18日(土)に茨城大学の瀧澤利行先生による

「養生の文化と日本人の生き方~近世から近代へ~」の講演会がありました。




寿命を全うするために、

健康で過ごすことができるように、

昔から言われてきた「養生」。



いまはどちらかというと病気にならないように

身体のケアをすることを養生といいますが、

中国養生では身体のケアを「養形」

心のケアを「養心」とわけ、

とりわけ心のケアの大切さを重視しました。



身体ばかりケアして、心の養生をおろそかにするのは

守屍=しかばねを守るようなものといったそうです。




私が養生にはまったのがまさにこれ!!

ストレスまみれで生活を送っていた時期があり、

その結果、身体にもいろんなトラブルができてました。

そして人をねたんだり、やつあたりしたり。

なんだか自分以外の人のことを常に否定していました。




心を穏やかにすることが身体にとって非常に大事なことなんですよね。


老子曰く、

養生をするものは、道を歩いていてもお腹をすかせた虎に出くわすことはない



今の表現にすると

心を穏やかに過ごしていると、オレオレ詐欺のターゲットにはならない

そんな感じでしょうか?


心穏やかにし、身体をケアする方法としての

調息と導引はまさにヨガだ!と感じました。

調息は、体内の気を充実させて巡らせていく方法。

私たちは常に気を張ることで呼吸が浅くなっています。

息を潜めて獲物を狙っている状態がずーと継続しています。

そして息を潜めることが普通になってしまっていて。


獲物が来たらすぐに反応できるように常に気を張っています。

いまでは獲物を獲る=仕事をするということですね。


ということは、

意識的に深い呼吸をすることで

気を緩めることができるということになりますね。




導引は、身体を動かすことで天の気と地の気を取り込み、

体内でエネルギーを巡らせること。




養生の基本は

まずは「食事」と「運動」。


生活の癖で歪んだ骨格や、使わない部位を伸ばし整えることで

全身にエネルギーが巡るようになります。



この二つがヨガができることなんだなぁと改めて思いました!


ああ、いつのまにかヨガ寄りな報告になってしまってますね(;^_^A




日本の養生といえば

江戸時代の貝原益軒氏の養生訓。

そのほかにもたくさんの養生家がいて、

多くの養生書が出されました。

それだけ養生は庶民の関心の的だったんですね!



心穏やかに過ごすことが大事で、

感情をコントロールすべきだという考え方もあれば、

悲しいときには号泣し、

楽しいときには大いに笑った方が身体に良いという説もあり

とにかくいろんな流派があったようです。



今で言うダイエットみたいですね。

朝バナナダイエットや炭水化物抜き、一日1食、断食、

ロングブレスダイエットなどいろんな流派があり、

自分の生活スタイルや体質に合わせて選択をしています。



昔の日本にはいろいろな養生法があり、

自分にあったものを選んでいたのかなぁと思いました。


そのなかでも瀧澤先生おすすめの養生家が

鈴木朖(あきら)氏の「養生要論」



人生とはトイレに入っていることと同じ。

トイレとは、夏熱くて夜は寒く、そして何より臭くて

決して快適ではないけれども、

入ってしまえばそれほど嫌なところでもない。

長く居座るところではなく、

ほんの少しの時間だけと思えるので、

そんな嫌な場所だとしても、まあ義しとできる。



人生もトイレと同じで、

嫌なことや辛いことの多い、けして快適とは言えないところだけど

人生なんてほんの一瞬。

一瞬だけと思えば、

それほど嫌な場所ではなくなる


そうです。


国学者でもある養生家がこんなことを言うことがおもしろい!



養生の歴史、

知れば知るほどはまっていきます。


そんなわけで、

第二回の講演をお願いしました!

次回は「食の養生」についてご講演を頂くことになりましたので

日程が決まりましたらお知らせいたしますね。





今回の薬膳スイーツは

山邊先生作の松の実餡の和菓子。

桜の塩漬けと抹茶のバランスが非常に春らしくて

おいしかったです!


お茶は

梅田先生ブレンドの宿り木のお茶。

さっぱりしているのにほんのり甘く、

癒されるお味でした。