こんばんは、エバラです
月曜日は小説の日〜
それでは、どうぞ
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第52話(2月7日)
それからと言うもの、昼休みにアサちゃんを外へ誘うことはしなかった。しなかったが、どうやったらアサちゃんがみんなと一緒に遊べるかなとハナは一人悶々と考え続けていた。もちろん、外で元気にみんなと遊びながらであるが。
裁縫の時間、ハナは縫い物をササっと終わらせて得意気に立ち上がる。漢字も早いが計算も早い、早いがモットーのハナはとにかく裁縫も一番最初に先生に見せたかった。
「もっと丁寧にやりなさい。」
また言われてしまった。席に戻って隣のアサちゃんを見ると、チクチクととても丁寧に縫っている。
「アサちゃん、上手だね。」
ハナは心底惚れ惚れと呟くと、アサちゃんがキョトンとしている。先生に見せたら、
「はい、大変良く縫えていますよ。皆さんもアサちゃんを見習って、丁寧に縫って下さい。」
言うが早いか、皆はへぇ、と教壇に駆け寄り、アサちゃんの縫い物を代わる代わる首を突っ込んで見た。
「ホントだ、アサちゃん、上手。」
口々に言うと、アサちゃんはやっぱり下を向いていた。
昼になって外に遊びに行こうとすると、お金持ちのマキちゃんが、
「アサちゃんも行こうよ。」
と誘って来た。ハナもアサちゃんもエッと驚いていると、別の者まで
「そうだよ、アサちゃんも行こう。」
と言い出した。アサちゃんがどうしようとおどおどしていると、ハナはエイッと背中を押して、
「早く早くー。」
と外に連れ出してしまった。力技も得意なハナであった。
つづく
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迷ったら””エイヤっ””と
やってしまうのも手だよね
(何かのCMみたい)
それでは、また