
作品データ :
製作年 1966年
製作国 日本
配給 日活
上映時間 95分
劇場初公開日 1966年12月10日
1957年に公開された石原裕次郎主演の大ヒット作『嵐を呼ぶ男』を渡哲也主演でリメイク。場末で流しのドラマーをしている若者がトップにのし上がっていくさまを、業界の裏側とともに描く。監督は『上を向いて歩こう』(1962年)の舛田利雄。キャスティングでは弟役の藤竜也、相手役の芦川いづみが、共にみずみずしい演技を披露している。
ストーリー :
“福島慎介(杉江弘)クインテット”のドラマー、チャーリー桜田(山田真二)は、華麗な演奏と美貌で人気の的だった。慎介の妹で楽団のマネージャー美弥(芦川いづみ)は、チャーリーと結ばれた仲だったが、チャーリーの浮気にほとほと愛想を尽かしていた。美弥はある日、場末の三流小屋で見つけた国分正一(渡哲也)の、粗けずりのドラムに現代の息吹を感じた。鍛えたらきっと物になると美弥の直感が働く。偶然、チャーリーはTVの出演に穴をあけた。美弥は正一を無理失理引っ張ってきてその穴埋めとした。これは意外にも大成功で、音楽評論家の左京(内田稔)も正一のスティックさばきを激賞した。怒ったチャーリーは退団し、“持永(藤岡重慶)プロ”に走った。正一はジョカーズに引き抜かれ猛烈な練習を強いられたが、正一はよくそれに耐えた。正一の腕はめきめきと上がっていく。美弥を狙う左京は、正一が美弥と左京の仲を取り持つことを条件に、正一の売出し記事を書き出し、そして日本一を争って、チャーリーと正一のドラム合戦を計画した。ところが、その前の晩、酔った正一はチャーリーと踊り子メリー(殿岡ハツエ)を争って、チャーリーの用心棒と喧嘩し、右手をケガしてしまった。翌日、超満員の観客を前に、二人はドラムを叩きまくった。しかし、右手の利かない正一は、次第に押されて劣勢に立ちはじめる。と、いきなり正一はマイクをつかむと唄い出した。「俺等(おいら)はドラマー、やくざなドラマー…」 そのやけっぱちな力強い唄は、完全に観客の心をつかんだ。歌うドラマー正一は、日本一となった。彼の弟・英次(藤竜也)は、大学に通いながらレーサーを夢みていた。だが、母親で教師の貞子(山岡久乃)は、やくざな正一を嫌い、英次に希みをかけていた。ドラマーとして日本一の正一を尊敬する英次は、大学を断念、プロレーサーに転向した。その弟のことを知った左京は、美弥を早く取り持たないと弟をレースに出られないようにすると正一を脅迫してきた。しかし、左京を嫌いぬく美弥の心を知った正一は、その申し出を断わった。左京は怒って正一に呼び出しをかける。今は、美弥を愛する正一は、チャーリーと手を組む左京の挑戦に堂々と向かって行くのだった…。
▼本編映像 :