映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』 | 普通人の映画体験―虚心な出会い

普通人の映画体験―虚心な出会い

私という普通の生活人は、ある一本の映画 とたまたま巡り合い、一回性の出会いを生きる。暗がりの中、ひととき何事かをその一本の映画作品と共有する。何事かを胸の内に響かせ、ひとときを終えて、明るい街に出、現実の暮らしに帰っていく…。

2018年8月3日(金)新宿ピカデリー(東京都新宿区新宿3-15-15、JR新宿駅東口より徒歩5分)で、18:05~鑑賞。

「ミッションインポッシブル フォールアウト」

作品データ
原題 MISSION:IMPOSSIBLE-FALLOUT
(副題の「フォールアウト(fallout)」は、①「放射性降下物」、②「副産物」、③「予期せぬ影響・余波」などの意味を有する。)
製作年 2018年
製作国 アメリカ
配給 東和ピクチャーズ
上映時間 147分


スゴ腕エージェント、イーサン・ハントの活躍を描く、トム・クルーズ主演の大人気スパイ・アクションシリーズ(『ミッション:インポッシブル』シリーズ)の第6弾。何者かに盗まれたプルトニウムによる同時核爆発を未然に防ぐというミッションに、イーサンとIMF(Impossible Mission Force)のチームが挑む。シリーズを通してさまざまなスタントに挑んできたクルーズが、今作でも、ヘリコプターを自ら操縦してアクロバット飛行にも挑戦するなど、数々の危険なスタントをこなす。共演はヴィング・レイムス、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、アレック・ボールドウィンら続投組に加え、新たにCIAの敏腕エージェント役でヘンリー・カヴィル。前作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(本ブログ〈August 10, 2015〉)に引き続き、クリストファー・マッカリーが監督を務める。

ストーリー
プルトニウム核弾頭3基が何者かによって盗まれ、世界各地の3つの都市が標的となった。イーサン・ハント(トム・クルーズ)とIMFのチームは、“同時核爆発を未然に阻止せよ”とのミッションを命じられる。猶予は72時間。だが、手がかりは少なく、名前しか分からない正体不明の敵を追うミッションは、困難を極める。刻一刻とタイムリミットが迫る中、IMFの前に立ちはだかるCIAの敏腕エージェント、オーガスト・ウォーカー(ヘンリー・カヴィル)。イーサンはウォーカーとの対決を余儀なくされるとともに、予期せぬ余波(Fallout)を被(こうむ)り、絶体絶命の状況に置かれてしまう。不可能なミッションが一つではなく連鎖して、畳みかけるようにIMFに迫ってくる。果たして彼らは、この刻下の危機を乗り越え、核爆発を阻止することができるのか…?

▼予告編



▼特別映像(WHY DO THE STUNTS LOOK REAL?BECAUSE THEY ARE REAL) :



BEHIND THE SCENES Movie B-Roll & Bloopers :



私感
私はこれまでトム・クルーズ(Tom Cruise、1962~)の出演作を、ざっと数えて30作余り観た。
初めて出会った作品は、エリートパイロット養成学校を舞台にした傑作アクション映画で、クルーズの出世作となった『トップガン』(トニー・スコット監督、1986年)。
そして、今も消えがたく記憶に残る作品は、『ハスラー2』(1986年)→『レインマン』(1988年)→『7月4日に生まれて』(1989年)→『遥かなる大地へ』(1992年)→『ザ・エージェント』(1996年)→『マイノリティ・リポート』(2002年)→『ラストサムライ』(2003年)→『ワルキューレ』(2008年)→『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(2014年)…。

クルーズはハリウッドを代表するスター俳優である。『卒業白書』(1983年)で若くしてスター候補となり、わずか3年後の『トップガン』が世界規模でブレイクしたことでハリウッドスターとしての地位を手に入れる。それから約30年、彼はハリウッドの第一線を走り続けている。アクション大作からヒューマンドラマ、社会派作品から作家性の強いアート系作品と、出演作も幅広い。確かな演技力の持ち主だ。私は彼の出演作については、何のためらいもなく鑑賞の機会を持ち続けてきた。
ただし、私は決してクルーズの熱心なファンではない。手っ取り早く言って、彼は私の嫌いなタイプではないが、好きなタイプというわけでもない。私はその種の好悪の感情を超えた何か格別の関心を長い間、クルーズに抱きつづけてきた。

私の見るところ、トム・クルーズは向上心に富む役者である。特に注目されるのが『ミッション:インポッシブル』シリーズ[1996年公開の『ミッション:インポッシブル』(原題:Mission:Impossible、ブライアン・デ・パルマ監督)に始まる一連の映画作品シリーズ]以降、彼がアクションの限界に挑戦する姿勢が目立つことだ。
彼は原則としてスタントマンを使わず、自らスタントを行なうことに拘(こだわ)りを持っていることで知られる。そのため車やバイクの運転技術はセミプロ級の腕前に達している。彼はまさしく洗練されたアクション・スターとして、どんなに危険なアクションシーン(スタントシーン)にもチャレンジして自分の限界に挑み続けている。

『ミッション:インポッシブル』シリーズで毎回目を見張る、CGなしスタントマンなしすべて本物のクルーズによる命知らずのリアルアクション!
今作(6作目)はそんな超絶アクションが連続&連続で息つく間もなし!その危険度&スリルは、ケタ外れだ。
・屋上を伝いビル間を飛び越えて移動する全力疾走&跳躍シーン~クルーズは何と撮影中に右脚を骨折!~
・パリ‐凱旋門の放射状道路を逆走するバイク・チェイスシーン
・2000時間の飛行訓練を経たヘリコプター操縦シーン
・特殊なパラシュートを使う、成層圏寸前である高度7620mから時速320キロで落下するヘイロー(HALO)・ジャンプシーンほか、
合わせて100以上の超危険アクションが、これでもかとばかり見せつけられる。

今作はアドレナリン出っ放しの超絶スタントが満載!爽快感120%のこれぞトム・クルーズ映画なり!
しかし正直なところ、彼が生身を駆使して挑むアクションの数々は、正気の沙汰とは思えないレベルのチャレンジだ。トム・クルーズよ、あなたは一体、何処(いずこ)へ向かうのか!?

HALO Jump Stunt Behind The Scenes :
【High Altitude Low Opening(HALO〈ヘイロー〉)は、パラシュートによる潜入作戦に用いられるために開発された降下方法(「高高度降下低高度開傘〈こうこうどこうかていこうどかいさん〉」)】



ジャパンプレミア(日時:2018年7月18日、場所:東京ミッドタウン日比谷) :
(トム・クルーズ、ヘンリー・カヴィル、サイモン・ペッグ、クリストファー・マッカリー監督が出席)