前回のブログで、先取り学習の良い面、功について書きました。

今回は逆。先取り学習の悪い面「罪」について、前回と同じく列挙していこうと思います。

 

まずは何といっても「理解せずに進む危険性がある」です。

例えば数学の公式を意味も分からず使ってしまい、文章問題になると使うべきでないところで使ってしまう。

例えば英語で「ここではisをwasに代える」とだけ覚えてしまい正解し、それに「過去」の意味があることすら分からず進むなど。

先に進むことばかり意識してしまうと、そもそも何をやっているのか分からず進めてしまい、結局なにも理解していないという危険性があります。

 

次に「忘れてしまい結局二度手間になる」こと。

どんどん先に進むということは、定着のための反復練習の時間が少なくなるということです。

そうなると、特に学校より半年以上先に進んでしまった場合などでは、やったことをすっかり忘れてしまい、またイチから学習し直しになっていまう危険性があります。

 

次は「学校の授業を聞かなくなる」こと。

学校より先に進めば、生徒はその単元を「完ぺきに理解している」と考えがちです。

しかしほとんどの場合は「完ぺきに」など理解しておらず、学校で再度授業を聞いて理解を深めていく必要があります。

また塾と学校では教え方のアプローチが異なる場合も多く、同じ対象でも多角的な説明を受けることに意味もあります。

先取りしたことで学校の授業を聞かなくなるなら、先取りのメリットが帳消しになってしまいます。

 

さらに「学校の授業を妨害する」こと。

これは先取りした本人ではなく周りの生徒にとってですが、先取りした生徒が学校の授業中に答えを叫んでしまったり、「分かってるから早く進んでー」のように先生に要求したりして、先取りをしていない、学校で初めて習う他の生徒がじっくり考える機会を奪ってしまう危険性もあります。

 

最後に「複雑な問題に取り組まなくなる」こと。

先取りを狙う場合、それぞれの単元は基本問題つまり「すぐ答えが出る」問題のみで進む場合があります。

そうなると、正解までに段階を踏まねばならない問題や、複数単元の知識を融合しなければならない問題など、端的に言うと「時間がかかる」問題に取り組むタイミングがなくなってしまいます。

そうなると、考える持久力が鍛えられず、時間がかかる問題が出たときに集中力が続かない危険性があります。

 

私が思いつくのは大体このくらいでしょうか。

これで前回のブログと合わせ、私の思う先取り学習の功罪が出そろいました。

その上で私は、勉強が得意不得意に関わらず、多くの生徒にとって先取り学習は功の方を大きくできると考えます。

ここで挙げた通り、先取り学習にも罪の面は大きいですが、工夫すれば抑え込んだりコントロールしたりできると考えています。

 

ということで当教室では多くの生徒に対し「適切な先取り学習」を狙っていくようにしています。

(先取りが合わない生徒もいますので、こちらでも気にしますが、保護者の方のほうでも危ないと感じた場合にはぜひご要望下さい)

 

【注】

反復(はんぷく):同じことを何度も繰り返すこと。

単元(たんげん):ある主題を中心に行う学習活動の一まとまり。

多角的(たかくてき):いくつかの方面にわたるさま。

帳消し(ちょうけし):差し引いて功罪・損得や負い目がなくなること。

 

 

 

★個別学習のセルモ 川崎菅馬場教室★

塾長 雪平聖道

〒214-0004 神奈川県川崎市多摩区菅馬場3-1-7 サクセスビル1-B

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