今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『古都ルツエルンに面するフィアヴァルトシュテッカー湖Ⅵ』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、奥穂のジャンダルムより厳しく、難しい北穂高の『迫力抜群のゴジラの背を進む麻莉亜』。そして、アマリリスの最後『いろいろなアマリリス』です。

 

湖越しにみえる、尖塔は『ホーフ教会』。いたって質素な教会で、大聖堂などにみられるきらびやかなステンドグラスなどは見当たらなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■■『ではつぎに、相手の男のことをおうかがいしたい。これまた大事なことなので、どこのどなたであるか、隠すことなくお聞かせ願いたいものでござる』

『それは、ご勘弁いただきとうございます』

不意におうめが言った。やはり小声だったが、きっぱりした語気に聞こえた。

 

『おずれこのことが外に洩れれば、お城からお咎めがあるのは当然。どのような罰でも甘んじてお受けするつもりでおりました』

おうめは顔を上げて物を言っていた。口調にも、この日にそなえて言うべきことを決めていたように渋滞がなかった。のみならずその顔に、さっきは気付かなかった脂切った精気のようなものがうかんでいるのを、清左衛門は興味深くながめた。男の理解を越える、孕み女の捨て鉢の強さとでもいったものを、どうやら今のおうめも抱え持って生きているらしい。

 

『いかようなお咎めでもくださいまし。ただ、その人の名前は口が裂けても申し上げられません』

『ま、そのような殺気立たんでもらいたいものだ』

清左衛門は苦笑いした。

 

『何か、それがしの言い方を誤解されているようだが、それがしはこなたさまが子を身籠られたことを咎めに参っているのではござらん』

『・・・・』

『打ち明けた話をいたそう』

清左衛門はつとめてざっくばらんな口調を心がけながら言った。

 

『先の殿が亡くなられた折り、と言えばもやは1年も前のことだが、その折りにおうめどのの処分について、じつは今の殿から国元にあてて書類が出ている』

清左衛門はその書類がおうめの束縛を解き、かわりに扶持を取り上げるものだったことを説明した。

 

■■<日本で一番売れている雑誌『ハルメクの秘密⑥ 「新聞法は変化を拒んでいる」』>上場をしたのは、規模が拡大しているためにシステム投資に資金を必要としていることもあった。また、新聞社は、紙の定期購読で、せっせと山岡を研修会に招いているのだが、会社としては、あと10年もすれば市場はまた大きく変わると考えている。現在の50歳は社会に出た時にウインドウズ95が発売になっている。

 

シニア女性ということで、現在は紙で読者をとっているが、いずれウエブに移って行くだろう。そのために、デジタル有料版である『ハルメク365』を始めている。これに対する投資も必要だ。

 

山岡は、新聞社に呼ばれて話をすることは有難いことだと考えている。しかし時々、本当にこの人達は変わろうという気があるのか、と疑問に思うこともあるそうだ。

 

ハルメクの再生劇は、実はメディアの買収が可能だということから始まっている。オーナーが創業したシニア女性向けの通販と雑誌の会社を、ファンドが買収したところから、大きく変わることが出来、最終的には、自分達の会社として独立することが出来た。

 

日本の新聞社の場合、日刊新聞法という法律があって、株式の譲渡を定款によって制限出来ることから、買収が極めて難しい。

 

言論の自由を守るためと導入された規制だが、しかし、それが、ずっと同じタイプの人達がメディアを経営するということになり、変化を阻んでいると言っても過言ではない。また、新聞社の経営には社内の人材が就任し、いわば記者の成り天なのだ。外部の人材は入り込まず、内部人材だけでやりくりしている。時代の変化に送れることは必定だ。あの、毎日新聞が一旦倒産したように、いくら優れた記者でも経営能力とは別次元なものだのだ。

 

そういったところから根本的に考えることでしか、『ハルメク』の事例は、いくら話を聞いても参考にはならない。(下山進筆)

 

◆新聞業界に対して『本当にこの人達は変わろうという気があるのか、と疑問に思う』は、山岡さんだけではなく、私もそう思う。紙からネットへは、新聞だって例外でなない。その対策を講じて、ネット読者80万人超を受け入れた日経新聞は、旧来の新聞から脱皮した成功者として高い評価を受けている。が、その次に続くべき朝日新聞は泣かず飛ばずだ。なにせ、日経と同じ手法でネット読者を募っているが、日経と朝日の紙面では性格が全く異なる。日経の記事は、電子版を読んでいれば、ビジネスなどの対応、また株式市場への対応などが有利に運べる情報を掲載する、まさに金銭密着型のウエブだ。だが、朝日新聞のウエブは、それほど個人にとって緊急性はない。なのに、ああ、なのに、知恵も工夫もない。

 

朝日新聞のウエブ版には、先達の成功例がある。NYタイムズだ。今やネット購読者は1,000万人を超えた。カギは、紙面の切り売りである。経済面、政治面、スポーツ、地方版など、紙面全体を小切りにして、販売しているのだ。朝日も、紙面を小切りにして、最低料金を500円程度に設定すればそれないの読者は獲得できようにな。知恵もないが、変革に挑む度胸もない朝日新聞ではあるな。まあ、読売、毎日いずれも同じレベルだ。

 

■■<アルゼンチン新大統領『通貨を米ドルに、中央銀行廃止』>南米アルゼンチンで、小さな政府を志向する右派でリバタリアン(自由至上主義者)の『ハビエル・ミレイ下院委員(53)』が大統領選を制した。アルゼンチンは中国提唱の巨大経済圏構想『一帯一路』に参加する南米有数の親中の国。だが、ミレイは距離を置く考えだ。

 

自国通貨の米ドル化や中央銀行の廃止も唱える新大統領の誕生でアルゼンチンは内政、外交の両面で大きな転換点を迎える。

 

『あなた方はブラジルや中国と好きなようにビジネスを続ければいい。だが私は共産主義国とは同盟を結ばない』。地元メディアによると、ミレイ新大統領は、企業家との会合でこう発言した。

 

中国、ロシア、インド、ブラジル、南アフリカの新興5カ国・BRICSは8月、加盟国拡大で合意。アルゼンチンは来年1ア月、イランなどと共に加盟資格を得る予定だ。だが、ミレイ新大統領は中国に加えブラジルの左派ルラ大統領、ロシアのプーチン大統領も『共産主義者』と見なし、BRICS参加に否定的だ。

 

◆政治アナリストのクルスは『外交の大きな変化は米国と接近し、中国から離れることだ』と指摘する。 中国はアルゼンチンにとって主要な貿易相手国で、債務危機に陥るアルゼンチンと通貨交換協定も締結、支援してきた。左派フェルナンデス大統領は昨年に北京を訪問し、一体一路に参加する覚書に署名した。中国が中南米に初めて建設する原発や太平洋と大西洋を結ぶ南部要諦の港、鉄道などのインフラ投資で協定を結んだが、これらの履行は不透明になってきた。

 

ミレイ大統領は通貨ペソのドル化と中銀廃止も主張。インフレが年率140%に達して購買力や賃上げが追い付かず、国民が貧困にあえぐ中、エクアドルなどの例を引き合いにドル化はインフレ抑制に効果的だと訴える。

 

一方、中銀を持たず、米ドルが自国通貨として流通する国はパナマやパラオ、マーシャル諸島など小国に限られ、G20の構成国であるアルゼンチンのような規模の国はない。クルスはドル化により『当初は貧困層の増大が起きるだろう』と予測した。

 

4人家族の生活には月収32万ペソ(5万円)が必要とされる。首都ブエノスアイレスで段ボールを回収していた男性(28)の月収は22万ペソ。子供6人に3食与えられないこともある。現政権は『汚職に手を染め、国民から盗んでいる』と断じ、変化を期待してミレイを大統領として支持した。

 

これまでの政権の政策で『我々は貧しくなってしまった』とミレイ。『歴史を転換することができた』と宣言した。

 

◆1900年代初頭、第1次世界大戦の後には、欧州への農産物・小麦の輸出でわが世を謳歌したアルゼンチン。その繁栄は、ブエノスアイレスを南米のパリとまで仕立てた。しかし、将来的な経済政策が不在で、アメリカの安い小麦が台頭すると、アルゼンチンの経済は崩壊の道を歩んだ。今、日本は過去の栄光に縋りつき、次世代産業の育成を怠ったため、GDPで4位という座に滑り落ちている。これを挽回するには、相当のエネルギーが必要だが、政府も国民もその理解と決意がまったく見られない。お粗末、日本国の没落はアルゼンチンに通じる道なのではあるまいか、な。

 

■■<『恬淡テンタン』は日本人好み『岸田首相も?』>『恬淡テンタン』は日本人好みの態度の一つだろう。『心がやるらかで無欲なこと』、『あっさりしていて、物事に執着しないさま』。広辞苑の説明も恬淡としている。お金、名誉、権力――。取りつかれたら身を誤る魔物が跋扈する俗世間を、潜り抜けてこそ達する境地といえようか。

 

和辻哲郎は『風土』の中で、日本人の国民性を激情と恬淡の二重性格とした。台風のような突発的な感情が明治維新を呼び、大雪を忍ぶ諦念が淡泊に命を捨てる突撃を生む。その象徴が桜だという。慌ただしく華やかに咲きそろうが、執拗に咲き続けることなく、恬淡として散る。そんな姿を美徳とする政治家は少なくない。

 

岸田首相もその1人なのだろうか。内閣支持率が下がり続ける中、この日も淡々と国会答弁に臨んでいた。来年の夏頃に物価高が落ち着けば支持率も落ち着くと踏んでいるのかも知れないが、近年、権力に執着する首相に慣れた世論は、恬淡とした首相に戸惑う。来年9月の総裁選で、お役御免を願う向きが半数を超えた。

 

思えば、岸田さんの宏池会には『権力の行使は抑制的に』をよしとした先達の顔が浮かぶ。ただ、和辻に言わせれば、日本人の恬淡さは、突発的な高陽と背中合わせの『戦闘的な恬淡』である。恬淡だった先達も、最後に衆参同日選や自民党下野といった動乱を呼んだ。岸田さんの恬淡さに背筋が凍る場面はるやなしや。

 

◆『恬淡』、初めて聞き、初めて見た言葉だ。難しい言葉があるもんだねえ。恐ろしい。でも、岸田君の余命もいくばくか、だろうなあ。あの、息子が官邸に人を集めてバカ騒ぎしたのを、恬淡と見つめていた岸田首相だから、自分の余命はよく認識しているのだろうなあ。次期国政選挙は、都市部で自民が大崩れするだろうなあ。

 

■■<半固体電池・25年にも供給『伊藤忠出資の米新興、コスト4割減』>伊藤忠商事やVWなどが出資する米スタートアップは、2025年にも現状のリチウム電池に比べて製造コストを最大4割減らした次世代電池を供給する。発火リスクの低い『半固体電池』で、EVの性能を飛躍的に高める個体電池のつなぎの技術と期待される。普及すればEV価格引き下げの後押しとなる。

 

開発したのは、『24Mテクノロジーズ』。同社が技術をライセンス供与する京セラなど国内外の企業を通じて25年以降、日本やインド、中国で量産し、アジアや欧米の自動車メーカーに供給する。24Mには富士フィルムなども出資している。

 

24Mは電解質が半固体である特製を生かし、電池パックのスペースを効率よく使える技術を開発した。部材や構造部品も減らせ、一般的なリチウムイオン電池よりエネルギー効率を5割ほど高めることが出来るという。

 

半固体電池は正極と負極の間でエネルギーをやりとりする電解質に粘土状の物質を使う。液体を使うリチウムイオン電池に比べて発火しにくく安全性が高い。またリチウムイオン電池に比べて容量が小さく、現状ではEVに使用した場合、航続距離が短い。ただ、トヨタ自動車などが2027年にも量産する全個体電池より製造はしやすい。

 

半固体電池は中国の寧徳時代新能源科学CATLなども開発を進めてきた。ホンダもEV用バッテリー研究開発会社である米国のSES社へ出資し、半固体電池を共同開発している。

 

24Mは今後、EVのほか、鉛蓄電池の代替や家庭用蓄電池など多様な用途で供給する。量産しながら弱点である航続距離を伸ばす開発も進める。

 

◆熾烈なり、次世代EV用電池、だねえ。電池が開発途上であることでもあり、EVもまだまだ発展途上の車だといえるねえ。でも、すごいことだ、半固体電池。中国の電池資源の独占を開放するのだろうなあ、素晴らしい。

 

■■<メイク・ドラマ サンフレッチェ 『ロスタイム幕切れ寸前に得点、3位確保』>まさにメイク・ドラマ、サンフレ。

サンフレと勝点1差で4位の浦和はテレビ中継で札幌と対戦し、PKで先行、追加点も入れて2-0。

片やサンフレは、ヤフースポーツのテキスト速報で、後半終盤に入っても無得点。

 

後半ロスタイムが5分と。

が、51分になっても試合は終わらない。

このままドローだと。サンフレは浦和に逆転されて4位に落ちる。

 

と、突如、ゴールの表示が。

荒木がヘッドで決めたと。

 

土曜日のヴェルディ-清水戦も後半ロスタイムにPKで同点に追いついて、J1への昇格切符を手にした。

サンフレは、さらに厳しい時間切れ寸前に得点と。

 

まさにメイク・ドラマだ。

これで、来季はACLに進出出来るだろう。

新スタジアムに、J13位。

まことに立派なり、サンフレッチェ。

 

スキッベ監督3年目の来季に期待大なり、だ。

 

◆[12.3 J1第34節 福岡 0-1 広島 ベススタ]
J1第34節が3日に行われ、3位サンフレッチェ広島は敵地で6位アビスパ福岡に1-0で勝利した。この結果、2024-25シーズンのAFCチャンピオンズリーグエリート2(ACL2)の本戦出場権を得られる3位をキープ。敗れた福岡は7位に後退したものの、クラブ最高順位(J1・8位)を更新した。

立ち上がりから球際の戦いと攻守の入れ替えが激しい展開が続く中、シュート数では広島が上回るも、ゴールには結び付かない。一方、前半42分には福岡のFW山岸祐也がボックス内でDF荒木隼人に倒され、VARによるチェックが入ったが、PKの判定とはならず。そのままスコアレスで前半終了となった。

 

ハーフタイム明けからも一進一退の攻防を見せる両チーム。後半23分にはMF満田誠が左足で強烈なミドルシュートを放つも、DFの頭をかすめてわずかに枠を外れる。その後のチャンスもGK永石拓海に阻まれていた広島だったが、同アディショナルタイム6分に待望のゴールが生まれた。

右CKの流れから右サイドのFWマルコス・ジュニオールが左足でクロスを供給。攻め残っていた荒木がジャンプしながらバックヘッドのように合わせ、ゴール左に決めた。荒木は最終節で今季初ゴールを記録。これが決勝点となり、広島が劇的な勝利を飾った。