2015年10月9日(金)新宿ピカデリー(東京都新宿区新宿3-15-15、JR新宿駅東口より徒歩5分)で、19:10~鑑賞。
作品データ :
原題 FATHERS&DAUGHTERS
製作年 2015年
製作国 アメリカ イタリア
配給 ギャガ(GAGA)
上映時間 116分
父と息子の絆を描いた『幸せのちから』で、世界中を涙で包んだガブリエレ・ムッチーノ監督。最新作ではニューヨークを舞台に、今は亡き父親の愛を知り、人を愛する事ができなかったトラウマを克服していく少女の成長物語を通して、父と娘のかけがえのない絆を描き上げる。
娘のケイティには、『レ・ミゼラブル』のアマンダ・セイフライド。小説家の父のジェイクには、『グラディエーター』でアカデミー賞主演男優賞を受賞した名優ラッセル・クロウ。子ども時代のケイティに扮するカイリー・ロジャーズの健気で可憐な姿からも目が離せない。
カーペンターズの名曲「Close to You」に乗せて描かれる、あまりに優しい父娘の愛に泣く、この秋一番の感動作が誕生した。
ストーリー :
1989年、ニューヨーク。小説家のジェイク・デイヴィス(ラッセル・クロウ)は、妻と7歳の一人娘ケイティ(カイリー・ロジャーズ)との3人で、幸せな毎日を送っていた。しかし、ジェイクが起こした交通事故で妻が死亡。ジェイクも長期入院することになり、ケイティは妻の姉のエリザベス(ダイアン・クルーガー)に預けられる。
7カ月後、退院したジェイクは真っ先に娘の元へと駆けつける。「もう離れない?」と不安げに聞くケイティに、これからは「ずっと一緒だ」と答えるジェイク。しかし、事故の後遺症の発作を隠しつつ仕上げた新作小説は、評論家から酷評されてしまう。そして追い打ちをかけるかのように、エリザベスと夫ウイリアム(ブルース・グリーンウッド)が、ケイティの養育権を巡る訴訟を起こす。必死で娘との生活を守ろうとするジェイクだが、病状も生活も苦しくなっていくばかり。ギリギリまで追い詰められていく中、彼は新しい小説の執筆を始める。それは彼と娘のケイティについての物語だった。
…25年後、大学院で心理学を学ぶケイティ(アマンダ・セイフライド)は、過去のトラウマから人を愛することができなくなっていた。自暴自棄な日々を過ごし、人と深い関係を築くことを避けてきた彼女は、ある日、父の小説の大ファンだという青年キャメロン(アーロン・ポール)と出会い、恋に落ちる。ケイティは過去と向き合い、新しい人生に踏み出そうとするが…。
次第に明かされていくあまりに純粋な父と娘の愛の物語。そしてケイティに遺された、父の最後の小説とは―。
♦Production Note(GAGA):
・新たなシンデレラ・ガール!天使な子役カイリ―ちゃん
幼少期のケイティを演じる子役を探すため、アメリカ全土とカナダにわたる大規模なオーディションが実施された。500人程の少女の中から選ばれたのが、カイリー・ロジャーズだ。プロデューサーのクレイグ・J・フローレスは振り返る。
「カイリーの何に驚いたかというと、彼女は“泣いて”っていうと、その瞬間にすぐ涙をこぼすんだよ!少し時間が経ってから泣ける子はいるけれど、彼女はすごい。あとカイリーには純真さがあって、彼女の演技はとても自然で正直。他の候補者の中には、既にディズニーチャンネルなどで活躍している有名な子役もいたけれど、経験豊富な子役は、悲しいかなあまりにも大人びてしまっていて演技が自然じゃなくなってしまう。カイリーは本当に自然な演技で子どもらしさがあった。それを見て、全員一致で彼女に決めたんだ。彼女は圧倒的なシンデレラ・ガールだね」
カイリー・ロジャーズは撮影当時を思い出しながら語る。
「そんなに役作りのための準備はしませんでした。ただ、ケイティだったらどう感じるかなということを、一生懸命演じただけ。撮影現場に、“ケイティ”として行くようにしていました。
ラッセル・クロウとの共演はとても印象に残っていて、彼は本当のパパみたいだった。 一緒にアドリブで演技をするのがとても楽しくて、撮影が終わるといつも一緒に話したり本を読んだりしていたわ。撮影していて一番好きだったシーンは、彼と一緒に“CLOSE TO YOU”を歌うシーン!!!
私が彼からもらったアドバイスは、眠っているシーンの撮影の時にはゆっくり呼吸をすると良いっていうこと。あとアドリブでの演技の仕方も教えてくれた。でも教えてもらった中で一番印象に残っているのは、常に思いやりをもって優しい人間でいることが大切なんだっていうこと。常に、みんなに優しくすること。それが人生で一番大切なことだって教えてくれたの💗」
ラッセルは言う。「カイリー・ロジャーズは本当に可愛らしい子だ。可愛くて、頭が良くて、今この瞬間のシーンに僕と一緒にいてくれる。集中力があって、僕が何を投げかけても、状況を読んでその瞬間を維持できるんだよ」
・CLOSE TO YOU について
父娘が共に歌うシーンが印象的な“CLOSE TO YOU”。もともと脚本では“ザ・ローリング・ストーンズ”の曲という設定になっていたが、撮影が始まってからラッセル・クロウがこの曲を提案したという。この曲が決まるまでのプロセスを、プロデューサーのクレイグはこう語っている。
「歌詞が素晴らしく、シーンや作品のメッセージとマッチしているのが決め手だった。ただ“CLOSE TO YOU”のカーペンターズのオリジナルソングはライセンスされていなくてね。だから僕らは、作曲家であるバート・バカラックと連絡を取ったりしながら、誰に歌ってもらおうかとずっと考えていた。そんなことと並行して、僕らはエンドロールに流す曲についても同時に考えていたんだ。マイケル・ボルトンに曲を提供してもらえたら最高だと思って、彼を試写会に招待した。
上映が終わると、試写室からマイケルが大泣きをしながら出てきて、僕に言ったんだよ。
“一つだけ君に文句がある。なんで試写室にティッシュがないんだ”って。とにかくこの映画がとても気に入ったから、無償でオリジナルソングを書くって言ってくれた!本当にうれしかったよ。そんな時“CLOSE TO YOU”のカーペンターズ版の権利が取れないことが判明したので、そのことをマイケルに伝えたら、彼の方から“僕が歌う”と言ってくれたんだ!彼自身、3人の娘がいて、1年間の3/4はツアーで子どもたちと離れているからか、すごくジェイクの気持ちに共感できたらしい。こうやって、最終的にマイケルがエンドロールの曲も、“CLOSE TO YOU”も歌ってくれることになったのさ!」
▼予告編