ハノイ | イワトビのブログ

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二回目のベトナム訪問だが、最初の訪問はホーチミンでのトランジットのみだったので、実質今回が初めての本格的な滞在だった。今回の旅の舞台はハノイ。旧市街を拠点に一週間を過ごす計画だ。到着した瞬間、5月とは思えない39℃の気温に迎えられた。まるでサウナにいるような蒸し暑さだったが、その異国の熱気が僕を興奮させた。

毎朝、僕はフォーを食べた。ハノイのフォーは独特で、透明なスープに柔らかい牛肉、そして香ばしいハーブがたっぷりと入っている。最初はそのシンプルな見た目に驚いたが、一口食べると、その深い味わいにすっかり虜になった。朝の始まりにぴったりの一杯だ。

暑さに疲れた体を癒すために、毎日フットマッサージに通った。狭いマッサージ店に入り、冷たいお茶を飲みながら施術を受けるのは、まるで天国のようなひとときだった。マッサージ師の技術は素晴らしく、足の疲れをすっかり忘れさせてくれた。

週末には、ナイトマーケットに足を運んだ。夜になると、旧市街の一角が色とりどりの屋台で埋め尽くされ、地元の人々や観光客で賑わっていた。僕もその賑わいの中に身を投じ、ベトナムの伝統的な雑貨や衣類を眺めながら、何度も立ち止まっては品定めをした。

ナイトマーケットは、ハノイの旧市街の通りが一変する場所だ。夕方になると、道路は車両通行止めとなり、屋台や露店が一斉に並び始める。色とりどりの提灯が灯り、街全体がまるでお祭りのような雰囲気に包まれる。各屋台からは、美味しそうな食べ物の香りが漂い、視覚だけでなく嗅覚も楽しませてくれる。

まず目に入ったのは、バインミーの屋台だ。フランスパンに挟まれたパテやハム、新鮮な野菜が見事に調和したサンドイッチは、見た目にも食欲をそそる。次に、フォーガー(鶏肉のフォー)の屋台があり、熱々のスープに米麺と鶏肉がたっぷり入っていた。香草の香りが食欲をそそり、思わず立ち止まって一杯注文した。

続いて見つけたのは、揚げ春巻き(ネム)の屋台だ。カリカリに揚げられた春巻きの中には、豚肉や海老、野菜がぎっしり詰まっていて、ひと口食べるとその美味しさに驚かされた。甘辛いタレに浸けて食べると、さらに美味しさが引き立つ。

飲み物も多彩だ。まず目に留まったのは、ベトナムコーヒーの屋台。濃厚なコーヒーに練乳がたっぷりと入ったこのドリンクは、甘さと苦さが絶妙にマッチしていて、一度飲むとやみつきになる。さらに、フレッシュフルーツジュースの屋台もあり、マンゴーやドラゴンフルーツ、パッションフルーツなど、南国のフルーツがたっぷり使われたジュースは、暑さで乾いた喉を潤してくれた。

ナイトマーケットの楽しみは食べ物だけではない。地元の工芸品や衣類、アクセサリーなども多く販売されている。手作りのシルクスカーフや、ベトナム伝統のアオザイを身に着けた人形など、見ているだけでも楽しめる。各屋台の店主たちは皆、笑顔で迎えてくれ、商品の説明をしてくれる。ベトナム語がわからなくても、身振り手振りでコミュニケーションをとる楽しさもまた一興だ。

マーケットの奥には、ストリートパフォーマンスを楽しむスペースもあった。地元のミュージシャンが伝統的な楽器を使って奏でる音楽や、ダンサーたちの華麗なパフォーマンスが繰り広げられ、観客たちはその演奏に拍手喝采を送っていた。僕もその中に混じって、リズムに乗りながらビールを飲むのは最高のひとときだった。

ビールストリートも賑わいを見せていた。通り沿いの小さなテーブルに座り、ベトナム風焼肉を楽しむ人々でいっぱいだった。炭火で焼かれる香ばしい肉の匂いが漂い、食欲をそそった。冷たいビールと共に、焼肉を堪能するその時間は、まさに至福のひとときだった。地元の人々と肩を並べて、笑顔で語り合う時間は、異文化交流の醍醐味そのものだった。

しかし、この旅のハイライトは、ハロン湾クルーズだ。一泊二日のこのクルーズは、まさに夢のような体験だった。船に乗り込むと、目の前に広がるエメラルドグリーンの海と、無数の奇岩が作り出す絶景に圧倒された。船内では豪華な食事が提供され、新鮮なシーフードや地元の特産品を堪能した。

ハロン湾クルーズの冒険

ハロン湾は、その美しい景観と静けさで有名だ。僕が乗り込んだクルーズ船は、豪華客船だった。船内はまるで高級ホテルのようで、豪華なインテリアと快適な設備が揃っていた。乗船すると、クルーが笑顔で迎えてくれ、ウェルカムドリンクを手にデッキに上がった。そこから見る風景は、写真やガイドブックで見たものとは比べ物にならないほど壮大だった。

船がゆっくりと動き出し、エメラルドグリーンの海に点在する石灰岩の奇岩群が次々と現れる。その美しさに息を呑んだ。船内では、豪華な食事が振る舞われ、新鮮なシーフードや特産品が次々とテーブルに並んだ。エビやカニ、魚介類がふんだんに使われた料理は、どれも絶品だった。ワインを片手に、美味しい料理を楽しみながら、心地よい風に吹かれていると、日常の喧騒が遠くに感じられた。

クルーズの途中で立ち寄ったのは、ティエンクン洞窟だ。この洞窟は、巨大な鍾乳石と石筍で埋め尽くされており、自然の神秘を感じさせる場所だった。ガイドの説明を聞きながら、ライトアップされた洞窟内を進むと、その荘厳な雰囲気に圧倒された。

洞窟探検の後は、無人島での水泳だ。白い砂浜と透き通った海が広がるその場所で、僕たちは存分に泳ぎ、カヤックに挑戦した。カヤックでは、自分のペースで静かな湾内を進み、周囲の自然をじっくりと楽しんだ。水面を滑るように進むカヤックから見る景色は、また格別だった。

夜になると、クルーズ船のデッキでバーベキューディナーが始まった。星空の下で、新鮮な食材を使った料理が次々と焼かれていく。肉や魚、野菜の香ばしい香りが漂い、食欲をそそった。地元の音楽を聴きながら、美味しい食事と共に過ごす時間は、まさに至福のひとときだった。

夜が更けると、船内のバーで他の旅行者たちと交流を楽しんだ。世界各地から来た人々と話す中で、異文化の違いや共通点を感じ、新たな友情が生まれた。日常の生活から離れ、非日常の体験を共有することで、人間関係の微妙な変化が生まれる瞬間だった。

翌朝、クルーズ船は静かに港に戻った。デッキで朝食を楽しみながら、ハロン湾の最後の風景を目に焼き付けた。このクルーズは、僕にとって非日常の極みだった。

トレインストリートでの驚き

ハロン湾クルーズから戻った翌日、僕はトレインストリートに向かった。ハノイのトレインストリートは、その名の通り、狭い路地の間を列車が通り抜ける場所だ。観光スポットとして有名で、多くの外国人観光客が訪れる。

トレインストリートに到着すると、すぐにその独特な雰囲気に圧倒された。両側に並ぶカフェやバー、そしてその真ん中を走る鉄道の線路。列車が通過する時間が近づくと、カフェのテラス席に座る人々が一斉にカメラを構え始めた。僕もその一員となり、冷たいビールを手に列車を待った。

遠くから列車の音が聞こえ始めると、次第にその音が大きくなり、地面が微かに振動し始めた。やがて、巨大な鉄の塊が目の前を轟音と共に通り過ぎる。その迫力とスリルは、まさに非日常の体験だった。列車が過ぎ去った後も、その余韻に浸りながら、僕は冷たいビールを飲み干した。

「すごい迫力だったね」と隣の席に座る観光客が声をかけてきた。彼はオーストラリアから来たという。

「本当に。こんな体験は初めてだよ」と僕は笑顔で答えた。

その後、僕たちはビールを飲みながら互いの旅の話をした。異国の地で初めて出会った者同士が、共通の体験を通じて心を通わせる瞬間だった。

夜には、ビールストリートでベトナム風焼肉を楽しんだ。屋台で焼かれる香ばしい肉の匂いが漂い、冷たいビールと共に味わうその味は格別だった。地元の人々と肩を並べながら、笑顔で語り合う時間は、異文化交流の醍醐味そのものだった。

この旅で出会ったベトナムの人々は、ホテルのスタッフ、クルーズ船のスタッフ、そして店のスタッフ、みんなが親切で礼儀正しかった。彼らの温かいおもてなしは、僕にとって新鮮で、心温まる体験だった。今まで知らなかったが、一発でベトナム人を好きになった。

一週間の滞在を終え、僕はハノイを後にした。この旅で感じた自然の美しさや、非日常の体験、そして多くの感動は、僕にとって忘れられない思い出となった。そして、何よりも異文化に触れることで、人間関係の微妙な変化を感じることができた。次はどこへ行こうか、そんな期待を胸に、僕はまた新たな旅の計画を立てるのだった。