先日神奈川県教育委員会より、公立高校の入試結果が発表されました。

 

令和6年度神奈川県公立高等学校入学者選抜学力検査の結果(PDF)

 
細かいところは抜きにして、結果の概要だけを下に載せます。
 
とにかく問題なのは英語
おそらくほとんどの生徒が、英語に一番時間をかけて勉強しているかと思います。
それにも関わらず英語の平均点が一番低いという有様です。
 
しかも神奈川入試はほとんどがマークシートの選択肢問題であり、今回の英語で言うと、ランダムにマークしても期待値16.5点、全ての問題で選択肢「3」を選ぶとそれだけで20点も取れてしまいます。
その分を差し引くと、「分かって取れている」平均点は30点くらいになるでしょうか。
そして20点くらいを取ってしまった生徒は「何もわかっていない」と言ってよいレベルとなります。
 
以前のブログで書きました通り、これは小学含めた英語のカリキュラムの問題でもあります。
しかしこれに関してはそれだけでなく、神奈川入試の作問にも良くない点があると考えます。
それは、神奈川入試の英語には「ちょっと勉強すれば取れる簡単な問題がない」という点です。
 
例えば数学は例年、最初の問1は簡単な計算問題が続き、正答率が90%を超えるのが常です。
しかし英語の問題にはそのような簡単な問題がなく、リスニング問題も、文法問題も、当然長文問題も全て一定以上に難しく、少しだけ勉強した程度では全く点数にならないのです。
 
これが理科や社会であれば、全分野からまんべんなく出さなければならないという性質上、どの問題も少しずつ難しくしなければならないというのは理解できます(それでも英語より簡単な問題を出そうという意識が見られます)
 
しかし英語はそうではありません。
例えば「doかisかを選ばせるだけの問題」「(リスニング問題で出しているような)数行の簡単な英文を読ませて解かせる問題」「単語の語注を多めに取った長文問題」など、簡単な問題を作ろうと思えば作れるはずです
作れるのにやらないのは、生徒の現状が分かっていないと言わざるを得ません。
 
さすがに塾など教育機関の方では、英語は高校進学後も重要となるため、たとえ点数にならなくてもしっかり教えようという意識があります。
しかし生徒の方はそこまで先を見る余裕がありません。
一方受験勉強をしていれば、神奈川の英語が「勉強しても点数になりにくい科目」であることに気付くくらいの観察力はあります。
となれば、神奈川の英語入試問題がこの状態である限り、(苦手な)生徒からすると英語を勉強する理由がないのです。
厳しく言うと、この入試問題は、神奈川県の中学生にとって、英語を学ぶ動機を減じ、その結果生徒の英語力を下げる要因になってしまっていると考えます。
 
先述した通り「取りやすい簡単な問題」を配置することは可能と考えます。
神奈川県教育委員会の作問チームには、問題構成を再考し、生徒の現状に合わせ、生徒のやる気を損なわないような問題にしてほしいと思います。
 
【注】
有様(ありさま):そのものがおかれている状態。
作問(さくもん):試験問題などを作ること。
まんべんなく:行き届かないところがなく平均に。くまなく一様に。
再考(さいこう):もう一度よく考えること。考えなおすこと。
 
 

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塾長 雪平聖道

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