映画『blank13』 | 普通人の映画体験―虚心な出会い

普通人の映画体験―虚心な出会い

私という普通の生活人は、ある一本の映画 とたまたま巡り合い、一回性の出会いを生きる。暗がりの中、ひととき何事かをその一本の映画作品と共有する。何事かを胸の内に響かせ、ひとときを終えて、明るい街に出、現実の暮らしに帰っていく…。

2018年6月12日(火)「ココロヲ・動かす・映画館○」(東京都武蔵野市吉祥寺本町1-8-15、JR吉祥寺駅北口徒歩約5分)で、20:40~鑑賞。

「blank13」

作品データ
製作年 2017年
製作国 日本
配給 クロックワークス
上映時間 70分


齊藤工の初長編監督作は、短編『バランサー』の脚本を担当した放送作家はしもとこうじの実体験を基にした家族ドラマ。自分たちを捨てて失踪した父親と13年ぶりに再会した家族が、その父の葬儀で初めて空白の日々を知っていくさまをコミカルなタッチを織り交ぜ描き出す。父親が失踪した主人公を高橋一生、主人公の彼女役を松岡茉優、失踪した父親役をリリー・フランキー、母親役を神野三鈴がそれぞれ演じ、斎藤も主人公の兄役で出演。

ストーリー
13年前に、突然蒸発した父・松田雅人(リリー・フランキー)の消息が判明した。「タバコを買ってくる」と言ったきり、家に帰って来なかった。ギャンブル好きで、多額の借金を踏み倒して去った父親だが、ガンを患っていて余命はわずか3か月だという。塗炭の苦しみを嘗(な)めた母・洋子(神野三鈴)と兄・ヨシユキ(斎藤工)は、「恨みしかない」と言い、父に会おうとしなかった。しかし、幼い頃にキャッチボールをしてくれた優しい父の記憶が忘れられないコウジ(高橋一生)は、病院を訪れ、再会を果たす。3か月後、家族との溝が埋まらないまま、父はこの世を去った。そして、迎えた葬儀当日。数少ない参列者が語る故人のエピソードの数々から、家族の誰一人として知らなかった父の真実が明らかになり、取り戻せないと思っていた13年間の空白が少しずつ埋まっていく…。

▼予告編



初日舞台挨拶(日時:2018年2月3日、会場:シネマート新宿) :