今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『インターラーケンへの車窓から』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、奥穂のジャンダルムより厳しく、難しい北穂高の『迫力抜群のゴジラの背を進む麻莉亜』、やる気満々の『マツダ・ロータリーPHEV』。そして、里山広島南アルプス『丸山縦走路』です。丸山山頂から北の武田山方面、途中のピーク・観音山まで、なだらかな縦走路です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■■やがて安富源太夫は、叫び出した時と同様に、唐突に言葉を切った。と思うと、その姿は突然に人々の後ろに沈み込み、立ち止まって源太夫を見ていた者も、われ関せずと広場を横切っていた者も、いっせいに驚愕の声をあげて高札場の方に走るのが見えた。甚八も、番所内で休息していた同僚に後を頼むと、高札場目がけて走った。

 

『その時は、もう腹を切っていたのだな』

『はい、両手で腹に突っ込んだ小刀を握っていまして、あたりはものすごい血でした』

『源太夫が申した女子の名だが、その時広場にいた男たちの中には、もんと聞いた者もいるらしい。そなたには、もよと聞こえたのだな?』

 

『はい、確かにそのようでした』

『もよどのの不幸か』

これは懺悔の言葉のよいうだな、と清左衛門は思いながら、甚八にうなずてみせた。

『いや、よくわかった。せっかくの非番のところをじゃましたな』

 

礼を言って、清左衛門は博労町の足軽組屋敷を出た。道に出ると、7月半ばを過ぎても少しも衰える気配がない暑い日射しが、頭の上から照り付けてきた。

 

安富源太夫が広場に行ってわめいたのは、ただの偶然ではなく、彼には長年もてあまして来た心の重荷とでもいうべきものがあって、それを人々の前に告白し、懺悔する場所として城下の高札場を選んだものであるらしい。城にも藩主にもかかわりがないと判断した大目付の調べは、間違っていなかったようだと清左衛門は思った。ことの中身は、ごく私的な色合いを帯びて来たようである。

 

――もよという女子のことも・・・。

あまりつつかない方がいいのではないか、とも思われて来るが、しかし腹を切って償わなければならないほどの心の重荷とは何かと、源太夫をあやしむ気持があるのも事実だった。

 

調べを源太夫の身辺に絞り込めば、謎はおのずから解けて来るのではないかという気がした。源太夫は若い頃、安富に婿に入った男であることを思い出し、清左衛門は浅井作十郎に使いをやって、源太夫の経歴を調べてもらおうと思った。

 

■■<またもや『アルゼンチン、通貨切り下げ』>南米アルゼンチン新政権のカプト経済相は12日、通貨ペソの公式レートを1ドル=800ペソと、現状よりも対ドルで5割切り下げると発表した。緊急の経済対策で省庁も18から9に減らす。燃料や公共交通う機関など国民向けの補助金も削減し、健全化する。

 

通貨ペソの対ドル相場は12日で公式相場が1ドル=360ペソ前後。非公式レートでは1,000ペソ前後で推移していた。

ミレイ新政権は複数ある為替レートが経済構造を複雑にしていると見ており、将来的には一本化を目指すものとみられる。

 

IMFによると、アルゼンチンは財政赤字が続いている。2023年の財政収支はGDP比で4%の赤字となる見通しだ。緊急の経済対策の公表を受け、IMFのゲオルバ専務理事は、『アルゼンチンが安定を回復し、国の潜在力を再構築するための重要な一歩だ』と評価した。

 

アルゼンチンでは10日、ミレイ新大統領が就任し、新政権が発足した。前年比で100%を超えるインフレが続き、経済対策が喫緊の課題となっている。

 

自由至上主義を信奉し、小さな政府を目指す新大統領がこの危機をどう乗り越えるかに注目が集まる。大統領は演説で『これまで避けて来た課題に取り組み、100年前のように世界が敬う偉大な国に戻る夢を見よう』と述べた。

 

◆難題だねえ、インフレ率100%の経済を立て直すとは。国民がそれを克服する痛みに耐えるかしら、ねえ。しっかし、赤字がGDPのたった4%でこれほどの大騒ぎだ。日本なんて、10兆円もの赤字だのに、平然としている。その差は、日本は国内国債で補い、アルゼンチンは海外からの借金で補っているのだ。国内経済の差がこれほどの大事間になるんだねえ、アルゼンチンって。

 

■■<日本サッカー協会次期会長に『元代表主将・宮本恒靖』が就任へ>来年の4月から日本サッカー協会(JFA)新会長に、W杯2大会連続で日本代表主将を務めた宮本恒靖専務理事(46)の就任が確実になった。40代という若さに加え、ワールドカップをピッチ上で戦った抜群の知名度に語学堪能と注目が集まっているが、一方で政権誕生をおそれる声も、JFA内部から聞こえてくるーー。

 

現職の田嶋幸三会長(66)が任期満了で退任するに伴って、12月下旬にJFAでは8年ぶりとなる会長選挙が行われるはずだった。立候補を希望したのは宮本専務理事とJリーグチェアマン特命担当オフィサーの鈴木徳昭氏(61)の2人。正式立候補には79人で構成されるJFA評議員の16人以上の推薦が必要で、鈴木氏は集めることができずに宮本専務理事だけが次期会長候補として立候補した。

 

『評議員の推薦は記名式だった。誰が推薦したかはっきりわかるかたちです。まさに〝踏み絵〟でした。鈴木氏を推薦する評議員はほとんどいなかったと聞きました』(JFA元幹部)。

 

宮本専務理事は評議員全員に『ともに新しい扉をあけよう』というタイトルのマニュフェストを配布した。その冒頭にはなんと岡田武史副会長(67)との対談が掲載されていた。これを見たというJFA関係者は『まるで岡田さんが宮本の選挙対策委員長に就任したかのような内容でしたね。2大会W杯で主将だった宮本と、日本人監督として2度W杯に出場した岡田さんがタッグを組んだら、JFAの中で誰も異議あり!なんて言う人はいないよ』と苦笑いを浮かべた。

 

JFAでは会長予定者選出管理委員会(選挙管理委員会)によって立候補を希望した2人の『身体検査』を行った。『この身体検査は前回の会長選挙ではなかったのですが、その結果に誰がみてもわかるような採点がつけられていたそうです。圧倒的に宮本の点数の方が上だったようです』(同)。

 

◆宮本氏が公表したマニフェスト。前半に岡田武史・日本協会副会長との対談が出てくる。JFAがここまで巨大組織になったのは電通による強力なアシストがあったのはいうまでもない。だが、東京五輪のスキャンダルがおきたあとから、今まで通りに頼り切っていい、というわけにはいかなくなっている。

 

『今の電通は、JFAの新しいスポンサー契約も放映権交渉も主導権を握れなくなっています。先日、W杯アジア2次予選のシリア代表戦が結果的に日本で放映できなかったこともそれを示す出来事です。森保ジャパンは歴代最強と言われ、地上波のテレビ局側は放送したいと考えていたのに、日本がW杯に行くようになってから初めて、その予選を放送できなかったわけですから。電通に以前ほどのパワーはなく、JFAにとっては〝戦力〟になっていない状況です』(JFA担当記者)。

 

JFAは電通との契約を’30年まで更新したばかり。引き続き協力関係を続けながらも、新たな外資系コンサルタントが入ってくるのではないか、とJFA内部で取り沙汰されているのだ。

 

『「デロイト・トーマツコンサルティング」が入ってくるのではないか、と言われています。’17年から国際戦略とIT領域などの施策を推進する提携関係を結び、2年後の’19年にJFAとはコンプライアンス体制の強化を目的に契約しました。Jリーグと JFAの双方とパートナーシップを結んでいるのは電通と全く同じ手法です。デロイトさんは、岡田副会長が始めたJ3・FC今治とも提携関係にあるんです』。

 

現職の田嶋会長は歴代会長の中でも特に電通の後ろ盾を受けていた。コロナ禍の中、’20年に日本代表トレーニング施設『夢フィールド』(千葉県幕張)を約42億円もの巨費を投じて建設。さらに女子サッカーの底上げのために億単位のお金をJFAから先行投資した。その結果、JFAの財布は一気に苦しくなり、最終的には200億円近い巨費で自社ビル(JFAハウス)を売却せざるをえなくなった。

 

宮本新会長にとってはJFA財政再建がひとつのミッションであり、世界最大級のコンサルタントの力を借りなければいけない状況なのだ。

 

『デロイトさんはずっと岡田さんの活動を支えているスポンサーでもある。後ろ盾のない宮本を会長に推すことによって、デロイトさんとJFAとのパイプが一気に太くなる可能性は十分あります』(前出の元JFA幹部)。

 

デロイトトーマツとのパイプが太くなることで新しい風が吹く気もするが、むしろ、JFAにいる200人をこえる職員は今、不安に感じて『これからのJFAはいったいどうなるんでしょうか?』と担当記者に逆取材するシーンが増えている。というのも、デロイト・トーマスでは米国グーグル社から委託される形で、退職勧奨者に対して離職を促す面談も行っているからだ。JFAでは宮本体制になると現状27人いる理事の定数を一気に9~15人に大幅に減らすことを決めているが、理事だけでなく、職員にも降りかかってくる可能性があるのだ。元JFA幹部はこう明かす。

 

『’00年代は100人台体制で仕事を回していました。今、職員数が200人を超えるのであれば、当時の約2.5倍いる計算になります。仕事内容はそこまで増えたわけではないと思いますので、職員の数は多すぎる印象です』。

 

宮本は現役引退後の‘15年から’21年までコーチ、監督としてチームマネジメントに関わった。’21年5月、44歳のときに古巣ガンバ大阪の監督を解任されたが、その直後は別のJクラブからも監督オファーがあった。だが、解任から10ヵ月後の‘22年3月には日本サッカー協会の理事に就任した。別のJFA担当記者が明かす。

 

『JFAでは宮本に対して監督のオファーがあった情報はキャッチしていて、最終的には彼の決定を尊重するつもりでいたのですが、宮本は監督のオファーを蹴ったそうです』。

 

その時点で、宮本は協会の人間として生きていく覚悟を決めた。ただ、ここまでJFA幹部としての目立った実績はまだなく、『ガンバ大阪の監督で失敗した宮本が日本サッカー界のトップであるJFA会長になって大丈夫なのか?』と厳しい声がJFA内部では意外にも多いという。どんな方針を打ち出し、どんな手を打つのか。JFA職員のみならず、注目している。 

 

◆2007年5月24日に、ザルツブルグを訪ねた。中央~西欧の1カ月の旅。ザルツブルグは小さな町で、その当時、宮本恒靖と三都主 アレサンドロが『レッドブル・ザルツブルグ』でプレーしていた。スタジアムは、公営のものと、レッドブルが所有するものがあった。スタジアムへは、町中からバスで終点にあった。バスの運転手に『日本から来た』と告げたら、バス料金をロハにしてくれた。ザルツブルグのショップでは、キャップを買ったが、店員が宮本と三都主のサイン入りはがきをプレゼントしてくれた。

 

スタジアムはすごくきれいで、整然としていた。市内には、あの『サウンドミュージック』のロケ会場もあり、ザルツブルグの1日を楽しく過ごした。

 

しっかし、21年にガンバ監督を辞めて、JFAに入ったのには驚いたが、それ以上にすでに専務理事になっていることにも驚いた。そして、会長の座である。まさに、ホップ・ステップ・ジャンプだなあ。宮本恒靖、46歳、若い。国会もこれほどに若返ることを期待するなあ。

 

 

 

 

 

 

 

■■<『嘘つきは、泥棒のはじまり』、に異論あり・・・>幼い頃、『嘘つきは、泥棒のはじまりだ』と親に叱られた経験をお持ちの方は多いはず。嘘をつくと、ろくな大人にならぬ。正直に生きなさい。もっともな正論だと思うが、異論もあるようだ。政治学者の神島二郎さんが『ウソ教室のすすめ』と題した小論を残している。

 

要約するとこんな内容だ。子供にとって嘘はイマジネーションのはじまりであり、それを培養することは大事な教育なのである。にもかかわらず、今の日本の教育は正直さだけを尊んでいる。社会が複雑だからこそ、小さな嘘をつく習慣をつみ、大きな悪のからくりを看破する能力を身に着ける必要がある、と。

 

『正直教育』を受けて来た身故、認めがたい気もする。だが、そうも言っていられないほど悪質な嘘が横行している。例えば特殊詐欺。警察庁は先日、捜査体制の強化を決めた。10月までの被害額は330億円を超え、前年を上回るペースだ。12月は例年、被害が比較的多い。師走の慌ただしさが狙われているのだろう。

 

詐欺だけではない。政治資金の虚偽記載、著名大学の犯罪隠蔽、さらにはネット上のフェイクニュース・・・。社会をむしばむ虚言、捏造の類はいくらでも思いつく。真偽を見きわめるためには、いよいよ神島流も考えねばならないのだろうか。

 

お子様の習い事は当ウソ教室へ――。先生の人材には事欠かぬかも知れない。

 

◆まさに、嘘のすすめ、嘘喝破のすすめ、だなあ。政治家は嘘つきの塊みたいだ、ねえ。おっと、自民党の政治家だけかな、嘘つきは。