広島に社員で旅行。
自分はどうしてこんなところにいるんだ?と話した後、皆眠ってしまった。
人々が寝静まってから、思考が始まる。
まだ夜が暑い。耳鳴りがする。
こんなところにいるわけは、どうしても何もない……世界中どこにいようと、誰がいようと、同じ疑問を持つことができる。皆が眠っていれさえすれば。
三日後にはまた仕事だ。
働くのは嫌いじゃないが、うんざりする。
金融機関の仕事と言うのは、思っていたよりも簡単だが、うんざりする。
どうせ他人の金策だ。金銭に無頓着な自分が、人の蓄えを増やす手伝いをするというのは……決してつまらなくもないが、うんざりする。
金銭に無頓着だからこそ、業務には向いているのかもしれない。おおむね慣れてきてからは、仕事でつらく感じたことはない。こんな単純な業務がこなせない人は、どうやら金を恐れている人らしい。大金を数える際に、手なんか震えさせなくていい。推理小説よりも気楽にめくる。
青ざめた表情の若い夫婦が金を借りに来ても、同情する必要はない。静かに笑って追い返す。単純な業務。
しかしうんざりする。いや、どんな仕事でもそうだろう。普段はそれなりに楽しく働いていても、ときどき気だるい一瞬がある。どうしてこんなことをしてるんだ?と。もちろん、どうしても何もない。業務だからだ。仕事だ。
うだるような季節が続く。
暑い暑いとうなっているが、実際暑い。
たまに、日陰で一休みしながら、煙草を一服。
モーツァルトの音楽を一曲聴く。
アイネクライネナハトムジーク、第一楽章。
肺のずいぶんと奥から、高揚する。本当に晴れる。
今も、音楽が聴きたい。音楽と、読書と、清らかな絵画で、日々の淀みを晴らしたい。音楽、小説、水のような色彩。音楽、詩、水面の緩やかな流れ。