2015年9月4日(金)新宿ピカデリー(東京都新宿区新宿3-15-15、JR新宿駅東口より徒歩5分)で、18:55~鑑賞。
作品データ :
製作年 2015年
製作国 日本
配給 東宝
上映時間 120分
常識にとらわれず自身の価値観で犯罪捜査を行う型破りな検事・久利生公平の活躍を描く、木村拓哉主演の人気TVドラマが8年ぶり2度目の映画化。とある国の大使館裏で起きた事故の捜査を巡り、久利生が治外法権の壁に立ち向かう。ドラマ第2シリーズのレギュラー陣に加え、第1シリーズの雨宮舞子役・松たか子が8年ぶりに登場。
ストーリー :
ネウストリア大使館の裏通りで、パーティコンパニオンの女性が車に撥ねられ死亡した。東京地検城西支部の久利生公平検事(木村拓哉)は、事務官の麻木千佳(北川景子)と共に事故を起こした運転手の取り調べを始めるが、二人の前にかつて久利生の事務官を務めていた雨宮舞子(松たか子)が現われる。現在、大阪地検難波支部で検事として活躍する雨宮は、広域暴力団が絡んだ恐喝事件を追っており、その重要な証人が今回の被害者女性だった。これはただの交通事故ではないと感じた久利生と雨宮は合同捜査を開始するが、雨宮は久利生のあまりの変わらなさに呆れるばかり。そんな中、ネウストリア公国の大使館員から事故当時の状況を聞くため、久利生は大使館に出向き直接交渉を試みるがあっさりと断わられてしまう。実は、大使館には日本の司法がまったく及ばない治外法権があり、それは国際社会における各国の当然の権利であって、正義の名の下にそれを侵すことは外交を崩壊させかねない禁断の行為であった。諦めきれない久利生はさらにアプローチを重ねるが、当然の事ながら大使館はまったく応じず、やがて事態を重く見た日本の外務官僚・松葉圭介(佐藤浩市)から圧力がかかってくる。さすがの久利生も大使館という決して侵してはならない絶対領域の前になす術なく、捜査は進展のないまま暗礁に乗り上げてしまう…。
▼予告編
2015年8月31日(月)シネスイッチ銀座[東京都中央区銀座4-4-5 旗ビル、地下鉄銀座駅A10番から徒歩1分(和光ウラ通り)]で、19:10~ 鑑賞。
作品データ :
原題 UNE NOUVELLE AMIE
製作年 2014年
製作国 フランス
配給 キノフィルムズ
上映時間 107分
普通の主婦が“特別な女友達”と出会ったことで、平凡だった毎日が華やぎ、刺激と興奮に満ちた人生へと変わり、女性としての輝きを増していく姿を描くヒューマンドラマ。監督は『しあわせの雨傘』のフランソワ・オゾン。出演は『タイピスト!』のロマン・デュリス、『間奏曲はパリで』のアナイス・ドゥムースティエ、『黒いスーツを着た男』のラファエル・ペルソナ。
ストーリー :
幼い頃からの親友ローラ(イジルド・ル・ベスコ)を亡くし、悲しみに暮れていた主婦クレール(アナイス・ドゥムースティエ)は、ローラの夫・ダヴィッド(ロマン・デュリス)と生まれて間もない娘の様子が気になり二人の家を訪ねると、そこにはローラのワンピースを着て娘をあやすダヴィッドの姿があった。そんなダヴィッドから女性の服を着たいと打ち明けられ、戸惑うクレールだったが、やがて彼を“ヴィルジニア”と名付け、女友達として絆を深めていく。「男に許されない事を全てやりたい」とパリジェンヌのように美しく着飾った“彼女”と過ごすことが、刺激と歓びに満ちた冒険へと変わっていくクレール。夫・ジル(ラファエル・ペルソナ)に嘘をつきながらもヴィルジニアとの密会を繰り返すうちに、クレール自身も女性としての美しさが増していくのだった。そんな中、ヴィルジニアが男であることに直面せざるを得なくなったクレールが、自分らしい生き方を見つめ、最後に選んだ生き方とは…。
▼予告編
■アナイス・ドゥムースティエ(Anaïs Demoustier、1987~)トークショー(2015年6月27日、有楽町朝日ホール):
本作の主演女優(クレール役)アナイス・ドゥムースティエが、「フランス映画祭2015」に際し初来日。本作上映後のトークショーで、製作現場での様子やフランソワ・オゾン監督の意図や共演者についてなど、率直な興味深いお話を披露。

――― 最初のご挨拶を。
皆さんこんにちは!こんなに沢山の方に見に来て頂いて本当にありがとうございます。日本ではフランソワ・オゾン監督はとても愛されている監督だと思っていますので、こうして監督作品を携えて皆さんの前に登場できて光栄です。
――― アナイスさんは去年だけでも5本出演されて超売れっ子でいらっしゃいますが、この映画出演を決めた経緯は?
一つ目のモチベーションは、オゾン監督はフランスでもとても才能のある監督のおひとりですから、オファーを頂けたら女優にとっては大きな喜びでした。しかも、女性を描くのが巧みな監督でもあります。
二つ目のモチべーションは、この物語がオリジナルでとても変わったラブストーリーだったことです。私が演じるクレールは、最初から最後までラブストーリーを通じて本来の自分自身に目覚めていくという素晴らしい人物造形に魅力を感じました。
――― アナイスさんはオゾン監督にどうして選ばれたのでしょうか?
オゾン監督は表現豊かな眼差しを持った女優を探していたということを聞いたことがあります。確かにこのクレールという役は、セリフの少ない分、女優にとっては難しい役柄でした。クレールの目を通して物語をたどっていく役目もありましたから、細やかな表情でシリアスな場面やミステリアスな状況を表現する必要があったのです。クレールがどんな気持ちでいるのかを想像しながら演じるのは、とてもやりがいのある役でした。
――― ヒゲの濃いロマン・デュリスさんを目の前にして吹き出すことはなかったですか?(笑)
この映画はちょっと変わったラブストーリーなので、クレールがそんなにイケメンではない男性に惹かれていくのが解らないかもしれませんが、ダヴィッドが完璧に女性になりきれていない男性の部分を残しているところがオゾン監督の狙いです。だからこそ、クレールが惹かれていくのが衝撃的で感動的になっていくのです。オーデションではもっと女装の似合う美しい男優さんもいたのですが、あえてロマンのような男っぽい男優を選んだ理由はそこにあります。
クレールがダヴィッドになぜ惹かれていくのか?それは彼のルックスとかフィジカルな部分ではなく、ダヴィッドが持っている自由なエスプリとか魂に惹かれていったのだと思います。クレールは物語の最初の方では内気で自分の居場所を見出せないような女性でした。それがダヴィッドによって、自分を解放していき、本当の自分自身をダヴィッドを通じて見つけ出していくわけです。
――― 映画館の中でのシーンで、ヴィルジニアに痴漢するのはオゾン監督ですよね?
そうです!(笑)
――― アナイスさんがクレールと同じ立場になったらどうしますか?
もちろん女装したいという人がいたら一緒に過ごしますよ。私はそうしたことに反対の意見は持っていません。この映画の素晴らしいのは、クレールの接し方が理解できるように仕向けているところです。時折クスクスッと笑ったり大笑いしたりすることもありますが、それは決してバカにして笑っているのではありません。ヴィルジニアに寄り添いながら楽しんでいる笑いなのです。オゾン監督はこのように遊び心のある軽やかなトーンでこの深刻になりがちなテーマを描きたいと思われたのでしょう。私もそう思って演じました。
――― ロマン・デュリスさんも役作りが大変だったと思いますが、アナイスさんから見ていかがでしたか?
ロマンとの共演は、素晴らしい体験でした。以前から女装する役をやりたい!と思っていたらしく、カツラを着けたりハイヒールを履いたりすると、子どものようにキラキラっと目を輝かせていました。私にとってもいい刺激になりました。
普通は女優の方が化粧に時間がかかるのですが、ロマンは2時間位かけて化粧していましたから、私の方が男優待ちをしていました。
――― 彼の喜び様は素顔の時から伝わってきましたね?
だから、オゾン監督はロマン・デュリスを選んだんだと思います。
――― クレールは、ダヴィッドの中の女性の部分に恋をしていたのか、それとも男性の部分なのか、あるいは亡くなった親友へのレズビアンのような恋情なのか、3つの想いが交差していたように感じましたが?
クレールが恋したのはヴィルジニアです。ダヴィッドのことはどうでもいいと思っていたのです。確かに複雑なラブストーリーなので、親友のローラのような完璧な女性をヴィルジニアにも感じていました。また、ダヴィッドが創造したヴィルジニアにもセクシーさを感じていたのです。この撮影はとても微妙で不思議な感覚で過ごしました。他の映画で見るようなロマン・デュリスの視線を感じながら、女装した時にはダヴィッドの創造物であるヴィルジニアの視線にも対面しなければならない、というとても心が動揺するような撮影でした。
――― クレールのファッションがとても素敵でした。ロマン・デュリスとラファエル・ペルソナという二人の人気俳優に愛されるお気持ちは?
本当に幸せでした。ラファエルとは2回共演したことがあってよく知っているのですが、今回ちょっと可愛そうな役でしたが、本当にいい人なんだなあと思わせる演技をしていたと思います。ロマンは子どもの頃から憧れていたので、今回共演できてとても嬉しかったです。
衣裳については監督と相談して、ストーリーの進行によってクレールが変化していくので、それに合わせて衣裳もマニッシュで目立たないものから女性らしいフェミニンなものへと変化していきました。自分の女性っぽいところを受け入れていくわけです。
――― オゾン監督が他の監督と違うところは?
とてもスピーディーに仕事をする方です。彼が1年に1本映画を撮っていて、現場でも彼のパッションを強く感じられます。子どもようにエキサイティングして、いつも楽しんで映画を作っています。技術上でも他の監督とは違う点があります。それは彼自身がカメラを覗いていることです。俳優との距離が近くなり、俳優にとっても見られているという快感があり、気持ちのいい関係です。
――― 7年後だという最後のシーンの意味は?
(アナイスさんから観客に質問) 皆さんはどう思いましたか?クレールが妊娠していましたが、相手がヴィルジニアだと思う人は?ジルだと思う人は?
不思議なラストシーンです。わざと疑惑を残しておくのが監督の狙いです。実は私も監督もヴィルジニアの子どもだと解釈しています。ジルは捨てられて…ということです。親子3人のシルエットが夕焼けの向こうに映ることは監督が示す家族のアイロニーです。
――― 最後のご挨拶を。
今日は見に来て下さいまして本当にありがとうございました。もし気に入って頂けましたら、他の方にも勧めて下さい。
作品データ :
原題 UNE NOUVELLE AMIE
製作年 2014年
製作国 フランス
配給 キノフィルムズ
上映時間 107分
普通の主婦が“特別な女友達”と出会ったことで、平凡だった毎日が華やぎ、刺激と興奮に満ちた人生へと変わり、女性としての輝きを増していく姿を描くヒューマンドラマ。監督は『しあわせの雨傘』のフランソワ・オゾン。出演は『タイピスト!』のロマン・デュリス、『間奏曲はパリで』のアナイス・ドゥムースティエ、『黒いスーツを着た男』のラファエル・ペルソナ。
ストーリー :
幼い頃からの親友ローラ(イジルド・ル・ベスコ)を亡くし、悲しみに暮れていた主婦クレール(アナイス・ドゥムースティエ)は、ローラの夫・ダヴィッド(ロマン・デュリス)と生まれて間もない娘の様子が気になり二人の家を訪ねると、そこにはローラのワンピースを着て娘をあやすダヴィッドの姿があった。そんなダヴィッドから女性の服を着たいと打ち明けられ、戸惑うクレールだったが、やがて彼を“ヴィルジニア”と名付け、女友達として絆を深めていく。「男に許されない事を全てやりたい」とパリジェンヌのように美しく着飾った“彼女”と過ごすことが、刺激と歓びに満ちた冒険へと変わっていくクレール。夫・ジル(ラファエル・ペルソナ)に嘘をつきながらもヴィルジニアとの密会を繰り返すうちに、クレール自身も女性としての美しさが増していくのだった。そんな中、ヴィルジニアが男であることに直面せざるを得なくなったクレールが、自分らしい生き方を見つめ、最後に選んだ生き方とは…。
▼予告編
■アナイス・ドゥムースティエ(Anaïs Demoustier、1987~)トークショー(2015年6月27日、有楽町朝日ホール):
本作の主演女優(クレール役)アナイス・ドゥムースティエが、「フランス映画祭2015」に際し初来日。本作上映後のトークショーで、製作現場での様子やフランソワ・オゾン監督の意図や共演者についてなど、率直な興味深いお話を披露。

――― 最初のご挨拶を。
皆さんこんにちは!こんなに沢山の方に見に来て頂いて本当にありがとうございます。日本ではフランソワ・オゾン監督はとても愛されている監督だと思っていますので、こうして監督作品を携えて皆さんの前に登場できて光栄です。
――― アナイスさんは去年だけでも5本出演されて超売れっ子でいらっしゃいますが、この映画出演を決めた経緯は?
一つ目のモチベーションは、オゾン監督はフランスでもとても才能のある監督のおひとりですから、オファーを頂けたら女優にとっては大きな喜びでした。しかも、女性を描くのが巧みな監督でもあります。
二つ目のモチべーションは、この物語がオリジナルでとても変わったラブストーリーだったことです。私が演じるクレールは、最初から最後までラブストーリーを通じて本来の自分自身に目覚めていくという素晴らしい人物造形に魅力を感じました。
――― アナイスさんはオゾン監督にどうして選ばれたのでしょうか?
オゾン監督は表現豊かな眼差しを持った女優を探していたということを聞いたことがあります。確かにこのクレールという役は、セリフの少ない分、女優にとっては難しい役柄でした。クレールの目を通して物語をたどっていく役目もありましたから、細やかな表情でシリアスな場面やミステリアスな状況を表現する必要があったのです。クレールがどんな気持ちでいるのかを想像しながら演じるのは、とてもやりがいのある役でした。
――― ヒゲの濃いロマン・デュリスさんを目の前にして吹き出すことはなかったですか?(笑)
この映画はちょっと変わったラブストーリーなので、クレールがそんなにイケメンではない男性に惹かれていくのが解らないかもしれませんが、ダヴィッドが完璧に女性になりきれていない男性の部分を残しているところがオゾン監督の狙いです。だからこそ、クレールが惹かれていくのが衝撃的で感動的になっていくのです。オーデションではもっと女装の似合う美しい男優さんもいたのですが、あえてロマンのような男っぽい男優を選んだ理由はそこにあります。
クレールがダヴィッドになぜ惹かれていくのか?それは彼のルックスとかフィジカルな部分ではなく、ダヴィッドが持っている自由なエスプリとか魂に惹かれていったのだと思います。クレールは物語の最初の方では内気で自分の居場所を見出せないような女性でした。それがダヴィッドによって、自分を解放していき、本当の自分自身をダヴィッドを通じて見つけ出していくわけです。
――― 映画館の中でのシーンで、ヴィルジニアに痴漢するのはオゾン監督ですよね?
そうです!(笑)
――― アナイスさんがクレールと同じ立場になったらどうしますか?
もちろん女装したいという人がいたら一緒に過ごしますよ。私はそうしたことに反対の意見は持っていません。この映画の素晴らしいのは、クレールの接し方が理解できるように仕向けているところです。時折クスクスッと笑ったり大笑いしたりすることもありますが、それは決してバカにして笑っているのではありません。ヴィルジニアに寄り添いながら楽しんでいる笑いなのです。オゾン監督はこのように遊び心のある軽やかなトーンでこの深刻になりがちなテーマを描きたいと思われたのでしょう。私もそう思って演じました。
――― ロマン・デュリスさんも役作りが大変だったと思いますが、アナイスさんから見ていかがでしたか?
ロマンとの共演は、素晴らしい体験でした。以前から女装する役をやりたい!と思っていたらしく、カツラを着けたりハイヒールを履いたりすると、子どものようにキラキラっと目を輝かせていました。私にとってもいい刺激になりました。
普通は女優の方が化粧に時間がかかるのですが、ロマンは2時間位かけて化粧していましたから、私の方が男優待ちをしていました。
――― 彼の喜び様は素顔の時から伝わってきましたね?
だから、オゾン監督はロマン・デュリスを選んだんだと思います。
――― クレールは、ダヴィッドの中の女性の部分に恋をしていたのか、それとも男性の部分なのか、あるいは亡くなった親友へのレズビアンのような恋情なのか、3つの想いが交差していたように感じましたが?
クレールが恋したのはヴィルジニアです。ダヴィッドのことはどうでもいいと思っていたのです。確かに複雑なラブストーリーなので、親友のローラのような完璧な女性をヴィルジニアにも感じていました。また、ダヴィッドが創造したヴィルジニアにもセクシーさを感じていたのです。この撮影はとても微妙で不思議な感覚で過ごしました。他の映画で見るようなロマン・デュリスの視線を感じながら、女装した時にはダヴィッドの創造物であるヴィルジニアの視線にも対面しなければならない、というとても心が動揺するような撮影でした。
――― クレールのファッションがとても素敵でした。ロマン・デュリスとラファエル・ペルソナという二人の人気俳優に愛されるお気持ちは?
本当に幸せでした。ラファエルとは2回共演したことがあってよく知っているのですが、今回ちょっと可愛そうな役でしたが、本当にいい人なんだなあと思わせる演技をしていたと思います。ロマンは子どもの頃から憧れていたので、今回共演できてとても嬉しかったです。
衣裳については監督と相談して、ストーリーの進行によってクレールが変化していくので、それに合わせて衣裳もマニッシュで目立たないものから女性らしいフェミニンなものへと変化していきました。自分の女性っぽいところを受け入れていくわけです。
――― オゾン監督が他の監督と違うところは?
とてもスピーディーに仕事をする方です。彼が1年に1本映画を撮っていて、現場でも彼のパッションを強く感じられます。子どもようにエキサイティングして、いつも楽しんで映画を作っています。技術上でも他の監督とは違う点があります。それは彼自身がカメラを覗いていることです。俳優との距離が近くなり、俳優にとっても見られているという快感があり、気持ちのいい関係です。
――― 7年後だという最後のシーンの意味は?
(アナイスさんから観客に質問) 皆さんはどう思いましたか?クレールが妊娠していましたが、相手がヴィルジニアだと思う人は?ジルだと思う人は?
不思議なラストシーンです。わざと疑惑を残しておくのが監督の狙いです。実は私も監督もヴィルジニアの子どもだと解釈しています。ジルは捨てられて…ということです。親子3人のシルエットが夕焼けの向こうに映ることは監督が示す家族のアイロニーです。
――― 最後のご挨拶を。
今日は見に来て下さいまして本当にありがとうございました。もし気に入って頂けましたら、他の方にも勧めて下さい。
2015年8月31日(月)シネスイッチ銀座[東京都中央区銀座4-4-5 旗ビル、地下鉄銀座駅A10番から徒歩1分(和光ウラ通り)]で、17:00~ 鑑賞。
作品データ :
原題 GEMMA BOVERY
製作年 2014年
製作国 フランス
配給 コムストック・グループ(配給協力:クロックワークス)
上映時間 99分
フランス・ノルマンディー地方を舞台に、小説と現実世界を混同するパン屋が織りなす官能的でユーモラスな新感覚ドラマ。
美しい四季折々の風景と、スクリーンから香り立つ本場フランスパンの数々(クロワッサン、バゲット、ブリオッシュ、エピ、ヒマワリの種入りパン、マルチシリアル入りの「クロキネット」等々)も見どころの作品。
監督は『ドライ・クリーニング』『美しい絵の崩壊』など、緊密な人間関係を官能的に表現してきたアンヌ・フォンティーヌ。彼女が今回題材に選んだのは、ギュスターヴ・フローベールの最高傑作『ボヴァリー夫人』の世界と、美しい隣人ジェマ・ボヴァリーの人生を重ねてしまうパン屋の男を描いた、イギリス人絵本作家ポージー・シモンズのグラフィック・ノベル『Gemma Bovery』。原作に内包された喜劇性を引き出し、登場人物たちに瑞々しい肉体を与えた新たな新境地をノルマンディーの牧歌的でおおらかな雰囲気が包みこむ。フランスでは、4週連続で興行成績№1を記録!
主演は、『屋根裏部屋のマリアたち』のファブリス・ルキーニと『アンコール!!』のジェマ・アータートン。『コーラス』のブリュノ・クーレが音楽を担当し、主人公の心情を彩る。
ストーリー :
フランス西部ノルマンディー。パリの出版社で12年間勤めた後、「静かな田舎暮らし」を求めて故郷の村に戻り、家業のパン屋を継いだマルタン・ジュベール(ファブリス・ルキーニ)。
やや倦怠期の奥さん、高校に通う一人息子の3人家族。パンをこね、焼くだけの単調な日々が過ぎる。唯一の楽しみは読書で、古典をひもとき、想像の翼を羽ばたかせること。とりわけ、この地を舞台にした名作『ボヴァリー夫人』を、暗記するほど愛読している。
ある日、向かいにイギリス人夫妻、その名もジェマ・ボヴァリー(ジェマ・アータートン)とチャーリー・ボヴァリー(ジェイソン・フレミング)が越してくる!
マルタンはこの意外な偶然に驚き、小説さながらに行動する奔放なジェマから目が離せなくなってしまう。一方ジェマもマルタンの作る、やさしくて芳醇な香りのパンに魅せられていく。
ボヴァリー夫妻と親交を深めるうちに、マルタンは好奇心の赴くところ、たんなる文学好きの域を超え、ジェマを想いながらパンをこね、小説と現実が入り混じった妄想をたくましくしていく。
そこへ端整な美青年エルヴェ(ニールス・シュナイダー)が出現し、ジェマは夫の目を盗み情事を重ねるようになる。
このままでは、彼女が「ボヴァリー夫人」と同じ悲劇的な運命をたどらないか案じたマルタンは、思わぬ行動に出るが、誰も予測ができない結末が待っていた…。
■フローベールの代表作『ボヴァリー夫人』:
ギュスターヴ・フローベール(Gustave Flaubert、1821~1880)は、19世紀前半を支配したロマン主義文学に対抗し、実地調査にもとづく写実主義(リアリズム)文学【芸術上、主観よりも客観を重視し、現実の事象を的確・精密・多視点的に描写しようとする傾向】を確立する。
『ボヴァリー夫人』(Madame Bovary、1856年発表)は、ノルマンディー地方の片田舎で平凡な結婚生活に倦んだ美しい若妻エマ・ボヴァリーが、憧れの現実化と自由を望むものの、不倫と借金の末に追い詰められ服毒自殺するまでを描いた長編小説。
表現の完璧さと崇高さにおいて、近代写実主義文学の最初の傑作(金字塔)といわれる。
サマセット・モーム(Somerset Maugham、1874~1965)が「世界の十大小説」の一つに挙げ、これまでジャン・ルノワール(1933年)→ヴィンセント・ミネリ(1949年)→クロード・シャブロル(1991年)→アレクサンドル・ソクーロフ(1989年・2009年再編集)→マノエル・ド・オリヴェイラ(1993年)の5人の名だたる監督が映画化、テレビ映画での翻案も多い。
■アンヌ・フォンティーヌ(Anne Fontaine、1959~)監督トークショー@フランス映画祭2015(2015年6月27日、有楽町朝日ホール):

監督:Bonjour!日本に来るのは3回目ですけど、来られて嬉しいです。多数の方々にお集まりいただいて感激しております。この映画を、皆さん気に入っていただけたら良いですが、気に入らないということでしたら、いま私、帰ります!冗談です(笑)。
Q:パン屋さん・マルタン役のファブリス・ルキーニさんとフォンテーヌ監督は、とても長いお付き合いだと思いますが、最初の出会いから教えていただけますでしょうか?
監督:ファブリスとは、私が若い頃、女優をしていた時代に、彼が変な絵の先生の役を演じている映画の撮影現場で会いました。ある時、ディナーを一緒にと誘われまして、私は「これはナンパだな」と思っていたんですが(笑)、彼がとうとうと語り続けたのが『ボヴァリー夫人』でした。彼にとって、一種のオブセッション(固定観念)なんですね。なにせ、ファブリスは自分の娘を「エマ」(「ボヴァリー夫人」の名前は、エマ・ボヴァリー)と名付けるほどですから。
~この話をされた時は、二つ返事で?
監督:もちろん!彼は拒絶することなんて考えられなかったでしょう。彼はとても不思議で、様々なものが混在した雰囲気を持っている、フランスではとても有名な俳優さんなんですけども、同時に面白く可笑しい人物でもあります。主人公の知的なパン屋という、あまりない役を演じるのは、彼以外には考えられませんでした。
Q:ファブリス・ルキーニさんが、なかなか来日されないので、次回はぜひ連れて来てほしいです!
監督:ひとつ、情報をお教えしますと、ファブリス・ルキーニは、決して飛行機に乗らない人なんです。飛行機に乗らずに東京に来るのは、かなり大変な話なので、難しいんじゃないかと(笑)。彼は変わった人なので、奇妙なことをするのを許してやってください。でも、今のメッセージは伝えておきます。
~船という手段もあると思いますが?
監督:それはいいアイディアですね!船だと時間が掛かるので、それを利用して、私が映画を撮る!今、この場に日本の映画プロデューサーもいらっしゃるでしょうから、船で移動する間に映画を撮るプロジェクトにぜひ、お金を出していただければ(会場から拍手!)。
Q:ジェマ・アータートンさんは、どのようにして決められたのですか?
監督:最初、ジェマは候補のリストには入っていませんでした。何人かの女優に会ったものの、ピンと来るものがなく、最終的にジェマに会うことにしたんです。彼女が部屋に入って来て、マフラーをとって挨拶をする、その2秒くらいで、もう彼女だと決めました。入室するなり、とても官能的で、いきいきとした雰囲気に溢れていて、もう、ジェマ・ボヴァリーを演じるには、彼女しかいないと思いました。彼女には、女性であれ、男性であれ、ゲイであれ、犬であれ、抵抗できないくらい本当に魅力がある人なんです。
Q(女優のお客から):監督の作品に出演するには、どうしたらいいですか?
監督:私の作品では、何語で演じられますか?
~フランス語を頑張ります!
フォンテーヌ監督:実はヒロインのジェマ・アータートンさんは、最初のオーディションの時「ボンジュール!アンヌ」しかフランス語が喋れなかったんです。その後、撮影前に3か月ほどフランスに滞在して、言葉と文化を学びました。撮影に入った時には、ファブリス・ルキーニを前にして、即興で台詞が言えるくらいのレベルになっていました。ですから、あなたにも希望がありますよ。
Q:監督は、『ボヴァリー夫人』をどのように解釈されてきましたか?
監督:私は17歳の時に、初めて読みました。「エマ・ボヴァリー」は時空を超えた普遍的なヒロインで、21世紀のどこにでもいるような女性です。私が彼女を定義するなら、「林檎の木の下で梨を欲しがる女性」です。イギリスの絵本作家、ポージー・シモンズは原作をオリジナルな手法でマンガにしていますが、原作のバイオレンスな自殺とはトーンが違いました。フランス文学のヒロインの運命を現代の英国の女性の運命に重ねるところが、とても興味深いものでした。
Q:日本人にはあまり馴染みがない『ボヴァリー夫人』は、フランスでは一般教養のひとつなのでしょうか?
監督:学校では課題図書なので、多くの人が目にしています。フランス文学の一つのスタイルとして、とても象徴的なんです。フローベールは男性ですが、こんなにも細やかに、女性心理を描写してみせるところが、素晴らしいです。
私たちは皆「ボヴァリー夫人」的なものを持っていると思うんです。今この現実よりも、何かもっと面白いことがいつかやって来るのではと待ち望む…。誰もが男でも女でも、この「ボヴァリー夫人」に自己投影できるのではないでしょうか。
ファブリス・ルキーニには、文学好きのパン屋役を、ウディ・アレン(Woody Allen、1935~)は、米国を代表する映画監督・俳優)のように演じてほしいとお願いしました。現実生活よりもフィクションの方が楽しいと思っている人物にしたかったのです。
Q:監督にとって、この映画のジャンルはドラマか、コメディか、サスペンスか、どう考えたらいいんでしょうか?
監督:これは辛辣なコメディーだと思います。再び妄想が繰り返されてしまう、最後は可笑しいですよね??原作のアングロサクソン的な残酷さと辛辣さが混じったユーモアが、全体のトーンに影響しています。この映画で描かれる、もう一つのテーマはエロティシズムです。ちょっと変わっている特別なエロティシズムを象徴しているのが、パンをこねるシーンです。ダイレクトではなく人を介して間接的に、物事を妄想している人物ということが分かるんです。
Q:監督の、お気に入りのキャラクターがいたら教えてください。
監督:考えたこともなかった(笑)!そういった考え方をしたことがなかったので、答えるのが難しいですが、ひとつ言えることは、ガイド役となって、この映画を語るための視点となってくれたのは、やっぱりパン屋のマルタンですよね。彼を通して、私は映画のテーマとコンタクトをとることができたので、一番親しみを持てたのは彼ですね。ここで、私からお願いがあるんですが、映画をご覧になった皆さん、どうかラストはネタバレしないでください。人に言わないでください。
Q:最後に一言、お願いいたします。
監督:次回、ファブリス・ルキーニは連れて来られないでしょうが、私はまた日本に来たいと思います。Merci!
▼予告編
▼本編映像
▼マルタン
ジェマ―美女からのまさかのお誘い?
■私感 :
♦マルタンに扮した名優ファブリス・ルキーニ(Fabrice Luchini、1951~)が軽妙洒脱で、抜群のユーモアセンスを発揮し、計算しつくした演技を披露している。Bravo!!
私は彼の出演作としては、これまでに『しあわせの雨傘』(Potiche、フランソワ・オゾン監督、2011年1月日本公開)→『屋根裏部屋のマリアたち』(Les Femmes du 6ème étage、フィリップ・ル・ゲ監督、2012年7月日本公開)→『危険なプロット』(Dans la maison、フランソワ・オゾン監督、2013年10月日本公開)の3作を鑑賞した。3作共に、滋味に富む彼の名演技が光る!
ジェマ・ボヴァリーに扮したジェマ・アータートン(Gemma Arterton、1986~)は、闊達奔放で、セクシー!
ふくよかな体型、体のラインが出たワンピース姿、瑞々しい色気がにじむ容姿・仕草など。足、うなじ、肩などがクローズアップされるたびに、私の頭の片隅をエロチックな想像がよぎる。
マルタンが彼女を見て、たちまち魅せられ、「10年ぶりに性欲がよみがえった」と独白するのも、誠むべなるかな!
厨房でマルタンが彼女にパンのこね方を教えるシーン(ジェマは暑いと言ってカーディガンを脱いだり髪の毛を上げたりして…)や、森の中で蜂に刺されたといって騒ぐ彼女の背中の傷口をマルタンが吸うシーンには、濃密で新鮮なエロチシズムが漂う。
シーン中、彼女が唇をとんがらせて、すねて甘えて相手を見つめるところなどは、かのブリジット・バルドー(Brigitte Bardot、1934~)~「フランスのマリリン・モンロー」といわれた、20世紀のヨーロッパを代表するセックス・シンボル~を思い出させる。
また、なんとも鮮烈な印象を私の胸に彫りつけたのが、ジェマが自宅を出て若い恋人エルヴェを豪邸に訪ねる場面だ。
彼女は豪邸の敷地内に踏み入る時、裏口のドアの外で家から履いてきた長靴を脱ぎ捨て、コートのポケットから出した赤いハイヒールに履き替えた。そして、凛と胸を張って恋人に逢いに行くのだった…。
ところでジェマ・アータートンの、これまでの出演作を当たってみて、意外な事実を知らされた。
彼女は『007/慰めの報酬』(007 Quantum of Solace、マーク・フォースター監督、2009年1月日本公開)でボンドガール(Bond Girl)を演じていた。
私はこの映画を公開直後に観たものの、そこでの彼女の印象は私の記憶の中で漠として煙っている。彼女は約1500人の中からボンドガールに選ばれたとはいえ、それは実際上、ちょい役(MI6ボリビア駐在の女性諜報員フィールズ役)にすぎなかった。
ちなみに、同作におけるメインのボンドガールは、明らかにヒロイン(「謎の美女」カミール役)を演じ、ポスターにもジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ〈Daniel Craig、1968~〉)と2ショットで写っている、ウクライナ出身のオルガ・キュリレンコ(ラテン文字表記:Olga Kurylenko、1979~)である。
私は同作の上映中(約1時間50分)、体が粉々になりそうなハード・アクションを見事にこなすクレイグ(ボンド)の逞しさに舌を巻くとともに、ボンドガール特有の印象深い美貌を備えつつ、幼い頃に殺された家族の復讐に燃えるキュリレンコの野性的な魅力に吸い寄せられつづけたものだ。
同作以降、私は彼女の出演作、『故郷よ』(La Terre outragée、ミハル・ボガニム監督、2013年2月日本公開)→『オブリビオン』(Oblivion、ジョセフ・コシンスキー監督、2013年5月日本公開)→『トゥ・ザ・ワンダー』(To the Wonder、テレンス・マリック監督、2013年8月日本公開)の3作を鑑賞した。3作ともに、彼女の魅惑の美しさがひらめく作品である。
ジェマ・アータートンは本来、モダンとクラシックの両面を併せ持つ個性的なキャラクターの持ち主だ。
この点、彼女の出演作では(私の鑑賞分に限れば)、ギリシア神話をベースとするスペクタクル映画『タイタンの戦い』(Clash of the Titans、ルイ・レテリエ監督、2010年4月日本公開)→古代ペルシャ舞台のアクション・アドベンチャー大作『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』(Prince of Persia:The Sands of Time、マイク・ニューウェル監督、2010年5月日本公開)の2作が注目される。
そして、彼女は本作という所を得て、現代版「ボヴァリー夫人」=馥郁と匂い立つような柔らかな性と生を生きる「ジェマ・ボヴァリー」を、巧まざる演技力でのびのびと演じるにいたった。
♦ジェマの溌剌たる個性は、強い磁場で4人の男を引きつける。
彼女に惚れている彼ら4人(マルタン、夫、エルヴェ青年、元カレ)は、彼女が輝きを増すほどに、どことなく影が薄くなる。
何かを求め、待ち焦がれる魅惑的な彼女の生命の炎に飲み込まれるとき、男たちはそろって色褪せていき、空疎な人格に成り果て、情けない姿(“本質”)をさらす。
・ジェマの隣人・マルタン⇒まじめっぽく純朴そうでいて、とてつもない妄想癖があり、興味本位で覗き魔と化す、イヤラシイおやじ(初老男)。
・ジェマの夫・チャーリー⇒温厚な紳士然としながらも、理非曲直をあいまいにし、妻の言動を瀬踏みするような、煮え切らない男。
・ジェマの年下の愛人(不倫相手)・エルヴェ⇒お城のような大邸宅で一人、「司法試験」勉強中の、親がかりの気楽なボンボン。
・ジェマの元カレ・パトリック(メル・レイド)⇒偶然再会して、調子よく復縁を迫る、場当たり的で小才のきく、こらえ性のない男。
♦そもそも本作は、マルタンのモノローグから始まる。
彼は妻ジェマを亡くしたチャーリーの様子~妻の遺品を整理中~を見に行き、そこでジェマの日記をこっそり持ち帰る。映画はその彼女の日記を読みながら、在りし日の彼女の生活を再現(回想)する形で始まる(冒頭のシーンでは死因が示されず、視聴者に謎を残す)。
…映画の終盤に至って、ジェマの死因が判明する。
何と、彼女はマルタンが差し入れたパンを喉に詰まらせて、あっけなく急死したのだ
あえない最期がもたらされた場面:
まず彼女が食した当のパンを喉に詰まらせ激しく咳き込む…。
→【チャーリーの留守中に彼女の家を訪れ、復縁を迫って彼女と口論中だった】パトリックがあわててハイムリック法(喉を詰まらせた場合に用いる応急処置で、患者の背後から抱きつくようにして勢いよく腹部を圧迫する方法)を施す…。
→【たまたまそこに戻り、彼女とパトリックが「絡み合う」シーンを目撃した】チャーリーがジェマがレイプされていると勘違いして、怒りに震えながらパトリックを殴り飛ばす…。
→いやはや、ハチャメチャな展開で結局、彼女は窒息死してしまう。
マルタンの焼いたパンに端を発したドタバタ喜劇の皮肉な結果が、ジェマの不慮の死!
この、まさかの横死ぶりは、あの「ボヴァリー夫人」が不倫→借金による窮迫下の服毒(砒素)自殺を遂げた場合とは大違い!その受難には、そこはかとない哀愁がにじむ一方で、なんだか人を食った笑いを誘うような滑稽さがつきまとう。
私自身の偽らざる心境としては、ジェマ・ボヴァリーがどこか滑稽な状態で物語から去ることが、なんとも侘(わび)しい。私は彼女の清新な魅力、とりわけ“自分らしさを大切にする強さ”に気づくほどに、非業に倒れた彼女の無念を思い、得体の知れぬ侘しさが込み上げてくる。ジェマは映画の後半で、マルタンに向けて「私はボヴァリー夫人ではない。自分の道を生きていく」と言ってのける、そういう女性だった―。
♦本作のラストシーン:
ジェマの葬儀が終わり、チャーリーが去った後の空き家(隣家)に、誰かが引っ越してくる。
マルタンの一人息子ジュリアン・ジュベール(ケイシー・モッテ・クライン)~両親から日ごろ、散々ボロクソに言われている、ゲームオタク男子~は、父マルタンの妄想癖と思いこみの激しさをからかって言う。
「今度のお隣さんは、ロシア人だって。名前はアンナ・カレーニナらしいよ…」
息子に一杯食わされたとも知らず、そのちょっとした言葉で、マルタンはすぐにレフ・トルストイの長編小説『アンナ・カレーニナ』を思い浮かべ、またもや新しい文学的な妄想の世界にいざなわれてしまう。「次は鉄道自殺か。食い止めるためには、ロシア語の勉強が必要だ…」
マルタンは早速、隣家に挨拶に上がる。そして、にわか勉強したロシア語で妙齢の女性に、「アンナ・カレーニナ」だと思いこみ、喜色満面で話しかける。
もちろん、話は通じない!なぜなら、彼女はフランス人にほかならなかったから―。
その時、ロシアのコサック民謡が流れる。エンディングテーマである。
呵呵大笑
感嘆措く能わず!大向こうを唸らせるものがある。
小粋で洒落っ気たっぷりの~エスプリとユーモアが詰まった~フランス映画ではあった!
優れた人物造型に支えられた、ミルフィーユのような重層化した作品として、いかにもフランス映画らしいフランス映画ではあった!
この種の秀逸な知的官能映画、残念至極だが、半永久的に、日本(日本文化)では撮れないだろう。
作品データ :
原題 GEMMA BOVERY
製作年 2014年
製作国 フランス
配給 コムストック・グループ(配給協力:クロックワークス)
上映時間 99分
フランス・ノルマンディー地方を舞台に、小説と現実世界を混同するパン屋が織りなす官能的でユーモラスな新感覚ドラマ。
美しい四季折々の風景と、スクリーンから香り立つ本場フランスパンの数々(クロワッサン、バゲット、ブリオッシュ、エピ、ヒマワリの種入りパン、マルチシリアル入りの「クロキネット」等々)も見どころの作品。
監督は『ドライ・クリーニング』『美しい絵の崩壊』など、緊密な人間関係を官能的に表現してきたアンヌ・フォンティーヌ。彼女が今回題材に選んだのは、ギュスターヴ・フローベールの最高傑作『ボヴァリー夫人』の世界と、美しい隣人ジェマ・ボヴァリーの人生を重ねてしまうパン屋の男を描いた、イギリス人絵本作家ポージー・シモンズのグラフィック・ノベル『Gemma Bovery』。原作に内包された喜劇性を引き出し、登場人物たちに瑞々しい肉体を与えた新たな新境地をノルマンディーの牧歌的でおおらかな雰囲気が包みこむ。フランスでは、4週連続で興行成績№1を記録!
主演は、『屋根裏部屋のマリアたち』のファブリス・ルキーニと『アンコール!!』のジェマ・アータートン。『コーラス』のブリュノ・クーレが音楽を担当し、主人公の心情を彩る。
ストーリー :
フランス西部ノルマンディー。パリの出版社で12年間勤めた後、「静かな田舎暮らし」を求めて故郷の村に戻り、家業のパン屋を継いだマルタン・ジュベール(ファブリス・ルキーニ)。
やや倦怠期の奥さん、高校に通う一人息子の3人家族。パンをこね、焼くだけの単調な日々が過ぎる。唯一の楽しみは読書で、古典をひもとき、想像の翼を羽ばたかせること。とりわけ、この地を舞台にした名作『ボヴァリー夫人』を、暗記するほど愛読している。
ある日、向かいにイギリス人夫妻、その名もジェマ・ボヴァリー(ジェマ・アータートン)とチャーリー・ボヴァリー(ジェイソン・フレミング)が越してくる!
マルタンはこの意外な偶然に驚き、小説さながらに行動する奔放なジェマから目が離せなくなってしまう。一方ジェマもマルタンの作る、やさしくて芳醇な香りのパンに魅せられていく。
ボヴァリー夫妻と親交を深めるうちに、マルタンは好奇心の赴くところ、たんなる文学好きの域を超え、ジェマを想いながらパンをこね、小説と現実が入り混じった妄想をたくましくしていく。
そこへ端整な美青年エルヴェ(ニールス・シュナイダー)が出現し、ジェマは夫の目を盗み情事を重ねるようになる。
このままでは、彼女が「ボヴァリー夫人」と同じ悲劇的な運命をたどらないか案じたマルタンは、思わぬ行動に出るが、誰も予測ができない結末が待っていた…。
■フローベールの代表作『ボヴァリー夫人』:
ギュスターヴ・フローベール(Gustave Flaubert、1821~1880)は、19世紀前半を支配したロマン主義文学に対抗し、実地調査にもとづく写実主義(リアリズム)文学【芸術上、主観よりも客観を重視し、現実の事象を的確・精密・多視点的に描写しようとする傾向】を確立する。
『ボヴァリー夫人』(Madame Bovary、1856年発表)は、ノルマンディー地方の片田舎で平凡な結婚生活に倦んだ美しい若妻エマ・ボヴァリーが、憧れの現実化と自由を望むものの、不倫と借金の末に追い詰められ服毒自殺するまでを描いた長編小説。
表現の完璧さと崇高さにおいて、近代写実主義文学の最初の傑作(金字塔)といわれる。
サマセット・モーム(Somerset Maugham、1874~1965)が「世界の十大小説」の一つに挙げ、これまでジャン・ルノワール(1933年)→ヴィンセント・ミネリ(1949年)→クロード・シャブロル(1991年)→アレクサンドル・ソクーロフ(1989年・2009年再編集)→マノエル・ド・オリヴェイラ(1993年)の5人の名だたる監督が映画化、テレビ映画での翻案も多い。
■アンヌ・フォンティーヌ(Anne Fontaine、1959~)監督トークショー@フランス映画祭2015(2015年6月27日、有楽町朝日ホール):

監督:Bonjour!日本に来るのは3回目ですけど、来られて嬉しいです。多数の方々にお集まりいただいて感激しております。この映画を、皆さん気に入っていただけたら良いですが、気に入らないということでしたら、いま私、帰ります!冗談です(笑)。
Q:パン屋さん・マルタン役のファブリス・ルキーニさんとフォンテーヌ監督は、とても長いお付き合いだと思いますが、最初の出会いから教えていただけますでしょうか?
監督:ファブリスとは、私が若い頃、女優をしていた時代に、彼が変な絵の先生の役を演じている映画の撮影現場で会いました。ある時、ディナーを一緒にと誘われまして、私は「これはナンパだな」と思っていたんですが(笑)、彼がとうとうと語り続けたのが『ボヴァリー夫人』でした。彼にとって、一種のオブセッション(固定観念)なんですね。なにせ、ファブリスは自分の娘を「エマ」(「ボヴァリー夫人」の名前は、エマ・ボヴァリー)と名付けるほどですから。
~この話をされた時は、二つ返事で?
監督:もちろん!彼は拒絶することなんて考えられなかったでしょう。彼はとても不思議で、様々なものが混在した雰囲気を持っている、フランスではとても有名な俳優さんなんですけども、同時に面白く可笑しい人物でもあります。主人公の知的なパン屋という、あまりない役を演じるのは、彼以外には考えられませんでした。
Q:ファブリス・ルキーニさんが、なかなか来日されないので、次回はぜひ連れて来てほしいです!
監督:ひとつ、情報をお教えしますと、ファブリス・ルキーニは、決して飛行機に乗らない人なんです。飛行機に乗らずに東京に来るのは、かなり大変な話なので、難しいんじゃないかと(笑)。彼は変わった人なので、奇妙なことをするのを許してやってください。でも、今のメッセージは伝えておきます。
~船という手段もあると思いますが?
監督:それはいいアイディアですね!船だと時間が掛かるので、それを利用して、私が映画を撮る!今、この場に日本の映画プロデューサーもいらっしゃるでしょうから、船で移動する間に映画を撮るプロジェクトにぜひ、お金を出していただければ(会場から拍手!)。
Q:ジェマ・アータートンさんは、どのようにして決められたのですか?
監督:最初、ジェマは候補のリストには入っていませんでした。何人かの女優に会ったものの、ピンと来るものがなく、最終的にジェマに会うことにしたんです。彼女が部屋に入って来て、マフラーをとって挨拶をする、その2秒くらいで、もう彼女だと決めました。入室するなり、とても官能的で、いきいきとした雰囲気に溢れていて、もう、ジェマ・ボヴァリーを演じるには、彼女しかいないと思いました。彼女には、女性であれ、男性であれ、ゲイであれ、犬であれ、抵抗できないくらい本当に魅力がある人なんです。
Q(女優のお客から):監督の作品に出演するには、どうしたらいいですか?
監督:私の作品では、何語で演じられますか?
~フランス語を頑張ります!
フォンテーヌ監督:実はヒロインのジェマ・アータートンさんは、最初のオーディションの時「ボンジュール!アンヌ」しかフランス語が喋れなかったんです。その後、撮影前に3か月ほどフランスに滞在して、言葉と文化を学びました。撮影に入った時には、ファブリス・ルキーニを前にして、即興で台詞が言えるくらいのレベルになっていました。ですから、あなたにも希望がありますよ。
Q:監督は、『ボヴァリー夫人』をどのように解釈されてきましたか?
監督:私は17歳の時に、初めて読みました。「エマ・ボヴァリー」は時空を超えた普遍的なヒロインで、21世紀のどこにでもいるような女性です。私が彼女を定義するなら、「林檎の木の下で梨を欲しがる女性」です。イギリスの絵本作家、ポージー・シモンズは原作をオリジナルな手法でマンガにしていますが、原作のバイオレンスな自殺とはトーンが違いました。フランス文学のヒロインの運命を現代の英国の女性の運命に重ねるところが、とても興味深いものでした。
Q:日本人にはあまり馴染みがない『ボヴァリー夫人』は、フランスでは一般教養のひとつなのでしょうか?
監督:学校では課題図書なので、多くの人が目にしています。フランス文学の一つのスタイルとして、とても象徴的なんです。フローベールは男性ですが、こんなにも細やかに、女性心理を描写してみせるところが、素晴らしいです。
私たちは皆「ボヴァリー夫人」的なものを持っていると思うんです。今この現実よりも、何かもっと面白いことがいつかやって来るのではと待ち望む…。誰もが男でも女でも、この「ボヴァリー夫人」に自己投影できるのではないでしょうか。
ファブリス・ルキーニには、文学好きのパン屋役を、ウディ・アレン(Woody Allen、1935~)は、米国を代表する映画監督・俳優)のように演じてほしいとお願いしました。現実生活よりもフィクションの方が楽しいと思っている人物にしたかったのです。
Q:監督にとって、この映画のジャンルはドラマか、コメディか、サスペンスか、どう考えたらいいんでしょうか?
監督:これは辛辣なコメディーだと思います。再び妄想が繰り返されてしまう、最後は可笑しいですよね??原作のアングロサクソン的な残酷さと辛辣さが混じったユーモアが、全体のトーンに影響しています。この映画で描かれる、もう一つのテーマはエロティシズムです。ちょっと変わっている特別なエロティシズムを象徴しているのが、パンをこねるシーンです。ダイレクトではなく人を介して間接的に、物事を妄想している人物ということが分かるんです。
Q:監督の、お気に入りのキャラクターがいたら教えてください。
監督:考えたこともなかった(笑)!そういった考え方をしたことがなかったので、答えるのが難しいですが、ひとつ言えることは、ガイド役となって、この映画を語るための視点となってくれたのは、やっぱりパン屋のマルタンですよね。彼を通して、私は映画のテーマとコンタクトをとることができたので、一番親しみを持てたのは彼ですね。ここで、私からお願いがあるんですが、映画をご覧になった皆さん、どうかラストはネタバレしないでください。人に言わないでください。
Q:最後に一言、お願いいたします。
監督:次回、ファブリス・ルキーニは連れて来られないでしょうが、私はまた日本に来たいと思います。Merci!
▼予告編
▼本編映像
▼マルタン
ジェマ―美女からのまさかのお誘い? ■私感 :
♦マルタンに扮した名優ファブリス・ルキーニ(Fabrice Luchini、1951~)が軽妙洒脱で、抜群のユーモアセンスを発揮し、計算しつくした演技を披露している。Bravo!!
私は彼の出演作としては、これまでに『しあわせの雨傘』(Potiche、フランソワ・オゾン監督、2011年1月日本公開)→『屋根裏部屋のマリアたち』(Les Femmes du 6ème étage、フィリップ・ル・ゲ監督、2012年7月日本公開)→『危険なプロット』(Dans la maison、フランソワ・オゾン監督、2013年10月日本公開)の3作を鑑賞した。3作共に、滋味に富む彼の名演技が光る!
ジェマ・ボヴァリーに扮したジェマ・アータートン(Gemma Arterton、1986~)は、闊達奔放で、セクシー!
ふくよかな体型、体のラインが出たワンピース姿、瑞々しい色気がにじむ容姿・仕草など。足、うなじ、肩などがクローズアップされるたびに、私の頭の片隅をエロチックな想像がよぎる。
マルタンが彼女を見て、たちまち魅せられ、「10年ぶりに性欲がよみがえった」と独白するのも、誠むべなるかな!
厨房でマルタンが彼女にパンのこね方を教えるシーン(ジェマは暑いと言ってカーディガンを脱いだり髪の毛を上げたりして…)や、森の中で蜂に刺されたといって騒ぐ彼女の背中の傷口をマルタンが吸うシーンには、濃密で新鮮なエロチシズムが漂う。
シーン中、彼女が唇をとんがらせて、すねて甘えて相手を見つめるところなどは、かのブリジット・バルドー(Brigitte Bardot、1934~)~「フランスのマリリン・モンロー」といわれた、20世紀のヨーロッパを代表するセックス・シンボル~を思い出させる。
また、なんとも鮮烈な印象を私の胸に彫りつけたのが、ジェマが自宅を出て若い恋人エルヴェを豪邸に訪ねる場面だ。
彼女は豪邸の敷地内に踏み入る時、裏口のドアの外で家から履いてきた長靴を脱ぎ捨て、コートのポケットから出した赤いハイヒールに履き替えた。そして、凛と胸を張って恋人に逢いに行くのだった…。
ところでジェマ・アータートンの、これまでの出演作を当たってみて、意外な事実を知らされた。
彼女は『007/慰めの報酬』(007 Quantum of Solace、マーク・フォースター監督、2009年1月日本公開)でボンドガール(Bond Girl)を演じていた。
私はこの映画を公開直後に観たものの、そこでの彼女の印象は私の記憶の中で漠として煙っている。彼女は約1500人の中からボンドガールに選ばれたとはいえ、それは実際上、ちょい役(MI6ボリビア駐在の女性諜報員フィールズ役)にすぎなかった。
ちなみに、同作におけるメインのボンドガールは、明らかにヒロイン(「謎の美女」カミール役)を演じ、ポスターにもジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ〈Daniel Craig、1968~〉)と2ショットで写っている、ウクライナ出身のオルガ・キュリレンコ(ラテン文字表記:Olga Kurylenko、1979~)である。
私は同作の上映中(約1時間50分)、体が粉々になりそうなハード・アクションを見事にこなすクレイグ(ボンド)の逞しさに舌を巻くとともに、ボンドガール特有の印象深い美貌を備えつつ、幼い頃に殺された家族の復讐に燃えるキュリレンコの野性的な魅力に吸い寄せられつづけたものだ。
同作以降、私は彼女の出演作、『故郷よ』(La Terre outragée、ミハル・ボガニム監督、2013年2月日本公開)→『オブリビオン』(Oblivion、ジョセフ・コシンスキー監督、2013年5月日本公開)→『トゥ・ザ・ワンダー』(To the Wonder、テレンス・マリック監督、2013年8月日本公開)の3作を鑑賞した。3作ともに、彼女の魅惑の美しさがひらめく作品である。
ジェマ・アータートンは本来、モダンとクラシックの両面を併せ持つ個性的なキャラクターの持ち主だ。
この点、彼女の出演作では(私の鑑賞分に限れば)、ギリシア神話をベースとするスペクタクル映画『タイタンの戦い』(Clash of the Titans、ルイ・レテリエ監督、2010年4月日本公開)→古代ペルシャ舞台のアクション・アドベンチャー大作『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』(Prince of Persia:The Sands of Time、マイク・ニューウェル監督、2010年5月日本公開)の2作が注目される。
そして、彼女は本作という所を得て、現代版「ボヴァリー夫人」=馥郁と匂い立つような柔らかな性と生を生きる「ジェマ・ボヴァリー」を、巧まざる演技力でのびのびと演じるにいたった。
♦ジェマの溌剌たる個性は、強い磁場で4人の男を引きつける。
彼女に惚れている彼ら4人(マルタン、夫、エルヴェ青年、元カレ)は、彼女が輝きを増すほどに、どことなく影が薄くなる。
何かを求め、待ち焦がれる魅惑的な彼女の生命の炎に飲み込まれるとき、男たちはそろって色褪せていき、空疎な人格に成り果て、情けない姿(“本質”)をさらす。
・ジェマの隣人・マルタン⇒まじめっぽく純朴そうでいて、とてつもない妄想癖があり、興味本位で覗き魔と化す、イヤラシイおやじ(初老男)。
・ジェマの夫・チャーリー⇒温厚な紳士然としながらも、理非曲直をあいまいにし、妻の言動を瀬踏みするような、煮え切らない男。
・ジェマの年下の愛人(不倫相手)・エルヴェ⇒お城のような大邸宅で一人、「司法試験」勉強中の、親がかりの気楽なボンボン。
・ジェマの元カレ・パトリック(メル・レイド)⇒偶然再会して、調子よく復縁を迫る、場当たり的で小才のきく、こらえ性のない男。
♦そもそも本作は、マルタンのモノローグから始まる。
彼は妻ジェマを亡くしたチャーリーの様子~妻の遺品を整理中~を見に行き、そこでジェマの日記をこっそり持ち帰る。映画はその彼女の日記を読みながら、在りし日の彼女の生活を再現(回想)する形で始まる(冒頭のシーンでは死因が示されず、視聴者に謎を残す)。
…映画の終盤に至って、ジェマの死因が判明する。
何と、彼女はマルタンが差し入れたパンを喉に詰まらせて、あっけなく急死したのだ

あえない最期がもたらされた場面:
まず彼女が食した当のパンを喉に詰まらせ激しく咳き込む…。
→【チャーリーの留守中に彼女の家を訪れ、復縁を迫って彼女と口論中だった】パトリックがあわててハイムリック法(喉を詰まらせた場合に用いる応急処置で、患者の背後から抱きつくようにして勢いよく腹部を圧迫する方法)を施す…。
→【たまたまそこに戻り、彼女とパトリックが「絡み合う」シーンを目撃した】チャーリーがジェマがレイプされていると勘違いして、怒りに震えながらパトリックを殴り飛ばす…。
→いやはや、ハチャメチャな展開で結局、彼女は窒息死してしまう。
マルタンの焼いたパンに端を発したドタバタ喜劇の皮肉な結果が、ジェマの不慮の死!
この、まさかの横死ぶりは、あの「ボヴァリー夫人」が不倫→借金による窮迫下の服毒(砒素)自殺を遂げた場合とは大違い!その受難には、そこはかとない哀愁がにじむ一方で、なんだか人を食った笑いを誘うような滑稽さがつきまとう。
私自身の偽らざる心境としては、ジェマ・ボヴァリーがどこか滑稽な状態で物語から去ることが、なんとも侘(わび)しい。私は彼女の清新な魅力、とりわけ“自分らしさを大切にする強さ”に気づくほどに、非業に倒れた彼女の無念を思い、得体の知れぬ侘しさが込み上げてくる。ジェマは映画の後半で、マルタンに向けて「私はボヴァリー夫人ではない。自分の道を生きていく」と言ってのける、そういう女性だった―。
♦本作のラストシーン:
ジェマの葬儀が終わり、チャーリーが去った後の空き家(隣家)に、誰かが引っ越してくる。
マルタンの一人息子ジュリアン・ジュベール(ケイシー・モッテ・クライン)~両親から日ごろ、散々ボロクソに言われている、ゲームオタク男子~は、父マルタンの妄想癖と思いこみの激しさをからかって言う。
「今度のお隣さんは、ロシア人だって。名前はアンナ・カレーニナらしいよ…」
息子に一杯食わされたとも知らず、そのちょっとした言葉で、マルタンはすぐにレフ・トルストイの長編小説『アンナ・カレーニナ』を思い浮かべ、またもや新しい文学的な妄想の世界にいざなわれてしまう。「次は鉄道自殺か。食い止めるためには、ロシア語の勉強が必要だ…」
マルタンは早速、隣家に挨拶に上がる。そして、にわか勉強したロシア語で妙齢の女性に、「アンナ・カレーニナ」だと思いこみ、喜色満面で話しかける。
もちろん、話は通じない!なぜなら、彼女はフランス人にほかならなかったから―。
その時、ロシアのコサック民謡が流れる。エンディングテーマである。
呵呵大笑

感嘆措く能わず!大向こうを唸らせるものがある。
小粋で洒落っ気たっぷりの~エスプリとユーモアが詰まった~フランス映画ではあった!
優れた人物造型に支えられた、ミルフィーユのような重層化した作品として、いかにもフランス映画らしいフランス映画ではあった!
この種の秀逸な知的官能映画、残念至極だが、半永久的に、日本(日本文化)では撮れないだろう。
2015年8月20日(木)ヒューマントラストシネマ有楽町(東京都千代田区有楽町2-7-1 有楽町イトシア・イトシアプラザ4F、アクセス:JR山手線・有楽町駅中央口から徒歩1分)で、19:00~ 鑑賞。
作品データ :
原題 RUN BOY RUN
製作年 2013年
製作国 ドイツ フランス
配給 東北新社
上映時間 107分
幼い少年が第二次世界大戦下のユダヤ人迫害を逃れ~ポーランド人を装い、名前も変え~たった一人で終戦までの3年間を生き抜いた驚愕の実話を、アカデミー賞短編実写賞の受賞歴を持つドイツのペペ・ダンカートが映画化。
原作は、自身も強制収容所を経験した国際アンデルセン賞(“児童文学界のノーベル賞”)受賞作家ウーリー・オルレブが、今も存命の人物ヨラム・フリードマンに取材して書き上げた『走れ、走って逃げろ』(岩波書店刊・2003年)。
主人公の少年役を演じるのは、1年以上かけたオーディションで、700人以上のポーランド語を話せる少年たちから選ばれた、双子のアンジェイとカミルのトカチ兄弟。外向的なアンジェイと内向的なカミルという二人が、アクティブなシーンと情緒的なシーンを演じ分ける。
その他、『愛を読むひと』のジャネット・ハイン、『イングロリアス・バスターズ』のライナー・ボックなどドイツの実力派俳優が少年の出会う大人たちに扮し、人間存在の本質は善か悪かを問いかける残酷さと優しさを演じきる。
ストーリー :
1942年、ポーランドはワルシャワのユダヤ人強制居住区(ゲットー)から脱走した8歳のユダヤ人少年スルリック(アンジェイ・トカチ、カミル・トカチ)。彼は森へと逃げ込むが、飢えと寒さで行き倒れとなり、ヤンチック夫人(エリザベス・デューダ)に助けられる。
夫人は愛らしさや賢さに満ちスルリックに、一人でも生き延びられるよう、“ポーランド人孤児ユレク”としての架空の身の上話とキリスト教の作法を教え込む。
夫人がくれた十字架のネックレスをお守りに、“ユレク”としての旅が始まる。追っ手から逃れ、身上を偽り、寝床と食べ物を求めて農村を一軒ずつ訪ね歩いたが、拒絶されたり、利用されたり、優しく迎えられてもユダヤ人であることがばれて追い立てられたり…。
それでも、生き別れになった父との約束~「名前を捨てて、生き延びるんだ。親は忘れてもいいから、絶対に生きろ。だが、ユダヤ人であることを隠しても、ユダヤ人であることを忘れるな…」~を胸に、明日の希望を信じて、スルリック/ユレクの命の旅は続く…。
▼予告編
▼ペペ・ダンカート監督インタビュー :
作品データ :
原題 RUN BOY RUN
製作年 2013年
製作国 ドイツ フランス
配給 東北新社
上映時間 107分
幼い少年が第二次世界大戦下のユダヤ人迫害を逃れ~ポーランド人を装い、名前も変え~たった一人で終戦までの3年間を生き抜いた驚愕の実話を、アカデミー賞短編実写賞の受賞歴を持つドイツのペペ・ダンカートが映画化。
原作は、自身も強制収容所を経験した国際アンデルセン賞(“児童文学界のノーベル賞”)受賞作家ウーリー・オルレブが、今も存命の人物ヨラム・フリードマンに取材して書き上げた『走れ、走って逃げろ』(岩波書店刊・2003年)。
主人公の少年役を演じるのは、1年以上かけたオーディションで、700人以上のポーランド語を話せる少年たちから選ばれた、双子のアンジェイとカミルのトカチ兄弟。外向的なアンジェイと内向的なカミルという二人が、アクティブなシーンと情緒的なシーンを演じ分ける。
その他、『愛を読むひと』のジャネット・ハイン、『イングロリアス・バスターズ』のライナー・ボックなどドイツの実力派俳優が少年の出会う大人たちに扮し、人間存在の本質は善か悪かを問いかける残酷さと優しさを演じきる。
ストーリー :
1942年、ポーランドはワルシャワのユダヤ人強制居住区(ゲットー)から脱走した8歳のユダヤ人少年スルリック(アンジェイ・トカチ、カミル・トカチ)。彼は森へと逃げ込むが、飢えと寒さで行き倒れとなり、ヤンチック夫人(エリザベス・デューダ)に助けられる。
夫人は愛らしさや賢さに満ちスルリックに、一人でも生き延びられるよう、“ポーランド人孤児ユレク”としての架空の身の上話とキリスト教の作法を教え込む。
夫人がくれた十字架のネックレスをお守りに、“ユレク”としての旅が始まる。追っ手から逃れ、身上を偽り、寝床と食べ物を求めて農村を一軒ずつ訪ね歩いたが、拒絶されたり、利用されたり、優しく迎えられてもユダヤ人であることがばれて追い立てられたり…。
それでも、生き別れになった父との約束~「名前を捨てて、生き延びるんだ。親は忘れてもいいから、絶対に生きろ。だが、ユダヤ人であることを隠しても、ユダヤ人であることを忘れるな…」~を胸に、明日の希望を信じて、スルリック/ユレクの命の旅は続く…。
▼予告編
▼ペペ・ダンカート監督インタビュー :
2015年8月20日(木)丸の内ピカデリー1(東京都千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン9F、JR有楽町駅銀座口より徒歩1分)で、15:40~ 鑑賞。
作品データ :
製作年 2015年
製作国 日本
配給 アスミック・エース 松竹
上映時間 136分
混迷極める太平洋戦争末期の日本において国の行く末を模索する人々の姿を描いた、半藤一利のノンフィクション小説『日本のいちばん長い日 運命の八月十五日』※を映画化。陸軍大臣、天皇陛下、総理大臣など閣議に参加した人々の姿と、クーデターを企む青年将校たちの姿が描かれる。出演は阿南惟幾役の役所広司、昭和天皇役の本木雅弘をはじめ、松坂桃李、堤真一、山﨑努ら。監督は『わが母の記』『駆込み女と駆出し男』など、人間ドラマに定評のある原田眞人。
※1965(昭和40)年の初版刊行時は文藝春秋新社から大宅壮一編のクレジットで発売され、1995(平成7)年6月に文藝春秋から半藤名義で『日本のいちばん長い日 運命の八月十五日 決定版』として再版された。
ストーリー :
1945年7月、戦局が厳しさを増す中、日本に無条件降伏を求めるポツダム宣言が発表された。連日閣議が開かれ議論に議論が重ねられるが、降伏かそれとも本土決戦か結論が出ないまま、8月に突入。広島、そして長崎に原爆が投下され、「一億玉砕論」も渦巻く中、日本最大の決断(「聖断」)がくだる。しかし、降伏に反対する若手将校らは玉音放送を流させまいとクーデターを企て、皇居やラジオ局占拠に向け動きはじめる…。
▼予告編
▼特別映像[軌跡編]
作品データ :
製作年 2015年
製作国 日本
配給 アスミック・エース 松竹
上映時間 136分
混迷極める太平洋戦争末期の日本において国の行く末を模索する人々の姿を描いた、半藤一利のノンフィクション小説『日本のいちばん長い日 運命の八月十五日』※を映画化。陸軍大臣、天皇陛下、総理大臣など閣議に参加した人々の姿と、クーデターを企む青年将校たちの姿が描かれる。出演は阿南惟幾役の役所広司、昭和天皇役の本木雅弘をはじめ、松坂桃李、堤真一、山﨑努ら。監督は『わが母の記』『駆込み女と駆出し男』など、人間ドラマに定評のある原田眞人。
※1965(昭和40)年の初版刊行時は文藝春秋新社から大宅壮一編のクレジットで発売され、1995(平成7)年6月に文藝春秋から半藤名義で『日本のいちばん長い日 運命の八月十五日 決定版』として再版された。
ストーリー :
1945年7月、戦局が厳しさを増す中、日本に無条件降伏を求めるポツダム宣言が発表された。連日閣議が開かれ議論に議論が重ねられるが、降伏かそれとも本土決戦か結論が出ないまま、8月に突入。広島、そして長崎に原爆が投下され、「一億玉砕論」も渦巻く中、日本最大の決断(「聖断」)がくだる。しかし、降伏に反対する若手将校らは玉音放送を流させまいとクーデターを企て、皇居やラジオ局占拠に向け動きはじめる…。
▼予告編
▼特別映像[軌跡編]
2015年8月7日(金)吉祥寺プラザ(東京都武蔵野市吉祥寺本町1-11-19、JR吉祥寺駅北口サンロード突き当たり左)で、18:50~鑑賞。
作品データ :
原題 JURASSIC WORLD
製作年 2015年
製作国 アメリカ
配給 東宝東和
上映時間 125分
現代に甦った恐竜たちの恐怖を描く、スティーヴン・スピルバーグ製作によるアクション・アドベンチャーシリーズの第4弾。ついに完成した恐竜たちの生態が楽しめるテーマパーク“ジュラシック・ワールド”を舞台に、秘密裏に行なわれていた研究によって生み出された新種の恐竜が暴れ出し、人々を恐怖に陥れる様が描かれる。主演は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のクリス・プラット、共演にブライス・ダラス・ハワード。監督は『彼女はパートタイムトラベラー』のコリン・トレヴォロウ。
ストーリー :
コスタリカ沖の島に建設された“ジュラシック・ワールド”は、本物の恐竜を身近に体験できるテーマパーク。安全な環境の中で、訪れた家族連れが様々な恐竜たちの動き回る様子を見て楽しんでいた。その全てを監督するのは、出世に意欲的な野心家のクレア(ブライス・ダラス・ハワード)。そこへ、彼女の2人の甥、16歳のザック(ニック・ロビンソン)と11歳のグレイ(タイ・シンプキンス)がやって来る。相手をする時間のないクレアは、甥たちにフリーパスを渡して自由に見学させる。恐竜たちを蘇らせたのは、遺伝学者ヘンリー・ウー博士(B・D・ウォン)。ジュラシック・ワールドの後援者で億万長者のサイモン・マスラニ(イルファン・カーン)の下で研究を続けていたが、パークをビジネスとして成功させるためには、リピーターを増やさなければならない。それには、毎年新しい種を創り出す必要があった。プレッシャーを感じたウー博士は、倫理上の一線を越えて遺伝子操作を行ってしまう。それは、史上初の遺伝子組み換え恐竜の誕生だった。秘密裏に誕生した大型恐竜インドミナス・レックスの性質は謎に包まれており、遺伝子構造に関するデータも機密情報として扱われ、隔離状態で飼育されていた。その生態と安全性を確認するため、クレアはメイン・パークから離れた研究施設に勤務する恐竜行動学のエキスパートで元軍人のオーウェン(クリス・プラット)を訪ねる。そこへ、インドミナス・レックスが逃亡し、ジャングルの奥深くへ姿を消したとの連絡が。それは、恐竜も人間も、パーク内の生き物すべてが危険に直面したことを意味した。2人の甥の身を案じるクレア。彼らは周囲360度が見渡せるアトラクション“ジャイロスフィア”に乗って恐竜の間を回っているのだ。パニック状態の中、救出に向かうオーウェンとクレア。他の恐竜たちも逃げ出し、安全な場所が失われたパークに残された人々の運命は…。
▼予告編
▼第2弾予告編
作品データ :
原題 JURASSIC WORLD
製作年 2015年
製作国 アメリカ
配給 東宝東和
上映時間 125分
現代に甦った恐竜たちの恐怖を描く、スティーヴン・スピルバーグ製作によるアクション・アドベンチャーシリーズの第4弾。ついに完成した恐竜たちの生態が楽しめるテーマパーク“ジュラシック・ワールド”を舞台に、秘密裏に行なわれていた研究によって生み出された新種の恐竜が暴れ出し、人々を恐怖に陥れる様が描かれる。主演は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のクリス・プラット、共演にブライス・ダラス・ハワード。監督は『彼女はパートタイムトラベラー』のコリン・トレヴォロウ。
ストーリー :
コスタリカ沖の島に建設された“ジュラシック・ワールド”は、本物の恐竜を身近に体験できるテーマパーク。安全な環境の中で、訪れた家族連れが様々な恐竜たちの動き回る様子を見て楽しんでいた。その全てを監督するのは、出世に意欲的な野心家のクレア(ブライス・ダラス・ハワード)。そこへ、彼女の2人の甥、16歳のザック(ニック・ロビンソン)と11歳のグレイ(タイ・シンプキンス)がやって来る。相手をする時間のないクレアは、甥たちにフリーパスを渡して自由に見学させる。恐竜たちを蘇らせたのは、遺伝学者ヘンリー・ウー博士(B・D・ウォン)。ジュラシック・ワールドの後援者で億万長者のサイモン・マスラニ(イルファン・カーン)の下で研究を続けていたが、パークをビジネスとして成功させるためには、リピーターを増やさなければならない。それには、毎年新しい種を創り出す必要があった。プレッシャーを感じたウー博士は、倫理上の一線を越えて遺伝子操作を行ってしまう。それは、史上初の遺伝子組み換え恐竜の誕生だった。秘密裏に誕生した大型恐竜インドミナス・レックスの性質は謎に包まれており、遺伝子構造に関するデータも機密情報として扱われ、隔離状態で飼育されていた。その生態と安全性を確認するため、クレアはメイン・パークから離れた研究施設に勤務する恐竜行動学のエキスパートで元軍人のオーウェン(クリス・プラット)を訪ねる。そこへ、インドミナス・レックスが逃亡し、ジャングルの奥深くへ姿を消したとの連絡が。それは、恐竜も人間も、パーク内の生き物すべてが危険に直面したことを意味した。2人の甥の身を案じるクレア。彼らは周囲360度が見渡せるアトラクション“ジャイロスフィア”に乗って恐竜の間を回っているのだ。パニック状態の中、救出に向かうオーウェンとクレア。他の恐竜たちも逃げ出し、安全な場所が失われたパークに残された人々の運命は…。
▼予告編
▼第2弾予告編
2015年8月7日(金)吉祥寺オデヲン(東京都武蔵野市吉祥寺南町2-3-16、JR吉祥寺駅東口徒歩1分)で、15:50~鑑賞。
作品データ :
原題 MISSION:IMPOSSIBLE - ROGUE NATION
製作年 2015年
製作国 アメリカ
配給 パラマウント ピクチャーズ ジャパン
上映時間 132分
スパイ組織“IMF”のスゴ腕エージェント、イーサン・ハントの活躍を描くトム・クルーズ主演のスパイ・アクションのシリーズ第5弾。IMF壊滅を目論む組織“シンジケート”との戦いが繰り広げられ、今回もクルーズが体を張った命がけのアクションを披露。共演は、ジェレミー・レナー、サイモン・ペッグ、アレック・ボールドウィンら。監督は『アウトロー』でもクルーズとコンビを組んだクリストファー・マッカリー。
ストーリー :
IMFのベテランエージェントであるイーサン・ハント(トム・クルーズ)は、謎の犯罪組織「シンジケート」の正体を探るため調査を進めていた。そんなある日、イーサンは指令を受けるためにIMFのロンドン本部を訪れるが、そこはすでに「シンジケート」の手に落ちており、イーサンは敵の罠にかかってしまう。拘束されたイーサンは拷問を受けるが、謎の美女イルサ(レベッカ・ファーガソン)によって命を救われる。イルサは自身の目的を告げぬまま、イーサンの脱出を手助けする。一方その頃、CIA長官アラン・ハンリー(アレック・ボールドウィン)の進言により、IMFは政府から解体を命じられてしまう。しかも、過去に数々の騒動に関わっていたイーサンは、CIAによる国際手配を受けてしまう。
それから6か月後、IMFの元メンバーはハンリーの監視を受けながら、それぞれCIAから与えられた任務をこなしていた。だが、イーサンだけはCIAから身を隠しながら、独自に「シンジケート」を追い続けていた。「シンジケート」とは、死んだと思われている各国のスパイたちが集まってできた「ならずもの国家」であると突き止めたイーサンだったが、一人ではその陰謀を食い止めることはできず、仲間のベンジー(サイモン・ペグ)に協力を依頼する。イーサンはベンジーと共に「シンジケート」の作戦を食い止めようと奔走するが、そこでイルサとの再会を果たす。イルサの正体を「シンジケート」に潜入中のイギリスの諜報員だと見破ったイーサンだったが、敵の作戦を阻止することはできず、オーストリア首相の暗殺を許してしまう。
イルサから「シンジケート」のボスであるソロモン・レーン(ショーン・ハリス)の極秘情報が入力されたデータファイルが、モロッコの発電所の地下にある極秘施設に眠っていることを知らされたイーサンは、それを敵よりも早く入手するために再び危険なミッションへと挑む…。
▼予告編
▼大迫力のカーアクション・メイキング映像(WHY DO THE STUNTS LOOK REAL?BECAUSE THEY ARE REAL) :
作品データ :
原題 MISSION:IMPOSSIBLE - ROGUE NATION
製作年 2015年
製作国 アメリカ
配給 パラマウント ピクチャーズ ジャパン
上映時間 132分
スパイ組織“IMF”のスゴ腕エージェント、イーサン・ハントの活躍を描くトム・クルーズ主演のスパイ・アクションのシリーズ第5弾。IMF壊滅を目論む組織“シンジケート”との戦いが繰り広げられ、今回もクルーズが体を張った命がけのアクションを披露。共演は、ジェレミー・レナー、サイモン・ペッグ、アレック・ボールドウィンら。監督は『アウトロー』でもクルーズとコンビを組んだクリストファー・マッカリー。
ストーリー :
IMFのベテランエージェントであるイーサン・ハント(トム・クルーズ)は、謎の犯罪組織「シンジケート」の正体を探るため調査を進めていた。そんなある日、イーサンは指令を受けるためにIMFのロンドン本部を訪れるが、そこはすでに「シンジケート」の手に落ちており、イーサンは敵の罠にかかってしまう。拘束されたイーサンは拷問を受けるが、謎の美女イルサ(レベッカ・ファーガソン)によって命を救われる。イルサは自身の目的を告げぬまま、イーサンの脱出を手助けする。一方その頃、CIA長官アラン・ハンリー(アレック・ボールドウィン)の進言により、IMFは政府から解体を命じられてしまう。しかも、過去に数々の騒動に関わっていたイーサンは、CIAによる国際手配を受けてしまう。
それから6か月後、IMFの元メンバーはハンリーの監視を受けながら、それぞれCIAから与えられた任務をこなしていた。だが、イーサンだけはCIAから身を隠しながら、独自に「シンジケート」を追い続けていた。「シンジケート」とは、死んだと思われている各国のスパイたちが集まってできた「ならずもの国家」であると突き止めたイーサンだったが、一人ではその陰謀を食い止めることはできず、仲間のベンジー(サイモン・ペグ)に協力を依頼する。イーサンはベンジーと共に「シンジケート」の作戦を食い止めようと奔走するが、そこでイルサとの再会を果たす。イルサの正体を「シンジケート」に潜入中のイギリスの諜報員だと見破ったイーサンだったが、敵の作戦を阻止することはできず、オーストリア首相の暗殺を許してしまう。
イルサから「シンジケート」のボスであるソロモン・レーン(ショーン・ハリス)の極秘情報が入力されたデータファイルが、モロッコの発電所の地下にある極秘施設に眠っていることを知らされたイーサンは、それを敵よりも早く入手するために再び危険なミッションへと挑む…。
▼予告編
▼大迫力のカーアクション・メイキング映像(WHY DO THE STUNTS LOOK REAL?BECAUSE THEY ARE REAL) :
2015年7月21日(火)TOHOシネマズ日劇(東京都千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン内、JR「有楽町駅」中央口・銀座口より徒歩3分)で、19:15~鑑賞。
作品データ :
原題 TERMINATOR:GENISYS
製作年 2015年
製作国 アメリカ
配給 パラマウント ピクチャーズ ジャパン
上映時間 126分
人類抹殺を狙う殺人ロボット、ターミネーターと人間たちとの戦いを描いた人気SFアクションシリーズ『ターミネーター』。ターミネーター役のアーノルド・シュワルツェネッガー以外のキャストを一新し、シリーズ第一作、第二作をベースにした新たな物語がつづられる。監督は『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』のアラン・テイラー。
ストーリー :
2029年、ロサンゼルス。1997年の「審判の日」から30年以上に渡る人類とスカイネット率いる殺人機械軍との戦いは、「未来を知る男」ジョン・コナー(ジェイソン・クラーク)に率いられた人類側の勝利に終わった。
窮地に陥ったスカイネットは、ジョンの母親サラ・コナー(エミリア・クラーク)を殺害することで彼の存在自体を抹消すべく、タイムマシンでターミネーターT-800を1984年に送り込む。人類側もサラ殺害を阻止するため、ジョンの右腕カイル・リース(ジェイ・コートニー)が過去への旅を志願する。
しかしタイムトラベルの瞬間、カイルはジョンが何者かに背後から襲われるのを目撃して、転移する。そして転移中、「スカイネットはジェニシス」「審判の日は2017年」といった謎の光景を見る。
1984年に到達したカイルを待っていたのは、液体金属ターミネーターT-1000(イ・ビョンホン)の襲撃だった。予想外の窮地へ追い込まれたカイルを助けたのは、屈強な女戦士となっていたサラと、彼女に「おじさん」と呼ばれる中年姿のT-800(アーノルド・シュワルツェネッガー)だった。サラは幼少時にT-1000の襲撃によって両親を失い、彼女を護るべく何者かが派遣した「おじさん」の保護と教育を受けてきたという。そして、スカイネットから送り込まれていた青年姿のT-800も、サラと「おじさん」によって倒されていた。
カイルは自分がジョンから聞いていた過去と違うことに戸惑いつつも、追撃してきたT-1000を倒す。そこでサラが、タイムマシンを製作していたことをカイルに明かす。彼女は青年姿のT-800の頭脳から摘出したチップを使い、「審判の日」の起こる1997年にタイムトラベルしてスカイネットを起動直前に破壊しようと考えていた。
だが、それに違和感を覚えたカイルは、謎の光景の事を伝える。「おじさん」によれば、謎の光景は「別の時間軸の記憶」であると告げられ、カイルはそこで見た2017年へタイムトラベルすることを主張する。サラを説得し、T-1000との戦闘で生体組織を損傷してタイムトラベルできなくなっていた「おじさん」を残し、二人は2017年に向かう。
2017年に到達したサラとカイルは警官に逮捕され、病院へ連行される。そこで「ジェニシス」がサイバーダイン社のダイソン父子が開発した全てのコンピュータデバイスを結びつけるシステムであること、その起動=新たな「審判の日」が間近であることを知る。
そこへ2029年からやってきたジョン・コナーが現れる。二人はジョンがこの場にいることに疑問を覚えつつも、病院からの脱走を始める。そこに生体組織が老化して初老姿のT-800「おじさん」が合流する。だが、彼は突然ジョンを銃撃する。
驚くサラとカイルの前で、ジョンは何事も無かったかのように立ち上がると、自らがスカイネットによって新型ターミネーターT-3000へ改造されたことや、カイルとサラだけを残して他の人類は抹殺することを告白する。
「おじさん」は病院内でT-3000と戦い、彼の弱点である磁力を利用して撃退に成功する。なんとか危機を脱したサラとカイルと「おじさん」は、人工知能ジェニシスを破壊すべく、サイバーダイン社へ向かう。
サイバーダイン社内に着くも、そこにT-3000が先回りしており、ジェニシス稼働のカウントダウンを早める。サラたちは爆弾を仕掛け、爆破しようとする。だが、T-3000の邪魔立てにより爆破できず、両者睨み合いの状態となる。
サラたちは強力な磁場を発生させ、T-3000を破壊する。そして遂に、ジェニシスを爆破し、施設を壊滅に追い込んだ。
その後、サラ・カイル・「おじさん」は 、12歳であったカイルを訪ねる。そして、カイルは子供時代の自分に「スカイネットはジェニシス」と繰り返し伝え、ジェニシスの脅威について教える。
サラは未来が救われたことに安堵し、カイルにキスをする。だが、カイルはまだ安心はできないと呟く。
瓦礫と化したサイバーダイン社の中で、地下室に隠された状態のジェニシスのコアが存在していた。スカイネットのアバターは、そのコアを見つめ、再起動の機会を伺っているのだった。
▼予告編
▼第2弾予告編
■私感 :
ターミネーターシリーズの第一作『ターミネーター』(原題: The Terminator、1984年、ジェームズ・キャメロン監督)
→第二作『ターミネーター2』(1991年、ジェームズ・キャメロン監督)
→第三作『ターミネーター3』(2003年、ジョナサン・モストウ監督)
→第四作『ターミネーター4』(2009年、マックG監督)。
私はこれまでに、この4作すべてを鑑賞済み。
第一作は殺人アンドロイドのT-800を演じたボディビル出身の俳優アーノルド・シュワルツェネッガーを一躍スターダムに押し上げた作品。
第一作と第二作は、今なお世評も高いSF映画の金字塔!
しかし、第三作と第四作は凡作だ…。
私は今作(第五作)を観終えてから、改めて第一作→第二作の様々なシーンを懐かしく次から次へと思い出したものだった。
その思い出を偲ぶよすがとして、その第一作→第二作のストーリーを概観しておこう。
・第一作『ターミネーター』ストーリー :
2029年の近未来。反乱を起こした人工知能スカイネットが指揮する機械軍により絶滅の危機を迎えていた人類だが、抵抗軍指導者であるジョン・コナーの指揮下、反撃に転じた。脅威を感じたスカイネットは、未来から現代へ殺人アンドロイド「ターミネーターT-800」(アーノルド・シュワルツェネッガー)を送り込み、ジョンの母親サラ・コナー(リンダ・ハミルトン)を殺害することでジョンを歴史から抹消しようと目論む。同じ頃、抵抗軍からも兵士カイル・リース(マイケル・ビーン)が、サラの護衛という使命を帯びて未来から送り込まれた。人類の命運を分ける戦いが、1984年5月12日木曜日のロサンゼルスで始まる。
手始めにT-800ターミネーターはサラの居場所を割り出そうとするが、情報にあるのは、「サラ・コナー」という名前と「ロサンゼルス」という住所だけであったため、同姓同名の女性を片っ端から殺し始めていく。その後、サラの友人を殺害し、偶然にもサラの顔と声の情報を入手、遂に居場所を突き止め、殺害を実行しようと銃口を向けるが、探していたカイルが間一髪で阻止し、2人で逃走。事態が飲み込めず怯えるサラに、カイルは「襲撃者はロボットであり、サラを殺害するために未来から送り込まれ、彼女が死ぬまで狙い続けること」「カイルはまだ見ぬサラの息子(ジョン・コナー)の指示により、彼女を守るために現代へやってきたこと」を告げる。
カイルを疑っていたが、やがて心を開くサラ。T-800から逃れるうちに互いへの愛を抱くようになった2人は、モーテルで結ばれた。
休息も束の間、更なる追撃を受けるサラたち。T-800の運転する大型タンクローリーに対し、満足な武器もなく、手製のダイナマイトでの応戦を余儀なくされるカイルだったが、タンクローリーの隙間にダイナマイトを入れて爆破、T-800を炎上させる事に成功する。しかし、燃えたのは表面の生体細胞と服だけだった。T-800は炎上する車の残骸から、超合金製の骨格を露わにした姿で立ち上がり、更に追いかけてくる。サラと共に近くの工場へ逃げ込んだカイルは、再びT-800の爆破に成功したものの力尽き、サラも片足に重傷を負う。カイルの死を嘆くサラに、上半身だけとなってなおも迫るT-800。サラはT-800をプレス機に誘導して押し潰し、遂に完全に破壊した。
数か月後の11月10日、カイルとの子ジョンを宿したサラは、やがて訪れる「審判の日」へ向けての戦いを決意し、旅立つ。
だが、工場に残されたターミネーターの無傷の右腕と破損したチップは極秘に回収され、やがてスカイネットの誕生につながるのだった。
・第二作『ターミネーター2』ストーリー :
1994年/1995年のロサンゼルス。10年前のサラ・コナー(リンダ・ハミルトン)とターミネーターの死闘を知る者は無く、近未来に起こるスカイネットとの戦争を口にするサラは精神病患者として警察病院へ収監され、カイル・リースとの間に生まれた息子のジョン・コナー(エドワード・ファーロング)は養父母の下に引き取られていた。
ある日、時空を超えて再び2体のターミネーターが送り込まれる。1体は10年前と同モデルのT-800型(アーノルド・シュワルツェネッガー)、もう1体は変形自在の液体金属で構成された最新モデルT-1000型(ロバート・パトリック)。2体はそれぞれ共通の目標であるジョンを捜索し、ほぼ同時に発見する。襲いかかるT-1000からジョンを救ったのは、かつてサラを襲ったT-800だった。
T-1000の追撃を振り切った後、T-800は未来のジョンが過去の自分を護るためにT-800を再プログラムしてこの時代へ送り込んだことを告げる。T-800の出現によりサラの話が真実であることを知ったジョンは、T-1000の次の標的であるサラの救出に向かう。
辛くもサラを保護してT-1000から逃れた一行は、メキシコ方面への逃亡を図る。かつて殺されかけたターミネーターと同型のT-800にサラは疑念を拭えなかったが、やがてこの忠実な殺人機械こそがジョンの絶対的な保護者としてふさわしい存在であることを悟る。
T-800から、スカイネット誕生に繋がるコンピュータ素子を開発することになるサイバーダイン社の技術者マイルズ・ダイソン(ジョー・モートン)の存在を知らされたサラは、戦争を阻止すべく単身でダイソン宅に侵入して彼の殺害を試みるが、傷つけられてなお妻子と庇い合うダイソンの姿に思い留まった。サラを追って来たジョンたちはダイソン夫妻に全てを話し、彼の研究がサラに破壊された最初のターミネーターの残骸に基づいていることを知る。
因果の輪を断ち切るべく、一同はマイルズを伴ってサイバーダイン社へ侵入。警官隊に包囲された中、マイルズの犠牲により研究の全てを破壊するが、逃亡する一同の背後にはT-1000が迫っていた。
逃亡の末、製鉄所でT-800はT-1000との最後の対決に挑む。T-1000は液体窒素での冷凍を経てバラバラにしたが、直ぐに再生してしまう。T-1000の脅威的な猛攻の前に一度は動力源を破損し、機能停止するT-800だったが、予備電源により再戦し、M79 グレネードランチャーを撃ち込み、溶鉱炉へ転落させることで、ようやくT-1000の破壊に成功した。
T-1000は消滅したものの、サイバーダイン社で破壊したプロセッサと同じものがT-800にも内蔵されているため、彼は自身を溶鉱炉へ沈ませて「消滅」させることをサラとジョンに求める。だが二人にとって、もはやT-800は単なる「機械」という存在をはるかに超えていた。泣き叫ぶジョンの姿を目の当たりにしたT-800は、初めて人間の感情と生命の尊厳を理解する。二人と別れの抱擁と握手を交わした後、彼が溶鉱炉へ沈みながら最後に見せたのは、メキシコでジョンに教えられたサムズアップであった。
不確定な未来の闇に対し、サラは殺人機械ターミネーターが生命の価値を学べた事実に希望の光を見出すのだった。
▼ジェームズ・キャメロン、ターミネーター最新作を絶賛:
作品データ :
原題 TERMINATOR:GENISYS
製作年 2015年
製作国 アメリカ
配給 パラマウント ピクチャーズ ジャパン
上映時間 126分
人類抹殺を狙う殺人ロボット、ターミネーターと人間たちとの戦いを描いた人気SFアクションシリーズ『ターミネーター』。ターミネーター役のアーノルド・シュワルツェネッガー以外のキャストを一新し、シリーズ第一作、第二作をベースにした新たな物語がつづられる。監督は『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』のアラン・テイラー。
ストーリー :
2029年、ロサンゼルス。1997年の「審判の日」から30年以上に渡る人類とスカイネット率いる殺人機械軍との戦いは、「未来を知る男」ジョン・コナー(ジェイソン・クラーク)に率いられた人類側の勝利に終わった。
窮地に陥ったスカイネットは、ジョンの母親サラ・コナー(エミリア・クラーク)を殺害することで彼の存在自体を抹消すべく、タイムマシンでターミネーターT-800を1984年に送り込む。人類側もサラ殺害を阻止するため、ジョンの右腕カイル・リース(ジェイ・コートニー)が過去への旅を志願する。
しかしタイムトラベルの瞬間、カイルはジョンが何者かに背後から襲われるのを目撃して、転移する。そして転移中、「スカイネットはジェニシス」「審判の日は2017年」といった謎の光景を見る。
1984年に到達したカイルを待っていたのは、液体金属ターミネーターT-1000(イ・ビョンホン)の襲撃だった。予想外の窮地へ追い込まれたカイルを助けたのは、屈強な女戦士となっていたサラと、彼女に「おじさん」と呼ばれる中年姿のT-800(アーノルド・シュワルツェネッガー)だった。サラは幼少時にT-1000の襲撃によって両親を失い、彼女を護るべく何者かが派遣した「おじさん」の保護と教育を受けてきたという。そして、スカイネットから送り込まれていた青年姿のT-800も、サラと「おじさん」によって倒されていた。
カイルは自分がジョンから聞いていた過去と違うことに戸惑いつつも、追撃してきたT-1000を倒す。そこでサラが、タイムマシンを製作していたことをカイルに明かす。彼女は青年姿のT-800の頭脳から摘出したチップを使い、「審判の日」の起こる1997年にタイムトラベルしてスカイネットを起動直前に破壊しようと考えていた。
だが、それに違和感を覚えたカイルは、謎の光景の事を伝える。「おじさん」によれば、謎の光景は「別の時間軸の記憶」であると告げられ、カイルはそこで見た2017年へタイムトラベルすることを主張する。サラを説得し、T-1000との戦闘で生体組織を損傷してタイムトラベルできなくなっていた「おじさん」を残し、二人は2017年に向かう。
2017年に到達したサラとカイルは警官に逮捕され、病院へ連行される。そこで「ジェニシス」がサイバーダイン社のダイソン父子が開発した全てのコンピュータデバイスを結びつけるシステムであること、その起動=新たな「審判の日」が間近であることを知る。
そこへ2029年からやってきたジョン・コナーが現れる。二人はジョンがこの場にいることに疑問を覚えつつも、病院からの脱走を始める。そこに生体組織が老化して初老姿のT-800「おじさん」が合流する。だが、彼は突然ジョンを銃撃する。
驚くサラとカイルの前で、ジョンは何事も無かったかのように立ち上がると、自らがスカイネットによって新型ターミネーターT-3000へ改造されたことや、カイルとサラだけを残して他の人類は抹殺することを告白する。
「おじさん」は病院内でT-3000と戦い、彼の弱点である磁力を利用して撃退に成功する。なんとか危機を脱したサラとカイルと「おじさん」は、人工知能ジェニシスを破壊すべく、サイバーダイン社へ向かう。
サイバーダイン社内に着くも、そこにT-3000が先回りしており、ジェニシス稼働のカウントダウンを早める。サラたちは爆弾を仕掛け、爆破しようとする。だが、T-3000の邪魔立てにより爆破できず、両者睨み合いの状態となる。
サラたちは強力な磁場を発生させ、T-3000を破壊する。そして遂に、ジェニシスを爆破し、施設を壊滅に追い込んだ。
その後、サラ・カイル・「おじさん」は 、12歳であったカイルを訪ねる。そして、カイルは子供時代の自分に「スカイネットはジェニシス」と繰り返し伝え、ジェニシスの脅威について教える。
サラは未来が救われたことに安堵し、カイルにキスをする。だが、カイルはまだ安心はできないと呟く。
瓦礫と化したサイバーダイン社の中で、地下室に隠された状態のジェニシスのコアが存在していた。スカイネットのアバターは、そのコアを見つめ、再起動の機会を伺っているのだった。
▼予告編
▼第2弾予告編
■私感 :
ターミネーターシリーズの第一作『ターミネーター』(原題: The Terminator、1984年、ジェームズ・キャメロン監督)
→第二作『ターミネーター2』(1991年、ジェームズ・キャメロン監督)
→第三作『ターミネーター3』(2003年、ジョナサン・モストウ監督)
→第四作『ターミネーター4』(2009年、マックG監督)。
私はこれまでに、この4作すべてを鑑賞済み。
第一作は殺人アンドロイドのT-800を演じたボディビル出身の俳優アーノルド・シュワルツェネッガーを一躍スターダムに押し上げた作品。
第一作と第二作は、今なお世評も高いSF映画の金字塔!
しかし、第三作と第四作は凡作だ…。
私は今作(第五作)を観終えてから、改めて第一作→第二作の様々なシーンを懐かしく次から次へと思い出したものだった。
その思い出を偲ぶよすがとして、その第一作→第二作のストーリーを概観しておこう。
・第一作『ターミネーター』ストーリー :
2029年の近未来。反乱を起こした人工知能スカイネットが指揮する機械軍により絶滅の危機を迎えていた人類だが、抵抗軍指導者であるジョン・コナーの指揮下、反撃に転じた。脅威を感じたスカイネットは、未来から現代へ殺人アンドロイド「ターミネーターT-800」(アーノルド・シュワルツェネッガー)を送り込み、ジョンの母親サラ・コナー(リンダ・ハミルトン)を殺害することでジョンを歴史から抹消しようと目論む。同じ頃、抵抗軍からも兵士カイル・リース(マイケル・ビーン)が、サラの護衛という使命を帯びて未来から送り込まれた。人類の命運を分ける戦いが、1984年5月12日木曜日のロサンゼルスで始まる。
手始めにT-800ターミネーターはサラの居場所を割り出そうとするが、情報にあるのは、「サラ・コナー」という名前と「ロサンゼルス」という住所だけであったため、同姓同名の女性を片っ端から殺し始めていく。その後、サラの友人を殺害し、偶然にもサラの顔と声の情報を入手、遂に居場所を突き止め、殺害を実行しようと銃口を向けるが、探していたカイルが間一髪で阻止し、2人で逃走。事態が飲み込めず怯えるサラに、カイルは「襲撃者はロボットであり、サラを殺害するために未来から送り込まれ、彼女が死ぬまで狙い続けること」「カイルはまだ見ぬサラの息子(ジョン・コナー)の指示により、彼女を守るために現代へやってきたこと」を告げる。
カイルを疑っていたが、やがて心を開くサラ。T-800から逃れるうちに互いへの愛を抱くようになった2人は、モーテルで結ばれた。
休息も束の間、更なる追撃を受けるサラたち。T-800の運転する大型タンクローリーに対し、満足な武器もなく、手製のダイナマイトでの応戦を余儀なくされるカイルだったが、タンクローリーの隙間にダイナマイトを入れて爆破、T-800を炎上させる事に成功する。しかし、燃えたのは表面の生体細胞と服だけだった。T-800は炎上する車の残骸から、超合金製の骨格を露わにした姿で立ち上がり、更に追いかけてくる。サラと共に近くの工場へ逃げ込んだカイルは、再びT-800の爆破に成功したものの力尽き、サラも片足に重傷を負う。カイルの死を嘆くサラに、上半身だけとなってなおも迫るT-800。サラはT-800をプレス機に誘導して押し潰し、遂に完全に破壊した。
数か月後の11月10日、カイルとの子ジョンを宿したサラは、やがて訪れる「審判の日」へ向けての戦いを決意し、旅立つ。
だが、工場に残されたターミネーターの無傷の右腕と破損したチップは極秘に回収され、やがてスカイネットの誕生につながるのだった。
・第二作『ターミネーター2』ストーリー :
1994年/1995年のロサンゼルス。10年前のサラ・コナー(リンダ・ハミルトン)とターミネーターの死闘を知る者は無く、近未来に起こるスカイネットとの戦争を口にするサラは精神病患者として警察病院へ収監され、カイル・リースとの間に生まれた息子のジョン・コナー(エドワード・ファーロング)は養父母の下に引き取られていた。
ある日、時空を超えて再び2体のターミネーターが送り込まれる。1体は10年前と同モデルのT-800型(アーノルド・シュワルツェネッガー)、もう1体は変形自在の液体金属で構成された最新モデルT-1000型(ロバート・パトリック)。2体はそれぞれ共通の目標であるジョンを捜索し、ほぼ同時に発見する。襲いかかるT-1000からジョンを救ったのは、かつてサラを襲ったT-800だった。
T-1000の追撃を振り切った後、T-800は未来のジョンが過去の自分を護るためにT-800を再プログラムしてこの時代へ送り込んだことを告げる。T-800の出現によりサラの話が真実であることを知ったジョンは、T-1000の次の標的であるサラの救出に向かう。
辛くもサラを保護してT-1000から逃れた一行は、メキシコ方面への逃亡を図る。かつて殺されかけたターミネーターと同型のT-800にサラは疑念を拭えなかったが、やがてこの忠実な殺人機械こそがジョンの絶対的な保護者としてふさわしい存在であることを悟る。
T-800から、スカイネット誕生に繋がるコンピュータ素子を開発することになるサイバーダイン社の技術者マイルズ・ダイソン(ジョー・モートン)の存在を知らされたサラは、戦争を阻止すべく単身でダイソン宅に侵入して彼の殺害を試みるが、傷つけられてなお妻子と庇い合うダイソンの姿に思い留まった。サラを追って来たジョンたちはダイソン夫妻に全てを話し、彼の研究がサラに破壊された最初のターミネーターの残骸に基づいていることを知る。
因果の輪を断ち切るべく、一同はマイルズを伴ってサイバーダイン社へ侵入。警官隊に包囲された中、マイルズの犠牲により研究の全てを破壊するが、逃亡する一同の背後にはT-1000が迫っていた。
逃亡の末、製鉄所でT-800はT-1000との最後の対決に挑む。T-1000は液体窒素での冷凍を経てバラバラにしたが、直ぐに再生してしまう。T-1000の脅威的な猛攻の前に一度は動力源を破損し、機能停止するT-800だったが、予備電源により再戦し、M79 グレネードランチャーを撃ち込み、溶鉱炉へ転落させることで、ようやくT-1000の破壊に成功した。
T-1000は消滅したものの、サイバーダイン社で破壊したプロセッサと同じものがT-800にも内蔵されているため、彼は自身を溶鉱炉へ沈ませて「消滅」させることをサラとジョンに求める。だが二人にとって、もはやT-800は単なる「機械」という存在をはるかに超えていた。泣き叫ぶジョンの姿を目の当たりにしたT-800は、初めて人間の感情と生命の尊厳を理解する。二人と別れの抱擁と握手を交わした後、彼が溶鉱炉へ沈みながら最後に見せたのは、メキシコでジョンに教えられたサムズアップであった。
不確定な未来の闇に対し、サラは殺人機械ターミネーターが生命の価値を学べた事実に希望の光を見出すのだった。
▼ジェームズ・キャメロン、ターミネーター最新作を絶賛:
2015年7月21日(火)TOHOシネマズみゆき座(東京都千代田区有楽町1-1-3東京宝塚ビル地下2階、JR有楽町駅・日比谷口徒歩5分)で、16:00~ 鑑賞。
作品データ :
原題 CHILD44
製作年 2015年
製作国 アメリカ
配給 ギャガ
上映時間 137分
09年版「このミステリーがすごい!」海外編で第1位に輝いたトム・ロブ・スミスのミステリー小説『チャイルド44(Child 44)』を映画化。1950年代、犯罪なき理想国家を掲げるスターリン体制下のソ連で起きた、子供ばかりを狙った連続殺人事件と、その行方を追う捜査官の姿が描かれる。監督は『デンジャラス・ラン』のダニエル・エスピノーサ。
ストーリー :
1953年、スターリン独裁政権下にあったソビエト連邦で、9歳から14歳の子供たちの変死体が次々に見つかった。死体は一様に全裸で胃が摘出されており、さらに山間部であるのに溺死していると不審な点が多かったものの、理想国家を掲げる体制のもと犯罪は存在しないとされていたため、事故として扱われた。親友の息子が死に、秘密警察MGBの捜査官レオ(トム・ハーディ)は真相を追いはじめるが、国家の妨害に遭い妻(ノオミ・ラパス)には不当にスパイの嫌疑がかけられる…。
▼予告編
作品データ :
原題 CHILD44
製作年 2015年
製作国 アメリカ
配給 ギャガ
上映時間 137分
09年版「このミステリーがすごい!」海外編で第1位に輝いたトム・ロブ・スミスのミステリー小説『チャイルド44(Child 44)』を映画化。1950年代、犯罪なき理想国家を掲げるスターリン体制下のソ連で起きた、子供ばかりを狙った連続殺人事件と、その行方を追う捜査官の姿が描かれる。監督は『デンジャラス・ラン』のダニエル・エスピノーサ。
ストーリー :
1953年、スターリン独裁政権下にあったソビエト連邦で、9歳から14歳の子供たちの変死体が次々に見つかった。死体は一様に全裸で胃が摘出されており、さらに山間部であるのに溺死していると不審な点が多かったものの、理想国家を掲げる体制のもと犯罪は存在しないとされていたため、事故として扱われた。親友の息子が死に、秘密警察MGBの捜査官レオ(トム・ハーディ)は真相を追いはじめるが、国家の妨害に遭い妻(ノオミ・ラパス)には不当にスパイの嫌疑がかけられる…。
▼予告編
2015年4月22日(水)吉祥寺オデヲン(東京都武蔵野市吉祥寺南町2-3-16、JR吉祥寺駅東口徒歩1分)で、18:20~鑑賞。
作品データ :
原題 AVENGERS:AGE OF ULTRON
製作年 2015年
製作国 アメリカ
配給 ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
上映時間 141分
アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソーら人気ヒーローたちが集結し、未知なる敵に立ち向かう姿を描くアクション巨編の第2弾(続編)。"究極の平和”のために人類滅亡を企む人工知能ウルトロンに、最強のヒーローチーム“アベンジャーズ”が立ち向かう。双子の姉弟スカーレット・ウィッチ、クイックシルバーら新キャラクターも登場。監督・脚本は『エイリアン4』『トイ・ストーリー』の脚本を手がけたジョス・ウェドン 。
ストーリー :
アイアンマンとして人類の危機を何度も救ってきた実業家で発明家のトニー・スターク(ロバート・ダウニーJr.)は、アベンジャーズの限界を誰よりも知っていた。もし自分たちの手に負えない敵が現れた時、誰が愛する人を守るのか。そんな恐れを抱えていた彼は禁断の平和維持システム、人口知能“ウルトロン”を起動させる。だがそのウルトロンが選択する究極の平和とは、平和を脅かす唯一の存在=人類の抹消を意味するものであった…。人類滅亡の危機にアベンジャーズが再び結集。しかし、人知を超えたウルトロンを相手に彼らは為すすべもなく、苦しい闘いを強いられる…。
▼予告編
■私感 :
私は2012年8月16日(木)、TOHOシネマズ日劇で、
第1弾『アベンジャーズ』(原題:Marvel's The Avengers 、米国公開:2012年5月、ジョス・ウェドン監督)を鑑賞した。
○「アベンジャーズ」はマーベル・コミック刊行のアメリカン・コミックに登場するヒーローチームのこと。
『アベンジャーズ』第1弾および第2弾は、アメコミヒーロー総登場のアクション映画である。
私はあまり「ヒーロー祭り映画」が好きではない。
その種の、にぎにぎしい「お祭り映画」では、往々にして個々のヒーローが客寄せパンダに成り果て、大味な作風で山場がなく、観るに堪えない空疎な中身が丸見えになるからだ。
『アベンジャーズ』の場合も~ことごとく前作からパワーダウン化した第2弾はもとより、結構見せ場が多い第1弾にしても~、基本的にその弊を免れない。
しかし、そうは言っても、私という生来の映画好きにとって、この「お祭り感」のあるアクション大作は「お祭りカタルシス映画」には程遠いにせよ、それなりに楽しめる映画だった。
私は既にアイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ハルク…をそれぞれ主人公とする個別の作品の妙味を満喫していたためだろう、その主人公全員が一堂に顔を合わせる『アベンジャーズ』第1弾・第2弾を、物珍しそうに、ゆったりと余裕を持って、期待半分・冷やかし半分で、気ままに無理なく楽しめたのだった。
○私はこれまでに、「マーベル・シネマティック・ユニバース(Marvel Cinematic Universe)」(=マーベル・スタジオが製作するスーパーヒーロー映画作品が共有する架空世界)シリーズに属する、次の作品をすべて鑑賞した(cf.本ブログ〈March 03, 2015〉)。
『アイアンマン』(2008年、ジョン・ファヴロー監督)
→『インクレディブル・ハルク』(2008年、ルイ・レテリエ監督 )
→『アイアンマン2』(2010年、ジョン・ファヴロー監督)
→『マイティ・ソー』(2011年、ケネス・ブラナー監督)
→『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011年、ジョー・ジョンストン監督)
→『アベンジャーズ』(2012年)
→『アイアンマン3 』(2013年、シェーン・ブラック監督)
→『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2013年、アラン・テイラー監督)
→『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』2014年、ジョー&アンソニー・ルッソ監督)
→『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014年、ジェームズ・ガン監督)
→『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015年)
○『アベンジャーズ』→『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』に集結した、アメコミ界のスーパーヒーロー像を簡単に縁取っておく。
・アイアンマン(演:ロバートダウニーJr.)
本名はトニー・スターク。アメリカの巨大軍需企業CEO兼エンジニア。スーパーパワーを持たず、パワードスーツを装着して戦うのが特徴。日本でのキャッチコピーは「ありえないほど《天才》」。
・キャプテン・アメリカ(演:クリス・エヴァンス)
本名はスティーブ・ロジャース。マーベル・コミックのヒーローの中で最古参の1人。米国陸軍「超人兵士計画」で超人兵士血清を投与され強靭な肉体を手に入れた。日本でのキャッチコピーは「ありえないほど《正義》」。
・ソー(演:クリス・ヘムズワース)
神々の世界(北欧神話)であるアスガルドの王の子・次期王位継承者として生まれるが、その好戦的な性格からアスガルドを戦乱に巻き込んでしまったため地球へ追放された。高潔な心を持つ者だけが扱えるハンマー「ムジョルニア」を自在に操り、飛行能力や天候を操るスーパーパワーを持つ。日本でのキャッチコピーは「ありえないほど《豪快》」。
・ハルク(演:マーク・ラファロ)
本名はブルース・バナー。天才的な物理学者で、実験中に大量のガンマ線を浴びるという事故に遭遇。以来、怒りや憎しみの感情を抱くと緑色のモンスター、ハルクに巨人化する。日本でのキャッチコピーは「ありえないほど《豹変》」。
・ブラック・ウィドウ(演:スカーレット・ヨハンソン)
本名はナターシャ・ロマノフ。スーパーヒーローを管理する国家組織「S.H.I.E.L.D.」のスパイで、アベンジャーズ結成のために尽力し、自らもチームの一員として戦う。スーパーパワーはないが、スーパーソルジャー血清を打たれて、肉体や能力は人間の限界以上。日本でのキャッチコピーは「ありえないほど《妖艶》」。
・ホークアイ(演:ジェレミー・レナー):
本名はクリント・バートン。S.H.I.E.L.D.のエリート・エージェント。特殊な能力は持っていないが地上最強の射手として、鍛え上げられた弓と特製の矢で戦う。日本でのキャッチコピーは「ありえないほど《俊敏》」。
・ニック・フューリー(演:サミュエル・L・ジャクソン)
第二次世界大戦当時からの兵士で、老化防止血清により年をとらないがスーパーパワーはない。武器の有無問わず戦闘の専門家で、S.H.I.E.L.D.が開発した様々な諜報用のアイテムを使いこなす。日本でのキャッチコピーは「ありえないほど《凄腕》」。
○『アベンジャーズ』(第1弾、2012年)は、世界中で記録的な大ヒットを飛ばし(興行収入は北アメリカで6億2300万9272ドル、全世界で15億1859万4910ドルを記録)、その結果、『アバター』(2009年、ジェームズ・キャメロン監督、世界興収27億8800万ドル)、『タイタニック』(1997年、ジェームズ・キャメロン監督、世界興収18億3500万ドル)に次ぐ映画史上第3位という輝かしい記録を打ち立てた。
作品データ :
原題 AVENGERS:AGE OF ULTRON
製作年 2015年
製作国 アメリカ
配給 ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
上映時間 141分
アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソーら人気ヒーローたちが集結し、未知なる敵に立ち向かう姿を描くアクション巨編の第2弾(続編)。"究極の平和”のために人類滅亡を企む人工知能ウルトロンに、最強のヒーローチーム“アベンジャーズ”が立ち向かう。双子の姉弟スカーレット・ウィッチ、クイックシルバーら新キャラクターも登場。監督・脚本は『エイリアン4』『トイ・ストーリー』の脚本を手がけたジョス・ウェドン 。
ストーリー :
アイアンマンとして人類の危機を何度も救ってきた実業家で発明家のトニー・スターク(ロバート・ダウニーJr.)は、アベンジャーズの限界を誰よりも知っていた。もし自分たちの手に負えない敵が現れた時、誰が愛する人を守るのか。そんな恐れを抱えていた彼は禁断の平和維持システム、人口知能“ウルトロン”を起動させる。だがそのウルトロンが選択する究極の平和とは、平和を脅かす唯一の存在=人類の抹消を意味するものであった…。人類滅亡の危機にアベンジャーズが再び結集。しかし、人知を超えたウルトロンを相手に彼らは為すすべもなく、苦しい闘いを強いられる…。
▼予告編
■私感 :
私は2012年8月16日(木)、TOHOシネマズ日劇で、
第1弾『アベンジャーズ』(原題:Marvel's The Avengers 、米国公開:2012年5月、ジョス・ウェドン監督)を鑑賞した。
○「アベンジャーズ」はマーベル・コミック刊行のアメリカン・コミックに登場するヒーローチームのこと。
『アベンジャーズ』第1弾および第2弾は、アメコミヒーロー総登場のアクション映画である。
私はあまり「ヒーロー祭り映画」が好きではない。
その種の、にぎにぎしい「お祭り映画」では、往々にして個々のヒーローが客寄せパンダに成り果て、大味な作風で山場がなく、観るに堪えない空疎な中身が丸見えになるからだ。
『アベンジャーズ』の場合も~ことごとく前作からパワーダウン化した第2弾はもとより、結構見せ場が多い第1弾にしても~、基本的にその弊を免れない。
しかし、そうは言っても、私という生来の映画好きにとって、この「お祭り感」のあるアクション大作は「お祭りカタルシス映画」には程遠いにせよ、それなりに楽しめる映画だった。
私は既にアイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ハルク…をそれぞれ主人公とする個別の作品の妙味を満喫していたためだろう、その主人公全員が一堂に顔を合わせる『アベンジャーズ』第1弾・第2弾を、物珍しそうに、ゆったりと余裕を持って、期待半分・冷やかし半分で、気ままに無理なく楽しめたのだった。
○私はこれまでに、「マーベル・シネマティック・ユニバース(Marvel Cinematic Universe)」(=マーベル・スタジオが製作するスーパーヒーロー映画作品が共有する架空世界)シリーズに属する、次の作品をすべて鑑賞した(cf.本ブログ〈March 03, 2015〉)。
『アイアンマン』(2008年、ジョン・ファヴロー監督)
→『インクレディブル・ハルク』(2008年、ルイ・レテリエ監督 )
→『アイアンマン2』(2010年、ジョン・ファヴロー監督)
→『マイティ・ソー』(2011年、ケネス・ブラナー監督)
→『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011年、ジョー・ジョンストン監督)
→『アベンジャーズ』(2012年)
→『アイアンマン3 』(2013年、シェーン・ブラック監督)
→『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2013年、アラン・テイラー監督)
→『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』2014年、ジョー&アンソニー・ルッソ監督)
→『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014年、ジェームズ・ガン監督)
→『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015年)
○『アベンジャーズ』→『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』に集結した、アメコミ界のスーパーヒーロー像を簡単に縁取っておく。
・アイアンマン(演:ロバートダウニーJr.)
本名はトニー・スターク。アメリカの巨大軍需企業CEO兼エンジニア。スーパーパワーを持たず、パワードスーツを装着して戦うのが特徴。日本でのキャッチコピーは「ありえないほど《天才》」。
・キャプテン・アメリカ(演:クリス・エヴァンス)
本名はスティーブ・ロジャース。マーベル・コミックのヒーローの中で最古参の1人。米国陸軍「超人兵士計画」で超人兵士血清を投与され強靭な肉体を手に入れた。日本でのキャッチコピーは「ありえないほど《正義》」。
・ソー(演:クリス・ヘムズワース)
神々の世界(北欧神話)であるアスガルドの王の子・次期王位継承者として生まれるが、その好戦的な性格からアスガルドを戦乱に巻き込んでしまったため地球へ追放された。高潔な心を持つ者だけが扱えるハンマー「ムジョルニア」を自在に操り、飛行能力や天候を操るスーパーパワーを持つ。日本でのキャッチコピーは「ありえないほど《豪快》」。
・ハルク(演:マーク・ラファロ)
本名はブルース・バナー。天才的な物理学者で、実験中に大量のガンマ線を浴びるという事故に遭遇。以来、怒りや憎しみの感情を抱くと緑色のモンスター、ハルクに巨人化する。日本でのキャッチコピーは「ありえないほど《豹変》」。
・ブラック・ウィドウ(演:スカーレット・ヨハンソン)
本名はナターシャ・ロマノフ。スーパーヒーローを管理する国家組織「S.H.I.E.L.D.」のスパイで、アベンジャーズ結成のために尽力し、自らもチームの一員として戦う。スーパーパワーはないが、スーパーソルジャー血清を打たれて、肉体や能力は人間の限界以上。日本でのキャッチコピーは「ありえないほど《妖艶》」。
・ホークアイ(演:ジェレミー・レナー):
本名はクリント・バートン。S.H.I.E.L.D.のエリート・エージェント。特殊な能力は持っていないが地上最強の射手として、鍛え上げられた弓と特製の矢で戦う。日本でのキャッチコピーは「ありえないほど《俊敏》」。
・ニック・フューリー(演:サミュエル・L・ジャクソン)
第二次世界大戦当時からの兵士で、老化防止血清により年をとらないがスーパーパワーはない。武器の有無問わず戦闘の専門家で、S.H.I.E.L.D.が開発した様々な諜報用のアイテムを使いこなす。日本でのキャッチコピーは「ありえないほど《凄腕》」。
○『アベンジャーズ』(第1弾、2012年)は、世界中で記録的な大ヒットを飛ばし(興行収入は北アメリカで6億2300万9272ドル、全世界で15億1859万4910ドルを記録)、その結果、『アバター』(2009年、ジェームズ・キャメロン監督、世界興収27億8800万ドル)、『タイタニック』(1997年、ジェームズ・キャメロン監督、世界興収18億3500万ドル)に次ぐ映画史上第3位という輝かしい記録を打ち立てた。