針 | ここは

ここは

あたりまえだったこと達が
あたりまえではなくなった時

ライターで炙った針が
赤く色づく


2週間前にかぶれた
右手の甲


第一指と二指を繋ぐ
柔らかい皮膚だけが
未だ熱を持っている


ペンを握るたびに
皮膚が破れ飛び火し

強烈な痒みと共に
新たな水膨れを創り出す



弱肉強食の世界で
己を守り

種を絶やさぬよう
受け継がれる
毒の棘



小さな水膨れが
密集している柔らかい皮膚に


その命を断ち切るように
炙った針先を刺していく


プチッとした感触と共に
溢れ出る透明の液体


ティッシュで圧迫し
更に押し出し
エタノールを垂らす


感覚を失った皮膚は
赤くただれた



翌朝起きてみると
赤みは引き
半分が姿を消し


もう半分はもがきながら
一夜で息を吹き返していた




私はまた
針を火で炙り始める