今日の画像は『奥穂高への道591 奥穂高下山・横尾~上高地』、史上初日本代表監督を8年連続で務める『広島出身の森保一監督』、イーロン・マスクや、ジェフ・ベゾス、そしてビル・ゲイツを抜いて世界一長者になった『ルイヴィトンのベナール・アルノー』。そして、中区白神神社の『初詣風景』です。白神神社には江戸の時代、漁船向けの石灯篭の灯台があって、江戸の時代はこの白神神社附近が海岸線であったことを記しています。

 




     <世界一長者 ベナール・アルノー> 










































■■■2022年カタールW杯は、森保ジャパンはベスト8戦で、惜しくもPK負けはしたものの、リーグ戦で欧州強豪のドイツ、スペイン戦を勝ち抜き、ベスト16に進む快挙を挙げた。その監督森保一は、2018年7月に五輪監督を兼務のまま、日本代表の監督に就任。そして2022年11月、W杯一次リーグで、ニカラグアに惜敗したもの、欧州の雄ドイツ、スペインを下し、決勝トーナメントベスト16に進出。改めてその手腕が世界中で高く評価された。実は、森保一の監督職への就任は、2012年のサンフレッチェ監督就任からひもとかれる。サンフレ監督在職5年のうち、3回も優勝するという快挙を挙げた。その延長線上に日本代表監督就任があった。その、サンフレッチェで森保新監督を生んだ物語をアップする。

■■ほどなくして、織田から再度連絡が入った。森保は、この時選手時代に建てた広島の自宅にたまたま帰っていた。『今、広島にいるんですよ』『だったら、会って話さん?』『分かりました』。2人は、その日のうちに広島市内のホテルで会談の席を設けた。まだアルビレックス新潟のコーチである身、密会だと『フライング』になる問題があるが、織田は森保と会う許可をアルビレックス新潟からすでに取り付けていた。

サンフレッチェは、クラブの経営上の問題から、ペトロビィッチ監督との契約を更新しないことをすでに決めていた。ペトロビィッチ退任が決定事項となった後、織田は後任の人選に着手した。その後の方針としては、ペトロビッチの流れを汲みつつ、日本人指導者を新監督に据えた上で新たなチームを作っていこうということで固まっていた。では、その日本人監督を誰にすればいいか?

候補者は、森保のほかに数人いた。織田が候補者それぞれの強みと弱みを説明して久保允誉会長と本谷祐一社長のふたりに判断を仰いだところ、森保が推された。

『森保にオファーを出そうと決めたのには、いくつかの理由があります。選手としてもコーチとしても在籍したことがあって、クラブの事情がいろいろとよく分かっていること。選手時代からコーチ時代まで一貫してずっと、ほかの選手やサポーターから信頼を得てきた、つまりは人間性とコミュニケーション能力に優れたところがあること、指導者としても成果を挙げてきたこと。そうした点などが、彼のストロングポイントでした。

監督経験はなかったわけですが、上層部との相談の中で、これからは「既製品」の監督を連れてくるだけではダメで生え抜きの監督を育てていく必要があるだろうという話が出たんです。それで、最終的に森保に打診をしてみようという判断になりました』(織田)。

クラブとしてのとりあえずの結論は、『森保監督』で固まった。そしてそこには、育てると決めたからには『1年生監督』に対してすぐに結果を求めてはいけないという、ある程度は長い目で見守っていこうとの共通認識はあった。

森保は、身支度を整え、織田と約束したホテルへと向かった。どういった話し合いになるだろうか?サンフレッチェが用意しているはずのポストに関しては、予想がなかなかつかなかった。

『プロのチームの監督をやってみん?いや、やってえや』。初交渉の席につくと、織田はいきなりそう切り出した。森保は一瞬、自分の耳を疑った。『えっ、ボクがですか?ボクでいいんですか?』。まさかの打診だった。自分を育ててくれた愛するクラブ、いつかはそこのトップのチームで采配を振るってみたいと、考えてはいた。とはいえ、実際のところ、自分には監督としての経験がまだ全くない。だからこそ、実績を作るために監督職を探そうとしていたのだが、その時点ではどこからか誘いのような働きかけがあったわけではなく、しっかりとしたあてもなかった。

攻撃的で魅力あるスタイルをサンフレッチェに植え付けたペトロヴィッチをすごい監督として感心し、尊敬の念を抱いていた。その後釜に果たして自分が座っていいのだろうかという不安が、かなりあった。

その一方で、身に余る光栄といえた、そのオファーを断る理由が浮かんでこなかった。そこで首を縦に振れば、将来的な目標だったはずのサンフレッチェの監督の座がすぐさま現実のものとなる。

◆Jリーグ選手が、監督に転身する場合、普通はJ2かJ3、またはJFLからのものである。いきなり、未経験の監督業をいサンフレッチェで迎えた森保には、やはり神のご加護があったのだろうなあ。そして、いきなり就任1年目にリーグ優勝を果たすのだから、もう神がかり的と言っても過言ではない。


■■<ルイ・ヴィトンG 米国流で磨き、世界一になった欧州富豪『ルイ・ヴィトンのベナール・アルノーⅠ』>仏高級ブランド、『LVMH モエヘネシー・ルイヴィトンのベルーナ・アルノー会長兼CEO』のお得意のエピソードは、米アップル共同創業者でスマホ『iPhone』の生みの親、『故スティーブ・ジョブズと会った時の体験談だ。ジョブズは当時自社で運営するアップルストアの展開に乗り出そうとしていた。

フランス出身のアルノーは、『ルイ・ヴィトン』のバッグや『クリスチャン・ディオール』のオートクチュール、『ティファニー』の宝飾品、シャンパン『ドペリニヨン』などを富裕層に提供するLVMHを率いたてきた。店舗を欲望の神殿に変える方法を知り尽くしている。お互いの製品の話になると、アルノーはジョブズに『iPhone』が30年後も使われていると思うかねと尋ねた。

ジョブズは、わからないと答え、『ドンペリニヨン』(初ビンテージは1921年)について同じことを尋ねた。アルノーは今後何世代にもわたって飲まれ続けると断言、ジョブズもそれに同意したという。

欧州人で初めて世界の長者番付のトップに上り詰めたアルノーは、多くの点で欧州流のビジネスを体現している。アルノーは、ジョブズとの話が示唆するように、翌年の利益だけでなく、遠い過去とはるかなる先の未来に目を向ける。職人技を尊び、先鋭的なデザイナーや調香師、ワインセラーの匠を重んじる。一方で製品のディテールには自らの最終的な決定権を渡さない。

ビジネス界の巨人ながら、その存在感は控えめだ。彼の前に世界一の富豪の座にあった米テスラの『イーロン・マスクCEO』や、米アマゾンドットコム創業者の『ジェフ・ベゾス』、米マイクロソフト創業者の『ビル・ゲイツ』らとは異なり、高級ファッションブランド界や富裕層以外では誰もが知る著名人ではない。

パリのファッションショーでは常連だが、注目は洋服とモデルに集まる。口調こそ穏やかだが、その性格は穏やかとは程遠い。1989年にThe Economistのある記者は、アルノーについて『笑顔は魅力的だが明らかに鋼鉄の歯を持っている』と書いている。オオカミに例えられるにふさわしい評価だが、本人は気にもとめていないようだ。

アルノーは15年以上長者番付の上位に名を連ねてきた。米フォーブス誌によると総資産は1,800億ドル(24兆円)に上る。米国のテック株の人気が離散し、マスクがテスラ株の下落などで自らの資産を減らした時期に、高級なアナログ商品は生活費高騰の影響を受けず、富裕層の人気を集めた。アルノーがトップになったのは巡り合わせにすぎないと考える人もいるかも知れない。

だが、テック業界の大物達と方法は違うが、73歳のアルノーもビジネスを作り替えてきた。米投資会社バーンスタインのルカ・ソルカはアルノーが『排他性を数百万人に売る』というパラドックスを発明したと指摘する。それを実現するために伝統的な欧州に米国流のビジネスを持ち込み、グローバルでプレミアム化され、見栄えを重視する世界で競争力を磨いた。そのアプローチは経営者にとって参考になる。

◆ルイ・ヴィトンの活躍は側聞していたが、経営者の『ベナール・アルノー』は知らなかった。しかも、米国の長者達を後目に世界一とは。ブランドを育てて世界一とは、すごいことだねえ、世の中はいるもんだ、モンスターが。


■■<くすぶる『欧州の火薬庫』=セルビア・コソボ、対立再燃>旧ユーゴスラビアを構成したセルビアとコソボの間で、車両のナンバープレートを巡る問題をきっかけに民族対立が再燃し始めた。セルビアとコソボは、ウクライナ情勢で対峙するロシアと米欧がそれぞれ後ろ盾。第1次大戦の引き金となり「欧州の火薬庫」と呼ばれたバルカン半島でくすぶる火種は、米欧や国際社会を巻き込む大きな戦火に発展する危険をはらんでいる。

砲身が空をにらむ装甲車に、険しい表情の迷彩服の男たち。セルビア国防省が12月26日公開した動画は物々しい雰囲気に包まれていた。ブチェビッチ国防相は『大統領が最高度の戦闘準備を整えるよう命じた』と説明。コソボ国境付近に軍を展開したと明かし、一触即発の状態となった。

アルバニア系住民が人口の約9割を占めるコソボは2008年、セルビアからの独立を一方的に宣言した。セルビア政府は独立を認めていない。

コソボ北部はセルビア系住民が多数派で、国際社会の関与でどうにか社会の安定を保ってきた。しかし、対セルビア強硬派のクルティ首相が、これまで容認されてきたセルビア発行の車両ナンバープレートの使用禁止を決めたことで均衡が崩れた。

反発したセルビア系住民は繰り返し道路を封鎖し、11月には行政トップら公職者が一斉に辞職。12月には抗議活動に加わったセルビア系元警官が『テロ容疑』で逮捕されたことで、セルビア系住民が対応を激化させた。

仲裁に入った米国と欧州連合EUは12月28日、『コソボ政府が抗議活動に絡んでセルビア系住民を逮捕しないと保証した』とする共同声明を発表。セルビア系住民も封鎖解除に応じ、緊張は和らぎつつある。ただ、セルビアはコソボ独立を巡っては一歩も引かず、コソボもEU加盟を申請するなど独立国家としての体裁を整えることに躍起で、対話は平行線だ。

北大西洋条約機構NATOがコソボの治安維持に戦力を割かれる懸念もあり、独メディアは『バルカン半島で再び暴力が燃え上がれば、得をするのはロシアだ』と解説。ベルギーのシンクタンクも『ナンバープレートの大失敗は一段と大きな問題の兆候だ』と事態悪化を警告している。 

◆なんでバルカンは燃えるのだろうか。チトーが大統領を務めた時代には平穏だったが、やはりソ連同様、秘密警察網で国民を縛り付けていたのだろうかなあ。それにしても、これほど憎み合う民族も珍しい。アフリカには異民族同居で、紛争が続くが、ここも異民族の集団なのだろうかなあ。困ったもんだ。日本人には理解できない現象ではあるなあ。


■■<米下院、議長選出できず 多数派の共和党、造反で失敗>米国で新議会が3日発足し、昨年11月の中間選挙で野党共和党が多数派を奪還した下院(定数435)で議長選が行われた。共和党の保守強硬派の造反で党トップのマッカーシー議員が過半数の獲得に失敗し、100年ぶりに再投票に持ち込まれた。計3回の投票でも決まらず休会となり、初日に議長を選出できない異例の事態となった。

共和党は深刻な党内対立が露呈した。マッカーシー陣営は4日の本会議再開まで説得工作を続ける方針。保守強硬派は、マッカーシー氏を『既存の政治勢力の一人だ』と批判しており、切り崩せる見通しは立っていない。

◆共和党が割れてきたねえ。トランプの再立候補も危ぶまれるなあ。アメリカと世界にとってはとてもいいことだ。


■■<きしむ世界、揺れる新興国Ⅰ 『米国の裏庭ではない』>中米エルサルバドルの首都サンサルバドル。中心地の国立宮殿のすぐそばに『中国援助』と書かれた壁で囲まれた建設現場がある。旅行会社で働く男性が『完成が楽しみ』と指さす看板には、近代的なデザインの建物が描かれている。中国政府が2019年に資金支援を決めた国立図書館の完成予想図だ。

中南米は『米国の裏庭』と呼ばれ、米国の影響を強く受けてきた。だが世界に踏み出した中国の影響は中南米にも確実に広がる。『我々は誰の裏庭でも前庭でもない』。エルサルバドルのブケレ大統領は米国を挑発する。

中南米では米国との距離を置く左派政権の発足が相次ぐ。メキシコのオブラドール大統領は6月、バイデン米政権がロスアンゼルスで主催した米州首脳会議への出席を拒否した。8カ国の首脳が会議をボイコットし、米国のメンツは丸つぶれとなった。

米国がインフレ退治を目的に急ピッチで利上げを続ける結果、新興国の現地通貨は対ドルで大幅に下落した。米国が自国の物価安定を優先し、世界にインフレを『輸出』する構図だ。物価高で市民の不満が高まり、新興国は不安の目をそらそうと米国に責任を押し付ける。

中南米最大国のブラジルの大統領選挙でも、左派のルラが当選した。ルラは米国と距離を置き、中国やインドなどほかの新興国との枠組み強化を掲げる。中南米諸国が米国に背を向ける一方、アジアでは過度な対中依存からの揺り戻しが始まっている。アジア各国が中国の広域経済圏構想『一帯一路』の負の側面を認識したためだ。

中国からの投資を成長のけん引役としたスリランカ。債務返済に行き詰り、17年に南部ハンバントタ港の99年間の運営権を中国に引き渡した。援助と引き換えに権益を失う『債務のワナ』の典型例といわれる。5月にデフォルトlに陥り国内で混乱が広がったうえ、8月には中国の『スパイ船』とみられる調査船の入港許可を余儀なくされた。

『米国の存在なしにフィリピンの将来はない』。9月、フィリピンのマルコス大統領はNY証券取引所で演説し、米国との関係強化を宣言した。中国との融和姿勢をとったドゥテルテ大統領前政権の外交方針を大きく修正。10月、2週間にわたり中国との領有権を争う南シナ海沿いで、米国との合同軍事演習を実施した。米軍が駐留できるフィリピン国内の基地を増やす検討に入り、中国の海洋進出に厳しい姿勢を鮮明にする。

◆大国が覇を競う『グレートゲーム』の舞台となってきた中央アジア。『一帯一路』の主要ルートとして中国が近年に影響力を広げてきたこの地域でも、対中依存の見直しが進む。

タジキスタンのムフリディン外相は9月末に米国を訪問し、ブリンケン米国務長官と会談した。経済や安全保障を含めて『あらゆる分野で米国と緊密に協力していきたい』と語りかけた。

タジクは中国マネーへの過度な依存から、金鉱山の権益譲渡を迫られた。隣接するアフガニスタンからのテロリスト流入を防ぐためにも、米国との協力に目が向かう。

米ボストン大学の集計では、28年までに返済期限を迎える新興国55カ国の債務残高は4,358億ドル(65兆円)に上る。ドル高で新興国の外貨建て債務の負担は膨らむ一方だ。

24年には返済総額が689億ドルとピークを迎え、デフォルトが増える懸念がある。米中からの財務支援もにらみ、どちらの陣営につくか。新興各国の選択が山場を迎えつつある。

◆中南米諸国が、反米ののろしをあげるものの、その政治経済の中身は脆弱で持続性が乏しい。私がいつも思うのは、アメリカも植民地だった国であり、中南米諸国も同じだ。なのに、アメリカだけ栄えて、中南米諸国はいつまでも前近代的政治経済体制なのだ。何が原因か。中南米諸国の宗主国は多くの場合スペインだ。スペインの統治体制が悪すぎて、今に禍根を残しているのだろうか。不思議ではある。