今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『インターラーケンへの車窓から見る景色』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、奥穂のジャンダルムより厳しく、難しい北穂高の『迫力抜群のゴジラの背を進む麻莉亜』。そして、元安川に飛来した『ヒドリガモ』です。

カモは越冬のため、シベリア方面から日本に飛来するのですが、何千キロもある遠い地を毎年間違いなく飛んでくるって、どういうからくりがあるのか考えると、夜も眠れなくなります。

 































■■藩では国境の関所からもっとも近い宿駅五カ所と、城下二カ所に高札場を設けていた。そして城下の二カ所というのが、的場町の広場と城下のほぼ中央にあたる雁金橋のたもとにある高札場であった。どちらも城下でもっとも人通りが多い場所である。その高札場を取り囲むようにして、城を下がる途中の武士や、それをさらに遠巻きにする形で、かなりの人数の町人たちが立っているのだった。

――新しく高札が立つところか。
清左衛門ははじめにそう思い、それならめずらしいことに違いないと考えたが、すぐに人だかりはそういうものでないことがわかった。

立っている人々は、高札を眺めているのではなかった。そして半円の人だかりの中に、あきらかに下城の武士たちとは異なる羽織姿の武士と、半纏を着た小者らしい男たちがいそがしげに動いているのが見えた。どうやらその者たちは町奉行佐伯熊太の配下か、あるいは大目付の配下のようである。

何事か、その場所で事件が起きたのだとわかったが、清左衛門が見たのはそこまでである。城の木立の陰から高札場がある広場にさしこむ日射しが、すっかり衰えて斜めにかたむいているのに驚いて、いそいでその場所を通り過ぎた。

家に戻ると、又四郎はまだ城からさがっていなかった。そして、ひょっとしたら高札場にいた野次馬のなかにまじっていたのではないかと思われるほどの間をおいて、清左衛門の後から戻って来た征四郎は、肩衣をはずしただけの姿ですぐに隠居部屋に来た。

『いつぞや・・・・』
帰宅の挨拶を済ませた又四郎が言った。
『小樽川で非番の安富源太夫どのに会われたとのお話でしたな』
『申した』
『その折り、安富どのと何かお話をなされましたか』
『いや』
清左衛門は首を振った。安富源太夫は知らない男ではないが、世間話をかわすほど親しい人物でもなかった。

『話してはおらぬ。会釈をかわしただけじゃった』
『ははあ』
『安富がどうかしたか』
『今日の七ツ(午後4時)すぎに、大手前の高札場で腹を切ったそうです』


■■<異常なる『大川原化工機起訴取り消し① 『公安部の無実者への取り調べ』>軍事転用可能な装置を不正輸出したとして外為法違反に問われた化学機械製造会社『大川原化工機』(横浜市)の社長らの起訴が取り消された問題で、東京地検が2021年7月、警視庁公安部に起訴取り消しの方針を伝えた際のやり取りを記録した警察の内部文書を毎日新聞が入手した。地検は、公安部が法令解釈を『意図的に、立法方向にねじ曲げた』と裁判官に捉えられるリスクがあると指摘し、公判を維持出来ないと通告していた。

この問題を巡っては、違法な逮捕・起訴があったとして大川原化工機が国家賠償訴訟を東京地裁に起こし、捜査に携わった現職の警視庁警部補が23年6月の証人尋問で、事件を『捏造絵』と極めて異例の事態となっている。文書からは、地検が公安部の捜査を恣意的と疑って起訴判断を見直したことが窺える。

 



文書はA4判1枚で、21年7月に東京地検から公判部副部長と公判担当検事の2人、警視庁公安部から監理官(警視)と警部補の2人が出席した会議の内容が記されている。この警部補は民事訴訟で『捏造』証言をした警部補と同一人物だった。

関係者によると、当時は初公判に向けて検察側と弁護士側が争点整理を続けていた。逮捕・起訴の根拠となった経済産業省の省令は、生物化学兵器の開発・製造に使われうる、殺菌能力を備えた噴霧乾燥機の無許可での輸出を禁止している。一方で、殺菌の具体的手法は明記しておらず、殺菌の解釈と、大川原化工機の装置に殺菌能力があるのかが争点となっていた。

公安部は『附属のヒーターで内部を空焚きし、殺菌を1種類でも死滅出来れば殺菌に該当する』と解釈し、温度実験も踏まえて同社の装置は殺菌能力を有すると判断。地検も起訴段階ではこの解釈を問題視しなかった。


■■<『ワカサギのボート釣り』>今年も紅葉の精進湖に、高校1年の娘とワカサギのボート釣りに行った。富士山の麓の広々とした湖で、娘と乗ったボートをグイグイ漕ぐ。『父さんボート部だったの?』などと言われ、私は得意になる。ボートを止めて釣り始める。

小さなワカサギ竿を持つ手や竿先に繊細な魚信アタリが伝わってくる。うまく手首を返し合わせ、リールを巻くと湖底からきれいなワカサギが上がってくる。

娘は聴覚にハンディがある分、視覚や触覚が優れているのか、私より魚信合わせが達者で次々と釣る。群れが回遊してきて、一度に5尾のワカサギが仕掛けに連なり、娘の表情が輝く。この瞬間を、昨年は写真年賀状にした。私も負けられず、娘が生姜湯や肉饅を飲食している間も、休まず釣り続けた。

『あっお嫁さんだ』。湖岸でカメラマンの撮影に応じるドレス姿の女性に、目が早い娘が気付いた。私も釣りの手を止め、しばらく一緒に眺めた。

数えきれないほど釣れ、帰る時になると、私は急に尿意に気付いた。ボートをふらふら漕ぎ、もどかしくトイレに駆け込むと、娘が『父さんのあんな面白い顔、初めて見た』と大笑いした。

家でてんぷらにしがら何匹釣れたか数えるつもりが、皆で夢中で食べてしまい、今年も数は分からなかった。(山梨県 男性55)



◆ワカサギ釣りなんて、広島では全く考えられないから、或る意味憧れ感はあるねえ。富士の名峰を眺めながらワカサギ釣りなんて、絶幸せな時間だねえ。それも、娘と一緒なんだから。


■■<広島大発『メモリー新材料、容量1000倍』>広島大学発スタートアップの『マテリアルゲート』は従来より省電力で高密度なメモリー材料の開発に取り組む。

1つの分子のみで1ビットの情報が持てる材料を使うことで、容量を1,000倍に増やしつつ、コンピューターの電力消費を9割減せるという。環境への悪影響を抑えつつ、膨大な情報を処理出来る技術革新につながるとみている。

広島大学大学院の西原禎文教授らのグループは『プレイスラー型ポリオキソメタレート』という1ナノメートルの分子が1つだけで『0か1か』という1ビットの情報を担える『単分子誘電体』となることを発見した。

この分子はタングステン、酸素、リンの原子で構成される。かご型の形状をしており、金属イオンが停止出来る場所が2カ所ある。とちらにイオンが停止するかによって0か1かを表現でき、電気がなくても記憶が失われない『不揮発性』メモリーの材料になりうるという。

不揮発性は揮発性に比べて省電力だが、動作が遅く、書き換え可能な回路が限られるなどの弱点があった。今回の分子を使えばこうした課題をクリアした上で、従来の不揮発性の磁気メモリーに比べて同じ体積で1,000倍程度の情報を持てる可能性がある。



『マテリアルゲート』はすでに試作で動くことを確認しており、今後メモリー材料の製品化を進める。半導体関連企業など向けに材料や技術を提供し、メモリーに実装するまでを担う。

『マテリアルゲート』の中野佑紀社長は大阪府出身。大阪の化学メーカーに勤めていたが、広島大学の大学院時代に西原教授に学んだことから事業化を担うことになった。広島県は半導体関連産業も多く、九州のTSMCへのアクセスも良いことから『地の利がいい』としている。

◆これは、日経の中国版に掲載された記事だが、内容をみると世界的なビジネスに発展する可能性もあるな、と感じた。広島大学は、スポーツの面でも活躍しており、サッカー部は中国地方大会で優勝し、大学選手権にまで駒をすすめt。あ2回戦で敗退したとはいえ、地方の国立大学が大会に出場すること自体、筑波大学を除けばまれである。