前々回のブログ、前回のブログに引き続き「勉強にとって『感覚』は必ずしも正しくない」シリーズ第三弾です。
今回はシンプル。勉強内容そのものについてのお話しです。
個人的な感覚では、全体として、小学校の4年生くらいまでは「既に見知ったこと、つまり『感覚通りのこと』を習う」場面が多いのに対し、小5くらいからは「見たこともないこと、つまり『感覚にないこと』を習う」場面が多いと感じており、ここがいわゆる「小5ギャップ」や「中1ギャップ」の原因になっていると考えています。
以下はただの列挙になりますが、例えば
2/3は「3分の2」と読むのに「2÷3」のことである(小5算数)
x×(-3)は-3xと書きx-3とは書かない(中1数学)
oneth,twoth,threethと言わずにfirst,second,thirdという(小学・中1英語)
Is he a student?は言いにくいがこれが正しい英語の語順(中1英語)
物体に力が加わっていない時は「止まる」のではなく「等速直線運動」をする(中3理科)
などなど。
(国語は知らない漢字、社会は鳥取が取鳥じゃないくらいでしょうか。あまり思いつきませんでした)
多くの人が「感覚と違う」と思いそうなものだけでもまだまだ出せますし、一人一人が「自分の感覚と違う」と思うものならさらにその数倍存在することでしょう。
ここで「自分の感覚」を優先し、「正しいルール・言葉・意味」を無視してしまうと、勉強がそこでストップしてしまいます。
小5~中1くらいの生徒たちを見ていると、ここで苦労しているパターンが多いように感じます。
「自分の感覚に合わなかろうと正しい方が絶対優先である」と意識するようにしましょう。
なお、私を含め指導者側が間違ったことを教えていたり、「今だけのローカルルール」を教えたりすることはあります。
(文字の積はアルファベット順で書くなど)
そんな時に後から「やっぱり自分の感覚の方が正しかった」ということもあるかもしれません。
しかしそんな例は極めて少数ですので、そこで感覚を優先するよりは「先生や教科書の言っていることは取りあえず受け入れる」方が、勉強効率は高いと考えられます。
のちに万が一「やっぱり自分の感覚が正しかった」ことがあれば、その時に戻せばよいのです。
【注】
小5ギャップ・中1ギャップ:小学5年や中学1年に上がったときに、勉強内容が難しくなりついていけなくなること。
語順(ごじゅん):文や句の中における語の配列の位置・順序。
等速直線運動(とうそくちょくせんうんどう):向きも速さも変わらない運動。
ローカルルール:ある特定の地方、場所、組織、団体、状況などでのみ適用されるルール。
取りあえず(とりあえず):ほかのことはさしおいて、まず第一に。
万が一(まんがいち):万の中に一つ。めったにないが、ごくまれにあること。
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