映画『ヴィクトリア女王 最期の秘密』  | 普通人の映画体験―虚心な出会い

普通人の映画体験―虚心な出会い

私という普通の生活人は、ある一本の映画 とたまたま巡り合い、一回性の出会いを生きる。暗がりの中、ひととき何事かをその一本の映画作品と共有する。何事かを胸の内に響かせ、ひとときを終えて、明るい街に出、現実の暮らしに帰っていく…。

2019年2月19日(火)ヒューマントラストシネマ有楽町(東京都千代田区有楽町2-7-1 有楽町イトシア・イトシアプラザ4F、アクセス:JR山手線・有楽町駅中央口から徒歩1分)で、12:10~ 鑑賞。

「ヴィクトリア女王 最期の秘密」

作品データ
原題 VICTORIA & ABDUL
製作年 2017年
製作国 イギリス/アメリカ
配給 ビターズ・エンド/パルコ
上映時間 112分


原作はインド・カルカッタ出身のジャーナリスト、シャラバニ・バス(Shrabani Basu)の著書『Victoria&Abdul:The True Story of the Queen‘s Closest Confidant』(2010年)。19世紀の英国を舞台に、ヴィクトリア女王(Victoria、1819~1901、在位:1837~1901)と英領インドの青年との出会いと交流を描いた伝記ドラマ。気難しい晩年のヴィクトリア女王が唯一心を開いたインド人青年アブドゥルとの身分や文化を超えた知られざる友情の物語を、それを問題視する周囲との軋轢とともに描き出す。女王を演じるのは、名優ジュディ・デンチ。ヴィクトリア役は『Queen Victoria 至上の恋』に続き、20年ぶり2度目。63年にわたり君臨した女王の威厳や繊細さを、魅力的に熱演する。アブドゥル役に抜擢されたのは、『きっと、うまくいく』で印象深い演技を見せたインドの若手実力派アリ・ファザル。メガホンを取ったのは、『クィーン』のスティーヴン・フリアーズ監督。デンチとは、『あなたを抱きしめる日まで』以来のタッグとなる。実際にイギリス南部・ワイト島にある女王お気に入りの王室離宮「オズボーン・ハウス」で映画として初めて撮影を敢行。加えて、史実をもとに細部まで吟味された華やかな衣装、数百人ものエキストラが登場する壮観の王宮儀式など、女王が生きた当時の生活が、息を呑むほどのスケールで映し出される。

ストーリー
1887年、インドが英領となって29年目。アグラに住む若者アブドゥル・カリム(アリ・ファザル)は、ヴィクトリア女王(ジュディ・デンチ)の即位50周年記念式典で記念金貨“モハール”を献上する役目に任命され、もう一人の献上役モハメド(アディール・アクタル)と共にイギリスへ渡る。18歳で即位してから長年女王の座に君臨してきたヴィクトリアは、最愛の夫と信頼の置ける従僕を亡くし、長年心を閉ざしてきた。細かく決められたスケジュールをこなし、思惑が飛び交う宮廷生活に心休まらない日々を送るなか、記念金貨を献上しに現われたアブドゥルの、王室のしきたりに臆することなく本音で語りかけてくる真っ直ぐな態度に心を奪われる。彼を気に入ったヴィクトリアは、祝典の期間中、彼を自らの従僕に起用する。彼女はインド女帝(在位:1877~1901)でもありながら現地に行ったことがないため、アブドゥルから言葉(ウルドゥー語)や文化(タージマハル、香辛料、マンゴー…)を教えてもらい、魅了されていく。次第に二人の間には身分も年齢も超えて強い友情が生まれるが、周囲はそんな“君主と従者”の関係に猛反対し、やがて英国王室を揺るがす大騒動~「インド人に王室を乗っとられた」と騒ぐバーティ王太子(エディ・イザード)やソールズベリー首相(マイケル・ガンボン)、そして王室職員たち~へと発展していく…。

▼予告編



Go Behind the Scenes