東京都知事の被選挙権

教室に来る途中に、選挙ポスターの看板を見かけました。

今年は４年に一度の東京都知事選挙が予定されており、投票日は７月７日、七夕の日曜日です。

選挙については、中３の公民の授業で学習するのですが、例年ですと２学期でしょうか。今度の期末テストの試験範囲ではないようです。

そこで、一足お先に問題です。

東京都知事を選ぶ選挙権は満１８歳以上です。小中学生のみなさんも、あと何年かすれば、選挙権を得ることができます。

それでは、東京都知事に立候補できるのは、何歳からでしょうか？

答えは、満３０歳です。

衆議院議員や都道府県議会議員、市区町村長、市区町村議会議員は満２５歳以上なのに対して、参議院議員と都道府県知事は満３０歳以上です。

選挙権は、一律に満１８歳以上なのですが、被選挙権は分かれているのは少し複雑ですよね

実は、総務省のホームページを確認するとさらにおもしろいことがわかります。

https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/naruhodo/naruhodo02.html

都道府県議会議員と市区町村議会議員は、その地域の選挙権を持っていること、とありますが、それ以外には日本国民とあります。

これはどういうことなのでしょうか。

都道府県議会議員と市区町村議会議員は、その地域の代表者であるため、その地域の住民でなければならないのです。

しかしながら、都道府県知事や市区町村長は、その地域の住民でなくてもよいのです。

ということは・・・

都知事は必ずしも東京都民ではなくてもよい、ということになります。

ちょっと不思議ですよね。

このことは、サッカーやバスケットボールなどの日本代表チームと同じように考えるとわかりやすいです。

オリンピックなどは、国と国との試合であるため、その国の国籍を持たなければ選手としては試合に出場することはできせんが、監督やコーチは、試合に出場するわけではないため、他国から実績や手腕のある監督やコーチを招聘して、チームを強くするための指導をすることが可能です。

同様に、都道府県議会議員と市区町村議会議員は、その地域の住民の代表者であるのだから、その地域の住民でなければならないのですが、首長は、日本国民であれば、どこに住んでいようとも、その地域をよくするために、立候補することはできるし、住民は選んでもよいのです。

具体的には、仮に今の東京の生活が良くないのであれば、他の地域で実績を上げた首長などが都知事選に立候補し、都民はその人を選挙で選ぶこともできるのです。

おそらく今度の都知事選挙の立候補者の中には、東京都民ではない方もいらっしゃると思います。ぜひ、このあたりにも注目してみてください。

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