「昌徳宮」は、1405年に朝鮮王朝第3代王・太宗(テジョン:在位1400~1418年)によって建てられた離宮。
自然を生かした庭園と雅やかな宮殿は、韓国の美意識をもっとも表しているといわれており、韓国に訪れた際にはぜひ見ておきたいところのひとつ。
優れた宮殿建築と自然との調和が卓越した点から、1997年にはユネスコ世界遺産に登録された。
起伏に富んだ広大な敷地内には、儀式や政務を行うための建物、居住用の建物、美しい庭園などが見事に配置されている。 しかし、1592~1597年の豊臣秀吉による文禄・慶長の役の折には、「昌徳宮」ほかすべての王宮は焼かれその姿を失ってしまった。「昌徳宮」は1615年に第15代王・光海君(クァンヘグン:在位1608~1623年)によって再建され、正宮である景福宮(キョンボックン)が再建されるまでの約270年間、正宮としての役目を果たした。 歴史的に見ると最も長く政務が執られ、最も長く王が住んだ王宮がこの「昌徳宮」だ。
ほかの王宮が、戦争や火災、あるいは植民地時代の日本の支配によって本来の姿を失っているのに対して「昌徳宮」は保存状態がよく、李氏朝鮮時代の趣や雅やかな生活様式を色濃く残している。
また、正殿の奥に広がる「後苑」は名園で知られ、季節ごとに美しい景色が楽しむことができる。一度訪れたことがあってもまた別の季節に行ってみれば、違う表情が見られるかもしれない。特に秋の紅葉の時期はすばらしい。
主な見どころ
敦化門(トンファムン)
「昌徳宮」の正門として1412年に建てられた木造の門。今の敦化門は1609年に再建されたが、現存している宮殿の正門としては最古のもの。今はないが、朝鮮時代には2階の望楼から鐘と太鼓で時間を知らせていたという。
錦川橋(クムチョンギョ)
敦化門をくぐってすぐ前にあるのが韓国最古の石橋、錦川橋。1411年に造られた。当時橋の下を流れていたであろう川は、今はない。欄干には動物の模様が彫られ愛嬌がある。
仁政門(インジョンムン)・仁政殿(インジョンジョン)
錦川橋をわたったところに建つ仁政門をくぐると正殿である仁政殿が現れる。王の即位式、臣下の朝礼、外国使臣の謁見など、国の重要行事が行なわれた場所で「昌徳宮」の中で最も規模が大きい。入口から建物内部を見ることができ、正面に玉座とその背後に王を象徴する日月の図がある。重層入母屋造りで吹き抜けになった内部の精緻な装飾にも注目したい。
宣政殿(ソンジョンジョン)
仁政殿の裏手に建つのが、王が日常の政務を執った宣政殿。国事を議論したり、学者や官僚が儒教の経典や歴史を勉強したり、儒生たちを集めて試験をしたり、宴を行なったりも。現存する宮殿の中で唯一青い瓦の建物としても有名。
大造殿(テジョジョン)
王と王妃の寝殿であり、王とその家族が生活した中宮殿でもある。1917年に火災に遭い、1920年に景福宮から移されたもの。最後の王である純宗(スンジョン:在位1907~1910年)は逝去する1926年までここに住んだ。
楽善斎(ナクソンジェ)
1847年に後宮の処所として建てられ、王の死後、側室や女官などが残りの人生を送っていた。日本の梨本宮家から最後の皇太子である李垠(イウン:1897~1970年)に嫁いだ方子(まさこ)が1989年4月まで過ごした場所。
後苑(フウォン)
「昌徳宮」の奥は秘苑(ピウォン)という庭園になっている。もともと後苑(フウォン)といい、 45,000平米の面積を誇る敷地内には樹齢300年を超える巨木が鬱蒼と生い茂り、まるで山にさまよい込んだよう。かつては王もここで憩いのひとときを過ごしたことだろう。池や東屋は自然をそのまま生かして配置され、心地よい空間を演出している。
王が魚釣りや舟遊びを楽しんだという芙蓉池(プヨンジ)や、宮中の図書館の役割を果たしていた宙合楼(チュハンヌ)、王が一般の生活文化を学ぶために学習用に作られたという屋敷、演慶堂(ヨンギョンダン)など広い敷地内に王の生活を偲ばせる施設や楼閣が点在する。不老門(プロルモン)は、王の長寿を願って造られた門。今でも、くぐると長生きするといわれている。
| 昌徳宮(チャンドックン) | |
| アクセス | 地下鉄3号線 安国(アングッ)駅 3番出口から徒歩約5分 |
| 観覧時間 | ※2010年5月1日より後苑を除く一般観覧エリアは観覧時間内であれば自由に観覧ができるようになりました。 ※後苑は引き続きガイド付きの時間指定観覧制です。 ※一般観覧エリアにおいてもガイドによる解説を聞きながら観覧することが可能です。ガイドの時間は下記の日本語無料ガイドの欄をご参照ください。 4~10月 9:00~18:30 11、3月 9:00~17:30 12~2月 9:00~17:00 ※ 入場は閉場1時間前まで |
| 休館日 | 月曜日(祝日と重なった場合を除く) |
| 入場料 | 一般観覧(自由観覧可) 大人(19~64歳)3,000ウォン 子供(7~18歳)1,500ウォン 後苑(時間指定観覧制) 大人(19~64歳)5,000ウォン 子供(7~18歳)2,500ウォン ※統合観覧券を購入すると、景福宮、昌徳宮(後苑含む)、昌慶宮、徳寿宮、宗廟を観覧可能。(10,000ウォン、有効期間1カ月) |
| 日本語無料ガイド | 一般観覧(後苑を除く自由観覧エリア) 12:30 敦礼門前集合 所要時間 約1時間 後苑 ※1回につき最大100名まで 10:30、13:30 後苑入口集合 所要時間 約2時間 |
| 住所 | ソウル市 鍾路区(チョンノグ)臥龍洞(ワリョンドン) 1 |
| 電話 | 02-762-8261 |

