施設攻撃か>ウクライナのニュースサイト『ウクライナ・プラウダ』などは、ウクライナ軍当局者の話として、同国への侵略を続けるロシアの第2の都市、西部サンクトペテルブルクの石油貯蔵施設を無人機で攻撃したと報じた。国防省情報総局による特別作戦で、国産の無人機が使用されたという。報道は施設が損傷したかどうかには触れていない。

 

ウクライナのオレクサンドル・カミシン戦略産業相は、スイスで開かれている世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)で、『我々はサンクトペテルブルクまで飛行した物をつくることができる。1250キロ・メートルを正確に飛んだ』と攻撃を認めて、性能をアピールした。ウクライナは無人機を自国で製造している。

 

一方、露国防省は、サンクトペテルブルクがあるレニングラード州上空でウクライナ軍の無人機を迎撃したと発表した。露側の当局者もSNSで『ウクライナは爆薬を搭載した無人機で攻撃しようとしたが、残骸で発見された』と述べ、攻撃は失敗したと主張した。

 

◆いつまで続くやら、ウクライナ侵略だなあ。だけんど、イスラエルのパレスチナ侵略も、これロシアと同じ姿だ。そのイスラエルを支持・支援し、ロシアを非難する欧米諸国はまさに『世界の、世紀のダブルスタンダードなり』だなあ。困ったもんだ。

 

ある識者は、キューバ危機を例に例えている。キューバ危機は1962年10月から11月にかけて、ソ連がキューバに核ミサイル基地を建設していることが発覚、アメリカ合衆国がカリブ海でキューバの海上臨検を実施し、米ソ間の緊張が高まり、核戦争寸前まで達した一連の出来事のこと。なら、ロシアが喉元ウクライナがNATO加盟するのも、米国から見たキューバ危機と同じくらいの衝撃をロシアに与えてるというのだが、真相は如何に、だなあ。