作品データ :
原題 五個小孩的校長
英題 LITTLE BIG MASTER
製作年 2015年
製作国 香港 中国
配給 武蔵野エンタテインメント
上映時間 112分

感動の実話を映画化し、香港で大ヒットした人間ドラマ。閉園の危機に陥った幼稚園を救うため、自ら園長を買って出た一人の女性と、残された5人の園児たちとの「奇跡」~強い愛と熱い想い!~の物語を情感豊かに綴る。主演は香港ポップスの大スターで女優としても大人気のミリアム・ヨン[Miriam Yeung、中国名:楊千嬅(杨千嬅)、1974~]、共演に『レクイエム 最後の銃弾』のルイス・クー。監督・脚本は、『6AM』のエイドリアン・クワン。
本作は新宿で映画館「新宿武蔵野館」「シネマカリテ」などを経営する武蔵野興業(株)(東証2部上場)の配給部門「武蔵野エンタテイメント(株)」の初の買い付け作品で、本年11月5日にリニューアル・オープンした新宿武蔵野館のオープニング・ロードショー作品。
ストーリー :
都会の有名幼稚園の園長ルイ・ウェホン(ミリアム・ヨン)は、エリート教育に疲れて退職することに。一方、博物館の展示デザイナーの夫ドン(ルイス・クー)も、博物館がリアルな模型よりバーチャルを重要視することに失望していた。結婚10周年を迎えたある夜、ルイが退職の決心を夫に伝えると、ドンは自分の仕事の契約が切れる半年後に2人で世界一周の旅に出ようと提案した。仕事を辞めたルイはテレビのニュースで、園児も資金も足りず、園長や教員が辞職したユンティエン(元田)幼稚園のことを知る。代理教員1名と経済的理由で転園できない園児5名が残され、月給4500香港ドルで園長兼教員を募集しているという。園を訪ねたルイが少女たちの笑顔を見たとき、彼女の心は決まる。ドンは2人の夢である世界旅行や腫瘍の手術をしたばかりのルイの体調を気遣う。ルイは子供たちが転園するまでの4ヵ月だけとドンを説得する。園長となったルイは、資金不足のため、5人いる園児のうち1人が今年で卒園した後、新学期に園児を5名確保できなければ閉園が決定していることを知る。
転園先を必ず見つけるか、新しい園児を獲得するか。さもなければ少女たちの行き場がなくなってしまう。
ルイは転園先を探しながら、5人の園児の家族たちと知り合い、彼らからの信頼を得ていく。しかし、転園先は見つからず、ルイは園児募集の一般開放日を企画する。そのための援助金を得ようと、昔の知り合いで今や教育界の風雲児としてマスコミにもてはやされるチン・ボウイ(サミー・リョン)に相談するが、彼の興味はルイを自分たちの広告塔にすることだった。誰の援助も受けられないと、ルイは必死で働き続ける。ドンは彼女が4ヵ月で辞める約束を破ろうとしていることや健康も顧みず命がけで働いていることに気づき、辞職を迫る。そんなとき、ドンが作っていた博物館のギロチン模型が倒壊する。幸いにして大事に至らず、展覧会のオープニングには間に合いそうだ。幼稚園の一般開放日も近づき、園児もその家族も一生懸命だった。果たしてルイは幼稚園を救えるのか? そしてルイとドンの夢は叶うのか?
★ 5人の園児とルイ先生:

左からフー・シュンイン(カカ役)、ホ・ユエンイン(シュシェ役)、ミリアム・ヨン(ルイ先生役)、ケイラ・ワン(チュチュ役)、カン・ナヤブ(ジェニー・ファティマ役)、ザハ・ファティマ(キティ・ファティマ役)。
ルイ先生は園児たち5人の家庭を訪問する。どこも裕福ではない。それぞれに家庭の事情がある。・カカは年長さん。今年、卒園しなくてはいけない。お父さん(フィリップ・キョン)は仕事で怪我して義足になった。今は仕事もなくてお母さん(レイン・ラウ)とすぐ喧嘩。カカが幼稚園に行ったら、いない間に2人が大喧嘩して、いなくなっちゃうかもしれない。カカはそれが心配で、幼稚園に行きたがらない。
・シュシェはお父さん(リチャード・ン)のクズ鉄売りを手伝っている。お父さんの体の具合が悪いからだ。お母さんと弟は、遠くで暮らしていて戻って来ない。シュシェは空き缶のサンダルをはいて背を高くして台所に立ち、お父さんにお料理も作ってあげる。
・チュチュは雷の鳴った日に、両親を交通事故で失う。以来、「雷おばけが人間を食べるのが悲しい」と言う。お母さんのいとこのハンおばさん(アンナ・ン)と暮らしている。
・キティとジェニーのファティマ姉妹は、パキスタン系の香港市民。お父さん(ディロン・ハルジ・シン)もお母さん(アスナニ・メナ)も食堂で働いていて、2人ももやしを洗ったりの手伝いをする。
ルイ先生は園で子どもと接するだけではなく、その家族・家庭のことも気にかける。そして、何か問題があるならば、力を尽くして自分に出来ることを探す。
彼女は子ども→家族の気持ちを理解し、いつしか家族たちの信頼も得ていく。そして、この優れた“教育者”によって、子どもたち→親たちが成長していく―。
▼予告編
▼ Trailer (English subtitles)
■ cf. “夢が世界を変える 映画「小さな園の大きな奇跡」 エイドリアン・クワン監督”(東京新聞2016年11月3日付朝刊[放送芸能])
《昨年の香港映画で興行収入1位となった「小さな園(その)の大きな奇跡」が5日に公開される。香港映画お得意の派手なアクションや銃撃戦はないものの、閉園危機にある幼稚園の子どもたちのために奮闘する女性の実話を基にした“泣ける映画”だ。メガホンを取ったのは、香港の新鋭エイドリアン・クワン監督(49)。ニュースで園と女性のことを知り、どうしても自ら映画にしたかったという監督に聞いた。 (深井道雄)
資金難で閉園の危機にあった元岡(ユンコン)幼稚園のニュースを、監督が知ったのは二〇〇九年春。日本同様、出生率が下がり続けている香港では、都会の名門幼稚園に入園希望が集中し、地方では幼稚園の廃園が相次いでいたという。
クワン監督は、家庭の事情で転園できない五人の園児のために、破格の安い給料で園長を引き受けた女性のことを知り、興味を持った。しかも女性は都会の有名幼稚園の元園長。「なぜ、そんなに大変なことができるんだろうと、ずっと感心していた。でも、どこか理解できない感じがしていた」と振り返る。
一三年七月、監督は映画会社の友人に誘われ、元岡幼稚園にルイ・ライホン園長を訪ねた。「園の再生のため、ルイ園長がしてきたことを聞いて、とても感動した。自分を犠牲にしてもやり遂げるという園長の情熱が強く伝わってきて、ぜひ映画にと思うようになった」とクワン監督は明かす。そのころ、映画製作の一方で貧困家庭や障害者を支援するチャリティー活動を続け、貧困層の生活を間近で見てきたことも、監督の理解を助けたという。
監督の思いは周囲の映画関係者を動かし、香港を代表するトップシンガーのミリアム・ヨンや、香港で最も売れているアクション俳優ルイス・クーが出演を快諾。四百人の中からオーディションで選ばれた五人の子役のあどけない表情や自然な演技も観客をスクリーンに引きつける。
映画のヒットで、香港では設備の整った高級幼稚園より、職員の熱意や子どもを愛する気持ちが大切と気づいた人も多いという。ルイ園長は今も元岡幼稚園で働き、園児数は約七十人に増え、数十人が入園の空きを待っているという。クワン監督は言う。「夢を持ちましょう。その夢を通して世界は変わると思うのです」
<あらすじ>都会の有名幼稚園の園長だったルイ(ヨン)はエリート教育に疲れ果て、退職する。夫のドン(クー)と世界旅行を計画していたある日、地方の幼稚園が資金難のため代理教員1人を残し、職員全員が辞職し、園長を募集していることをテレビニュースで知る。月給は4500香港ドル(約6万円)。普通の幼稚園の6分の1から8分の1の安さで、しかも園長といえ、清掃や雑用も1人でやらなければならない重労働だ。家庭の事情で5人の園児が転園できずにいたが、園長が決まらなければ閉園になるという。》
▼ cf. 香港きっての人気歌手ミリアム・ヨンの楽曲≪小城大事≫(MV) :
▼ cf. ミリアム・ヨン≪Ready or Not≫(MV) :
▼ cf. ミリアム・ヨン≪Ready or Not≫→≪小城大事≫ [浙江衛視(=中国浙江放送グループ衛星チャンネル)2015跨年晩会(年越しコンサート、2014年12月31日)] :