先日。学校英語の現状と課題についての記事が出ました。

 

中学英語「難しくなりすぎ」の実態 苦手の子増え、学力差が拡大か

 

まさにこの通りで、指導要領が改定されるたびに中学英語が大変になってきています。

覚えるべき単語数が跳ね上がっているのはもちろんですが、文法も相当大変です。

例えば以前は中1の最後で習うものであったcanなど助動詞が、今は中1の最初の最初、5月に習うことになってしまっています。

 

実のところこれらは全て「中学英語の内容が難しくなった」のではなく「習う学年が前倒しになっている」というのが実態です。

単語・文法ともに、以前は高校で習っていた内容が中3に降りてきて、中3で習っていた内容が中2に降り、中2の内容が中1に降りた結果、中1の内容が詰まってしまい、難しくなった「ように見える」というのが本当のところです。

 

さてその理屈で言うと、中1で習っていた内容が小学英語に降りていかねばなりません。

そしてそうでさえあれば、中学英語はここまで難しく感じられることはないと考えます。

 

しかし残念ながら、小学校の英語がこれまでの中1内容の前倒しになっていません

これまでの中1内容の前倒しというなら、小学校卒業時には単語を300ほど書けるようになり、一般動詞とbe動詞の肯定・疑問・否定文をきちんと使い分け、疑問詞を使った文くらいまでは書けるようになっていなければなりません。

しかし現状は、単語を書けるどころか、アルファベット(小文字)ですら書けないものがあるという有様です。

これでは中1内容を前倒ししたとは言えず、ここが最大の問題点であろうと考えています。

 

学校で英語をやるというなら、きちんと前倒し内容を取り扱う

つまり発音(フォニックス)を土台として単語を覚える練習をして、一般動詞とbe動詞の基本文を全て使い分けて書けるようにすることです。

そのためには、(おそらく現状行われていない)英語の「テスト」も必要ですし、ドリルのような形での宿題も出す必要があります。

もっと本質的には「英語に興味がない生徒にも強制的にやらせる必要がある」ということです。

 

しかしそれをやろうとすると生徒への負担が大きくなり、英語以外の科目を圧縮する必要が出てくるでしょう。

逆に言うとそのくらいの犠牲を払う覚悟がなければ、前倒しカリキュラムが効果を出すには至らないと考えます。

 

小学校できちんとやらせる。でなければ前倒しカリキュラムを諦める。

どちらか1つにしなければいけないのに、いやだどっちも欲しい!と駄々をこねている赤ちゃん。

残念ながら、そんな状態が今の英語カリキュラムだと思います。

 

(ちなみに冒頭の記事は、私と生徒も取材を受けたものであり、その結果が記事中ほどに載っております。少なくとも私の部分は、完全に私の意図通りに記載いただいておりますので、ご意見などございましたらご連絡ください)

 

【注】

前倒し(まえだおし):予定の時期を繰り上げて予算を使ったり、計画を実施したりすること。

駄々をこねる(だだをこねる):幼児などが、甘えていうことを聞かないで、わがままを言う。むずかりくねる。すねる。

 

 

 

★個別学習のセルモ 川崎菅馬場教室★

塾長 雪平聖道

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