日本に住んでいると、何となく仏教の教えを耳にすることがあります。煩悩も、どこかで聞いたことありますよね?
「欲におぼれるな」「慈悲の心で」などという教えも、何となく聞いたことがあります。
営業である私は、「そんなん緩さで、営業してられるか!」と、ビジネスマンは仏教の教えとは無縁だと思っていました。
ですが、今はビジネスマンこそ仏教を覚えた方がよいと思うようになりました。
仏教を覚えると、成果が上がったり昇進もしやすくなると思います。
スティーブ・ジョブスやGoogole などがマインドフルネス(禅)を取り入れたのも納得です。
ビジネスの現場は、煩悩を刺激するものであふれています。
貪欲を刺激するもの
- 成績・昇進・賞・報奨金
- 上司や客に気に入られること
- 部下や関係者から慕われること
妄想を刺激するもの
- 営業戦術・戦略を立案すること
- 「それで大丈夫なのか?」とリスクを考えること
怒りを刺激するもの
- クレーマーの存在
- 自分の利益だけを目指す人
などなど。
しかもこれをさまざまな競争であおられます
競争
- 社内での昇進競争
- 客先での提案コンペ
これらの仕組みに生真面目に向き合って、のめり込めばのめり込むほど、心が苦しくなって鬱になったり、頭の中が妄想だらけになってパフォーマンスが落ちていきます。
煩悩がすべて悪いというわけではありません。
欲がなければ、意欲もでません。
先を読まなければ、成果につながる仕事はできません。
時には部下を叱る必要があるかもしれません。
煩悩が不適切に働くことが良くないのです。
- 事務処理をするときに、提案の内容が気になって集中できない
- ある提案書を書くときに、別の提案書が気になる
- 評価が気になり、プレゼンで緊張する
- 休みの日も仕事が気になる
- 怒りっぽくなっている
- 言い争いになり、話がまとまらない
- 集中できずに、つまらないミスを犯す
これらの背景には煩悩が関係しています。
煩悩に関する知識や処理の方法を学ぶと、これらの症状が改善していきます。
営業の仕事をしていると怖さ不安が出てくることが、時々あります。
- 新規顧客開拓で最初に電話をするとき
- プレゼンをするとき
- 役員などの前で説明する時
- 資料を作っている時に、妥当かどうかが不安になる
いずれも、承認欲求が関係しています。承認欲求は、私たちが頻繁に影響を受けている貪欲(煩悩のひとつ)です。
こういう怖さを、「負けるもんか!」と意欲で克服しようとすることも多いとお思いますが、それは間違っています。
瞬間的には意欲が湧いたように感じますが、自分で自分に怒りをぶつけることで高揚しているだけで、意欲とは別物です。
貪欲が大きくなり、不安や挫折感が大きくなっていきます。
つまり、煩悩が膨らむわけです。
まずは、怖さや不安を生んでいる煩悩を除くほうが上手くいきます。
ビジネスの場面では、結果を残し、評価を得たり、適切な戦略や計画を立てる必要があります。
ですが、それよりも先に心がけるべき大切なことがあります。
- 目の前のやるべきことに集中して着実に処理する
- 関係者と無駄な言い争いを避ける
これらをやり続けることが、多くの人から評価を得て、結果を残しやすくなります。
これらを実現するために、仏教が教える心の使い方はとても効果があるのです。
仕事で成功するために意欲は必要ですが、パッション(情熱、激情)は要りません。
情熱で欲求・欲望を燃やすよりも、自分の目標・目的に向かっている行動に集中して意識を向け続ける意欲と、オフの時に仕事での煩悩をすっぱり忘れて、休めることが大切なのです。
恵まれないことや、できないこと、失敗したことに、意識を向けずに未来の目的に向かって、ひたむきに取り組む感じですね。
仏教でいう「正しい努力」を続けろということです。