映画『オリエント急行殺人事件』 | 普通人の映画体験―虚心な出会い

普通人の映画体験―虚心な出会い

私という普通の生活人は、ある一本の映画 とたまたま巡り合い、一回性の出会いを生きる。暗がりの中、ひととき何事かをその一本の映画作品と共有する。何事かを胸の内に響かせ、ひとときを終えて、明るい街に出、現実の暮らしに帰っていく…。

2017年12月8日(金)新宿ピカデリー(東京都新宿区新宿3-15-15、JR新宿駅東口より徒歩5分)で、18:50~鑑賞



作品データ
原題 MURDER ON THE ORIENT EXPRESS
製作年 2017年
製作国 アメリカ
配給 20世紀フォックス映画
上映時間 114分


“ミステリーの女王”と呼ばれるアガサ・クリスティ(Agatha Christie)の名作小説をジョニー・デップ、ミシェル・ファイファー、ジュディ・デンチ、ペネロペ・クルス、ウィレム・デフォーをはじめとする一流キャストの豪華共演で映画化。トルコ発フランス行きの豪華寝台列車オリエント急行を舞台に、密室の車内で起きた殺人事件を巡って、容疑者である乗客全員にアリバイがあるという難事件に挑む名探偵エルキュール・ポアロの活躍を描く。シェイクスピアの戯曲から、『マイティ・ソー』などのSFまで幅広いジャンルを手がけるケネス・ブラナーが監督を務め、ポアロ役にも挑戦する。脚本を手がけたのは、マイケル・グリーン。2017年には、ジェームズ・マンゴールドの『LOGAN/ローガン』、リドリー・スコットの『エイリアン:コヴェナント』、ドゥニ・ヴィルヌーヴの『ブレードランナー 2049』、そして本作とグリーンの脚本映画が立て続けに4本公開される。

ストーリー
エルサレムで教会の遺物が盗まれ、鮮やかな推理で犯人を突き止めた、名探偵のエルキュール・ポアロ(ケネス・ブラナー)。イスタンブールで休暇をとろうとした彼だが、イギリスでの事件の解決を依頼されて急遽、オリエント急行に乗車する。

※オリエント急行(Orient Express、初期には Express d'Orient)の起源は、国際寝台車会社(Compagnie internationale des wagons-lits、日本での通称「ワゴン・リ」社)により1883年に運行がはじめられたパリ ‐ コンスタンティノープル(イスタンブール)間の列車(当時は一部船舶連絡)である。その後、西ヨーロッパとバルカン半島を結ぶ国際寝台車会社の列車群が「オリエント急行」を名乗るようになった。西ヨーロッパ側の起点はパリのほかフランスのカレーやベルギーのオーステンデなどがあり、バルカン半島側の終点はイスタンブールのほかギリシャのアテネやルーマニアのコンスタンツァ、ブカレストなどがあった。第二次世界大戦前までは上流階級や外交官、富裕層の乗り物だったが、戦後は観光列車として一般化した。

出発したオリエント急行でくつろぐポアロに話しかけてきたのは、アメリカ人富豪のラチェット(ジョニー・デップ)だ。脅迫を受けているという彼は、ポアロに身辺の警護を頼む。しかし、ポアロはラチェットの要請をあっさりと断るのだった。
深夜、オリエント急行は雪崩のために脱線事故を起こし、山腹の高架橋で立ち往生してしまう。そして、その車内では殺人事件が起こっていた。ラチェットが12か所も刺され、死体で発見されたのだ。乗り合わせていた医師のアーバスノット(レスリー・オドム・Jr)は、死亡時刻を深夜の0時から2時の間だと断定する。
鉄道会社のブーク(トム・ベイトマン)から捜査を依頼されたポアロは、列車は雪に閉ざされており、犯人は乗客の中にいると確信、一人ひとりへの聞き込みを開始する。ラチェットの隣室のハバード夫人(ミシェル・ファイファー)が「自分の部屋に男が忍び込んだ」と訴えるなど、乗客たちの証言によって、さまざまな事実が明らかになってきた。しかし、乗客全員にアリバイがあり、ポアロの腕をもってしても犯人像は浮上しない。
ラチェットの部屋で発見された手紙の燃え滓(かす)から明らかになったのは、彼がかつて“デイジー・アームストロング誘拐事件”に関わっていた事実だった。少女を誘拐し、殺害したラチェットが、復讐のために殺されたのか?殺害犯は乗客の中にいるのか、それとも…?

「デイジー・アームストロング誘拐事件」とは、5年前にアメリカで起きた出来事で、富豪アームストロング家の一人娘である3歳のデイジーが誘拐され、後に殺害されたという残忍な事件。検察はアームストロング家でメイドをしていたスザンヌを容疑者として捜査を進めていた。スザンヌは無実であったが検察の執拗な追及により自殺してしまう。デイジーの母親ソニアは、当時妊娠中で、事件のショックから早産のため母子ともに死亡。そして、デイジーの父親、ソニアの夫アームストロング大佐もその後に拳銃自殺してしまうという、悲惨な結末を迎えた。この事件の真犯人の名は、「カセッティ」。彼はその後、名前を変え「ラチェット」と名乗る―。ちなみに、デイジー・アームストロング事件は、1932年にアメリカを騒がせた“リンドバーグ愛児誘拐事件”~1927年に初の大西洋単独無着陸飛行に成功したことで有名な飛行士チャールズ・リンドバーグ(Charles Lindbergh、1902~74)の長男ジュニア(1歳8か月)が、1932年3月1日にニュージャージー州ホープウェルの自宅から誘拐され、10週間に及ぶ探索と誘拐犯人との身代金交渉の後に、5月12日に邸宅付近で遺体として発見された~をモデルにしているとされる。

【事件の捜査は暗礁に乗り上げたかと思われたが、ポアロは天性の直観と丹念な推理で事件の真相を紡ぎ出していく。だが、衝撃の真相を前にしてポアロは懊悩する。真実を優先すべきなのか、それとも、正義を優先すべきなのか、と。やがて、彼は世の中には白でも黒でもないグレーゾーンがあることを認めるというエモーショナルな決断を下すことになる。】

▼予告編



Behind the Scenes ― Movie B-Roll & Bloopers :



ジョニー・デップ(Johnny Depp、1963~、ラチェット役)のインタビュー :