外国人観光客に人気No.1の街といえば。
外国人が好む韓国の街といえば、まず仁寺洞が1位に挙げられるだろう。韓国人が外国からの友人を案内するのもたいてい仁寺洞。さしずめ日本の浅草といったところだろうか。
仁寺洞は最も韓国的な伝統を感じられる街として知られ、陶磁器、螺鈿細工、韓紙、韓布などの伝統工芸品を扱うショップやキャラリーが建ち並ぶ。骨董から最新のアートまでさまざまな品物を眺めながらのんびり街あるきが楽しめる。
メインストリートのインサドンギルの西側には、韓国仏教の最大宗派である大韓仏教曹渓宗の総本山、曹渓寺(チョゲサ)があり、お寺の周辺に街ができ民芸品や伝統工芸品が多く売られているところなども、浅草と似ているかもしれない。
朝鮮王朝時代、王宮にほど近い仁寺洞には両班(ヤンバン:貴族や官僚)たちが多く暮らしたが、19世紀末になると困窮した両班たちが美術品など伝来の品を売りに出したことから、以来仁寺洞は骨董品売買の街となってきた。
最近は観光客の増加にともない観光地が進み、街は小ぎれいに整えられ仁寺洞らしさを感じることがめっきり少なくなったが、一歩裏通りに入ってみればまだノスタルジックな雰囲気が感じられる。
屋外にも店が出てにぎやかな通り。掘り出し物を探しながら歩くのが楽しい。
伝統文化が感じられる街と一口に言っても、世代別で仁寺洞のイメージは少し違ってくる。
お年寄りにとっては古美術や工芸品の街、中高年には文筆家や芸術家が酒を飲みながら熱い議論を交わす街、若者にはセンスのいい雑貨やアートの街、外国人が多くておしゃれな街といった具合だ。
観光地化が進むにつれて街を守ってきた住人がだんだんと変わり、街の姿もさらに大きく変わりつつある仁寺洞。しかし、ソウルを代表する街としての存在感は揺るぎないだろう。
仁寺洞の動脈、インサドンギル。
地下鉄3号線安国(アングッ)駅、6番出口を出て100メートルほど進むと、大きな交差点(安国洞交差点)がある。そこから左側(南東方向)に伸びているのが仁寺洞のメインストリート、インサドンギルだ。長さ約700メートルの通りの両側には陶磁器、骨董、韓紙などのほか、伝統茶屋、民俗酒場などの店がずらりと軒を連ねる。
かつて味わい深い伝統茶屋やマッコリが飲める昔ながらの民俗酒場がたくさんあったが、観光地化が進む今、残念ながら古い店は減る一方で、観光客目当ての大型業者が目につくようになった。
しかし、無くなったものを惜しんでばかりもいられない。新旧が織りなす今の仁寺洞の街を楽しんでみよう。そう、仁寺洞はソウルの過去と現在、両方を感じられる街なのだ。韓国らしいお土産を買うのもいい。そこで伝統を大事にしながら街を守る人々の姿に触れられれば、あなたにとってより思い出深い街になるに違いない。
