今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『インターラーケンへの車窓から』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、奥穂のジャンダルムより厳しく、難しい北穂高の『迫力抜群のゴジラの背を進む麻莉亜』。そして、花ではなく葉が目を楽しませてくれる『ハツユキカズラⅢ』です。最近は、街中でもよく目につくようになったハツユキカズラではあります。

 

































■■奥之助は清左衛門の呼びかけには答えず、黙って岩に上がって来た。そして釣れたかと聞いた。
『小鯛が3匹だ』
『少なかったな』
『いや、これでけっこう家のみやげになる』
『・・・・』
『魚もナニだが、やはり海は気持ちがよい。ひさしぶりに潮気を嗅いで、気がせいせいしたぞ』
そう言った時、竿に強い手ごたえがあった。喰ったようだと言い、清左衛門は足を踏みしめて竿をひいた。一瞬、魚に気を奪われた。

その時、後ろから重い風のようなものがのしかかって来たのを感じて、清左衛門はとっさに横に飛ぶと、岩に腹ばった。その低い顔の前を、奥之助の足がたたらを踏んで通りすぎ、ふみとどまれなくて岩から落ちて行った。奥之助は声を立てなかった。

はね起きてのぞくと、奥之助は岩礁の間の波にすっぽりと落ちて、清左衛門がいる岩の根もとにつかまろうともがいている。
『待て。今、縄を投げる』
清左衛門は叫ぶと、荷縄を解いた。またのそきこむと奥之助は岩につかまれなくて、波に揺られていた。

幸いに落ちた場所が、ぐるりを岩礁に囲まれて壺のようになっている場所なので、外に流れ出す心配はなさそうだったが、大きな波が来ると岩礁は一瞬その下に隠れてしまう。きわどい姿である。岩礁の外にはこび去られてしまえば、助かる手段はない。

『いいか、縄をつかめ』
清左衛門はどなって、荷縄を投げおろした。奥之助は波の上に落ちた縄をつかんだが、清左衛門が続けて、それを身体に巻けと言ったにもかかわらず、縄をはなしてしまった。波がひいて奥之助の身体が岩礁の底に落ちる。奥之助はもがきながら、また縄に手をのばしたが、今度は寄せて来た波に身体を持ち上げられて、縄から手が遠くなった。

――これはいかん。
手がこごえてしまったらしい、と清左衛門は思った。初冬の海は冷たく、放置しておけば、手どころか身体もじきにこごえてしまうだろう。


■■<SNS時代の犯罪⑤『アカウント1個「1,500万円」』>12月のある日、SNSアカウントの売買を仲介するサイトは高額買い取りを求める個人の出品でにぎわっていた。

Xやインスタグラムなど売りに出ているアカウントは50万件を超す。6万人超のフォロワーが付いたTikTokのアカウントに1,500万円の値が付いていた。

サイトが主張する総出品数は過去8年間で700万件以上。アカウントの無断売買はもちろん各SNS事業者の規約に違反し、利用停止や削除の対象となる。記者は事実確認のため問い合わせフォームから取材依頼を送ったが、返事はなかった。

同様のサイトはインターネット上で複数確認できる。SNSに詳しい成蹊大の高橋暁子教授は『フォロアーが多くいるアカウントほど高く売れやすい』と語る。



料理や恋愛など特定のテーマに沿った投稿の多いアカウントは、その分野に感心を持つフォロワーが付いている。フォロワー数が多いアカウントを買い取って名前を変え、新商品や店舗の宣伝を投稿すれば高い訴求力が期待できる。『一から広告を打つよりはるかに効果を得やすい』と高橋は言う。

だが、犯罪に悪用されるケースも出てきた。5月、大阪府警が不正アクセス禁止法違反の疑いで書類送検した名古屋市の20代の男性は、プロスポーツ選手ら4人のSNSアカウントに無断でログイン。IDとパスワードを推測で見破り、アカウントを乗っ取って第三者に最大13万円で販売した。男は同様の行為を繰り返し『2年間で400~500万円を売り上げた』と供述した。

SNSだけではない。オンラインゲームのアカウントも同様に取引を仲介するサイトがある。希少なアイテムを入手済みなど、他のユーザーより有利なほど高値で売れる構図も変わらない。

過熱する取引にITジャーナリストの三上洋が警鐘を鳴らす。『犯罪グループがアカウントを買い取り、フォロワーに投資詐欺の宣伝や闇バイト勧誘のDMを送る恐れがある』。

ネットやSNSの普及は便利さと引き換えにリスクも社会にもたらした。『SNS上で信用を担保するものはなく自分で情報おを収集して見きわめる必要がある』(三上)。自らの身を守るため、一人ひとりの防犯意識向上も欠かせない。


■■<今聚楽第『目白御殿』、焼失>中国地方の有力大名、『毛利元就』が上洛したのは天正16(1588)年7月だった。『関白様へ 銀子3千枚、御太刀一腰、御馬一疋・・・』。豊臣秀吉に金品を献上し、臣従の礼をとった。場所は、その前年にできた『聚楽第』である。

金箔瓦がまぶしい城郭風の邸宅は、関白の政庁となった。輝元の謁見は、後陽成天皇の行幸を仰いだ後のことだと言う。桃山文化を代表する華美な建築物として、秀吉の権勢を象徴する『栄華の館』でもあったわけだ。

東京目白台で威容を誇った田中角栄元首相邸も多くの来訪者でごった返したという。ニクソン元米大統領や鄧小平も訪れたことがあると聞けば、昭和の聚楽第と言えなくもない。母屋は3棟あり、池にはニシキゴイが泳いでいた・・・とは昔日の記事が伝える邸内の光景である。



金脈を象徴する『目白御殿』には多くの陳情が持ち込まれ、右から左へと官庁に取り次いだという。御殿を『政権の「勝手口」』と評した人もいる。『今太閤』に『目白の闇将軍』、田中角栄の取った異名は言い得て妙である。その邸宅が全焼した。

長女で元外相の真紀子が、火元とみられる建物で『線香をあげていた』という。奇しくも先月は元首相が亡くなってから、ちょうど30年だった。かの御殿には、歴史の証人となった貴重な文書もあっただろう。栄華の跡すらも残さず焼いた猛火の仕打ちに、思わず言葉を失う。

秀吉は権力の継承を巡り、完成から8年ほどで聚楽第を取り壊した。焼け落ちた目白御殿の姿も、どこか重なって見える。

『栄華の館』の寂しい最期に、権力の消長と世の無常を見る思いがする。『政治とカネ』に揺れる自民党議員らの目にはどう映るだろう。(産経抄)



◆この『目白御殿』焼失で、不思議なのは、火元が線香だということだ。一体どのようにしたら、仏壇の線香から御殿が焼け落ちるのだろうか。想像しがたい。後世に残すべき、歴史的建築物に違いないのに、全焼とは、また哀れではあるなあ。

 

線香を仏壇の線香立てにかざすと、線香は燃え尽きるまで線香立てから倒れない。これが線香立てに対する常識であろう。なら、どうやったら線香をつけたことによって目白御殿が全焼失したのか、東京消防庁は現任を明確に探索すべきだ。

 

◆東京消防庁で思い出したが、2日の羽田航空事故で、『東京消防庁は70台の消防車を出して、対応した』とアナウンスした。が、画面で見る限り、カメラ側の映像でホースから水を出していたのは、たった2台だ。この光景に映った消防車は、せいぜい3~4台しか確認できなかった。70台の消防車はどこに消えただろうか、な。



■■<米ハーツ、テスラ含むEV2万台を売却 ガソリン車に回帰>[ロイター] - 米レンタカー大手ハーツ・グローバル・ホールディングスは、電気自動車(EV)約2万台を売却し、ガソリン車に回帰すると発表した。EVの衝突や損傷に関する費用が高額になっているためという。

これを受け、米電気自動車(EV)大手テスラの株式は3%超下落した。

ハーツは2023年第4・四半期に、EV売却計画を受けた減価償却費として約2億4,500万ドルを計上する予定。

モルガン・スタンレーのアナリスト、アダム・ジョナス氏は、ハーツの動きはEV分野全体への警告であり、EVへの期待が「市場全体で下方修正」される可能性があることを示すと述べた。



◆EVは、国家補助がなければ普及しない車だ。未来永劫国家補助を出し続けなければならない。補助が止まると、中国のようにEVブームは途端に頓死するのだねえ。経済原則からしたらEVは勘定に合わないのだ。火力発電でCO2を出して、EVが無公害とは何らる論理のすり替えか、な。