今日の画像は、北アルプス『奥穂高への道821』、自然美が完全な形で残る『上高地 岳沢湿原』、永遠の若大将『加山雄三』、奥穂のジャンダルムより厳しく、難しい北穂高の『迫力抜群のゴジラの背を進む麻莉亜』。そして、私の好きな花のひとつ『ニワゼキショウⅣ 白色の花』です。

 


 

 

 

 

 

 

     <ホウジャク―蜜を吸う蛾>

 

 

 

 

 

■■話は少し前に遡る。俳優として生きていく覚悟が出来ていない時期のこと。『映画で一旗揚げて、船を造ればいい』。そんな不純な動機で俳優になった。本当に一旗揚がってしまい、僕は『いつ辞めようか』とばかり考えていた。

そんな思いを吹き飛ばしたのが、『椿三十郎』(62年)と『赤ひげ』(65年)への出演、つまり黒澤明監督との出会いだった。『椿三十郎』では若侍の一人、『赤ひげ』では小石川養生所の赤ひげ先生の下で働くことになった若い医師を演じた。

恐ろしいほどの読みの深さ、頭の回転の鋭さ。黒澤監督のような才人に会ったのは初めてだった。それまで自分にはいろんな才能、能力があると思っていた。要するに僕は、若くて思い上がっていた。監督のような人が映画界にいるのなら、自分もこの世界で生きてみようと思った。

特に『赤ひげ』の物語は、測ったように僕の人生とダブった。僕の演じた保本登は御典医を目指すエリート青年。貧しい人達相手の小石川養生所で働かさせることに我慢がならず、やめよう、やめようとばかり考える。しかし、人々を黙々と救っていくベテラン医師、赤ひげ先生(三船敏郎)の姿に共感し、人間の真実に目覚めていく。

僕にとって小石川養生所は撮影所、赤ひげ先生が黒澤監督だった。僕の人生で『先生』と呼べるのは、黒澤監督しかいない。『映画のリアリズムと一般常識のリアリズムとは違うんだよ』。後に我が家に遊びに来られた時、延々と映画論を聞かせてくださったのを思い出す。

『椿三十郎』では、撮影所の中でも、常に本物の刀を腰に差しておけと言われた。竹光とは全然違って、重みで帯が次第に下がってくる。『それが狙いなんだ』と言う。台本の読み合わせでも、ちょんまげを結い、正座して読む。身のこなしなど、演技以上のものを要求するわけだ。『仕事を何だと思っているんだ。もう用はない。帰れ』。俳優やスタッフが何かしでかすと、監督の大目玉が飛ぶ。そんな様子をよく目にした。聞きしにまさる厳しさだ。

富士山麓の御殿場ロケでも、僕は本物の刀を差していた。鯉口を切ってスーッと抜き、目の前の細い木に向かってスパーンとやったら、バサッと切れた。『おお、すげえ。やっぱり本物だ』。僕は調子に乗って、2本、3本と切りまくった。

『バカヤロウ』。小道具さんが飛んで来た。『加山ちゃん、何やってんだよ。刃がこぼれたらどうしてくれる』。すごい剣幕で、僕はシュンとなってしまった。

もう一人、大柄の男がすっ飛んで来た。黒澤監督だ。『やばい、殴られる』。しかし、監督は小道具さんの後頭部をつかんだ。『バカヤロウはお前だ。余計なことを言うんじゃない。刀はそうやって覚えるんだ』。小道具さんは投げ飛ばされてしまった。

『椿三十郎』の撮影で、若侍がずらりと並んで座るシーンがあった。誰かがセリフでつっかえて、何遍も同じことをやらされている。僕はカメラから一番遠い末席にいて。何もセリフはない。眠い、いや頑張ろう、眠い・・・。

肩をコンとこづかれてハッと気付いた。『お前寝ていただろう。今本番だったんだぞ』と助監督がささやく。黒澤監督がすくっと立ち上がった。『かやまぁ』。低い声が響き、全員が凍り付いた。

『かやまぁ、眠いのか』。ぶん殴られると覚悟した。『はい、眠いです』『表へ行って寝てこい。加山のために30分休憩』。結局2時間くらい中断した。現場の雰囲気を感じ取っての黒澤監督の判断だったのだろう。



■■<細田博之死去『セクハラ報道』『旧統一教会』国民への説明なく…汚し続けた『衆院議長』の“晩節”>前衆院議長の細田博之が、11月10日午前10時58分、都内の病院で死去した。79歳だった。東京教育大(現・筑波大)附属駒場高校から東大法学部、通商産業省(現・経済産業省)というエリートコースを歩んだ細田博之。父・細田吉蔵元運輸相の秘書を経て、島根の地盤を引き継ぎ、1990年の衆院選で自民党から出馬し、初当選。

2014年から2021年まで、清和政策研究会(現・安倍派)の会長として党内最大派閥をまとめた。2021年11月、当選11回ながら衆院議長に就任したのは、安倍派をまとめた論功行賞といわれる。


だが、衆院議長に就任してからは迷走続きだった。2021年末、衆院選の『1票の格差』是正に向け、総務省から『10増10減』の新たな定数配分が報告されると、細田は議長でありながら異を唱えた。『都会だけ増やし、地方いじめのような10増10減は、もうちょっと考えたらどうか』と訴え、『3増3減』を主張した。

細田は『選挙博士』の異名を持ち、2016年の『衆院選挙制度改革』を主導。アダムズ方式の導入を求めた議員立法の法案提出者にもかかわらずだ。

2022年5月には、東京都内で開かれたパーティーで『議長になっても給料は月に100万円しかもらっていない』と発言し、物議を醸した。同月には、女性記者へのセクハラ行為を繰り返しているとの疑惑を報じられるも、会見などでの説明はなし。

さらに同年、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)との関係を指摘されたものの、自民党の調査では、細田が衆院議長であるため対象外となった。細田は9月29日に、教団関連団体の会合に計4回出席したことなどを認めたA4で1枚の文書を公表したものの、一部ネット上では“紙対応”と揶揄された。

2023年1月には、衆院各会派の代表者と懇談形式で、教団との関係についての質疑に応じたものの、記者会見は『議長の立場でふさわしくない」』と応じていなかった。



9月7日、公務中に軽い体調不良を訴え、脳血管に関する予防的治療のため一時入院。8日に都内で開催された主要7カ国(G7)下院議長会議を欠席し、同中旬に退院していた。

そして2023年秋、衆院議長辞任を表明。10月13日、辞任を前に初めて会見に応じたが、旧統一教会との関係について『会合に呼ばれれば出る程度で、特別な関係はない』と述べたのみだった。記者団の質問が続くなか『あくまで辞任会見だ』として、会見は50分あまりで打ち切られた。

衆院議長を辞任する一方、議員として次の衆院選には出馬する意向を示していたため、今後、後継問題も難航することが予想される。

2004年に小泉内閣で官房長官、2008年に麻生内閣で党幹事長を務めるなど要職を歴任した細田。だが、最後は数々の疑惑について、国民への説明をしないままこの世を去る形となった。『三権の長』である衆院議長の権威を失墜させる、晩節を汚した約1年だったと言わざるをえない。

◆とにもかくにも『不透明なる衆院議長』ではあったな。議長たる資格、欠落人物と言えるなあ。特に、統一教会のと関係は、事実をしっかり国民に報告する義務がったと、拙者は思うねえ。責任放棄なる細田博之なり、だな。


■■<カープから16年ぶりに受賞者なし…菊池涼介がゴールデン・グラブ賞逃す>プロ野球の“守備の名手”を表彰する『第52回三井ゴールデン・グラブ賞』の受賞者が10日に発表された。

パ・リーグではリーグ3連覇したオリックスから3名、ソフトバンクから2名、ロッテ、楽天、西武、日本ハムから1名と、2016年以来7年ぶりに全6球団の選手が受賞した。

一方で、セ・リーグでは18年ぶりにリーグ優勝した阪神から5選手、DeNAから3選手、中日から1選手が受賞されたが、カープ、巨人、ヤクルトから受賞がなかった。

カープの菊池涼介は13年から10年連続で二塁手部門で同賞を受賞してきたが、今季は中野拓夢(阪神)が受賞したこともあり、連続記録が10年で途切れた。球団としても2008年から15年連続で受賞者がいたが、今季は2007年以来16年ぶりに受賞者があらわれなかった。



◆ 2008年~23年までのカープ、『ゴールデングラブ賞受賞者』
【2008年】
栗原健太(一塁手)

【2009年】
栗原健太(一塁手)

【2010年】
前田健太(投手) 梵英心(遊撃手) 廣瀬純(外野手) 赤松真人(外野手)

【2011年】
栗原健太(一塁手)

【2012年】
前田健太(投手)

【2013年】
前田健太(投手) 菊池涼介(二塁手) 丸佳浩(外野手)

【2014年】
前田健太(投手) 菊池涼介(二塁手) 丸佳浩(外野手)

【2015年】
前田健太(投手) 菊池涼介(二塁手) 丸佳浩(外野手)

【2016年】
石原慶幸(捕手) 菊池涼介(二塁手) 丸佳浩(外野手)
鈴木誠也(外野手)

【2017年】
菊池涼介(二塁手) 丸佳浩(外野手) 鈴木誠也(外野手)

【2018年】
菊池涼介(二塁手) 田中広輔(遊撃手) 丸佳浩(外野手)

【2019年】
菊池涼介(二塁手) 鈴木誠也(外野手)

【2020年】
菊池涼介(二塁手) 鈴木誠也(外野手)

【2021年】
菊池涼介(二塁手) 鈴木誠也(外野手)

【2022年】
森下暢仁(投手) 菊池涼介(二塁手)


◆名手菊池がもれたのは、まっこと残念。中野もうまくはなったが、菊池超えはまだまだ、未熟なり、と拙者は思うねえ。

■■<サッカー部員が大量転校 『更迭の元監督の新規契約先に』>『プロサッカー選手の養成』を活動方針に掲げる広域通信制・単位制の私立・相生学院高(本校・兵庫県相生市)サッカー部で監督が学校側と対立して更迭され、数十人の部員が元監督の新しい契約先の高校に転校したり転校手続きを進めたりしていることが、判明した。高校スポーツ界では校内や部内のトラブルで部員が転校することはあるが、数十人規模の転校は異例だ。

複数の関係者の話をまとめると、104人いた部員のうち66人が10月中旬以降、同制度のAIE国際高(同県淡路市)に転校したり転校手続きを進めたりしている。

相生学院高のサッカー部は同高淡路島校に拠点を置き、全寮制。ドイツ4部のクラブでプレー経験を持つ上船利徳元監督(31)が代表を務める合同会社が2020年9月に学校と業務提携し、同センターの運営に当たってきた。



相生学院高は10月18日にホームページで、上船監督を16日に解任したと発表した。森和明理事長(72)によると、上船監督に部員へのパワハラなど不適切な指導などがあったという。これに対し、上船監督は『パワハラなどは一切していない』と否定している。

上船監督によると、部員37人が10月20日、同29人が11月4日にAIE国際高への転校手続きを行ったといい『悩んでいる部員もおり、今後もう少し増えると思う』と話している。同高によると37人は転校済み、29人は受け入れを前提に手続き中という。

AIE国際高は9日、ホームページで、サッカー部の発足と、Jリーグ・京都パープルサンガなどを率いて天皇杯全日本選手権2回優勝などの実績を持つゲルト・エンゲルス(66)の監督就任を発表し、上船利徳は総監督に就いた。

一方、相生学院高は10日、同県加古川市内で記者会見し、Jリーグ・清水エスパルス監督として同選手権優勝などの成績を残したズドラブコ・ゼムノビッチ(69)が新監督に就任したと発表した。

相生学院高は21年の全国高校サッカー選手権兵庫県予選と今年5~6月の全国高校総体県予選で準優勝。今年の全国高校選手権県予選では準々決勝(11月3日)で敗れた。過去の高校スポーツ界の大量転校には、12年に仙台育英高(宮城県)陸上部員10人が豊川高(愛知県)へ、14年に豊川工高(同)の生徒8人が日体大荏原高(東京都)へそれぞれ移ったケースなどがある。

◆面白いねえ。パワハラがあった監督だとすれば、これほど生徒が慕うことはなかろうになあ。相生学院に手落ちはないのだろうかな。不思議だ。


■■<高級車のような乗り心地 山陰走る『新型特急・やくも』試乗会>JR西日本は7日、来春から岡山と出雲市間に導入する『特急やくも新型車両』(273系)の試乗・内覧会を初めて実施した。『山陰・伯備線の風景に響く車体と、我が家のようにくつろげる車内』をコンセプトにした新型車両は沿線自治体、観光商工関係者ら約150人を乗せて松江―根雨(鳥取県日野町)間を往復。錦秋の伯耆路を走り、乗り心地の良さをアピールした。

車体は、大山の朝日や宍道湖の夕日などをイメージした『やくもブロンズ』で彩られ、内装は、グリーン車は黄土色、普通車は緑色を基調とした座席を配置したことが特長。座席の椅子を引き延ばすことでお座敷にもなる『セミコンパートメント』も導入した。

佐伯祥一・JR西山陰支社長は『44両に160億円あまりの開発費をかけた車両の素晴らしさをアピールし、ビジネス、旅行客などの交流人口拡大に役立てたい』と語った。

試乗会(試運転)は4両編成で午前10時52分に松江を出発し、米子を経て午後0時36分に根雨に到着した。この日は、地図データを基に山岳部で車体の傾きを機械的に制御して揺れを減らす『車上型制御付き自然振り子装置』は開発段階のため稼働しなかったが、ややゆっくりめの運行がかえって乗り心地の良さを際立たせた。



試乗した伊木隆司米子市長は『現行の381系車両がカローラ(乗用車)とすると、273系はクラウンのような高級感。駅周辺の衰退が進む沿線自治体が「ここにしかないもの」を持ち寄って観光振興に生かしたい』。

やはりヘビーユーザーの﨏田(さこだ)淳一日野町長は『生山駅(日南町)と交互に停車する特急列車が根雨駅に少しでも多くとまってもらうことが願い。「撮り鉄の聖地」と呼ばれる我が町に多くの乗降客に来ていただく起爆剤に』と期待していた。

◆山陰の人口衰退には、目を覆うばかりだから、何かにつけて『山陰アピール』が必要だよねえ。この『やくも』がきっかけになればいいが、なあ。