今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『古都ルツエルン・世界遺産「カペル橋③」』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、奥穂のジャンダルムより厳しく、難しい北穂高の『迫力抜群のゴジラの背を進む麻莉亜』、サンフレッチェ中国新聞の『最終試合の報道』。そして、西区の里山『大茶臼山413m登山道③』です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■■清左衛門が菓子屋の鳴戸を出ると、日はとっぷりと暮れて町にはうす闇が立ち込めていた。そのうす闇の中から、足音も立てずに清左衛門に近づいて来た男が、おわりましたかと言った。佐伯熊太の配下で横山半蔵という同心である。

 

『ご用心ください』

と言って、横山は声をひそめた。

『実はついさっき、鳴戸の裏口あたりを男3人が徘徊しているのが見つかりまして、咎めましたところ1人は馬廻組の犬井彦之丞、ほかの2人は山根さまのお屋敷の下士と判明しました。犬井は山根さまの組子で、花房町の小滝道場の高弟です』

 

『ほう、それで?』

小滝道場は一刀流を指南する道場である。

『立ち去るようにと言いましたところ、犬井がいきなりこちらの小者に乱暴をいたしまて、いま少しで斬り合いになるところでした』

『現れたか、油断するな』

と清左衛門は言った。

 

『奉行に聞いておるだろうが相手は頑迷固陋、こうと思い込むと何をやるかわからん人物だ。警戒をたのむぞ』

『心得ました。ご隠居さまも、気をつけてお帰りなされますように』

『まさか、わしを狙ったりはしまい。心配はいらぬ』

と清左衛門は言ったが、しばらく歩いてから横山がご隠居と言ったのを思い出して、1人で苦笑いした。そう呼ばれたのは初めてだと気付いたのである。

 

そして、言われてみると死んだ藩主が残した女の後始末に心を砕くなどということは、いかにも隠居仕事にふさわしいようでもあった。若い頃は、そんな手柄にもならぬ模糊とした問題に首を突っ込むのはいやがるだろう。

 

町は深い霧のようなうす闇に包まれていた。小さな川にかかる橋を一つ渡ると、商人町はそこで尽きてあとは道に人影も見なくなった。左右には静まり返った武家屋敷が続き、町はそのまま夜の深みに沈んで行くばかりのようである。

 

その道を歩いているうちに、清左衛門はやがて、同じ道を歩いている者が自分のほかにもう1人いることに気付いた。足音は、清左衛門のうしろ数間ほどのところを、つかず離れずついて来る。

 

■■<こうして日経に勝った!『会社四季報』の秘密・下>

◆『過去に何が起こったかではなく、先に何が起こるか?』 1979年3月に日本経済新聞が、『日経会社情報』という『会社四季報』のライバル商品を出した時、日経のデータバンク局長だったし鈴木隆は、日経のデジタル化を背景にすれば、東洋経済新報社など敵ではないと、田原総一朗の取材に答えている。

 

『東洋経済さんの記者が一つひとつ取材して書いているという、そういうものではなく、ウチは、全く自動的にできてしまう』(『電子戦争・メディア戦争』1983年 文藝春秋)

 

それに対して『会社四季報』が装備した新機軸は、2年先までの業績を記者が予測するという『2期予想』だった。これは1982年に『会社四季報』の編集長になった篠原勲の時代に始まるが、篠原はこんな言葉を残している。

 

『日経は新聞社、東洋経済は雑誌社、その違いは何かとも考えました。やはり新聞社は客観情報を重視しており、会社の発表した予想数字にこだわざるを得ないのではないか。一方、雑誌社は記者の取材、分析に基づいた独自予想という特徴が出せる』(会社四季報全70年DVD 付録冊より)

 

当時は日本にはまだアナリストという言葉すらなかった時代だった。篠原は、アメリカにはアナリストと呼ばれる人たちがいて、3期や5期先の予想を予想する情報誌があるという話を聞きつけ、足で企業を回っている東洋経済新報社ならば、これが出来ると考えた。

 

これは大ヒットとなった。『日経会社情報』には、会社が発表する1年先のみの決算予想はあるが、記者が独自に将来の決算を予想するという欄はなかった。『日経会社情報』のシェアは3割を超えることはなく、『会社四季報』は常に7割のシェアを確保した。

 

現在東洋経済新報社の売上115億8,000万円のうちデジタルからの収入ハ5割を超えている。そのうちの大きな売り上げを占めるのが、四季報で集めたデータをBtoBで機関投資家に売るバルク販売だ。中でも、2期予想は、海外の機関投資家も購入する人気商品だ。

 

◆『日経会社情報』は2017年春の号を最後に紙の市場からは撤退する。ダビデはゴリアテに勝ったのである。現在編集長を務める冨岡耕は、2007年に産経新聞から移ってきた。新聞時代は、自分でどう考えるかというよりは、何が発表されるかを追いかけていた。

 

それが東洋経済新報社に移籍し、四季報で何社も担当するようになると、ここでの取材が『過去に何が起こったかではなく、先に何が起こるかを書く』ためにあることを叩き込まれる。そのためには財務諸表も読めなくてはならない。担当する会社を定期的に訪ね、社長とも議論する力がなくてはならない。

 

そうして主体的な定期観測を続けているうちに大きな問題に気が付くことがある。例えば損保ジャパンを担当していた記者は、四季報の取材の中で、ビッグモーターの保険金不正請求の件を知り、国交省の聴取で不正が炎上することになる1年前に、『保険の「不正請求疑惑」めぐり大手損保が大揺れ。中古車大手ビッグモーターの組織的関与が焦点』との記事を東洋経済オンラインに掲載している。

 

東洋経済新報社の創業は明治28年(1895)、創業者・町田忠治は、東洋経済新報の創刊号の社説で『政府に対しては監督者、忠告者、苦諫者となり、実業家に対しては親切なる忠告者とならん』と書いた。

 

官僚からペーパーを抜くのではない、会社の言うなりに書くのではない、独自の判断を提示するジャーナリズムとしてのイムズは今日にも受け継がれている。(下山進筆)

 

◆日経会社情報は、創刊された頃には見たことがあるが、最近は本屋に行かないから、店頭で販売しているのかしていないのかさっぱりだった。なんと、紙の本を廃止したのね。日経にも四季報に負けるという死角があったんだねえ。面白い。

 

■■<2024年夏の広島県安芸高田市長選、新人の藤本悦志氏が立候補表明> 2024年夏に予定される任期満了に伴う広島県安芸高田市長選で、元郵便局長の藤本悦志氏(51)=高宮町=が30日、広島県庁で記者会見し、無所属で立候補すると表明した。

 

藤本氏は高宮町出身。1995年に旧高宮町職員。退職した2001年に安芸高田市の川根郵便局長、18年に吉田郵便局長に就いた。今年10月に日本郵便を退社した。

 

記者会見で藤本氏は『今の市政の課題は市民や団体との対話がないこと。しっかり対話と議論をし、方向性を出すやり方で市民と温かいまちをつくりたい』と述べた。

 

20年8月の前回選は参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件に絡み、前市長の辞職に伴い実施。新人2人が立ち、石丸伸二(41)が初当選した。市長選には他に立候補表明した人はいない。

 

◆まあ、今の市長では円滑な市政運営は難しかろう。まず高邁で、人徳がなく、議員への対応などでも指導力を発揮するどころか、喧嘩を売っている。自分以外の者を目下にみて、ボロンチョンに蔑む口害。いくら頭がよくて、英語がしゃべれて、討論力にすぐれいていても、首長という職責には完全に欠陥人間だよ、この人は。これではだめだね。市民がどう判断するか、見ものではあるな。

 

■■<高級ホテル、施設ラッシュう『パレス、帝国など』>国内高級ホテルが訪日富裕層を狙って新規開業を目指す。客室の大半を外国人客で埋めることを想定する。パレスホテルはホテル数を2030年までに2.5倍にする。帝国ホテルは30年ぶりの新規ホテルを開く。政府は1人当たりの訪日旅行消費額の引き上げを目指すが、高級宿泊施設は不足している。高価格帯のホテルも訪日客を取り込むための投資に動く。

 

パレスホテルは主要都市に出店し、運営ホテル数を現在の4施設から、30年までに10施設程度にする。多額な投資が必要な土地や建物を自社で所有せず運営だけ担う方式を中心にして、短期間で増やす。

 

日本政府観光局JNTOによると、10月の訪日外国人は251万6,500人で、19年比0.8%増となった。高単価で長期滞在を見込める欧米豪からの訪日客が目立つ。

 

高価格帯のホテルは外国人客の割合が高まっている。パレスホテルの旗艦店であるパレスホテル東京では、10月の宿泊客に占める外国人比率が75%となった。新型コロナ禍前より5ポイント程度上がった。帝国ホテル東京も6割を超えている。

 

平均客室単価も上がっている。パレスホテル東京では新型コロナ禍前の6万円台から、足もとでは10万円弱まで上がった。これまで訪日客を狙ったホテルの新設は、大体客を想定した手頃な価格帯のものが中心だった。富裕層の訪日が増え、高級宿泊施設の動きも活発になってきた。

 

ヒューリックは数百億円を投じて、30年頃までに国内の直営ホテル。旅館の数を38と現在の2倍にする。このうち1泊10万~30万円の高級旅館『ふふ』は9軒から2倍の17軒にする。

 

帝国ホテルは26年春に京都で新規開業する。30年代には帝国ホテル東京の本館を建て替える。

 

政府はインバウンドう政策で量から質への転換を進めており、1人当たりの訪日旅行消費額を引き上げる目標を掲げる。目標達成に向けて課題となっているのが、高級宿泊施設の少なさだ。

 

米旅行サイト『ファイブスターアライアンス』をもとにした官公庁の資料によると、20年6月時点で日本の5つ星ホテルは34。米国(801)に遠く及ばず、同じアジアの中国(137)や、タイ(112)、インドネシア(58)よりも少ない。

 

海外の富裕層にとって日本のホテルブランドが浸透すると、各社が海外で事業を広げるチャンスにもつながる。パレスホテルの吉原社長は『訪日客向けにブランドを磨き上げれば、海外からホテル運営の誘いが来るようになる』と話す。

 

◆1泊、10万円ねえ。溜息がでるねえ。こちとらは、いかにして安い旅行を組むかに苦心しているからなあ。東京で泊まった高級ホテルといえば、ニューオータニに泊まった程度だなあ。プリンス系にも泊まっていない。