今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『インターラーケンへの車窓から』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、奥穂のジャンダルムより厳しく、難しい北穂高の『迫力抜群のゴジラの背を進む麻莉亜』。そして、里山広島南アルプス『丸山縦走路』です。丸山ピーク・観音山からピーク・石山まで、岩がどんどん現れてきました。












































 

 

 

 

■■『すると源太夫は・・・』
と清左衛門は言った。
『こちらの道場に来る前は、染物町の市村道場に通っていたわけですな』
『そうです。なかなか腕が立つほうでした』
と中根弥三郎が言った。

紙漉町の中根道場の当主弥三郎は、清左衛門より3つ年下で、丸顔で温厚な顔をした男だが、剣の方はまだ少年の頃から天才児の名をほしいいままにし、先代に見込まれて婿になり道場をついだ人物である。空前絶後と言われた中根弥三郎の剣を破る門人は、その後も現れていないということを聞いている。

『それが、こっちに移って来たというのは?』
『安富に婿入りしたからでしょう』
中根は苦笑いした。
『あの人は、そういうとろに機敏なところがありましたから』
『なるほど』
清左衛門はうなずいた。

今はどうなっているか不明だったが、清左衛門の若い頃は染物町の市村道場には軽輩の子弟が、紙漉町の中根道場には100石以上の家の子弟が通うという、不文律のようなものがあったのである。

浅井に調べてもらったところによると、安富源太夫は普請組で35石をもらう池田の家の4男坊で、20の時に安富に婿入りした。安富家は藩の重職の家系につながり、家禄は120石である。

源太夫の名前ははじめの池田与之助から安富与之助に変わり、つぎに家督をついだ時に安富源太夫と改めたのだが、中根の話によれば源太夫が中根道場に移ってきたのは、安富家に婿入りした直後ということらしかった。円源太夫と道場で一緒だった時期が短かったのを、清左衛門は自分の方が家督をついではやく道場通いを廃したせいかと思っていたのだが、源太夫の方も中根道場に来るのがおそかったわけである。

――しかし・・・・。
勇んで移って来たのだろうな、と清左衛門は思った。近年は知らず、若い時分の源太夫はそういう性格だったようである。


■■<ビッグモーター再建可否の検討に名乗り『企業文化から変えられるかどうか検証』…伊藤忠商事> 非財閥系商社として、三菱や三井、住友グループを脅かす伊藤忠商事。最近は、保険金不正請求問題で業績が悪化する中古車販売大手、ビッグモーターの再建可否の検討に名乗りを上げて、話題になっている。石井敬太社長に戦略を聞いた。

◆『創業家の問題を引き継ぐつもりはない』 
――ビッグモーター再建の可能性について。
『資産査定の中身をまだ見ておらず、再建に乗り出すかどうかは五分五分だ。われわれが検討するのは支援ではなく、再生だ。グループ会社の機能を使ってビッグモーターの雇用を守り、社会から信用を回復し、価値を高められるか。企業文化から変えられるかどうかも含め、検証しないといけない』
『創業家が絡む問題を引き継ぐつもりはまったくない。ビッグモーターそのものに出資してしまうと、そこで起きている問題も受け継いでしまうことになる。良い資産だけを移すなど、きちんと分けないといけない』
『立地にもよるが、伊藤忠グループのほけんの窓口やファミリーマートを併設してもいい。ほけんの窓口ならば、自動車保険だけでなく、資産形成のニーズにも応えられる』

――今後の注力分野は。
『最近の円安相場では、円換算でコストが膨らむ海外よりも国内の方が投資のチャンスがある。人手不足を補う省力化のデジタル投資も一例だ。取り扱うデータ量が増えれば、データセンターも必要になる。道路やトンネルといった老朽化の進んだインフラ(社会基盤)更新も需要がある』
『商社は、自分が置かれた状況に応じて変化して収益を増やすビジネスだ。トレンドの変化は非常に早く、何年以内にこの分野にこれだけ投資するといったやり方では危ない。経営の自由を奪ってしまう』



◆『脱炭素、川下のインフラ整備も重要』
――今年度中に、蓄電に特化したファンドを創設する。
『脱炭素は発電だけでなく、川下にあたるインフラ整備も重要だ。日本は発電に使う燃料を輸入に頼っており、電気を賢く使う必要がある。蓄電池は、太陽光などで発電した電気が余った時にはためて、必要な時には送電網に流すことができる。ファミマなどを中継地にすれば、災害時にも地域に電力が供給できる。ファンドという形を使うことで、国内の普及を後押ししたい』

――ファミマの成長をどう取り込むか。
『ファミマは全国に1万6,000店舗を展開するグループ最大の消費者接点の場だといえる。年間のべ55億人の購買データがとれる。グループのノウハウで、データを解析し、アプリや店舗に設置した電子看板(デジタルサイネージ)を使ってキャンペーンを打つなど、サービスを進化させていきたい。素材の調達から製造までを担うオリジナルのコンビニウェアも人気だ』

――海外景気をどうみるか。
『最大の貿易相手国である中国は、コロナ禍後に景気が回復すると期待したが、政府による不動産投資の規制によって重症に陥った。投資マネーの戻りも鈍い。中国の知人からは、「今回は根深く、回復には時間がかかる」と聞いている。米国の高い金利水準が続く。大きな景気後退につながるとは思わないが、影響を注視したい』

――ライバルの三菱商事と三井物産は、最終利益が1兆円を超えた。
『伊藤忠は、2010年度には2,000億円に満たなかった最終利益が、今期末には3期連続で8,000億円を超える見通しだ。市況に左右される資源分野が占める割合が少なく、売れるモノを見極めて積み上げてきた。まずはこの規模を定着させ、資源価格がどうなろうがこつこつ稼いで、いつかは1兆円に到達したい』

◆石井敬太氏(いしい・けいた) 1983年早大法卒、入社。専務執行役員などを経て、2021年4月から社長COO(最高執行責任者)。エネルギーや化学品部門のトップを経験し、太陽光や蓄電池といった脱炭素関連事業で実績を挙げた。東京都出身。

◆非財閥系で、ここまで成長した伊藤忠のエネルギーってすごいと思うねえ。三菱、三井、住友は、過去の財閥時代からの遺産がどーんとあるもんなあ。


■■<ダイハツとトヨタが会見 安全認証試験の不正を謝罪『軽視していると指摘されても仕方ない』> 車両の安全を確認する認証試験で新たに174の不正が発覚し、全車種の出荷停止を発表したダイハツ工業と親会社のトヨタ自動車が20日午後4時40分すぎから東京都内で会見し、ダイハツの奥平総一郎社長が『お客様をはじめ、ステークスホルダーの皆様に大変なご心配、ご迷惑をおかけし、信頼を裏切ることになりお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした』と冒頭で謝罪した。



奥平社長はさらに、『認証試験はお客様に安心して車に乗っていただくための様々な基準を満たしているかをあらかじめ国に審査・監督いただくもので、認証の適切な取得は事業を行う大前提。今回、認証を軽視していると指摘されても仕方ない不正が行われ、その環境をつくった責任は経営陣にある。自動車メーカーとして根幹を揺るがす事態となり、大変重く受け止めている』と話した。

ダイハツは今年4月、海外向けの4車種で衝突試験の認証を申請する際にドアの内側に不正な加工を施し試験を通過していたことが明らかになったほか、5月にも国内向けの2車種でも不正が発覚していた。

これを受け、外部有識者による第三者委員会を設置し、調査を進めた結果、さらに25の試験項目で174個の不正行為があったことが明らかになった。不正行為が確認された車種は、生産終了したものを含めて、64車種・3エンジンに及び、中にはトヨタやSUBARU、マツダが販売している車種も含まれている。

調査報告書によると、不正行為は1989年から行われ、特に2014年以降に不正が増加していたということだ。また不正が行われた原因について『過度にタイトで硬直的な開発スケジュールによる極度なプレッシャーが大きな原因』とした上で、『不正対応の措置を講じることなく、短期開発を推進した経営の問題であり、まず責められるべきは不正行為を行った現場の従業員ではなく、ダイハツの経営幹部だ』と指摘した。

ダイハツは調査結果を受け、20日、国内外で生産中の全ての開発車種の出荷を停止し、トヨタも同様にも該当する車種を停止すると正式に決定した。



◆三菱、日野に続いて、『ダイハツよ、お前もか!』だなあ。トヨタ子会社2社からこのような問題が起こったことに問題があるなあ。ダイハツの社長は、トヨタから送り込まれた人物だからなあ。

 

■■<日本製鉄のUSスチール買収、『米上院委員長がバイデン大統領に懸念表明』…議会でも反発相次ぐ>日本製鉄の米鉄鋼大手USスチール買収に関し、米議会上院の銀行委員会のシェロッド・ブラウン委員長(民主党)は20日、バイデン大統領に対し、書簡を通じて「利用可能な権限を全て活用するよう強く要望する」と訴えた。USスチールの従業員や国家安全保障に与える影響を、政府が精査するよう求めている。

 

 ブラウン氏は、日本製鉄が買収の発表前、全米鉄鋼労働組合(USW)への通知を行わなかったことなどに「深刻な懸念」を表明。競争当局による評価と、対米外国投資委員会(CFIUS)による審査を行う必要性があると指摘した。

 

 買収を巡っては、USWが18日、反対する方針を明らかにした。19日には民主、共和両党の議員から、CFIUSの議長を務めるイエレン財務長官宛てに買収の阻止を求める書簡が相次いで送られるなど、来年の大統領選を前に議会内で反発の声が強まっている。

 

◆新日鉄も、何か抜けてるねえ。日本的労使関係は熟知しているのだろうが、アメリカでの労使関係には無知・無能に見えるがなあ。どうだろうか、な。