今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『古都ルツエルン・世界遺産「カペル橋⑥」』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、奥穂のジャンダルムより厳しく、難しい北穂高の『迫力抜群のゴジラの背を進む麻莉亜』。そして、道端花壇の女王『マリーゴールド』です。マリーゴールドが街中に花を咲かせ始めたのはもう40年近くになるでしょうか。最初はとても新鮮で、それまでの街中の花、コスモスとは比較にならぬほどの美しさでした。今ではその美しさが普通になって。アピール力も衰えてはいますが、未だ美しい花にはかわりありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■■その日三屋家の隠居清左衛門は、およそ七ツ半(午後5時)頃に的場町にある木戸前の広場に通りかかった。

 

清左衛門は何十年ぶりかにはじめた釣りが面白くなって、近頃は天気さえよければ3日に1度は城下の西を流れる小樽川に通っていた。今日も釣り帰りで、藍の軽杉にわらじばき、腰には脇差1本と魚籠、弁当を喰ってしまった風呂敷、頭には菅笠という軽装で、釣り竿をかついで的場町まで来たのだが、帰りの時刻はいつもよりおくれていて、清左衛門はわずかにそのことを気にしていた。

 

経書を読み直すために保科塾に通うところまでは手がとどかずにいるものの、初夏の頃からの清左衛門は一念発起して、10日に1度は紙漉町の無外流の道場に通い、ほかは釣りに出掛けたり屋敷畑に降りたりしてもっぱら身体を動かすことに専念していた。せまり来る老境にそなえて、頭よりはまず足腰を鍛えているという形だったが、実際にそうして身体を動かしてみると、清左衛門は自分がいかに長い間身体を使っていなかったかに、あらためて気づくようだった。

 

はやい話が、三屋清左衛門の身体は油の切れかかった車同様にさびついていたのである。少し無理に動かすと、身体はたちまち軋み声を立てた。およそ30年ぶりに紙漉町の道場を訪ねた時も、道場主の中根弥三郎の指示で木刀を振ってみると、手と足の動きがまったくばらばらで、おまけにたちまちあごが出て眼がくらむという醜態ぶりだった。

 

かくてはならじと、清左衛門はその後、道場通いをふくめて出来るだけ身体を動かすようにつとめて来たのだが、その甲斐はあって、近頃は木刀を振っただけで眼がくらむようなことはなくなったし、炎天下の川岸で小半日釣りをしたぐらいでは、さほど疲れを感じなくなっている。

 

そして三屋家の若夫婦は、隠居した当時清左衛門がしばらくふさぎ込んだのを知っているせいか、近頃の清左衛門のそういう変わりようを喜んでいるようだった。

 

釣りに行く日は、嫁の里江は婢にまかせず自分で弁当をつくってくれるし、無口な又四郎も、ある時釣り支度が済んで出かけようとしている清左衛門をつかまえると、釣りほど身体によいことはないと、鳥刺しと釣りは藩が昔から家中に奨励して来たことであることなどを、長々としゃべった。

 

■■<危急の宅配ビジネス④『町の花店、アマゾンを支える』>川崎の生花店『ナルチーゾ』には週5日、朝になるとインターネット通販『アマゾン』から30~50個の荷物が届く。店主の安斉(59)はその荷物を自転車に積み込み、指定の届け先に配達する。『花屋なので配達には慣れている』。副収入は月に数~十数万円にもなる。

 

ネット通販大手のアマゾンジャパンは2022年12月から、配達の一部を地域の商店に委託し始めた。酒販売店などが空き時間を使って、近隣の住宅に徒歩や自転車で荷物を届ける。委託するパートナー数は明らかにしていないが、『口コミで増えてる』(アマゾン)。アマゾンは個人事業主に加え、中堅・中小の物流会社を通じた配達を増やし、独自の物流網を築く。

 

家電量販大手のヨドバシカメラも自前の物流網っを持つ。東京23区や大阪市などの大都市ではECサイトで注文を受けた商品を当日届ける。28年には配送拠点を現在の4倍に当たる100カ所に増やして、当日配送エリアを広げる。

 

商品を届ける数百人のドライバーは自社の社員だ。藤沢社長は『委託先の物流拠点を通さない分、早くお客様に届けることが出来る』とメリットを説く。

 

アマゾンやヨドバシのように宅配会社を通さない荷物は、年間数億~十数億とみられている。宅配の荷物全体の1割程度を占めるまでに増えた。人件費上昇や人手不足を理由に大手宅配各社が運賃を引き上げ、当日・翌日配達サービスを縮小していることが背景にある。

 

ネット通販各社が早く安定した配送を築くのが難しい中堅以下のネット通販会社は、大手宅配会社にはないサービスを提供する会社を頼り始めた。

 

その1社がSBS・HDだ。商品の保管や配送、販促業務を一括で引き受ける。24年に千葉県内に設ける物流施設には、通販サイトに載せる商品の撮影スタジオも整備する。

 

『大手の宅配会社だけでは対応しきれないニーズの受け皿となる。値上げの抑止力にもなり、EC物流全体を担う存在になっていく』。鎌田社長はこう意気込む。

 

宅配大手各社が人手不足の対応に追われている間隙を縫って、新たなプレーヤーが宅配の担い手としになっている。

 

■■<公金をむさぼる『賭け学園・加計幸太郎』>今は亡き、『一強』の主が『腹心の友』と公言していた学校法人の理事長がいた。いや、失礼を言ってはいけない、現在もいらっしゃる。その理事長率いる学校法人をめぐるうんざりするようなニュースが、少し前に再び各メディアの片隅で小さく報じられた。

 

件の理事長率いる学校法人=加計学園は2004年、千葉科学大学と称する大学を銚子市に開き、運営してきたが、今年10月になって同校の『公立化』を求める要望書が理事長名で市長に届けられた。背景には同校の『経営難』。同校の定員は2,281人だが、現在の学生数はその7割に満たない1,528人に留まり、今年度の入学者は定員充足率が半分ほどに落ち込んだ。今後も学生数を増やせる見込みは薄く、経営が困難だから『公立化』してくれ、と市に求めたのである。

 

だが、そもそも同大の開学にあたって銚子市は10.7ヘクタールの私有地を無償で貸与し、そればかりか市債まで発行して実に77億円以上も建設費を補助していた。これは銚子市の年間予算の3割にもあたる額である。

 

用地を含めれば100億円にも達するだろう巨額の公金支援を自治体から受け、大規模な大学の運営に乗り出し、その経営が行き詰ったら自治体に泣きついて『公立化』を求める学校法人の、その経営者たる理事長の、この身勝手な振舞いも常軌を逸してはいなか。

 

振り返ってみれば『一強』政権下、この学園が実に半世紀ぶりとなる獣医学部の新設を成し遂げ、その異例の認可の背後では『総理のご意向』が働いていたのではないかと一大政治問題化した際、政権や学園は堂々とこう反論していた。この新学部はコロナ禍も踏まえた『感染症の水際対策』や『最先端の創薬研究』にも役立つものであり、決して『総理のご意向』などに基づく恣意的な認可などではないのだ、と。

 

その後、学園の新学部が『感染症対策』や『最先端の創薬研究』に寄与したとは寡聞にして聞かない。いや学園にそれほどの高尚な理念や能力があるはずもなく、そんな反論や主張を真剣に受け止める方がおめでたすぎた。

 

よく知られた話だが、今般『公立化』を求めた千葉科学大学にはこんなエピソードもある。『一強』政権の主が重用した与党為政者が落選の憂き目に遭って不遇をかこっていた祭、この大学の客員教授に迎えられて報酬も受け取っていた。いや『一強』政権の主自身、かつてこの学園グループの学校法人で役職を務めて報酬を受け取ってもいた。

 

つまりは為政者を抱き込み、つるみ、公金を無残に貪っているのは誰か。醜悪な学園と政治から漂う腐食の構図は、メディアが今改めて追究すべきテーマにお思われてならないのだが。(青木理筆)

 

◆『加計 孝太郎、1951年〈昭和26年〉7月2日生、72歳』日本の教育者。学校法人加計学園理事長・総長、日本私立大学協会理事。広島県出身。父親は加計学園グループ創始者の加計勉。立教大学文学部卒業。カリフォルニア州立大学ロングビーチ校に語学留学。アメリカ合衆国に語学留学中、安倍晋三と知り合い、以来、親交を深めた。2001年、父親の跡を継いで加計学園理事長に就任。拡大路線を展開し、西日本有数の学校法人グループを築き上げた。

 

2014年4月、千葉科学大学は看護学部を設置。同年5月24日、学部開設と開学10周年を祝う記念式典が開かれ、来賓として招かれた安倍は加計に触れ、「どんな時も心の奥でつながっている友人。私と加計さんはまさに腹心の友だ」と述べた。首相が防衛大学校以外の大学の式典に出席するのは異例のことであった。加計は『安倍に年間1億くらい出している』と証言しており、安倍もこの頃『加計さんは俺のビッグスポンサーなんだよ』と語った。

 

◆安倍晋三死して『1年余』。『虎は死して皮残す』だが、『晋三死して悪事がばえっる』の構図だなあ。まさに、時を得たかのように、派閥パー券裏金不正が飛び出し、『腹心の友』の加計幸太郎も左巻きの渦に巻き込まれ、なんと、千葉科学大学でバンザイしたのだ。有識者会議を開き、今後を検討するだろうが、銚子市にとって赤字垂れ流しの大学を運営する力はないであろうな。人口たった5万人の町に、大学を運営する力はないであろうな。せめて人口が20万人超であれば、別だがな。獣医科大学の今治市もあぶないぞ。

 

■■<大谷の超大型契約に含まれる『年俸後払い形式』をめぐる珍エピソード>72歳まで年俸支払いが継続、引退してなお年間1500万ドルもの大金を受け取る選手も――大谷の超大型契約に含まれる「年俸後払い形式」をめぐる珍エピソード。

 

現地12月9日、全米が、いや全世界が注目した争奪戦が決着した。大谷翔平がドジャースと契約合意に達したことが発表されたのだ。10年7億ドルは、マイク・トラウト(エンジェルス)の12年4億2700万円を上回るMLB史上最高額であるのみならず、NFLカンザスシティ・チーフスのパトリック・マホームズ(10年5億300万ドル)や、サッカーのリオネル・メッシが2017年にバルセロナFCと結んだ4年5億5500万ユーロ(約860億円)をも超えて、世界スポーツ最高額となった。

 

詳細はまだ不明ながら、今回の契約のかなりの額は「後払い」形式になっているという。MLBにおける契約の後払いとは、一体どのような仕組みになっているのだろうか?

 

まず、後払いという手法自体は、大型FA契約においてはそれほど珍しいものではない。最近の例だと、マックス・シャーザー(現レンジャーズ)が15年にナショナルズと結んだ7年2億1000万ドルの契約にも後払いが含まれており、ナショナルズは契約期間終了後の22~28年にかけて毎年1500万ドルもの金額をシャーザーに支払い義務を負っている。

契約期間内の年俸額を抑えることで、チーム全体のペイロールの柔軟性を確保することが後払いの最大の目的。大谷の場合、普通に年平均で計算すれば年俸7000万ドルにも達する。そのうちのかなりの部分を後払い形式にすることで、他の補強に資金を回せるようになる。ドジャースにとってはもちろん、カネより勝利にこだわる大谷にとっても、この後払い形式はメリットが大きいと言える。

 

MLB公式サイトによれば、大谷の繰り延べは『前例のない(unprecedented)』規模になると言われているが、過去にも風変わりな繰り延べ契約がなかったわけではない。代表的なところでは、1980年後半~1990年代前半にMLB屈指のスラッガーとして活躍したボビー・ボニーヤの例が有名だ。

 

99年オフ、ボニーヤは当時所属していたメッツを解雇された。ただ、この時点で590万ドルの契約が残っていたため、ボニーヤと代理人は球団に対し、支払いを11年まで遅らせる代わり、それ以降は年8%の利子をつけて、25年間の分割で受け取ることを提案した。フレッド・ウィルポン・オーナー(当時)がこれを受け入れたため、ボニーヤは72歳になる35年まで毎年120万ドル近くを手にすることになった。

 

それだけならまだいいが、ボニーヤ最後にメッツでプレーした年の成績は60試合で打率。160、4本塁打、OPS.579という惨憺たる数字。ボニーヤに後払い分の年俸が支払われる7月1日(俗に「ボビー・ボニーヤ・デー」とも称される)は、毎年メッツファンに「こんな成績の尻拭いのために毎年120万ドルを払わなければならないのか」と“黒歴史”が突きつけられる忌まわしい日となっている。

 

他にも、超長期にわたる「後払い」が提案された例がある。18年のシーズン中、ナショナルズはオフにFAを控えたブライス・ハーパー(現フィリーズ)に対し、何と2072年までの後払いを含んだ延長契約をオファーしていたという。実現していればハーパーには80歳まで支払いが継続されるはずだったが、本人が『65歳まで給料を受け取るような人間にはなりたくない』と拒否したため実現しなかった。

 

最後に紹介する例も、考えてみればかなり奇妙な話だ。今季、アメリカン・リーグ最多の101勝を挙げるなど大躍進を遂げたオリオールズの“最高年俸”選手は、21年に現役を引退したクリス・デービスの1540万ドルだった。なぜ、このような事態になったのか。それは、デービスが15年に結んだ7年1億6100万ドルの超大型契約のおよそ4分の1が後払い形式になっていたため。加えて、若手中心のオリオールズには高額年俸選手がいなかったため、「すでにユニフォームを脱いだ選手がチーム最高年俸」という前代未聞の状況となったのだ。

 

一部報道によれば、後払いによって大谷の年俸は『4000~5000万ドル程度まで抑えられるかもしれない』とすら言われている。今から数十年後、大谷への“後払い”がボニーヤやデービスと同じ文脈で語られることがないように祈りたい。(ニューヨーク=遠田寛生筆)

 

◆まあ、後払い含むと報道されたから、要は契約金の延払いだとは思っていた。でもねえ、72歳まではないだろうになあ。何ごともけた違いのアメリカではあるな。

 

アメリカのプロ野球球団には、選手に支払う年俸の総額に対する税制成約がある。一定額以上を支払うと、ぜいたく税として税金がかかる。金にまかせて選手を強奪するチームがでると、全体としては不公平になるということらしい。アメリカらしい制度ではあるなあ。日本では、巨人、阪神、ソフトと金に任せて選手を買いあさっているがなあ。