今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『乗換駅、インターラーケン東駅』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、奥穂のジャンダルムより厳しく、難しい北穂高の『迫力抜群のゴジラの背を進む麻莉亜』、桐島洋子と3人の子供達で書き上げた『ペガサスの記憶』。そして、広島の里山縦走『三滝山~丸山~大茶臼縦走Ⅲ 丸山登頂の岩場』です。

才人桐島洋子も寄る年波には勝てなく、ペガサスの記憶を書き始めて途中で筆を折って施設に入院。その後を子供3人、かれん、ノエル、ローランドが書き綴り、一家の歴史を紐解いた。子供3人は文筆家ではないので、前半の切間洋子と子供達の記述には大きな落差があるが、それでも一家の春蘭苦難たる歴史を書き留めたことには大きな意義があるともう。素晴らしい。

 





















































■■寺の門を入ったところで、三屋清左衛門は1人の女性とすれ違った。
地面にはまだ雪が残っていて、雪が消えたところも、一日照りわたった日が融かした雪解け水に濡れ、泥濘になっている。そのために清左衛門は、その女性とすれ違って会釈を交わし合ったものの、足もとに気をうばわれて相手の顔をよく見なかった。

ただすれ違った相手が頭巾で顔をつつんだ武家の女、それも若い女らしいことはわかった。その程度のことは顔を見なくとも気配で知れる。

だがそうして行き過ぎてから、清左衛門はふとあわただしく後ろを振りむいた。顔を見たわけでもないその女性に、どこか見覚えがあったような気が不意にしたのである。だが頭巾の女性は、清左衛門が振り向いた時にははや門前から姿を消していた。

――気のせいか。
と清左衛門は思った。もし相手が面識のある女性なら、すれ違って会釈した時に何らかの挨拶があったはずである。むこうも清左衛門の顔を見たとは思えない。

やはり気のせいだろうと結論を出して、清左衛門は高い本堂のために日が遮られてうす暗くなった庭を横切り、ゆっくりと庫裡の方に回った。寿岳寺から遠忌の通知が来たのが、去年の暮である。開ける年の2月に忌日を持つ百年忌の仏がいる、供養する気持ちがあれば法事の手配をするという通知だった。仏の戒名は清光信女、俗名かなという女性だとういう。

清左衛門と今は三屋家の当主である嫡子又四郎は、寺から来た通知を見て顔を見合わせた。清光信女という戒名にも、俗名かなにもまったくおぼえがなかった。
『何か、お心あたりがありますか』
『いや、さっぱりわからんな』
と清左衛門は答えた。清左衛門の父が病死してから15年、また祖父は長寿で70まで生きた人だったから、そちらも死後30年は経っていない。ひきくらべて百年前の仏は、いかにも遠い死者だった。その存在は、模糊とした歳月のかなたに紛れて、どのような現し身の姿も思い描くことは出来ない。

その上にもうひとつ、三屋家の男たちを当惑させたことがある。清光信女という戒名は、あきらかに武家のものではなく、百姓町人身分のものだった。その戒名がどうして三屋家の過去帳のなかに記載されてのかが、わからないことである。心あたりがあるかという又四郎の問いは、もちろんその疑問をふくんでいる。

しかし問われた清左衛門にも、生前の父母や祖父母から、百年前の仏にかかわりがあるような話を聞いた記憶は一切なかった。合点行きかねるところもあるが、昔のことはわからぬと清左衛門は言った。

『寺に確かめて、間違いなく三屋家の仏とわかれば、むろん供養してやるべきものだろうて』
そう答えた時、清左衛門ははたして先祖の一人かどうかわからぬ、かなという俗名を持つ遠い仏が、三屋家の者があつまって香を焚き、寿岳寺の住職が経を手向けるその日を待ちのぞんでいるような気がしたのだった。


■■<東国原英夫、自民党政治刷新本部メンバー就任に『相変わらず、ブラックジョーク』>前宮崎県知事でタレントの東国原英夫が、自身のXを更新。自民党政治刷新本部のメンバーに就任した複数の安倍派議員が、同派から還流を受け政治資金収支報告書に記載せず裏金にしていた可能性があることが分かったと報じられた件について、私見を述べた。

『相変わらず、ブラックジョーク』と書き始めると、『しかし、安倍派10人がメンバーに入るのは、ある意味、安倍派に取ってチャンスかも。これで抜本改革(派閥の解消とか)出来たら、安倍派や自民党に対する評価は一定数上がるだろう』と続けていた。



◆この対策本部、まるで捕まえた泥棒に『おまえの刑事罰は自分で決めろ』と言っているようなものだ。泥棒を捕まえて縄をなうどころの騒ぎではない。これでは自民党は大改革はできないな。我田引水の域を出ない。国会衆院の解散総選挙など到底できない相談だろうなあ、岸田君には。


■■<亀田製菓がまく夢の種『外国人も輝く国に』>『米国にはアメリカンドリームがある。日本にそこまでの夢を描く魅力があるだろうか』。

◆『インド来日40年』 2023年12月、取材班の記者は『柿の種』で知られる新潟市の『亀田製菓本社』で厳しい言葉を突きつけられた。言葉の主はインド出身の『ジュネジャ・レカ・ラジュCEO(71)』。40年前、大学で微生物学を研究するため家族と来日。太陽化学やロート製薬を経て、22年に現職に就いた。

『安心、安全で清潔。何を食べてもおいしい』。取材中、日本を何度も褒めるジュネジャさん。だが働く場所としての評価を尋ねると表情が曇った。夢を描きにくいのは、『日本の人事制度などに外国人に適さないルールが多いから』と語った。

ジュネジャさんの40年は、日本が外国人受け入れを進めた時期と重なる外国人政策の転換点は1989年の出入国管理法改正。『定住者』など10種類の在留資格を新設し、南米出身の日系人の定住化が進んだ。93年に技能実習制度、2019年に特定技能制度が新設された。

ジュネジャさんが日本を選んだきっかけは『日本が世界一になる』という先輩の言葉だ。当時、世界の時価総額トップ10には多くの日本企業が名を連ねていた。『日本は戦争で全てをなくし、一生懸命働いて、世界一になる夢物語の中に居た』と振り返る。

私生活では多くの困難に直面した。素材そのものを味わう日本の食文化には戸惑った。たこの刺し身は『こんなものを食べるのか』と驚いたが、大学の恩師に『おいしさを感じなさい』と言われ食感の魅力に目覚めた。

家族は言葉や教育の壁にぶつかった。2人の子供は地元の公立学校に通わせたが、途中からカナダに留学させた。『顔はインド人。でも日本語下話せないと将来の選択が限られる』。悩んだ末の選択だった。『米国に行っていたら、子供の教育でこんな苦労はしなかった』。ジュネジャさんの妻はよくそう言った。今、長男はべ、長女は日本で働く。



◆日本には320万人を超える在留外国人が暮らす。10年前の4倍近くに増え、70年頃には人口ノ1割を超える試算もある。だが政府は『移民政策はとらない』姿勢を崩さない。

『米国には黒人やプエルトリコ人、メキシコ人がいるから日本より知識水準が低い』。1986年、当時の中曽根康弘首相の発言は国内外で批判を浴びた。外国人を労働力の穴埋めとみなし、社会を成長させる『仲間』と認めない背景にこうした認識が残っているとしたら、日本は成長のチャンスを自ら失っている。



56年に人口1億人割れが見込まれる日本で、外国人材は社会の大切な支え手だ。ITや介護分野に外国人材を紹介する『Zenken』の木村本部長は『日本企業は日本語力など外国人に難しい部分ほど採用で重視する。このままでは「選ばれない国」に成り下がる』と警鐘を鳴らす。

亀田製菓は世界展開へと大きく舵を切った。ジュネジャさんの入社後、外国籍の社員は3倍に増加し、小麦粉を使わないグルテンフリー市場が拡大する中、食感が特徴的な米菓は海外でも喜ばれるという『気付き』が推進力になった。

『日本は自分達のポテンシャルを一番わかっていない』『日本にはものづくりの技術がある。必要なのはイノベーション、変なです』。そう熱弁し、片手いっぱいの『柿の種』をほおばるジュネジャさんハ、コメの魅力が世界80億人に伝わると誰よりも信じている。

ムラ社会の凝り固まった価値観をほぐし、かけ声だけの外国人共生から踏み出すことが、『成長の種』を見つけ出す突破口になる。

◆こんなに人口減の大時代を迎えているのに、移民政策を変えないアナクロリズムと言うか『前例主義』『失敗を恐れる官僚たち』と感じるのは私だけだろうか、な。日本経済新聞もよくよく分かって記事にしているんだろうなあ。自民党の国会議員達は、日本の人口問題よりも、自分達のパーティー券収入の方に熱心らしいしなあ。困ったもんだ。

先手管理、予想防御などの考えが薄い。だから、世界一だった半導体産業が米国は勿論、韓国や台湾にも抜かれるのである。後の後悔、先に立たず、だなあ、日本政府は。

中曽根康弘の暴言。もっとましな人だと感じていたが、残念だねえ。


■■<リチウム、先安観根強く、『EV鈍化、中国8割安』>EVに必要不可欠な電池用リチウムの価格下落が続いている。供給が増える中、EV販売が予想より鈍く、需給バランスが崩れている。2024年も同じ状況が続くとの予想が多い。

中国でリチウムの取引価格は直近で1トン当たり9万人民元と、1年前に比べ8割低い。22年11月に高値圏で推移した後、下げ足を強めている。

リチウムは電池素材の中でも不足懸念が強く、米テスラを中心に争奪戦になるとの見方もあったが、23年にEV販売の伸び鈍化が顕在化した。特に中国の減速感が目立つ。欧米メディアによると、中国の先物取引会社の予想では24年のEV販売台数は944万台と前年に比べ25%増えるが、22年の89%増、23年の31%増に比べ伸び悩む。

米国ではEV販売にかかる日数が82日と、ガソリン車の64日より長い在庫量となり、23年10月の在庫は前年同月の6倍に増えた。1年前はEVの方が早く売れる傾向にあったが、ガソリン価格が1ガロン3ドル台に落ち着き、補助金を考慮してもEVの競争力が落ちている。

◆一方、リチウム鉱山会社は価格が下がる中で増産を続けている。世界第2位の産出国チリの大手SMQの23年7~9月期決算は、大幅減益の中でリチウム販売量が大きく増えた。『アジアでリチウム過剰在庫と追加供給が、短期的に価格下押し圧力になる』状況でも、生産縮小は視野に入っていない。23年12月にはオーストラリアのリチウム会社を共同で買収する計画が明らかになった。

招来を見据えた異業種の参入も相次ぐ。米石油大手のエクソンモービルは27年までに年間100万台分の以上の生産量を目指すと発表した。



注目は『直接リチウム抽出法DLE』と呼ばれる新しい技術を使うこと。地下から汲んだ塩水をフィルターでろ過する。塩水を天日で濃縮するか、鉱石を採掘するかだった従来に比べ、時間とコストを削減、環境負荷も減るという。実用化への課題はあるが、DLEはリチウムの『ゲームチェンジャー』と呼ばれ、今後も新規参入を促す可能性がある。

アナリストの多くは、24年もリチウムの需給不均衡と価格下落が続くとみる。オーストラリアや南米の増産で、世界の供給量は40%増えるという予想がある。米ゴールドマンサックスは『需要の17%相当が余剰になる』とみる。

目先は供給過多が続くが、採算の合わなくなった鉱山が生産縮小に動き、再び需給が締まるとの予想は多い。その時期は25年や28年と見方が分かれている。不足懸念は後退したとはいえ、脱炭素の取り組みが再びEV普及を加速させ、リチウム需給を逼迫させる懸念は残る。

◆ふむ、リチウムは中国独占と思っていたが、DLEで世界の国々がリチウム生産国になる得る時代になったんだけえ。ひょっとして、日本国もリチウム生産国になれるかな。北海道などが有力にんるんではなかろうかなあ。面白い!