対策を練るためには、問題をよく理解する必要がります。
苦しみや不幸を考えるとき、関係してくる現実を仏教はどのようにとらえているのでしょう?
仏教初心者の私には以下がポイントになるように思います。
- 諸行無常
世の中には状態が一定のものはない - 色即是空
現実と思っているものは、想像と同じだ
どちらも、現実も含めて「確かなものは無い」と言っているように思えます。
「世の中には一定のものはない」という意味です。
そして、「勝手に変わっていく」というニュアンスが含まれています。
例えば、
- 形あるものは壊れる
- 今繁栄している人も、いつか滅びるかもしれない
- 今正しいものも、時間や環境がかわれば、正しいかわからない。
- 今通用した方法が、この先は通用しないかもしれない
これは、心も同じです。
- 今好きな人も、嫌いになるかもしれない
- 今の幸せは、いつかは無くなるかもしれない
- 今苦しいのは、いつか無くなるかもしれない
これらの世界のとらえ方は、以下のような考え方につながっていきます。
- 今、目の前の現実に集中しよう("いまここ"ですね)
- 自分のやれることに専念しよう
- 幸せを外の何かに求めずに、自分の心の中に求めよう(変わっていくものに委ねたら、身が持ちません)
仏教のこの辺の考え方が、私には「結局、自分一人で生きていくしかない」と突き放されたようにも、「幸せは自分で作れる」と励まされているようにも感じます。
般若心経はご存じですね?
日本の多くの宗派で使われているのは、三蔵法師が漢訳したもので、仏教の世界観や幸せに生きるポイントが書かれています。
死者を成仏させる呪文が書かれているわけではありません。
このお経に「色不異空、空不異色、色即是空、空即是色」という一説があります。262文字しかないお経で、16文字も使って同じようなことを書いていることから、とても重要なんだろうと思えてきます。
空の概念はとても難しくて正確には理解していませんが、ざっくり以下の理解で良いと思います。
- 色:認識している現実の世界
- 空:空想、概念、イメージ
つまり、「現実だと思っていることは空想だ」と言っているのです。
よく言われていますね?
- 人は現実を見たいように見ている
- 人は、自分のフィルターをかけて、世界をみている
などとよく似た概念ですが、もっと積極的に「同じだ!」と言っているのです。
般若心経では、この後「不生不滅(生まれも死もない)、不垢不浄(汚いもきれいもない)・・・」と続いていきます。
この辺のくだりは、以下の考え方に繋がっていると思います。
- 想像と変わらないから、現実にいちいち反応するな
- 現実と思っているものも、ただの思い込みだから、わかったようなつもりになって判断するな
少し話題になった、羽田空港の以下の案内をご存じですか?
これは、だまし絵です。
でも、人は「こんなところに看板おいたら邪魔だろ!こんなところに穴が空いてたら危ないだろ」と、頭の中で再構成した現実(色)に即座に心が反応します。
知らないとすこしビックリしますね?
でも、絵と知っていれば、その反応が弱まります。
この絵は、その反応によって、迷う人が減ったと良い結果につながっていますが、同じ仕組みで私たちは間違ったとらえ方に反応して問題を作ったりしています。
草薙 龍瞬さんの本では、反応を減らす方法の一つに、「三毒に気付いたら名前を付ける」というのがありますが、これは「妄想を妄想だと理解できれば反応が弱まる」ということで、「だまし絵をだまし絵と知ってれば反応しない」というのに、よく似ているように思います。

