今週の週次ブログは、任せ方に関する内容を書こうと思います。

人材マネイジメント論や育成論に関しては自分なりに勉強をし考えることがよくあります。

 

この任せ方という命題に関して、大事なことはたくさんありますが、特に1 on 1で人を育てる/育てられる際に重要だと思ったことを述べたいと思います。

 

今回も偉そうに思ったことを書きたいと思います。

 

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①前提条件の把握

世の中には2つの優秀な上司が存在しています。「任せるのが上手い上司」「面倒見が良い上司」この2つです。

 

逆に「放任主義で放置をする上司」と「過保護すぎて部下が育たない上司」この2つが悪い育成者の例として取り上げられることもあるでしょう。

 

考えてみると、「任せるのが上手い上司」と「放任主義な上司」、「面倒見が良い上司」と「過保護な上司」は裏表の関係です。

 

たまに○○さんは面倒見がよくていい先輩だよねという話も聞くこともあるでしょう。

一見優しく面倒見が良いということはものすごく良いことのように思えますが、それはあくまで面倒を見てほしい部下だからという前提条件だからだと思うのです。

 

つまり、「任せるのが上手い」「面倒見が良い」というのはあくまで他者評価になります。

 

自分は「任せる型のスタイルなんだよね。」「僕は面倒見が良い型なんだよね」というものではなく、

Aさんを教える場合は任せる型で、Bさんを教えるには面倒を見るようにや、

この時期は面倒を見て、この時期からは任せてという形で、人や時期で分けるというのが正しいのかもしれません。

 

この相手に合わせて育成方針を変えて対応するというのが非常に難しいのですが。

 

②「任されたい」「面倒を見てほしい」を理解する

「任せてくれない/過保護に思う」というのはどこで感じるかというと、それは「AはBにしてほしい。そのあとBをCさんに届けてね」という具合で、具体的な指示を”受けすぎている”と、受け手が感じることだと思います。

 

逆に、「面倒を見てほしい/放任主義を感じる」ポイントは、「問題ないように対応しておいて」のように、抽象的な指示に”なりすぎて”おり、もっと丁寧に教えてほしいと受け手が感じていることだと思います。

 

つまり、受け手が「too much」であると感じるかどうか、期待値がどこにあるかということに依存します。そして、それは抽象度と具体度のバランスに起因しているのだと思います。

 

例えば、社内でYoutuberを使ってお客様の商品をプロモーションするのはどうかというアイデアがあったとします。

 

その際に、「提案書を作ってみて」という指示を、具体性を期待するAさんに伝えるとすると「誰を巻き込めばいいのか、提案書って何ページでどういう構成なのか、動画ってどう作るのか」ということがわからず混乱し、

 

逆に、「○○さんに聞いて、こういう企画趣旨で…」という具体的な情報を、”できる人”に対してすると任されていないという気持ちになると思います。

 

上記のようにならないためには、相手側の具体と抽象の期待値を推し量り、仕事を任せる(教える)ということが重要になります。

 

ただ、ここで注意点がピッタリ合うポイントで指示を出しすぎると、受け手側の成長の機会がなくなってしまいます。

 

絶妙にわからないところ、実力に対して、少し抽象度を上げて仕事を任せてみるということが重要なポイントなんじゃないかと僕は思います。

 

これができたら苦労はしないんですが、この抽象と具体の使い分け・認識を合わせるというのが非常に重要だということを述べたいと思います。

 

③任される側はどのようにするべきなのか

 

受け手側は、色々と悩んだりすると思います。

僕自身全然任されていないと思う経験も、もっと丁寧に教えてほしいと思うことはありました。

ですが基本的に人をコントロールすることはできませんし、その状態で自分がどうするかが非常に重要であると思うのです。

 

まず前提として、仕事を任せる側は基本的に、「時間がとり辛く抽象度の高い指示になる」 or 「失敗ができないから超具体的な指示になる」のどちらかです。

 

それほど実力値ってなかなかわからないですし、

自分と関わっていない時間も山ほどあるので、理解しつつ任せるのは結構難しいものです。

 

そのため、「私は先輩から放任されている」や「先輩が色々と指示してきて…」と不満を言いたくなる時もあると思いますが、それはそういうものなのです。

 

こういう悩みを誰もが持たなくするようにするには、全ての人が同じ年代で同じことをするというような、年功序列の仕組みを構築するしかありません。

 

弊社もそうですし、成果報酬型のベンチャー企業は、年次ではなく、ひとりひとりの能力に応じて仕事が割り当てられます。

 

なので、ひとりひとりが自分ができないことを挑戦するわけで、初めて仕事をする人には慎重になりますし、その無数にあるできないことに対して、細かく指示をしている時間よりも他に時間を当てたほうが全体が大きく伸びるときもかなりあります。

 

ですから、受け手側も受け手側で「自分への指示が抽象度が高く理解できないのか、具体度が高くいらだちを感じるのか」を判断し、対応することが必要だと僕は思います。

 

抽象度が高すぎるときには、結論、「色々な人を巻き込むスキル・スタンス」で人を動かし、仕事を進める必要があります。

 

①どこからが理解できて、どこからが理解できないのか、作業イメージを作り巻き込む

②2・5・8割り当てを意識し、上司とイメージをすり合わせる

 

ということを徹底し、抽象度が高い依頼を具体化させ、作業イメージを固めていきます。

先輩社員にも一言掛ければ相談に乗ってくれるはずです。

 

仕事というのは、渡す側に責任が発生します。そのため、抽象的に依頼していることも雑に依頼をしたいからことではないのです。仕事を成功させたい(させるべき)なのは上も同じ考えで、2割り当てなど当てるな!という上司は基本的にいないと思います。

 

具体性が高すぎて任されていないと感じる人は、これは1つで「信頼を勝ち取るしかない」ということです。

 

抽象度が高ければ、認識齟齬が生まれやすく仕事が失敗する確度が上がります。

そのため、信頼がまだない状態だと、上司からの指示は具体的なものになります。当然です。

 

もっと任せてほしいということであれば、まず足元の仕事を的確にこなし成果を出す、それを繰り返し、もうちょっと任せてくださいと伝えてみるといいでしょう。

 

別の仕事で、かなり抽象度が高いことをこなしていたとしても、仕事をする相手が変われば信頼はゼロからのスタートです。たとえ、メールをチェックしたいと言われても真摯に対応していけば、実力があるはずですので、自然と任されるようになっていくでしょう。

(昔上司だった本間さんにこの非常に大切なことを教えて頂きました)

 

という感じで色々と思うことを纏めてみました。

何らかの参考になれば幸いです。

 

おわり