充実感や幸福感を感じている時の脳の状態の「接近システム」。
瞑想の練習をつむと、この状態になりやすいのだそうです。
「マインドフルネスの態度と心構え」を読むと、なるほど「接近システム」の時の態度との共通点がたくさんあります。
マインドフルネスは、スティーブ・ジョブスが実践していたことや、Google やFacebok などが社として取り組んでいることで、最近話題になることが多くなりました。
ポケモンGoを作っているNIANTICの社長も瞑想を取り入れているそうです。
彼らのマインドフルネスの導入目的として、以下のようなものがあげられています。
- ストレスの軽減
- 頭が明晰になりクリエイティブになる
- 仕事の効率があがる
- モチベーションが上がる
マインドフルネスは、1980年前後にメディカルセンターの研究者だったカバッドジンという人が、患者の心の負担を軽減するために、まとめたのが最初です。
もともと、彼は仏教やヨガに関心があり、自らも実践してその効果を知っていて、それらの教えを患者が学びやすいように、整理をしたのがマインドフルネスです。
もともと、欧米でも仏教的な教えは文化人などで取り入れている人もいたようですが、カバッドジンが整理してくれたおかげで普及します。
特にクリエティブナ仕事をしている人が取り入れました。
その後、ブッダの教えであるマインドフルネスがなぜ効果があるのか、脳科学的な研究や行動分析学(行動療法の原理)的な研究がされています。
マインドフルネスというのは、ものごとの受け取り方や、取り組むときの心の態度を教えるものです。
その心の態度をマインドフルと言います。
そのマインドフルを習得するためのトレーニングの方法がいくつか紹介されていて、瞑想もその一つです。
お寺での修行として、
- 食事の時は、話をせず食事に集中する
- 掃除のときは、掃除に没頭する
などを聞いたことがあるでしょうか?
これも、マインドフルな食事、マインドフルな行動を身に着けるためのトレーニングだと思います。
お坊さんというのは、回避システムの状態になって苦しむ人を救うために、接近システムの状態になりやすい生き方のトレーニングを受けて、それを指導したり影響を与える人たちなのかもしれません。
以下の本に掲載されている「マインドフルな態度と心構え」を、箇条書きの形に変えて転載します。
マインドフルネス瞑想をするときの、心構えにもなります。
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評価しない
- 「今経験していることを」を「今経験していること」としてありのままに経験する
- うまくいっているかどうか評価しない
- 一瞬一瞬に注意を向ける
力まない
- マインドフルネスの実践では目標をあげない
- ただ、実践するのみ
とらわれない
- 結果を期待したり執着したりしない
- ものごとを起こるがままにする
- とらわれず、ただ受け流す
受け入れる
- 一瞬一瞬、自分に起きていることをあるがままに認めて、受け入れる
忍耐する
- マインドフルネスの実践は、あわててできない
- 成果が出るのには時間がかかる
信頼する
- 経験していることを信頼できるようになる
- 実際に起きていることとともにいられるようになる
心を開く
- ものごとを初めてみるかのように新鮮な目で見る
好奇心をもつ
- 好奇心と観察と探求心をもって、物事を発見するようになる
- 一瞬一瞬は新しいので、何か発見できるものがある
手放す
- 思考・感覚・感情・衝動は、生まれては消える現象
- これらの現象にしがみつかない
反応しない
- 条件づけられた癖やパターンに操られたまま「反応」しない
- 意識的に明晰に「対応」する
優しさ
- マインドフルネスは穏やかで優しいもの
- 受け身的・消極的・奔放・あまえとは違うもの
- 寛大・思いやり・オープンな優しさ
慈しみ
- マインドフルネスの実践で、友情・慈悲・愛情が広がっていく